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冒険者の街アルクィンにて
月光狼
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結構歩くと池が見えてきた。
魚が泳いでいて食べ物にも困らなさそうだ。
「この辺でいいかなぁ…」
「テント張るんやったらあそこが良いと思うで。地面が平らで草もぼうぼうじゃないからな。」
コウが指し示す方を見てみると凄く良さげな場所だった。僕、探すの下手なのかな?いや、コウが上手いのか…
「そうだね。そうしようか。」
魔法鞄からテントを取り出して設置する。
「中どんなんなんやろう?先に見てくる~」
僕もコウの後に入るとそこには敷き布団とテーブルと椅子が置いてあった。
ちなみにテントには結界が張られているらしく魔物や知らない人を弾いて入れないようになっている。
まあドラゴンなんかには全く効かないと思うけど…
多分どっかの貴族が遊びで狩りをするときに使われたんだろう。
「ご飯は外で食べる感じか…。あ、そうだ渡し忘れてたんだけど、はいこれ」
「何これ?」
「太ももにつける用の魔法鞄だよ。武器とかポーション類はそこにいれといてね。肉とかは僕のリュック型の魔法鞄に入れるね。こっちは時間が止まっているから」
「ええんか?」
「当たり前でしょ。友達、いや、戦友なんだから!簡単に死なれちゃ困るよ?」
自分で言っといて少し気恥ずかしい。
「んふふ、ありがとうな」
「ごほん。今何時か分かる?」
「今?ええっと10時半ぐらいやと思うで」
「了解、じゃあ別々で探す?」
「いや、確かに魔物は強くはないけど1人は危ないから一緒に探そ。」
「分かった。魔物が近くにいたら合図するね。」
「了解!」
それからしばらく薬草探しにいそしんだ。
うん?この気配はホーンラビットか?三匹程度ってとこかな…
「コウ」
そう言いながら手で4を示して裏取りをするために草むらに入った。
僕がしっかり後ろに回れたことを確認するとコウは少し頷いて魔法鞄から武器を取り出して襲いかかった。
「せいやぁ!」
ゴシュッっという音と共に首が落ちる。
声を出すのは良くないと思うがまあいいか…
取り敢えずそれを見て戦闘意思が無くなって逃げようとしたものを僕が狩る。
「敵に後ろを向けてもいいのかなぁ?」
シュッと首を切りつける
その間にもコウは3体目のウサギの相手をしていた。
だが、残りの1体もコウに襲いかかろうとしていた。いや、僕を狙えよ!!
シュッと短剣を投げればウサギの額にある魔石にミラクルヒットした。
「よしっ!!」
「ちょお待てぇ、カイ!!お前、、、少しずれたら俺にあたっとったやろ!!」
「まあ、うん…。でもあたってないじゃん?」
どこが問題なのかよくわからず首をかしげる。
「とりあえず、投擲スキル覚えるまでそれ禁止な。投げたいんやったら足元とか狙って?さすがに額にスクリーンヒットはあたらんかったとき怖い、怖すぎる。」
「…………はーい」
「……めっちゃ嫌そうやん。そんな投げたかったん?」
「当たったら楽しいもん。あ、そうだ、もうそろそろ昼御飯にしない?ちょうど肉もとれたことだし。」
「そうやな。こっち側は結構取ったし食べてからテントにも戻ろか…」
ちなみに今日の成果はヒール草12束と癒し草7束。明日ちょっと探したら見つかるだろう。
まだ昼なのにもう探さないのかって?僕、結構飽き性なんだ。時間を置かないと好きなこと以外一日中没頭するなんて絶対できない。例えそれが重要なことだとしても…
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「おお!やっと着いたぁ!もうヘトヘトや。うん?カイ何してんの?」
「ええ?魔法の練習だよ。アッチの世界では無かったからやっぱり気になるんだ」
「ふぅん。どこまで出来るようになったん?」
「手のひらを水で溢れさせるぐらいかな?」
「じゃあそれを空中に浮かせてみたら?たしか、初級の魔法やった気がするで」
「そうなの?1回やってみるよ。」
池の近くに行って試してみるか
ちなみに近くの水を操ることは魔法ではできない。
精霊術士のすることだ。
魔法は何かを生み出すことができ、精霊術は精霊にお願いして既存の何かを操ることができる。
とりあえず手に魔力を集めて水が出るイメージをしてみる。
バシャッ
うん。これは安定で出来るようになった。
そしてこれが球体になるようにイメージする。
するとどんどん球体とはいえないが個体になっていっているような気がする。
そして最後には丸くなった。
良いこと思いついた!コウの上から水球を落としてびしょ濡れにさせよう!!
そしたらさすがにあの血塗れの服も洗う気になるだろう。さすがにあれはいただけない。本人が全く気にしていないことが一番問題なんだけど…
そぉっーと、落ち着いてゆっくり水球だけを動かす。
集中が切れたら一瞬でただの水になるだろう。
ゆーっくり、よし、あともうちょっと、
するとコウが急に火と共に振り向いた。
ジュワという音と共に水が蒸発して消えていった。
「「あっ」」
「ちょっと何でそんな良いところで振り返るんだよ!!」
「えっ?なんかすまん。何しようとしてたん?」
「…コウの真上から水を流そうかなって」
「ええ?やめてや?」
「…あ、そうだ!実験台としてホーンラビットを一匹生け捕りにしてほしいんだけど。」
「ええっ、何に使うん?それ。まあ、エエわ。ちょうどそこにおるからここで待っといて?あ、もちろん角は折らせてもらうで、危ないから。」
「ありがとう!」
「ほら、連れてきたで。押さえとこか?」
「うん。その方がありがたいね。」
「何するん?」
「魔法で出した水を使ってウサギを窒息させられるか実験しようと思って…」
「そんなことしようと思っとったんかいな!あかん!かわいそうやろ?」
いや、さっき殺してた人間がそれ言う??
「かわいそうだけどしかたないじゃん?人間でやるわけにはいかないし…。これが使えるようになると援護が楽になるんだよ。だからどんな感じか知っとかないと」
「うーん。まあ、そこまで言うんやったら。」
さっきのように集中すると水球がすぐに出てきた。ゆっくりとウサギに近づける。
するとパシャっという音と共に水球が水になった。
「あー、ダメだこれ…。もっと魔法のレベルをあげないとダメなやつだ。」
「じゃあもう殺す?」
「うん。一様魔物は人類の敵だからね。」
ザシュッという音ともに首がとんだ。
「ちょっとこの肉借りていい?血だけ分離できるかも」
「ホンマ?できたらすごい助かるんやけど」
「よいしょっと」
水球を作って肉にぶつけると今度は割れることなく肉が入って空中でプカプカと水と一緒に浮いている。
生き物がダメなのか…
「コウ、肉を受け取ってくれない?」
「任しとき」
「いくよ、3、2、1、0」
パッと水球を崩れさせると水と一緒に肉も落ちてきた。
そしてその肉をコウがうまくキャッチした。
「カイ、確かに血は抜けてるけど俺がびしょ濡れになるからこのやり方はあかんわ。」
「じゃあ服着替えよう?替えのやつ持ってるでしょ?」
「おう!ついでに池で体洗ってくるわ」
「あ、じゃあ僕も行くよ。」
取り敢えず服を変えさせる作戦に成功したようだ
______________________________________________
「カーイ!お肉焼けたでぇ、本読むのは一旦終わりや」
「はーい。いい匂いだね。」
コウの料理はホントに美味しい。
「やっぱり町にいるよりこっちの方が居心地がいいよ。」
「せやな。やっぱり慣れって凄いわ。」
「そういうことじゃないんだけどなぁ~。まあいっか」
その時ガサッという音が聞こえた。
コウにコクっと頷いて合図した。
この距離になるまで気づけなかった。ホーンラビットではない。1体だけだがウサギよりも少し大きい。
ガサッともう一度音がなった。
草むらから顔を出したのは眼が金色の黒い子狼だった。
っ鑑定
名前:なし
種族名:月光狼 (亜種)
「コウ、こいつはムーンウルフだ」
「ムーンウルフ?たしか成獣になるとDランク以上でフランドル高原の奥におる魔物やろ、何でティマール草原におんねん!!てか、ムーンウルフは灰色やろ!」
コウのいう通りだ。
でもなぜだか脅威は感じられない。良く見てみたら怪我をしてるしかなり痩せている。
「コウ、もしかしてこの狼お腹すいてるんじゃないの?」
「やろうな!俺らを夕飯にしようと思ってるみたいやからな」
「いや、そうじゃなくて、ちょっと待って」
魔法鞄から余ったホーンラビットの死体を取り出して狼に向かって放り投げた。
すると、狼は凄い勢いで食べ始めてた。
「ほら。僕達じゃなくて僕達が食べてた物が欲しかったんだよ。ほら、もっとお食べ?」
もう一体だすと今度はゆっくり食べ始めた。
「害はなさそうだからほっとこう?」
「うーん、まあカイがそう言うなら…」
「どうしたの?こんなに近寄ってきて。僕は美味しくないよ?どっちかといえばコウの方が美味しいと思う。」
「カイ…何てこと言うねん。やめなさい。」
わふっと鳴くとそのままテント近くで眠り始めた。
「あらら。風邪引くよ?ほら」
毛布をかけてやるとにした。
「カイ、こいつ仲間にせぇへん?」
「どうして?」
「俺と同じ気がすんねん。見た目だけで多分群れからのけ者にされたんやろ。なんかほっとかれへん。それにこいつ、かなり強そうや。役に立つと思うで。荷物持ちにも…」
「まあまあ、コウに言われなくても仲間にするつもりだったよ。でも彼の意見も聞かないといけないから明日にこの件はまわそうと思ってるよ。」
「分かった…。俺もう寝るわ、おやすみ。」
「うん、おやすみ。」
魚が泳いでいて食べ物にも困らなさそうだ。
「この辺でいいかなぁ…」
「テント張るんやったらあそこが良いと思うで。地面が平らで草もぼうぼうじゃないからな。」
コウが指し示す方を見てみると凄く良さげな場所だった。僕、探すの下手なのかな?いや、コウが上手いのか…
「そうだね。そうしようか。」
魔法鞄からテントを取り出して設置する。
「中どんなんなんやろう?先に見てくる~」
僕もコウの後に入るとそこには敷き布団とテーブルと椅子が置いてあった。
ちなみにテントには結界が張られているらしく魔物や知らない人を弾いて入れないようになっている。
まあドラゴンなんかには全く効かないと思うけど…
多分どっかの貴族が遊びで狩りをするときに使われたんだろう。
「ご飯は外で食べる感じか…。あ、そうだ渡し忘れてたんだけど、はいこれ」
「何これ?」
「太ももにつける用の魔法鞄だよ。武器とかポーション類はそこにいれといてね。肉とかは僕のリュック型の魔法鞄に入れるね。こっちは時間が止まっているから」
「ええんか?」
「当たり前でしょ。友達、いや、戦友なんだから!簡単に死なれちゃ困るよ?」
自分で言っといて少し気恥ずかしい。
「んふふ、ありがとうな」
「ごほん。今何時か分かる?」
「今?ええっと10時半ぐらいやと思うで」
「了解、じゃあ別々で探す?」
「いや、確かに魔物は強くはないけど1人は危ないから一緒に探そ。」
「分かった。魔物が近くにいたら合図するね。」
「了解!」
それからしばらく薬草探しにいそしんだ。
うん?この気配はホーンラビットか?三匹程度ってとこかな…
「コウ」
そう言いながら手で4を示して裏取りをするために草むらに入った。
僕がしっかり後ろに回れたことを確認するとコウは少し頷いて魔法鞄から武器を取り出して襲いかかった。
「せいやぁ!」
ゴシュッっという音と共に首が落ちる。
声を出すのは良くないと思うがまあいいか…
取り敢えずそれを見て戦闘意思が無くなって逃げようとしたものを僕が狩る。
「敵に後ろを向けてもいいのかなぁ?」
シュッと首を切りつける
その間にもコウは3体目のウサギの相手をしていた。
だが、残りの1体もコウに襲いかかろうとしていた。いや、僕を狙えよ!!
シュッと短剣を投げればウサギの額にある魔石にミラクルヒットした。
「よしっ!!」
「ちょお待てぇ、カイ!!お前、、、少しずれたら俺にあたっとったやろ!!」
「まあ、うん…。でもあたってないじゃん?」
どこが問題なのかよくわからず首をかしげる。
「とりあえず、投擲スキル覚えるまでそれ禁止な。投げたいんやったら足元とか狙って?さすがに額にスクリーンヒットはあたらんかったとき怖い、怖すぎる。」
「…………はーい」
「……めっちゃ嫌そうやん。そんな投げたかったん?」
「当たったら楽しいもん。あ、そうだ、もうそろそろ昼御飯にしない?ちょうど肉もとれたことだし。」
「そうやな。こっち側は結構取ったし食べてからテントにも戻ろか…」
ちなみに今日の成果はヒール草12束と癒し草7束。明日ちょっと探したら見つかるだろう。
まだ昼なのにもう探さないのかって?僕、結構飽き性なんだ。時間を置かないと好きなこと以外一日中没頭するなんて絶対できない。例えそれが重要なことだとしても…
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「おお!やっと着いたぁ!もうヘトヘトや。うん?カイ何してんの?」
「ええ?魔法の練習だよ。アッチの世界では無かったからやっぱり気になるんだ」
「ふぅん。どこまで出来るようになったん?」
「手のひらを水で溢れさせるぐらいかな?」
「じゃあそれを空中に浮かせてみたら?たしか、初級の魔法やった気がするで」
「そうなの?1回やってみるよ。」
池の近くに行って試してみるか
ちなみに近くの水を操ることは魔法ではできない。
精霊術士のすることだ。
魔法は何かを生み出すことができ、精霊術は精霊にお願いして既存の何かを操ることができる。
とりあえず手に魔力を集めて水が出るイメージをしてみる。
バシャッ
うん。これは安定で出来るようになった。
そしてこれが球体になるようにイメージする。
するとどんどん球体とはいえないが個体になっていっているような気がする。
そして最後には丸くなった。
良いこと思いついた!コウの上から水球を落としてびしょ濡れにさせよう!!
そしたらさすがにあの血塗れの服も洗う気になるだろう。さすがにあれはいただけない。本人が全く気にしていないことが一番問題なんだけど…
そぉっーと、落ち着いてゆっくり水球だけを動かす。
集中が切れたら一瞬でただの水になるだろう。
ゆーっくり、よし、あともうちょっと、
するとコウが急に火と共に振り向いた。
ジュワという音と共に水が蒸発して消えていった。
「「あっ」」
「ちょっと何でそんな良いところで振り返るんだよ!!」
「えっ?なんかすまん。何しようとしてたん?」
「…コウの真上から水を流そうかなって」
「ええ?やめてや?」
「…あ、そうだ!実験台としてホーンラビットを一匹生け捕りにしてほしいんだけど。」
「ええっ、何に使うん?それ。まあ、エエわ。ちょうどそこにおるからここで待っといて?あ、もちろん角は折らせてもらうで、危ないから。」
「ありがとう!」
「ほら、連れてきたで。押さえとこか?」
「うん。その方がありがたいね。」
「何するん?」
「魔法で出した水を使ってウサギを窒息させられるか実験しようと思って…」
「そんなことしようと思っとったんかいな!あかん!かわいそうやろ?」
いや、さっき殺してた人間がそれ言う??
「かわいそうだけどしかたないじゃん?人間でやるわけにはいかないし…。これが使えるようになると援護が楽になるんだよ。だからどんな感じか知っとかないと」
「うーん。まあ、そこまで言うんやったら。」
さっきのように集中すると水球がすぐに出てきた。ゆっくりとウサギに近づける。
するとパシャっという音と共に水球が水になった。
「あー、ダメだこれ…。もっと魔法のレベルをあげないとダメなやつだ。」
「じゃあもう殺す?」
「うん。一様魔物は人類の敵だからね。」
ザシュッという音ともに首がとんだ。
「ちょっとこの肉借りていい?血だけ分離できるかも」
「ホンマ?できたらすごい助かるんやけど」
「よいしょっと」
水球を作って肉にぶつけると今度は割れることなく肉が入って空中でプカプカと水と一緒に浮いている。
生き物がダメなのか…
「コウ、肉を受け取ってくれない?」
「任しとき」
「いくよ、3、2、1、0」
パッと水球を崩れさせると水と一緒に肉も落ちてきた。
そしてその肉をコウがうまくキャッチした。
「カイ、確かに血は抜けてるけど俺がびしょ濡れになるからこのやり方はあかんわ。」
「じゃあ服着替えよう?替えのやつ持ってるでしょ?」
「おう!ついでに池で体洗ってくるわ」
「あ、じゃあ僕も行くよ。」
取り敢えず服を変えさせる作戦に成功したようだ
______________________________________________
「カーイ!お肉焼けたでぇ、本読むのは一旦終わりや」
「はーい。いい匂いだね。」
コウの料理はホントに美味しい。
「やっぱり町にいるよりこっちの方が居心地がいいよ。」
「せやな。やっぱり慣れって凄いわ。」
「そういうことじゃないんだけどなぁ~。まあいっか」
その時ガサッという音が聞こえた。
コウにコクっと頷いて合図した。
この距離になるまで気づけなかった。ホーンラビットではない。1体だけだがウサギよりも少し大きい。
ガサッともう一度音がなった。
草むらから顔を出したのは眼が金色の黒い子狼だった。
っ鑑定
名前:なし
種族名:月光狼 (亜種)
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「ムーンウルフ?たしか成獣になるとDランク以上でフランドル高原の奥におる魔物やろ、何でティマール草原におんねん!!てか、ムーンウルフは灰色やろ!」
コウのいう通りだ。
でもなぜだか脅威は感じられない。良く見てみたら怪我をしてるしかなり痩せている。
「コウ、もしかしてこの狼お腹すいてるんじゃないの?」
「やろうな!俺らを夕飯にしようと思ってるみたいやからな」
「いや、そうじゃなくて、ちょっと待って」
魔法鞄から余ったホーンラビットの死体を取り出して狼に向かって放り投げた。
すると、狼は凄い勢いで食べ始めてた。
「ほら。僕達じゃなくて僕達が食べてた物が欲しかったんだよ。ほら、もっとお食べ?」
もう一体だすと今度はゆっくり食べ始めた。
「害はなさそうだからほっとこう?」
「うーん、まあカイがそう言うなら…」
「どうしたの?こんなに近寄ってきて。僕は美味しくないよ?どっちかといえばコウの方が美味しいと思う。」
「カイ…何てこと言うねん。やめなさい。」
わふっと鳴くとそのままテント近くで眠り始めた。
「あらら。風邪引くよ?ほら」
毛布をかけてやるとにした。
「カイ、こいつ仲間にせぇへん?」
「どうして?」
「俺と同じ気がすんねん。見た目だけで多分群れからのけ者にされたんやろ。なんかほっとかれへん。それにこいつ、かなり強そうや。役に立つと思うで。荷物持ちにも…」
「まあまあ、コウに言われなくても仲間にするつもりだったよ。でも彼の意見も聞かないといけないから明日にこの件はまわそうと思ってるよ。」
「分かった…。俺もう寝るわ、おやすみ。」
「うん、おやすみ。」
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