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第五章 革命の時
第五十一話 絶体絶命
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レイアは自分の右脇腹に痣があるのをまざまざと思い出した。聞いていたセレナとアーサーもはっとなった。雷に打たれたかのような衝撃が身体を一気に刺し貫いてゆく。
小さい頃から翼のような形をした右脇にある痣。アエスが言うには、その痣がロアン家の血をひく者であれば、身体のどこかに現れる証拠だと言うのだ。
(そんな……! あれは……偶然ではなかったのか……!? )
まさか自分の実の親を殺した相手が、アリオンの両親の生命を奪った相手と同一人物だとは思わなかった。その衝撃がレイアの全身を駆け巡る。
今まで以上に耐えかねる痛みが襲いかかって来たが、こめかみを押さえ、歯を食いしばることでレイアは何とか堪えた。だが、早鐘を打つように痛みは増し、流れ落ちる冷や汗で上着が湿り気を帯びてくる。額から流れ落ち、顎から玉となった汗がしたたり落ちてゆく。痛みと驚愕の事実に襲われ、頭の整理が追い付かない。レイアの異変に気付いたアリオンがレイアの傍に駆け寄った。
「……それじゃあ、今まで生きてきた私は一体何なんだ!?」
「レイア! 落ち着くんだ!」
「これが落ち着いていられるか! あいつの言うことが真実であるならば、今まで‘’レイア・ガルブレイス‘’として生きてきた時間は、全て偽物だったということだろう!?」
「レイア!」
「私は……私は……一体……何なんだ! 何者なんだ……!!」
そんな彼女をアリオンは黙って後ろから抱き寄せた。汗で頭部が雨に打たれたかのように濡れ、すっかり冷たくなっている。彼女の身体が小刻みに震えているのを感じ、温もりを与えるかのように抱く腕に力を込めた。それに気付いたレイアは慌ててアリオンから身を剥がそうともがいた。
「離せよ! 離せったら!!」
「……離さない。レイア。混乱する気持ちは良く分かるが、一先ず聞いてくれ。君は、君だ。名前が‘’レイア・ガルブレイス‘’だろうと‘’ジャンヌ・ロアン‘’だろうと、君が君であることに変わりはない。君は生きているんだ。名を変えているだけで、ジャンヌとしても生きているのだから!!」
「……」
ようやくレイアの身体の震えが止まった。雪が溶けるように痛みが一気にひいてゆく。痛みから開放され安堵の吐息をつき、後ろを振り返りゆっくりと見上げてみると、悲痛な面持ちの王子の顔があった。金茶色の瞳はわずかに潤んでいて、血走っている。その顔に浮かんでいる表情は複雑で、何か気持ちを抑え込んでるようなどこか緊張しているような表情だった。
アリオンは汗に濡れて張り付いた濃い茶色い前髪を、指でそっと避けてやった。そんな彼の仕草に気付いたレイアは何か言葉を発したいが、喉につっかえてうまく出てこない。彼女が口を開いて何か言おうとしたその時、アエスのハスキーがかった渋味のある声が、その場の空気を一気に引き裂いた。
「しかし、あの時子供だったお前がここまで美女に育つとはな。気の強い女は好みだ。抱き心地の良さそうな女もな。何なら儂の妃になっても良いぞ。但し正妻がいるゆえ二番目だがな。そんな薄汚い格好などせず、痛い思いなどせず、昼夜問わず毎日楽しく過ごせるぞ。本来ならあるはずだった王族としての贅沢な暮らしが、儂の元にはあるのだからな!」
「そんなもの……私は望んでいない!」
喉笛に食らいつくのではないかという位の勢いでレイアは言い放つ。
「そうか……これでも儂は情けをかけてやったつもりだがな……仕方がない。お前もここから生きては出さぬぞ」
「……そうはさせない。アエス王、僕が相手だ」
アエスはレイアからアリオンへと視線を向けた。まるで見下すような瞳だ。王子は煙水晶の瞳を睨み付け、腕輪のある左の握り拳をぐっと握り締める。
「ほう。今のお前がこの儂に勝てるとでも?」
「……敵わずとも、一矢は報いるつもりだ」
アリオンはレイアを解放し、彼女を背にして立ち、腕輪のある左の握り拳をぐっと握り締め、すらりと剣を鞘から引き抜いた。
「ほう。この儂に剣を向ける気か。良いだろう。その腕輪の作り主が儂だということを今ここで思い知らせてやるわ……」
アエスは右手を突き出し、手のひらを上に向け、何やらブツブツと呪文を唱えた。煙水晶の瞳が真っ黒になったその瞬間、アリオンが目を大きく見開いた。
「あああああああああああっっっ!!!!」
「アリオンっ!!」
数ヶ月前に崖から落ちたレイアを助けるために“力”を使った時の倍以上の痛みがアリオンを襲ったのだ。
アリオンは剣を落とし、左胸を押さえながら膝立ちになった。
心臓を握り潰そうとする力がどんどん強くなってゆく。
カシャンと音を立てて、手から滑り落ちた剣が床に転がった。
「あああああああああああっっっ!!!!」
アリオンは真っ直ぐに立つことすらままならず、倒れずに済んでるだけマシな状態だった。
痛みのあまり、呼吸が上手く出来ない。
白皙の色が更に白くなった額に汗が浮き出し、宝石のように輝いている。
胸を押さえてもがき苦しむ王子を見て、アエスは勝ち誇ったかのように高笑いした。
「フハハハ!! 儂を憎みたければ憎むが良いぞ! 所詮は悪あがきというもの。己の非力さを憎み苦しみ、泣き叫ぶが良い!!」
王は腰に帯びている自分の剣を鞘からすらりと抜いた。その剣は外からの光を受け、ギラリと輝いている。その剣身を舌でべろりと舐めた。
「一度は見逃したが、その恩を忘れて刃向かうとはな。そんなに死にたければ死ねばいい!!」
王は剣を振りかざし、身動きがとれずにいるアリオンの左胸を目掛けて突き刺そうとした。耐えきれなくなったレイアは急いで立ち上がる。
(駄目だ!! それだけは絶対に許せない……!! )
衣服が擦れる音を聞き、レイアの動きを察知したアリオンは痛みを堪え、絞り出すような声で彼女を制止しようと必死に叫んだ。
「……レイア……駄目だ……こちらに来ては……いけない!!」
「貴様! アリオンに何をする!!」
レイアは身を踊らせ、アリオンを思い切り突き飛ばした。するとアエスの剣先が、誘われるかのように彼女の左胸を背中から真っ直ぐに刺し貫き、周囲に血が飛び散った。
剣先からぼとぼとと血がしたたり落ちてゆく。レイアは全身に走る激痛を堪え、ありったけの力を振り絞り、背後にいる男の鳩尾を狙って肘鉄を食らわせた。
「何……!?」
「これ以上……私から大切な者を奪うなぁああっっ!!」
予想外の反撃をまともに食らったアエスは剣を握ったまま背後にふき飛ばされた。レイアの渾身の一撃だった。
「ぐあっ!!」
「く……あ……っ!!」
身体から剣が抜けてゆく生々しい感触にレイアは苦悶を浮かべた。左胸から迸る真っ赤な血潮が大きな弧を描く。髪留めが切れて、濃い茶色の長い髪が扇のように広がった。
「レイア――ッ!!!!」
アリオンの悲痛な叫び声が室内に響き渡った。
小さい頃から翼のような形をした右脇にある痣。アエスが言うには、その痣がロアン家の血をひく者であれば、身体のどこかに現れる証拠だと言うのだ。
(そんな……! あれは……偶然ではなかったのか……!? )
まさか自分の実の親を殺した相手が、アリオンの両親の生命を奪った相手と同一人物だとは思わなかった。その衝撃がレイアの全身を駆け巡る。
今まで以上に耐えかねる痛みが襲いかかって来たが、こめかみを押さえ、歯を食いしばることでレイアは何とか堪えた。だが、早鐘を打つように痛みは増し、流れ落ちる冷や汗で上着が湿り気を帯びてくる。額から流れ落ち、顎から玉となった汗がしたたり落ちてゆく。痛みと驚愕の事実に襲われ、頭の整理が追い付かない。レイアの異変に気付いたアリオンがレイアの傍に駆け寄った。
「……それじゃあ、今まで生きてきた私は一体何なんだ!?」
「レイア! 落ち着くんだ!」
「これが落ち着いていられるか! あいつの言うことが真実であるならば、今まで‘’レイア・ガルブレイス‘’として生きてきた時間は、全て偽物だったということだろう!?」
「レイア!」
「私は……私は……一体……何なんだ! 何者なんだ……!!」
そんな彼女をアリオンは黙って後ろから抱き寄せた。汗で頭部が雨に打たれたかのように濡れ、すっかり冷たくなっている。彼女の身体が小刻みに震えているのを感じ、温もりを与えるかのように抱く腕に力を込めた。それに気付いたレイアは慌ててアリオンから身を剥がそうともがいた。
「離せよ! 離せったら!!」
「……離さない。レイア。混乱する気持ちは良く分かるが、一先ず聞いてくれ。君は、君だ。名前が‘’レイア・ガルブレイス‘’だろうと‘’ジャンヌ・ロアン‘’だろうと、君が君であることに変わりはない。君は生きているんだ。名を変えているだけで、ジャンヌとしても生きているのだから!!」
「……」
ようやくレイアの身体の震えが止まった。雪が溶けるように痛みが一気にひいてゆく。痛みから開放され安堵の吐息をつき、後ろを振り返りゆっくりと見上げてみると、悲痛な面持ちの王子の顔があった。金茶色の瞳はわずかに潤んでいて、血走っている。その顔に浮かんでいる表情は複雑で、何か気持ちを抑え込んでるようなどこか緊張しているような表情だった。
アリオンは汗に濡れて張り付いた濃い茶色い前髪を、指でそっと避けてやった。そんな彼の仕草に気付いたレイアは何か言葉を発したいが、喉につっかえてうまく出てこない。彼女が口を開いて何か言おうとしたその時、アエスのハスキーがかった渋味のある声が、その場の空気を一気に引き裂いた。
「しかし、あの時子供だったお前がここまで美女に育つとはな。気の強い女は好みだ。抱き心地の良さそうな女もな。何なら儂の妃になっても良いぞ。但し正妻がいるゆえ二番目だがな。そんな薄汚い格好などせず、痛い思いなどせず、昼夜問わず毎日楽しく過ごせるぞ。本来ならあるはずだった王族としての贅沢な暮らしが、儂の元にはあるのだからな!」
「そんなもの……私は望んでいない!」
喉笛に食らいつくのではないかという位の勢いでレイアは言い放つ。
「そうか……これでも儂は情けをかけてやったつもりだがな……仕方がない。お前もここから生きては出さぬぞ」
「……そうはさせない。アエス王、僕が相手だ」
アエスはレイアからアリオンへと視線を向けた。まるで見下すような瞳だ。王子は煙水晶の瞳を睨み付け、腕輪のある左の握り拳をぐっと握り締める。
「ほう。今のお前がこの儂に勝てるとでも?」
「……敵わずとも、一矢は報いるつもりだ」
アリオンはレイアを解放し、彼女を背にして立ち、腕輪のある左の握り拳をぐっと握り締め、すらりと剣を鞘から引き抜いた。
「ほう。この儂に剣を向ける気か。良いだろう。その腕輪の作り主が儂だということを今ここで思い知らせてやるわ……」
アエスは右手を突き出し、手のひらを上に向け、何やらブツブツと呪文を唱えた。煙水晶の瞳が真っ黒になったその瞬間、アリオンが目を大きく見開いた。
「あああああああああああっっっ!!!!」
「アリオンっ!!」
数ヶ月前に崖から落ちたレイアを助けるために“力”を使った時の倍以上の痛みがアリオンを襲ったのだ。
アリオンは剣を落とし、左胸を押さえながら膝立ちになった。
心臓を握り潰そうとする力がどんどん強くなってゆく。
カシャンと音を立てて、手から滑り落ちた剣が床に転がった。
「あああああああああああっっっ!!!!」
アリオンは真っ直ぐに立つことすらままならず、倒れずに済んでるだけマシな状態だった。
痛みのあまり、呼吸が上手く出来ない。
白皙の色が更に白くなった額に汗が浮き出し、宝石のように輝いている。
胸を押さえてもがき苦しむ王子を見て、アエスは勝ち誇ったかのように高笑いした。
「フハハハ!! 儂を憎みたければ憎むが良いぞ! 所詮は悪あがきというもの。己の非力さを憎み苦しみ、泣き叫ぶが良い!!」
王は腰に帯びている自分の剣を鞘からすらりと抜いた。その剣は外からの光を受け、ギラリと輝いている。その剣身を舌でべろりと舐めた。
「一度は見逃したが、その恩を忘れて刃向かうとはな。そんなに死にたければ死ねばいい!!」
王は剣を振りかざし、身動きがとれずにいるアリオンの左胸を目掛けて突き刺そうとした。耐えきれなくなったレイアは急いで立ち上がる。
(駄目だ!! それだけは絶対に許せない……!! )
衣服が擦れる音を聞き、レイアの動きを察知したアリオンは痛みを堪え、絞り出すような声で彼女を制止しようと必死に叫んだ。
「……レイア……駄目だ……こちらに来ては……いけない!!」
「貴様! アリオンに何をする!!」
レイアは身を踊らせ、アリオンを思い切り突き飛ばした。するとアエスの剣先が、誘われるかのように彼女の左胸を背中から真っ直ぐに刺し貫き、周囲に血が飛び散った。
剣先からぼとぼとと血がしたたり落ちてゆく。レイアは全身に走る激痛を堪え、ありったけの力を振り絞り、背後にいる男の鳩尾を狙って肘鉄を食らわせた。
「何……!?」
「これ以上……私から大切な者を奪うなぁああっっ!!」
予想外の反撃をまともに食らったアエスは剣を握ったまま背後にふき飛ばされた。レイアの渾身の一撃だった。
「ぐあっ!!」
「く……あ……っ!!」
身体から剣が抜けてゆく生々しい感触にレイアは苦悶を浮かべた。左胸から迸る真っ赤な血潮が大きな弧を描く。髪留めが切れて、濃い茶色の長い髪が扇のように広がった。
「レイア――ッ!!!!」
アリオンの悲痛な叫び声が室内に響き渡った。
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