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アルバード王立高等学院~迫りくる悪の手~

ヘリオス公爵の心中

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「ぃっ、今のはたまたまだ!魔法に関係することならなんでも知っている!」

やっぱり若い時に凄い役職につく人って見栄っ張りな人多いんだよな…

「ほんとですか?それなら1つ聞きたいことがおるんてすが…」


「何でも言ってくれ!」


「魔石を変形させる魔法ってありますか?」

魔石の加工方法なんてほとんどの人は考えないから本にも書かれていなかった。

「魔石か…。君は魔石の正体を知ってるか?」


「魔石は人間でいう心臓のようなものでそこから魔力を造るんですよね?」


「その通りだが優等生のような回答だな。知ってると思うが魔石は3種類に分けられる。レイ魔石とハク魔石、そして穢れた魔石だ。レイ魔石は魔力が一つも入っていない魔石でハク魔石は少しでも魔力が入っている魔石だ。穢れた魔石は黒魔法により穢れが入り交じった魔石のことだ。それら3つの魔石の中で形を変えることができるのはハク魔石のみだ。」


「…ああ…なるほど。魔石の中にある魔力を操ればいいんですね?」


「…よくわかったな。さすがフィオレーナ様の息子なだけある。だが、それが理論上分かったところで実際にできるとは限らない。自分以外の魔力を操ることはとても難しいんだ。」


「それは広範囲で操るときですよね?魔石ほどの小さい魔力を操るのはそこまで難しいんですか?」


「クラスでいうと魔法実技中級Ⅱぐらいの生徒ならできるかな、ぐらいだ。」


「なら大丈夫そうですね。」


「…いや、君はまだ初級Ⅱだろう?」


「僕は一言も自分がやるなんて言ってませんが?それと、はじめから気になったいたんですが、公爵って暇なんですか?」


「いや暇じゃないけど?!」


「公爵様の直轄地はここから少し遠いですよね?まさか僕に会いに来るためにこんなところまで来たわけじゃないでしょうし、、えっ、ほんとにそうなんですか?」

と、わざとらしく言ってみる。

「ちげーよ!王宮に呼び出されたからそのついでに寄ったんだよ!」

呼び出された?いったいなぜ?

「あっ、、しまった、この話はしたらいけないんだった。今のは忘れてくれ。」

そう言って公爵は僕の側を離れたのだった。



「おいおい、聞いていた話とぜんぜん違うじゃん。」

そう言ってヘリオス公爵はペンを置いて副官の方を見た。

「もっと暗くて空気みたいだって…」

机の上にぐだっと倒れ込みながら悪態をつく。

「噂は誇張されるものだからな。実際はどうだったんだ?」

「ヘビだよ、ヘビ。わざとサボって俺に話しかけられるのを待ってたように見えたよ。嫌なガキだ。」

そう言いながらもヘリオス公爵の顔はどこか嬉しそうだった。

「そう言いながらもちょっと気に入ってんじゃねぇか。わざわざ個別に魔法の訓練もしてあげたんだろう?」

「…ああ。フィオレーナ様と同じで氷を使ってたよ」

そう言って懐かしそうにペンダントを見る。
夜風に少しでもあたりたくなり窓を開けて星空をぼんやりと眺める。

「お前、まだフィオレーナ様のことを諦めてなかったのか?彼女はもう亡くなられてるんだぞ。それに、生きておられたとしてもお前とは何才としが離れていると思って…「うるさい!いいだろう?恋愛は自由だ!」ったく…そんなんだから社交界で浮くんだよ。」

副官が呆れたような口調でそう言う。

「やかましい!それとこれとは全く関係ない!!」


「はいはい。それで?どうだったんだ?次期ハルシャ家の当主は。」


「…まだ決まってないだろう?あそこにはもう1人同年代の男児がいるし。それに、フィオレーナ様のご兄弟もいる。」


「だが、例の瞳を受け継ぐのはおそらく彼だぞ?」


「…俺は彼に継いでほしくない。彼にそんな役職は似合わない。フィオレーナ様のご子息なんだ。もっと自由に生きてほしい。いや、そうでなければならない。彼女の分まで人生を楽しまなければきっと彼女が悲しむだろうから。」


「お前は彼が当主になってほしくないかもしれないが、他の当主はそうじゃないだろう。ハルシャ家にとっては唯一の予知眼の保持者だ。簡単には手放さないだろうし国王陛下も賛同しないだろう。」


「…魔塔の力でどうにかならないわけ?お前魔塔主の右腕だろ?どうにかしてくれよぉ!!」


「俺にそんな権限ねぇっつうの。どうしてもって言うなら自分でやれ!てゆうか雑談ばかりしてないで仕事をやれ!」


「ええー、面倒くさい。遊びに行きたい。代わりにやっといてよ。」


「とうとう頭が逝かれたのか?今日の分さっさと終わらせないと飯抜きだからな。」


「…えっ、一応俺ここのトップなんだけど…」


「つべこべ言わないでさっさとやれ!」

と副官がブチギレたため、公爵はハァーっとため息をついた後窓をしめて仕事をすることとなった。
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