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19話:幼馴染みと約束
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魔王がいると噂されている北の大地まであと少し…
俺達の旅は終盤に差し掛かっていた。
これまでの旅でテオは次々と魔獣を倒し勇者としての力を発揮している。テオの力で旅はとてもスムーズに進んでいる。
ベヌエット様は治癒魔法だけでなく神聖魔法も使えるようになり瘴気の濃い大地の浄化もしてくれている。
ガルパス様はずっと俺達の旅の道標の役割を果たしてくれている。状態異常の魔法に特化しているガルパス様がいるおかげで魔獣達との戦闘では常に優位な形で進められている。
アレンさんは剣士ながら後方支援の魔法を得意としておりサポーターとしても有能で前衛から後衛までこなしている。
そして俺はというと…
皆の戦いの邪魔にならないように安全な場所に身を潜めるスキルが高くなった。もちろん隠れる時はベヌエット様も一緒だ。
勇者の加護で守られた俺の近く以上に安全な場所はないからな!
決して足手まといなんかじゃない…と思いたい。
それに俺の本当の戦いの場は魔獣達との戦闘ではなく…
勇者になった幼馴染みの相手だ。
今日もまた俺は男としての最後の尊厳を守るべく戦っている。
「だーかーらー…挿れるのは絶対嫌だって言ってるだろ!」
迫りくるテオを足蹴りして睨みつける。
テオが俺の尻を開拓しだしてから数日が経つ。
俺の我慢の甲斐もあって俺の尻はテオの指を3本飲み込めるくらいにまで広がった…
そうなるとテオは最後の一線を超えようとしてくるわけで…
「そんなぁ…もう3本入るんだよ?シモンもお尻だけでイケるようになったし大丈夫!絶対絶対気持ちいいから!」
「気持ちいいとかそういう問題じゃない!お前最近は勇者の力も暴走してないし挿れる必要ないだろ!」
「そーだけど…そーだけどぉ…」
勇者が男に挿れられないからって不貞腐れた顔をしてこっちを見るな!
テオはいじけた顔をしながら俺の胸元に頭をグリグリと擦り付けてくる。
「…快楽の部分だけでも精神共有強くしたらシモン挿れたくなるかなぁ…」
俺の胸元でポツリと呟く言葉に恐怖を感じる…
はっきり言って俺はまだ男に挿れられる覚悟なんてない。というかこんな事は基本愛し合う者同士がやる事で…俺達はそんな関係じゃないし…
そんな事を思いながら頭をフル回転させこの状況から抜け出す理由を考える…
「魔王を倒してからだ…」
「え?」
「俺に挿れるのは魔王を倒してからだ!じゃないとテオを嫌いになるからな!」
我ながらいい理由を思い付いたと喜んでいた時だった。
『嫌い』とテオに言った瞬間に俺の心に悲しみの気持ちがブワッと一気に広がりドン底に落ちた気分になる。
…え?何これ?
テオを見ると明らかに落ち込んだ顔をして目には涙を溜め下を向いていた。
俺の右手にある番の紋は光っておりテオと精神共有している状態だった。今までテオとはこんな悲しい気持ちを共有した事などなかった…
「お、おいテオ…」
声をかけるがテオは無言のまま返事もしない。
そんなテオを見ていると虐められて隅で泣いていた小さな頃のテオの姿を思い出した。
「あぁぁーーもうっ!嫌いにならないから顔あげろ!」
「…ほんとに?シモン僕の事嫌いにならない?」
「嫌いになんてならないから。それに…ちょっと言いすぎた…ゴメン。でもヤルのは魔王倒してからだからな!」
俺の嫌いにならないという言葉を聞きテオの悲しみが消えたのか俺の心に渦巻いていた悲しみもパァっと消える。
「うん…。シモン好き…好き…大好き…僕絶対に魔王殺してくるから」
涙目だった表情は笑顔に変わりテオは俺をギュッと抱きしめてくる。
笑顔で魔王殺すと言うテオの表情が恐ろしく、こいつを本気で怒らせたら…と考えると少し背筋が冷えた。
そしてその後はテオの発情が止まらずいつものように俺はアンアンと喘がされるのであった。
俺達の旅は終盤に差し掛かっていた。
これまでの旅でテオは次々と魔獣を倒し勇者としての力を発揮している。テオの力で旅はとてもスムーズに進んでいる。
ベヌエット様は治癒魔法だけでなく神聖魔法も使えるようになり瘴気の濃い大地の浄化もしてくれている。
ガルパス様はずっと俺達の旅の道標の役割を果たしてくれている。状態異常の魔法に特化しているガルパス様がいるおかげで魔獣達との戦闘では常に優位な形で進められている。
アレンさんは剣士ながら後方支援の魔法を得意としておりサポーターとしても有能で前衛から後衛までこなしている。
そして俺はというと…
皆の戦いの邪魔にならないように安全な場所に身を潜めるスキルが高くなった。もちろん隠れる時はベヌエット様も一緒だ。
勇者の加護で守られた俺の近く以上に安全な場所はないからな!
決して足手まといなんかじゃない…と思いたい。
それに俺の本当の戦いの場は魔獣達との戦闘ではなく…
勇者になった幼馴染みの相手だ。
今日もまた俺は男としての最後の尊厳を守るべく戦っている。
「だーかーらー…挿れるのは絶対嫌だって言ってるだろ!」
迫りくるテオを足蹴りして睨みつける。
テオが俺の尻を開拓しだしてから数日が経つ。
俺の我慢の甲斐もあって俺の尻はテオの指を3本飲み込めるくらいにまで広がった…
そうなるとテオは最後の一線を超えようとしてくるわけで…
「そんなぁ…もう3本入るんだよ?シモンもお尻だけでイケるようになったし大丈夫!絶対絶対気持ちいいから!」
「気持ちいいとかそういう問題じゃない!お前最近は勇者の力も暴走してないし挿れる必要ないだろ!」
「そーだけど…そーだけどぉ…」
勇者が男に挿れられないからって不貞腐れた顔をしてこっちを見るな!
テオはいじけた顔をしながら俺の胸元に頭をグリグリと擦り付けてくる。
「…快楽の部分だけでも精神共有強くしたらシモン挿れたくなるかなぁ…」
俺の胸元でポツリと呟く言葉に恐怖を感じる…
はっきり言って俺はまだ男に挿れられる覚悟なんてない。というかこんな事は基本愛し合う者同士がやる事で…俺達はそんな関係じゃないし…
そんな事を思いながら頭をフル回転させこの状況から抜け出す理由を考える…
「魔王を倒してからだ…」
「え?」
「俺に挿れるのは魔王を倒してからだ!じゃないとテオを嫌いになるからな!」
我ながらいい理由を思い付いたと喜んでいた時だった。
『嫌い』とテオに言った瞬間に俺の心に悲しみの気持ちがブワッと一気に広がりドン底に落ちた気分になる。
…え?何これ?
テオを見ると明らかに落ち込んだ顔をして目には涙を溜め下を向いていた。
俺の右手にある番の紋は光っておりテオと精神共有している状態だった。今までテオとはこんな悲しい気持ちを共有した事などなかった…
「お、おいテオ…」
声をかけるがテオは無言のまま返事もしない。
そんなテオを見ていると虐められて隅で泣いていた小さな頃のテオの姿を思い出した。
「あぁぁーーもうっ!嫌いにならないから顔あげろ!」
「…ほんとに?シモン僕の事嫌いにならない?」
「嫌いになんてならないから。それに…ちょっと言いすぎた…ゴメン。でもヤルのは魔王倒してからだからな!」
俺の嫌いにならないという言葉を聞きテオの悲しみが消えたのか俺の心に渦巻いていた悲しみもパァっと消える。
「うん…。シモン好き…好き…大好き…僕絶対に魔王殺してくるから」
涙目だった表情は笑顔に変わりテオは俺をギュッと抱きしめてくる。
笑顔で魔王殺すと言うテオの表情が恐ろしく、こいつを本気で怒らせたら…と考えると少し背筋が冷えた。
そしてその後はテオの発情が止まらずいつものように俺はアンアンと喘がされるのであった。
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