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十三突き目 琴音
涼介
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琴音の元カレ、けんすけという名の男から地図が送られてきた。
その場所は、意外にも会社やバーまさるに近い所であった。
不動産事務所所有の空きビルであった。
バーまさるを通り過ぎる恵。
店子のとおるちゃんが、恵に声を掛けるが素通りする恵。
まあ、いいかと店先の掃除を続けるとおる。
声を掛ければ、すぐそこにまさるもいる。だが、今回ばかりは頼るまいと決めている恵は、前をろくに見ていなかった。
その恵の前に、誰かが立ち塞がった。
ドシン
恵は、弾き飛ばされてしまう。
「す、すみません」
尻餅を着く恵に差し伸べる手があった。
「あ、ありがとうございます」
立ち上がりお尻の砂を払い落とす恵は、ぶつかった相手の顔を見て驚いた。
また、この人だ。恵は、思わずそう思った。
羅智涼介が、決まって眼鏡のブリッジを持ち上げている。
「おい、大丈夫か?って、お前は?」
「涼介さん、失礼しました。すみません、急ぎますので」
「お、おい」
呼び止める涼介を気に止めることなく走り去って行く恵。
ポリポリと襟足を掻く涼介は、足元に落ちている携帯を渋々拾い上げる。
「まったく、またか」
画面が開き、マップが表示される。
「ん?ここって、たしか・・・」
恵の走り去った方角とマップの示す方を見る涼介。
「ま、知ったことじゃないが・・・」
携帯をポケットに押し込むと歩き出す涼介。
「まさるさんにでも、預けるか」
そう思ってみたが、不意に涼介が歩みを止める。
大きく肩を落としため息をつく涼介。
「ったく、世話が焼ける」
その場所は、意外にも会社やバーまさるに近い所であった。
不動産事務所所有の空きビルであった。
バーまさるを通り過ぎる恵。
店子のとおるちゃんが、恵に声を掛けるが素通りする恵。
まあ、いいかと店先の掃除を続けるとおる。
声を掛ければ、すぐそこにまさるもいる。だが、今回ばかりは頼るまいと決めている恵は、前をろくに見ていなかった。
その恵の前に、誰かが立ち塞がった。
ドシン
恵は、弾き飛ばされてしまう。
「す、すみません」
尻餅を着く恵に差し伸べる手があった。
「あ、ありがとうございます」
立ち上がりお尻の砂を払い落とす恵は、ぶつかった相手の顔を見て驚いた。
また、この人だ。恵は、思わずそう思った。
羅智涼介が、決まって眼鏡のブリッジを持ち上げている。
「おい、大丈夫か?って、お前は?」
「涼介さん、失礼しました。すみません、急ぎますので」
「お、おい」
呼び止める涼介を気に止めることなく走り去って行く恵。
ポリポリと襟足を掻く涼介は、足元に落ちている携帯を渋々拾い上げる。
「まったく、またか」
画面が開き、マップが表示される。
「ん?ここって、たしか・・・」
恵の走り去った方角とマップの示す方を見る涼介。
「ま、知ったことじゃないが・・・」
携帯をポケットに押し込むと歩き出す涼介。
「まさるさんにでも、預けるか」
そう思ってみたが、不意に涼介が歩みを止める。
大きく肩を落としため息をつく涼介。
「ったく、世話が焼ける」
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