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一章 兵器化編
約8話 何も起きない魔法陣
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「うん、やっぱ暗くて見えにくいな。」
研究所の中に入ったのはいいものの、暗くてほとんど何も見えない。夜に目が慣れてきたと思ったが、あまり星の光の届かない室内では、足下を確認するので精一杯だ。
だが、いくつかある扉の中から、海音は既にどの部屋に入るか決めていた。
一番奥の部屋だ。その部屋だけ、ドアの隙間からうっすら光が漏れだしていた。
『ギィ』と古めかしい音を立てながら扉を開く。
「おお…!」
そこには大量の精密そうな機材があり、その説明文が書かれているであろう石盤には小さな魔方陣が刻まれており、ほんのりと光を放っている。
「んー…、さっぱり読めないな。ま、いいか。じゃあまずは適当にこの魔法陣を……。これでいいのか?」
魔法陣の一つに手をかざすと、体から白い光が送られる。そして魔法陣が青く光った。すると……『シュンッ』と不思議な音を立て、魔法陣の前に転がっていた瓦礫が消えた。さらに、よく分からないアナウンスが流れてくる。
「…」
俺は見なかったことにして他の魔法陣に手をかざす。
緑に光ったかと思うと、穴だらけだったはずの研究所の壁や天井が瞬く間に修復される。
「……」
俺には何も見えなかったので、次の魔法陣に手をかざした。
赤く光ったかと思うと、外から激しい爆撃音が響いてきた。
「………」
あれ~?おかしいな。何も起きないぞ?
外から動物の悲鳴や魔物の咆哮が聞こえてきても、周辺の木々がぶっ倒れる音が響いてきたとしても、何も起きてないったら起きてないのだ!きっと外では魔物たちが喧嘩でもしてるんだろう。
さっきから魔法陣が光るだけで何も起きないので、「何だこれ子供のオモチャか?」と疑問を抱きながらも次の魔法陣に手をかざす。
黄色く光ったかと思うと、部屋の電気がついた。思わず目を細めながらも、俺は拳を振り上げた。
「よし、当たりだ!計画通り!」
魔法陣で電気つくだけとか、なんでこんなショボいの? とか断じて思っていない。
とりあえず、明るくなったので部屋から出てみた。他にも何個か魔法陣があったのだが、なぜか次の魔法陣を弄ろうとすると体が全力で拒否してきたのだ。何に怯えているのだろうか? 不思議でならない。
部屋から出ると、研究所すべてに明かりが灯っていた。なるほど、さっきの魔方陣は研究所の予備電源的なものだったのかもしれない。
まだ入ってない部屋がいくつかあるが、今度は入り口側の部屋から入ってみることにする。
「これは…なんかわくわくするな!」
海音はテンションアゲアゲで次の部屋に入っていった。
研究所の中に入ったのはいいものの、暗くてほとんど何も見えない。夜に目が慣れてきたと思ったが、あまり星の光の届かない室内では、足下を確認するので精一杯だ。
だが、いくつかある扉の中から、海音は既にどの部屋に入るか決めていた。
一番奥の部屋だ。その部屋だけ、ドアの隙間からうっすら光が漏れだしていた。
『ギィ』と古めかしい音を立てながら扉を開く。
「おお…!」
そこには大量の精密そうな機材があり、その説明文が書かれているであろう石盤には小さな魔方陣が刻まれており、ほんのりと光を放っている。
「んー…、さっぱり読めないな。ま、いいか。じゃあまずは適当にこの魔法陣を……。これでいいのか?」
魔法陣の一つに手をかざすと、体から白い光が送られる。そして魔法陣が青く光った。すると……『シュンッ』と不思議な音を立て、魔法陣の前に転がっていた瓦礫が消えた。さらに、よく分からないアナウンスが流れてくる。
「…」
俺は見なかったことにして他の魔法陣に手をかざす。
緑に光ったかと思うと、穴だらけだったはずの研究所の壁や天井が瞬く間に修復される。
「……」
俺には何も見えなかったので、次の魔法陣に手をかざした。
赤く光ったかと思うと、外から激しい爆撃音が響いてきた。
「………」
あれ~?おかしいな。何も起きないぞ?
外から動物の悲鳴や魔物の咆哮が聞こえてきても、周辺の木々がぶっ倒れる音が響いてきたとしても、何も起きてないったら起きてないのだ!きっと外では魔物たちが喧嘩でもしてるんだろう。
さっきから魔法陣が光るだけで何も起きないので、「何だこれ子供のオモチャか?」と疑問を抱きながらも次の魔法陣に手をかざす。
黄色く光ったかと思うと、部屋の電気がついた。思わず目を細めながらも、俺は拳を振り上げた。
「よし、当たりだ!計画通り!」
魔法陣で電気つくだけとか、なんでこんなショボいの? とか断じて思っていない。
とりあえず、明るくなったので部屋から出てみた。他にも何個か魔法陣があったのだが、なぜか次の魔法陣を弄ろうとすると体が全力で拒否してきたのだ。何に怯えているのだろうか? 不思議でならない。
部屋から出ると、研究所すべてに明かりが灯っていた。なるほど、さっきの魔方陣は研究所の予備電源的なものだったのかもしれない。
まだ入ってない部屋がいくつかあるが、今度は入り口側の部屋から入ってみることにする。
「これは…なんかわくわくするな!」
海音はテンションアゲアゲで次の部屋に入っていった。
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