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第七話
プヨプヨくん
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水菜一行は、旅を続けていた。
「なんや、わし、気づいたことあんねんけど」
なに?と、皆の視線がキシムに集まる。
「毎回、思うんやけど、今わしらどこにおるねん?」
水菜が人差し指を口元に置く。
「うん、確かに。旅をしてるのは、わかるんだけど」
玉子さんが、ブルルとする。
「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのようにって、やつだろ?」
美優留が、それにつけたす。
「いつ、どこで・・・が、はっきりしてないよね」
むっと、皆の視線がこちらに向く。
あ、僕ですね。
ああ、確かに、いつどこで が、全然わかりませんね。あはは・・・
編集しますか・・・
呆れてキシムが言う。
「過ぎたことは、もうええわ」
時は夕暮れ時。
キシムが、突っ込む。
「もう夕方かい?さっきまで、明るかったんちゃうん?おまけに飯とか全然食ってへんし」
美優留が、疲れ果てたように
「なんだか、ランニングマシンの上を、ずっと歩いてきた感じ・・」
玉子さんが、口を開く。
「確かに、どこかで休まないか?ヤマタノくんの九本足がもつれて来てるよ」
水菜が、ヤマタノくんを見る。
「真ん中の足、びっこ引いてる」
一寸が、馬車にもたれ掛かって言う。
「そもそも、この馬車はなんのための物ですか?」
見ると、空の馬車の周りを、皆がトボトボと歩いていた。
水菜が、こちらを睨みつける。
「もう、ちゃんと補足してよね」
想像は、読者の方にお任せして・・ですね。
美優留も、耐えかねて
「そうやって、読者さん任せにしてるから、ダメなのよ」
時は夕暮れ時。横を小川が流れ、小さな魚が泳いでいる。
「まあ、ええんちゃう」
すると、目の前にプヨプヨした物体が現れた。
キシムが、突っ込む。
「て、いきなりかい」
プヨプヨしたそれは、水風船のように揺れながら、その場を保とうと必死だった。
「あ・・」
よろめくプヨプヨ。
水菜が、つぶやく。
「これって、雑魚キャラ一号の スライム だよね?」
あ・・あ・・と、バランスを取るプヨプヨ。
一寸が、刀に手を置き構える。
「どうします?」
キシムが、頭を羽先でポリポリする。
「なんや、気の毒に思うんやけど」
玉子さんが、前脚を持ち上げる。
「踏んじゃう?」
美優留が、それを遮る。
「ダメ!プヨちゃんには、足出しをさせない」
そこは、手出し だけどね。
玉子さんが足を下ろす。
「プヨちゃんって、お友達?」
美優留が、水菜に声をかける。
「違うわよ。いいから、もう。水菜、桶を出してくれる」
キョトンとする水菜。
「あ・・うん、わかった」
ボワンと煙が立ち、桶が現れる。
プヨプヨに手を差し伸べる美優留。
「さあ、おいで~」
プヨプヨを抱えると水菜が差し出す桶に入れた。
ピタリと収まって、プヨプヨは落ち着いた顔をしている。
それを、見たかぐやちゃん。
「まあ、なんて可愛らしいのかしら」
かぐやちゃんの肩に手を添える一寸。
「寝顔が、君にそっくりだね」
かぐやちゃんも、つられて
「目元なんか、あなたにそっくりよ。うふっ」
いつから、そうなったの?
一寸の人柄が伺える瞬間であった。
皆が、ポカンとしている。
恋愛シーンは、彼らに決まりかな。
遠くで、カラスが鳴いている。
玉子さんが、暗くなり始める空を見ながら言う。
「どうする?そろそろ、休むところ見つけないと」
水菜が、あたりを見回す。
「そうね、家らしきもの、なさそうだし」
美優留が、さらりと言う。
「なければ、出したらいいんじゃない?」
水菜が、首を振る。
「ううん、それするんなら、シチジラを倒しちゃってって、願えばなんの苦労もなく終われるよ」
キシムが、羽を組む。
「そら、おもろないな」
玉子さんが、盛り立てようと
「そうだよ、死人の一人くらい出ないと、盛り上がらんだろう」
えっ?と、皆の視線が玉子さんに集まる。
水菜が、困ったように
「あ、いや、そこまでは、望んでないかな」
玉子さんが、食い下がる。
「いやいや、別れとか死って、大事だぜ」
ヤマタノくんが、つぶやく。
「玉子さんが死んじゃうの?」
おおお!と、皆が手を叩く。
「いやいやいや、俺は馬だよ?馬が死んだらダメでしょ」
皆が首を振る。
一寸がポツリ。
「動物が死ぬのは、なんとも言えない悲しみがあります」
かぐやちゃんも、うつむいて。
「言葉で言えない分、訴えるものがありますね」
死人役決定。
「いやいやいや、俺話せるし。そんな美味しい所、俺望んでないから」
ヒヒヒヒンと、玉子さんは鳴いた。
・・
一行は、しばらく歩いた所で、人気のない水車小屋を見つけた。
一寸が、小屋の中を。キシムが上空から辺りを探る。
「大丈夫。誰もいないよ」
キシムが、空から戻ってきた。
「周辺見たけど、動くものないで」
一行は、小屋の中に入っていった。
ここで、異世界での初夜を迎える。
キシムが言う。
「初夜やて、なんや、いやらしな。ぷっ」
「なんや、わし、気づいたことあんねんけど」
なに?と、皆の視線がキシムに集まる。
「毎回、思うんやけど、今わしらどこにおるねん?」
水菜が人差し指を口元に置く。
「うん、確かに。旅をしてるのは、わかるんだけど」
玉子さんが、ブルルとする。
「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのようにって、やつだろ?」
美優留が、それにつけたす。
「いつ、どこで・・・が、はっきりしてないよね」
むっと、皆の視線がこちらに向く。
あ、僕ですね。
ああ、確かに、いつどこで が、全然わかりませんね。あはは・・・
編集しますか・・・
呆れてキシムが言う。
「過ぎたことは、もうええわ」
時は夕暮れ時。
キシムが、突っ込む。
「もう夕方かい?さっきまで、明るかったんちゃうん?おまけに飯とか全然食ってへんし」
美優留が、疲れ果てたように
「なんだか、ランニングマシンの上を、ずっと歩いてきた感じ・・」
玉子さんが、口を開く。
「確かに、どこかで休まないか?ヤマタノくんの九本足がもつれて来てるよ」
水菜が、ヤマタノくんを見る。
「真ん中の足、びっこ引いてる」
一寸が、馬車にもたれ掛かって言う。
「そもそも、この馬車はなんのための物ですか?」
見ると、空の馬車の周りを、皆がトボトボと歩いていた。
水菜が、こちらを睨みつける。
「もう、ちゃんと補足してよね」
想像は、読者の方にお任せして・・ですね。
美優留も、耐えかねて
「そうやって、読者さん任せにしてるから、ダメなのよ」
時は夕暮れ時。横を小川が流れ、小さな魚が泳いでいる。
「まあ、ええんちゃう」
すると、目の前にプヨプヨした物体が現れた。
キシムが、突っ込む。
「て、いきなりかい」
プヨプヨしたそれは、水風船のように揺れながら、その場を保とうと必死だった。
「あ・・」
よろめくプヨプヨ。
水菜が、つぶやく。
「これって、雑魚キャラ一号の スライム だよね?」
あ・・あ・・と、バランスを取るプヨプヨ。
一寸が、刀に手を置き構える。
「どうします?」
キシムが、頭を羽先でポリポリする。
「なんや、気の毒に思うんやけど」
玉子さんが、前脚を持ち上げる。
「踏んじゃう?」
美優留が、それを遮る。
「ダメ!プヨちゃんには、足出しをさせない」
そこは、手出し だけどね。
玉子さんが足を下ろす。
「プヨちゃんって、お友達?」
美優留が、水菜に声をかける。
「違うわよ。いいから、もう。水菜、桶を出してくれる」
キョトンとする水菜。
「あ・・うん、わかった」
ボワンと煙が立ち、桶が現れる。
プヨプヨに手を差し伸べる美優留。
「さあ、おいで~」
プヨプヨを抱えると水菜が差し出す桶に入れた。
ピタリと収まって、プヨプヨは落ち着いた顔をしている。
それを、見たかぐやちゃん。
「まあ、なんて可愛らしいのかしら」
かぐやちゃんの肩に手を添える一寸。
「寝顔が、君にそっくりだね」
かぐやちゃんも、つられて
「目元なんか、あなたにそっくりよ。うふっ」
いつから、そうなったの?
一寸の人柄が伺える瞬間であった。
皆が、ポカンとしている。
恋愛シーンは、彼らに決まりかな。
遠くで、カラスが鳴いている。
玉子さんが、暗くなり始める空を見ながら言う。
「どうする?そろそろ、休むところ見つけないと」
水菜が、あたりを見回す。
「そうね、家らしきもの、なさそうだし」
美優留が、さらりと言う。
「なければ、出したらいいんじゃない?」
水菜が、首を振る。
「ううん、それするんなら、シチジラを倒しちゃってって、願えばなんの苦労もなく終われるよ」
キシムが、羽を組む。
「そら、おもろないな」
玉子さんが、盛り立てようと
「そうだよ、死人の一人くらい出ないと、盛り上がらんだろう」
えっ?と、皆の視線が玉子さんに集まる。
水菜が、困ったように
「あ、いや、そこまでは、望んでないかな」
玉子さんが、食い下がる。
「いやいや、別れとか死って、大事だぜ」
ヤマタノくんが、つぶやく。
「玉子さんが死んじゃうの?」
おおお!と、皆が手を叩く。
「いやいやいや、俺は馬だよ?馬が死んだらダメでしょ」
皆が首を振る。
一寸がポツリ。
「動物が死ぬのは、なんとも言えない悲しみがあります」
かぐやちゃんも、うつむいて。
「言葉で言えない分、訴えるものがありますね」
死人役決定。
「いやいやいや、俺話せるし。そんな美味しい所、俺望んでないから」
ヒヒヒヒンと、玉子さんは鳴いた。
・・
一行は、しばらく歩いた所で、人気のない水車小屋を見つけた。
一寸が、小屋の中を。キシムが上空から辺りを探る。
「大丈夫。誰もいないよ」
キシムが、空から戻ってきた。
「周辺見たけど、動くものないで」
一行は、小屋の中に入っていった。
ここで、異世界での初夜を迎える。
キシムが言う。
「初夜やて、なんや、いやらしな。ぷっ」
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