上 下
63 / 147
ライズまでの道のり

白夜

しおりを挟む
「カイ!それにエレンも!!どないしんたん?」

コウの声を聞き安心で倒れこみそうになる。

ようやく戻ってこれたか……マジで死ぬかと思った

「コウ、、イリアスは?」

そう言ってからエレンをそっと地面に置いて、自分もそのまま倒れこむ。

もうこれ以上は動けそうにない。

「っ、多分向こうに居ると思うから呼んでくるわ!」

そう言ってコウはどこかへ走り去った。

なんかすんごい焦ってたな…あっ、そっか今僕が血塗れだったからか…まあ、僕の血ではないんだけどね



しばらくするとコウがイリアス達を連れて戻ってきた。

「ちよっと、これどういう状態なんだ??」

イリアスは困惑しながらも僕らにヒールをかける。

あっ、骨がくっついていっている感じがしてちょっと気持ち悪い。

そう思いながら魔法鞄から入れておいた首を取り出す。

取り出した首は手から滑り落ちコウの方へと転がる。

「うわぁっっ!!……ビックリしたぁ…カイ?こういうのは先言っといてくれへん?」

ジトッとこちらを見てくるコウから眼を反らす。

まさか蹴ってしまうほどビックリするとは思わなかったんだ、許してほしい。

「アジトから少し離れた所で様子を見てたんだけど、その途中この男に襲われたんだ。エレンが倒してくれたから生きて帰ってこれたんだけど…ユウリ、エレンの瞳が金色になってオーラみたいなものも出ていたんだ。そのことについて何か心当たりはあるかな?」


「かつて白夜びゃくやと呼ばれ恐れられた獣人が僕らの先祖にいると母から聞いたことがあります。たしか白夜は灰色の髪に金色の瞳だったとか…。神話の話なので嘘だと思っていたんですが、もしかしたら何か関係しているのかもしれません。」

白夜か、、たしかにそれは匂うな…

容姿の特徴も似ているしこれは何かありそうだ。

「エレンは先祖返りなのか?」

とイリアスが聞きながらエレンにもヒールをかける。

といってもエレンは僕よりも怪我をしていないように見えるが…

さすがに筋肉痛はヒールで治らないからな…

「さぁ?でも、エレンが目を覚ましたらステータスに何か書いてないか聞かないとね。何かわかるかもしれないし。…あのレベルの人間をあっさり殺せるほど強かったってことはいろいろ酷使しているだろうから数日は動けないと考えて残党は僕らでやるしかないね。」

エレンがいないとなると少し作戦を変更しなければならないな

そう考えているとユウリがハッとしたように顔をあげた。

「あっ、カイさん、例の失敗作の睡眠薬が5つと麻痺玉3つ、そして煙玉2つ作れました。麻痺玉は落ちた所の半径1mに効果があり常人なら手足を動かせません。また、煙玉は落ちた場所から半径10m程を煙で覆いますが、その中では一切見えない上効果は100秒程持続します。」

ユウリはステータスをまだ見れないのによくここまで作りあげれるな…素直に感心する

「よくこんなの造れたね。ユウリのお父さん、本当に何者なんだろ…」

実は錬金術のスキルがカンストしていますと言われても信じてしまいそうだ。

「錬金術師ならこれくらいできると思いますよ?」

そう言いながらユウリはコテンと首をかしげる。

いや、さすがに無理だと思う、と声に出そうと思ったがユウリの純粋な瞳を見てやめることにした。

「仮にそうだとしてもユウリの歳でここまで出来るのはとても凄いことだよ。…それじゃあ作戦を今から言うね。エレン不参加によってこの前言ったのとは少し違うくなるからよく聞いてね。」

そう言うと3人とも真剣な表情で僕を見た。


今夜は長くなりそうだ、と思って夜空を見ると4つほど流れ星が流れていた。

最近運任せな時が多い上、明日も運を必要としているので運気が上がるよう流れ星に祈った。

これ以上僕を怒らせないでくれ、と。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

誰も要らないなら僕が貰いますが、よろしいでしょうか?

伊東 丘多
ファンタジー
ジャストキルでしか、手に入らないレアな石を取るために冒険します 小さな少年が、独自の方法でスキルアップをして強くなっていく。 そして、田舎の町から王都へ向かいます 登場人物の名前と色 グラン デディーリエ(義母の名字) 8才 若草色の髪 ブルーグリーンの目 アルフ 実父 アダマス 母 エンジュ ミライト 13才 グランの義理姉 桃色の髪 ブルーの瞳 ユーディア ミライト 17才 グランの義理姉 濃い赤紫の髪 ブルーの瞳 コンティ ミライト 7才 グランの義理の弟 フォンシル コンドーラル ベージュ 11才皇太子 ピーター サイマルト 近衛兵 皇太子付き アダマゼイン 魔王 目が透明 ガーゼル 魔王の側近 女の子 ジャスパー フロー  食堂宿の人 宝石の名前関係をもじってます。 色とかもあわせて。

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

勇者が仲間になりたそうにこちらを見ている

まる
ファンタジー
 樋口康平はそこそこどこにでもいるごく平凡な人間を自負する高校生。  春休みのある日のこと、いつものように母親の経営する喫茶店・ピープルの店番をしていると勇者を名乗る少女が現れた。  手足と胴に鎧を纏い、腰に剣を差した銀髪の美少女セミリア・クルイードは魔王に敗れ、再び魔王に挑むべく仲間を捜しに異世界からやって来たと告げる。  やけに気合の入ったコスプレイヤーが訪れたものだと驚く康平だが、涙ながらに力を貸してくれと懇願するセミリアを突き放すことが出来ずに渋々仲間捜しに協力することに。  結果現れた、ノリと音楽命の現役女子大生西原春乃、自称ニートで自称オタクで自称魔女っ娘なんとかというアニメのファンクラブを作ったと言っても過言ではない人物らしい引き籠もりの高瀬寛太の二人に何故か自分と幼馴染みの草食系女子月野みのりを加えた到底魔王など倒せそうにない四人は勇者一行として異世界に旅立つことになるのだった。  そんな特別な力を持っているわけでもないながらも勇者一行として異世界で魔王を倒し、時には異国の王を救い、いつしか多くの英傑から必要とされ、幾度となく戦争を終わらせるべく人知れず奔走し、気付けば何人もの伴侶に囲まれ、のちに救世主と呼ばれることになる一人の少年の物語。  敢えて王道? を突き進んでみるべし。  スキルもチートも冒険者も追放も奴隷も獣人もアイテムボックスもフェンリルも必要ない!  ……といいなぁ、なんて気持ちで始めた挑戦です。笑 第一幕【勇者が仲間になりたそうにこちらを見ている】 第二幕【~五大王国合同サミット~】 第三幕【~ただ一人の反逆者~】 第四幕【~連合軍vs連合軍~】 第五幕【~破滅の三大魔獣神~】

異世界のんびりワークライフ ~生産チートを貰ったので好き勝手生きることにします~

樋川カイト
ファンタジー
友人の借金を押し付けられて馬車馬のように働いていた青年、三上彰。 無理がたたって過労死してしまった彼は、神を自称する男から自分の不幸の理由を知らされる。 そのお詫びにとチートスキルとともに異世界へと転生させられた彰は、そこで出会った人々と交流しながら日々を過ごすこととなる。 そんな彼に訪れるのは平和な未来か、はたまた更なる困難か。 色々と吹っ切れてしまった彼にとってその全てはただ人生の彩りになる、のかも知れない……。 ※この作品はカクヨム様でも掲載しています。

収納持ちのコレクターは、仲間と幸せに暮らしたい。~スキルがなくて追放された自称「か弱い女の子」の元辺境伯令嬢。実は無自覚チートで世界最強⁉~

SHEILA
ファンタジー
生まれた時から、両親に嫌われていた。 物心ついた時には、毎日両親から暴力を受けていた。 4年後に生まれた妹は、生まれた時から、両親に可愛がられた。 そして、物心ついた妹からも、虐めや暴力を受けるようになった。 現代日本では考えられないような環境で育った私は、ある日妹に殺され、<選択の間>に呼ばれた。 異世界の創造神に、地球の輪廻の輪に戻るか異世界に転生するかを選べると言われ、迷わず転生することを選んだ。 けれど、転生先でも両親に愛されることはなくて…… お読みいただきありがとうございます。 のんびり不定期更新です。

僕の従魔は恐ろしく強いようです。

緋沙下
ファンタジー
僕は生まれつき体が弱かった。物心ついた頃から僕の世界は病院の中の一室だった。 僕は治ることなく亡くなってしまった。 心配だったのは、いつも明るく無理をして笑うお母さん達の事だった。 そんな僕に、弟と妹を授ける代わりに別の世界に行って見ないか?という提案がもたらされた。 そこで勇者になるわけでもなく、強いステータスも持たない僕が出会った従魔の女の子 処女作なのでご迷惑かける場面が多数存在するかもしれません。気になる点はご報告いただければ幸いです。 --------------------------------------------------------------------------------------- プロローグと小説の内容を一部変更いたしました。

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

処理中です...