57 / 78
第四章 せめぎ合う光と闇
第五十七話 死中求活
しおりを挟む
ガガガガガガガッッ……!!
茉莉の操る大鎌は周りの空気をも武器に変えた。
それは無数の青い|鎌鼬となってルフスに襲いかかってくる。
ヒュンッ!
風を切る音がした途端、ルフスの青いジーンズの裾が切り裂かれた。
血は出てない。
どうやら肉体に傷はついていないようだ。
「……くっ……!!」
ルフスは右足で床を蹴り、一気に空中に跳んでやり過ごした。
茉莉はその後を執拗に追いかけてくる。
彼女の顔に疲労の色は全く見えない。
彼等が立っていたところは無惨にも切り刻まれていた。
大理石のようなタイルがまるで乱切りにされたにんじんか大根のようになっている。
「セフィロス……! 何故こんな卑怯な真似を!? お前の狙いは俺じゃねぇのか? 戦うならば俺と正々堂々戦え!!」
炎のように赤く燃え上がらせた瞳でいくら睨み付けても、セフィロスは涼し気な顔のままである。その面差しからは一体何を考えているのか見当がつかず、ヤキモキさせられる。
「卑怯? 私は今のお前の力をこの目で見たいと先程言った筈だ。お前がその小娘を斃せば良い。ただそれだけのことに何故躊躇する?」
深く濃い群青色をした美しい瞳は、刃のように、目の前のものを切り裂こうと輝いた。それはいつ爆発してもおかしくないような危険性を奥底にはらんでいる。
「どうした? ルフス。お前はもっと強かった筈。彼女は人の身ゆえ、発揮するとしても我々の力のせいぜい十分の一程度だ。これで辟易しているようでは私の相手は出来ぬぞ」
「……茉莉……っ!」
ルフスの青白い額を一筋汗が流れ落ちていった。息が上がっている。
――あんた達だって……生きている。静藍だって……生きているのよ!? これ以上彼の人生を……踏みにじらないで……!! ――
かつてそう叫んでいた口は真っ直ぐに閉じられており、一言も発さない。
生命力の塊のような光を宿していた瞳は、今や鈍い榛色だ。そして、本来の仲間である人間達に向かって大鎌の切っ先を向けている。
「茉莉……っ!!」
彼は自分の宿るこの肉体の持ち主が、大切に想っている人間を傷付けたくない。
だが、自分の前に立ち塞がる彼女は意識を奪われて操られた、傀儡状態だ。
今の彼女に幾ら声を掛けても全く届かない。
“――!! ”
そこで誰かの声がルフスの耳をとらえた。
外からではない。身体の内側から聞こえてくるのだ。
こみ上げてくるように、その声は身体中に響き渡ってくる。
木霊のように絶え間なく響く声。
それは切ない響きを持っていて、胸が押し潰されそうな位に重い。
“茉莉さん……!! ”
心臓の中が熱くて痛い。
これはきっと、静藍の声だろう。
“茉莉さん……!! ”
静藍が叫んでいる声だ。
彼なりに彼女を呼び戻そうとしているのだろうか。
茉莉を呼び続ける声が痛切で、ルフスの骨身に堪えてくる。
(茉莉……!! )
茉莉はただでさえ運動神経が人一倍優れている。
セフィロスの技が彼女の肉体を以てルフスに襲い掛かってくるのだ。その攻撃は的確に彼の急所を攻めてくる。
完全に吸血鬼化していれば大したことではないが、今のルフスは不完全体である。
セフィロスの手によってこの肉体に植え込まれた貴艶石は静藍の血肉を吸って何とか維持し続けているものの、吸血してない為充分に成熟していない。
そして、その状態のまま己の特殊能力を使い続けている為、肉体に大きな負担がかかり損傷が蓄積し続けている。
見た目では分からないが、現在のルフスは満身創痍状態なのだ。それは静藍自身の生命力にも影響を及ぼしている。
だから一歩間違えると致命傷になりかねない。
その上、万全とは言い難い肉体を酷使せざるを得ない。
明らかに分が悪すぎる。
茉莉を正気に戻し、セフィロスを抑え込むまでこの身体が果てしてもつのか、正直分からない。
(茉莉……!! くそっ! 彼女にかけられた術を何とかして解かねば……!! )
ルフスは茉莉の攻撃に耐えながらも、彼女にかけられた術を解くタイミングを狙うことにした。
何とかして彼女に光を取り戻させねばならない。
それも、なるべく早く。
この身体が限界を越えてしまうその前に……。
(セフィロス……お前は何故俺の“力”にこだわるのだ……? あの戦いは既に終わっている筈……)
その疑問は、焦りが見え隠れするルフスの心の中にじわりと巣食っていた。
※※※
「それじゃあ、こちらも始める? ……そう言えばまだ名乗ってなかったわね。失礼。私はウィオラ。これから死ぬまでの間という短い期間だけど、どうぞ宜しく」
たれた目元から零れ落ちる紫色の瞳に赤味が指したかと思った途端、様々な方向から黒い糸が紗英達へと飛び掛かってきた。それはぎらぎらと黒光りしていて、見ていてあまり気持ちの良いものではない。
「はぁっ!!」
シュルルルルッ!!
紗英が右薙ぎ・左薙ぎとヨーヨーを走らせると、その本体が橙色に輝き、彼女に襲いかかろうとした黒紫糸をことごとく断ち切った。対象物を失ったヨーヨーはそのままくるくると回転しながら手の中にぱしりと納まる。それを見た愛梨の目はキラキラ輝いた。
「先輩~めっちゃかっこいい~ですぅ!」
「愛梨ちゃん! 油断しては駄目ですよ!!」
「え……!?」
愛梨のすぐ傍から黒い網のようなものが飛び出し、彼女を捕らえようと飛び掛かってきた。
「きゃあ! ……なぁんちゃって。え~いっ!!」
ちょっとおどけてみせた愛梨はすかさずカードを一枚取り出して右の人差し指と親指で挟んで持った。そして指を鳴らすように人差し指と親指を勢いよくこすり、スナップをかけてカードを弾き飛ばす。それは黄色い光をまといながら宙を飛んだ。
ヒュウンッ!!
自分を捕らえようと口を広げて来た黒い網に向かってリリースされたスペードのエースはそれをすぱりと一文字に切り裂き、大きく弧を描いて持ち主の元へと戻ってきた。
「ひょっとしてトランプ投げですか? すごいですねぇ!!」
「……へへへ。私カードゲーム大好きで、その流れでこれに昔ハマって練習してたんですよね。久し振りでしたけど、腕は鈍ってないみたい。良かったぁ」
拍手を送る紗英に愛梨はちょっと照れくさそうに舌をペロリと出して微笑んだ。
「ふふん。それならこれはどうかしら?」
ウィオラは前に向かって右手を真っ直ぐに付き出した。
すると、見た目はいつもの黒紫糸だが、妙に硬さを帯びたものが頭上から何本も降ってきた。
「危ないっ!」
紗英と愛梨はそれぞれ左右に跳ぶ。
その数秒後、二人がいた場所に真っ黒な糸が滝のように降り注いだ。
カカカカカカカカッッッ!!
その何本もの「糸」は真っ直ぐに床のタイルを貫き、辺りにはその破片が飛び散っている。
愛梨はそれに向かってカードを一枚投げてみると、何とカードの方が逆に真っ二つとなった。
まともに受けるときっと串刺しとなったに違いない。
それを想像すると、背中にビリビリと電流が走ったような気がして愛梨はビクリと震えた。
「何よこれぇ!? ありえなぁい!!」
「そう言えばこの黒紫糸、“何でも縛れるし、切り裂くことも出来る便利な代物”と彼女言ってましたね。今回はきっと私達を殺しにかかっていると思いますよ」
「……どうしたら……!?」
「無駄撃ちは控え、何とか時間を稼ぎましょう」
二人は互いに頷き、下手に攻めず守りに徹することに意識を集中することに決めた。
茉莉の操る大鎌は周りの空気をも武器に変えた。
それは無数の青い|鎌鼬となってルフスに襲いかかってくる。
ヒュンッ!
風を切る音がした途端、ルフスの青いジーンズの裾が切り裂かれた。
血は出てない。
どうやら肉体に傷はついていないようだ。
「……くっ……!!」
ルフスは右足で床を蹴り、一気に空中に跳んでやり過ごした。
茉莉はその後を執拗に追いかけてくる。
彼女の顔に疲労の色は全く見えない。
彼等が立っていたところは無惨にも切り刻まれていた。
大理石のようなタイルがまるで乱切りにされたにんじんか大根のようになっている。
「セフィロス……! 何故こんな卑怯な真似を!? お前の狙いは俺じゃねぇのか? 戦うならば俺と正々堂々戦え!!」
炎のように赤く燃え上がらせた瞳でいくら睨み付けても、セフィロスは涼し気な顔のままである。その面差しからは一体何を考えているのか見当がつかず、ヤキモキさせられる。
「卑怯? 私は今のお前の力をこの目で見たいと先程言った筈だ。お前がその小娘を斃せば良い。ただそれだけのことに何故躊躇する?」
深く濃い群青色をした美しい瞳は、刃のように、目の前のものを切り裂こうと輝いた。それはいつ爆発してもおかしくないような危険性を奥底にはらんでいる。
「どうした? ルフス。お前はもっと強かった筈。彼女は人の身ゆえ、発揮するとしても我々の力のせいぜい十分の一程度だ。これで辟易しているようでは私の相手は出来ぬぞ」
「……茉莉……っ!」
ルフスの青白い額を一筋汗が流れ落ちていった。息が上がっている。
――あんた達だって……生きている。静藍だって……生きているのよ!? これ以上彼の人生を……踏みにじらないで……!! ――
かつてそう叫んでいた口は真っ直ぐに閉じられており、一言も発さない。
生命力の塊のような光を宿していた瞳は、今や鈍い榛色だ。そして、本来の仲間である人間達に向かって大鎌の切っ先を向けている。
「茉莉……っ!!」
彼は自分の宿るこの肉体の持ち主が、大切に想っている人間を傷付けたくない。
だが、自分の前に立ち塞がる彼女は意識を奪われて操られた、傀儡状態だ。
今の彼女に幾ら声を掛けても全く届かない。
“――!! ”
そこで誰かの声がルフスの耳をとらえた。
外からではない。身体の内側から聞こえてくるのだ。
こみ上げてくるように、その声は身体中に響き渡ってくる。
木霊のように絶え間なく響く声。
それは切ない響きを持っていて、胸が押し潰されそうな位に重い。
“茉莉さん……!! ”
心臓の中が熱くて痛い。
これはきっと、静藍の声だろう。
“茉莉さん……!! ”
静藍が叫んでいる声だ。
彼なりに彼女を呼び戻そうとしているのだろうか。
茉莉を呼び続ける声が痛切で、ルフスの骨身に堪えてくる。
(茉莉……!! )
茉莉はただでさえ運動神経が人一倍優れている。
セフィロスの技が彼女の肉体を以てルフスに襲い掛かってくるのだ。その攻撃は的確に彼の急所を攻めてくる。
完全に吸血鬼化していれば大したことではないが、今のルフスは不完全体である。
セフィロスの手によってこの肉体に植え込まれた貴艶石は静藍の血肉を吸って何とか維持し続けているものの、吸血してない為充分に成熟していない。
そして、その状態のまま己の特殊能力を使い続けている為、肉体に大きな負担がかかり損傷が蓄積し続けている。
見た目では分からないが、現在のルフスは満身創痍状態なのだ。それは静藍自身の生命力にも影響を及ぼしている。
だから一歩間違えると致命傷になりかねない。
その上、万全とは言い難い肉体を酷使せざるを得ない。
明らかに分が悪すぎる。
茉莉を正気に戻し、セフィロスを抑え込むまでこの身体が果てしてもつのか、正直分からない。
(茉莉……!! くそっ! 彼女にかけられた術を何とかして解かねば……!! )
ルフスは茉莉の攻撃に耐えながらも、彼女にかけられた術を解くタイミングを狙うことにした。
何とかして彼女に光を取り戻させねばならない。
それも、なるべく早く。
この身体が限界を越えてしまうその前に……。
(セフィロス……お前は何故俺の“力”にこだわるのだ……? あの戦いは既に終わっている筈……)
その疑問は、焦りが見え隠れするルフスの心の中にじわりと巣食っていた。
※※※
「それじゃあ、こちらも始める? ……そう言えばまだ名乗ってなかったわね。失礼。私はウィオラ。これから死ぬまでの間という短い期間だけど、どうぞ宜しく」
たれた目元から零れ落ちる紫色の瞳に赤味が指したかと思った途端、様々な方向から黒い糸が紗英達へと飛び掛かってきた。それはぎらぎらと黒光りしていて、見ていてあまり気持ちの良いものではない。
「はぁっ!!」
シュルルルルッ!!
紗英が右薙ぎ・左薙ぎとヨーヨーを走らせると、その本体が橙色に輝き、彼女に襲いかかろうとした黒紫糸をことごとく断ち切った。対象物を失ったヨーヨーはそのままくるくると回転しながら手の中にぱしりと納まる。それを見た愛梨の目はキラキラ輝いた。
「先輩~めっちゃかっこいい~ですぅ!」
「愛梨ちゃん! 油断しては駄目ですよ!!」
「え……!?」
愛梨のすぐ傍から黒い網のようなものが飛び出し、彼女を捕らえようと飛び掛かってきた。
「きゃあ! ……なぁんちゃって。え~いっ!!」
ちょっとおどけてみせた愛梨はすかさずカードを一枚取り出して右の人差し指と親指で挟んで持った。そして指を鳴らすように人差し指と親指を勢いよくこすり、スナップをかけてカードを弾き飛ばす。それは黄色い光をまといながら宙を飛んだ。
ヒュウンッ!!
自分を捕らえようと口を広げて来た黒い網に向かってリリースされたスペードのエースはそれをすぱりと一文字に切り裂き、大きく弧を描いて持ち主の元へと戻ってきた。
「ひょっとしてトランプ投げですか? すごいですねぇ!!」
「……へへへ。私カードゲーム大好きで、その流れでこれに昔ハマって練習してたんですよね。久し振りでしたけど、腕は鈍ってないみたい。良かったぁ」
拍手を送る紗英に愛梨はちょっと照れくさそうに舌をペロリと出して微笑んだ。
「ふふん。それならこれはどうかしら?」
ウィオラは前に向かって右手を真っ直ぐに付き出した。
すると、見た目はいつもの黒紫糸だが、妙に硬さを帯びたものが頭上から何本も降ってきた。
「危ないっ!」
紗英と愛梨はそれぞれ左右に跳ぶ。
その数秒後、二人がいた場所に真っ黒な糸が滝のように降り注いだ。
カカカカカカカカッッッ!!
その何本もの「糸」は真っ直ぐに床のタイルを貫き、辺りにはその破片が飛び散っている。
愛梨はそれに向かってカードを一枚投げてみると、何とカードの方が逆に真っ二つとなった。
まともに受けるときっと串刺しとなったに違いない。
それを想像すると、背中にビリビリと電流が走ったような気がして愛梨はビクリと震えた。
「何よこれぇ!? ありえなぁい!!」
「そう言えばこの黒紫糸、“何でも縛れるし、切り裂くことも出来る便利な代物”と彼女言ってましたね。今回はきっと私達を殺しにかかっていると思いますよ」
「……どうしたら……!?」
「無駄撃ちは控え、何とか時間を稼ぎましょう」
二人は互いに頷き、下手に攻めず守りに徹することに意識を集中することに決めた。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~
紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。
そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。
大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。
しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。
フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。
しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。
「あのときからずっと……お慕いしています」
かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。
ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。
「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、
シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」
あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる