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第六夜 吸血巨乳 編
私、決めたから
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バイクはしばらく走り、見通しの良い広いグラウンドの真ん中に来た二人。
照明がなく真っ暗だった。
「ミサオ、助かったよ」
「よかった、シュンタが無事で」
駿太に抱きつくミサオ。首に手を回して駿太の肩に顔を乗せる。
ミサオは、シュンタを見るなり深い深いキスをした。
チビ太が動く。
「いい?今から言うことよく聞いてシュンタ」
「あ、う、うん、わかった」
「今からHするよ」
「は?唐突単的すぎないか」
「そうよ、こんなときだからね」
「まあ、いいか、それで?」
空のペットボトルを取り出すミサオ。
「あいつは、精子に弱いの」
「あ、だからさっき、破裂したんだ」
「ん?よくわかないけど、とにかくこれに、駿太の精子を貯めるのいい?」
ペットボトルを差し出すミサオ。
「ええ?これ一本?」
(それこそ、干からびる)
「出来ればね、でも、どうやってもこんなには無理よね。だから」
「だから?ターゲットを吸血巨乳に絞る」
「ああ、本体を倒せばって奴だね」
「そう、私が、奴を倒して仰向けに寝かせるからそこへ、精子を投入して」
「どうやって?」
「んー、あまり言いたくないけど」
言葉はあるのに声に出せないでいるミサオ。
「なんだよ?」
「この場合、仕方がないか」
「だから、何が?」
「あの女の中に、チビ太をぶち込んで」
「え、今、なんて?」
「あんもう、だからぁ、チビ太をあの女の中に挿入するの」
「ん?えええ、それって、Hしろってこと?」
「結果的にはそうなるよ」
「え?それでいいの?ミサオは?」
顔を真っ赤にして怒鳴るミサオ。
「良くないに決まってるでしょ」
「だったら、なんで?」
「他の女の中でなんて、イッてほしくないよ。私だって」
「じゃあ、どうしろって」
「していいよ。その代わりに」
「代わりに?」
「心まで、イッちゃヤダからね」
「イクわけないだろ?あんな化け物に。そんな簡単に心変わりしてたまるかよ」
(イクかどうかもわからないのに)
横目で駿太を見るミサオ。
「どうだか。怪しいもんだ」
「な、なんでだよ。なんで怪しいんだよ」
「全部、私に言わせる気?」
「だから、何をさ」
今にも泣き出しそうなミサオ。
「そう簡単に心変わりなんかしないって言ったよね。じゃあ聞くけど、シュンタは今、千夜宇ちゃんに心奪われてるじゃんないの。違う?」
「あ・・・」
「別れたわけじゃないから、気持ちはわかるけど、けど」
声が震えるミサオ。
「けど?」
「わかるけど、そんなのわかりたくもないよ」
ボロボロと涙が溢れるミサオ。
「ミサオ・・・」
「やだよ、そんなの・・・」
「・・・」
「黙ってないで何か言ってよ。シュンタ」
「・・・」
「私たち、このまま、お終いなの?」
「え?」
「だって、そうなるよね?駿太は、千夜宇ちゃんが好きなんだから、そうでしょ?」
「・・かんないん・・・」
「え?よく聞こえないよ」
「よくわかんないんだよ、俺にも」
「・・・!」
「よくわかんないんだよ、好きだった子が突然目の前に現れてさ。どうしていいか、わかんないんだよ。俺だって」
「・・・」
「わかんないんだよ。俺にも」
膝をついて、涙を溢す駿太。
「ごめんね、駿太。強く言い過ぎた」
駿太を胸の中に抱きしめるミサオ。
「わかったよ、シュンタ。もう、わかったから、ね?」
「な、何もわかりはしないよ」
「もう、そんなに苦しまないでよ」
「だ、だけど、俺どうしていいか」
「だったらさ」
駿太の涙で濡れた頬を両手で掴むと、むにっと持ち上げて視線を合わせるミサオ。
「だったらさ、私がシュンタの心を奪いに行くよ」
「え?」
「千夜宇ちゃんなんか忘れるくらい、シュンタが私だけ見てくれるまで追いかける」
「ミサオ?」
「千夜宇ちゃんに心奪われてるくらいじゃ、まだまだ、私はダメだよね」
「それは、違う。悪いのは俺の方だよ」
「そういうんじゃないんだよ、良いとか悪いとか。そういうんじゃないんだよ。いつだって、男は女を見るし、女だって男を見るのよ。それは、いつまで経っても変わらないこと。どんなに仲のいい夫婦だとしてもね。心って、結局、動きやすくて、惹かれやすいから」
「ミサオ」
「今は、千夜宇ちゃんが好きでもいいよ。トキメいてたって構わない。でも、いつか、私だけにトキメいてるシュンタにしてみせるから」
「これから、いっぱいの思い出を作って、千夜宇ちゃんとの思い出を私との思い出に塗り替えて見せる」
「なんで、そこまで?」
「だって」
ミサオの言葉を待つ駿太。
「だって、私はあなたが大好きだから。仕方がないんだよ」
「そこまで、人って直向きになれるものなのかな?」
「わからないよ、そんなこと。でも、このまま、引き下がるなんて私には出来ない。あなたの全てが私だけに向くような、あなただけの良い女になりたい」
「わかったよ、ミサオ。だったら、俺もミサオにとっての良い男になるよ」
「それは、無理だね」
「なんでだよ」
「無理だよ、絶対」
「だから、なんでだよ」
「私にとっての良い男に、シュンタはもうなってるからだよ」
「そんなの嘘だね」
「そうかもしれないね。他から見たらぜんぜん良い男じゃないのかも」
「そうだろ?」
「でも、今のあなたがいいの。千夜宇ちゃんにドキドキしたっていい、露華さんにドキドキしてたっていい。それでも、私を好きだ。愛してるって言ってくれる。あなたが好き」
こうも言われてトキメカないわけがなかった。
駿太は、ミサオを抱きしめていた。
照明がなく真っ暗だった。
「ミサオ、助かったよ」
「よかった、シュンタが無事で」
駿太に抱きつくミサオ。首に手を回して駿太の肩に顔を乗せる。
ミサオは、シュンタを見るなり深い深いキスをした。
チビ太が動く。
「いい?今から言うことよく聞いてシュンタ」
「あ、う、うん、わかった」
「今からHするよ」
「は?唐突単的すぎないか」
「そうよ、こんなときだからね」
「まあ、いいか、それで?」
空のペットボトルを取り出すミサオ。
「あいつは、精子に弱いの」
「あ、だからさっき、破裂したんだ」
「ん?よくわかないけど、とにかくこれに、駿太の精子を貯めるのいい?」
ペットボトルを差し出すミサオ。
「ええ?これ一本?」
(それこそ、干からびる)
「出来ればね、でも、どうやってもこんなには無理よね。だから」
「だから?ターゲットを吸血巨乳に絞る」
「ああ、本体を倒せばって奴だね」
「そう、私が、奴を倒して仰向けに寝かせるからそこへ、精子を投入して」
「どうやって?」
「んー、あまり言いたくないけど」
言葉はあるのに声に出せないでいるミサオ。
「なんだよ?」
「この場合、仕方がないか」
「だから、何が?」
「あの女の中に、チビ太をぶち込んで」
「え、今、なんて?」
「あんもう、だからぁ、チビ太をあの女の中に挿入するの」
「ん?えええ、それって、Hしろってこと?」
「結果的にはそうなるよ」
「え?それでいいの?ミサオは?」
顔を真っ赤にして怒鳴るミサオ。
「良くないに決まってるでしょ」
「だったら、なんで?」
「他の女の中でなんて、イッてほしくないよ。私だって」
「じゃあ、どうしろって」
「していいよ。その代わりに」
「代わりに?」
「心まで、イッちゃヤダからね」
「イクわけないだろ?あんな化け物に。そんな簡単に心変わりしてたまるかよ」
(イクかどうかもわからないのに)
横目で駿太を見るミサオ。
「どうだか。怪しいもんだ」
「な、なんでだよ。なんで怪しいんだよ」
「全部、私に言わせる気?」
「だから、何をさ」
今にも泣き出しそうなミサオ。
「そう簡単に心変わりなんかしないって言ったよね。じゃあ聞くけど、シュンタは今、千夜宇ちゃんに心奪われてるじゃんないの。違う?」
「あ・・・」
「別れたわけじゃないから、気持ちはわかるけど、けど」
声が震えるミサオ。
「けど?」
「わかるけど、そんなのわかりたくもないよ」
ボロボロと涙が溢れるミサオ。
「ミサオ・・・」
「やだよ、そんなの・・・」
「・・・」
「黙ってないで何か言ってよ。シュンタ」
「・・・」
「私たち、このまま、お終いなの?」
「え?」
「だって、そうなるよね?駿太は、千夜宇ちゃんが好きなんだから、そうでしょ?」
「・・かんないん・・・」
「え?よく聞こえないよ」
「よくわかんないんだよ、俺にも」
「・・・!」
「よくわかんないんだよ、好きだった子が突然目の前に現れてさ。どうしていいか、わかんないんだよ。俺だって」
「・・・」
「わかんないんだよ。俺にも」
膝をついて、涙を溢す駿太。
「ごめんね、駿太。強く言い過ぎた」
駿太を胸の中に抱きしめるミサオ。
「わかったよ、シュンタ。もう、わかったから、ね?」
「な、何もわかりはしないよ」
「もう、そんなに苦しまないでよ」
「だ、だけど、俺どうしていいか」
「だったらさ」
駿太の涙で濡れた頬を両手で掴むと、むにっと持ち上げて視線を合わせるミサオ。
「だったらさ、私がシュンタの心を奪いに行くよ」
「え?」
「千夜宇ちゃんなんか忘れるくらい、シュンタが私だけ見てくれるまで追いかける」
「ミサオ?」
「千夜宇ちゃんに心奪われてるくらいじゃ、まだまだ、私はダメだよね」
「それは、違う。悪いのは俺の方だよ」
「そういうんじゃないんだよ、良いとか悪いとか。そういうんじゃないんだよ。いつだって、男は女を見るし、女だって男を見るのよ。それは、いつまで経っても変わらないこと。どんなに仲のいい夫婦だとしてもね。心って、結局、動きやすくて、惹かれやすいから」
「ミサオ」
「今は、千夜宇ちゃんが好きでもいいよ。トキメいてたって構わない。でも、いつか、私だけにトキメいてるシュンタにしてみせるから」
「これから、いっぱいの思い出を作って、千夜宇ちゃんとの思い出を私との思い出に塗り替えて見せる」
「なんで、そこまで?」
「だって」
ミサオの言葉を待つ駿太。
「だって、私はあなたが大好きだから。仕方がないんだよ」
「そこまで、人って直向きになれるものなのかな?」
「わからないよ、そんなこと。でも、このまま、引き下がるなんて私には出来ない。あなたの全てが私だけに向くような、あなただけの良い女になりたい」
「わかったよ、ミサオ。だったら、俺もミサオにとっての良い男になるよ」
「それは、無理だね」
「なんでだよ」
「無理だよ、絶対」
「だから、なんでだよ」
「私にとっての良い男に、シュンタはもうなってるからだよ」
「そんなの嘘だね」
「そうかもしれないね。他から見たらぜんぜん良い男じゃないのかも」
「そうだろ?」
「でも、今のあなたがいいの。千夜宇ちゃんにドキドキしたっていい、露華さんにドキドキしてたっていい。それでも、私を好きだ。愛してるって言ってくれる。あなたが好き」
こうも言われてトキメカないわけがなかった。
駿太は、ミサオを抱きしめていた。
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