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マンションですごす二年目
試食会ではなかったただの食事会
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厚揚げは美味しい。それは知っていた。知っていたけれど、こんなに美味しかったっけ? こんがりと焼かれて、かりっ、ぱりっとした衣にやわらかい豆腐の内側。その上に刻んだネギがこれでもか! と山盛りになっていて、さっと醤油がかけられている。これがまたもう、お酒が進む進む。
お昼頃に始まった三毛猫のお店でのきのこ料理の試食会。でも、気がつけばきのこ以外のお料理がどんどんテーブルに並べられていった。
「美味しかったら何も問題ないのよ」
しれっと三毛猫に言われた私たちは、反論することもなく、「そうですよねー」なんて笑顔で言いつつ、出されたものを食べ続けていた。そんなこんなで楽しく過ごしていたら、気づけばとっぷり日が暮れていた。
食べて飲んで休んで、食べて飲んで休んで、食べて飲んで休んでを繰り返していたら、そりゃ時間も経つか。当たり前と言えば当たり前なのだけれど、やっている時はそれを忘れてしまうから不思議だ。楽しい時間は本当に一瞬だなあと改めて思う。
今、テーブルの上に並ぶのは、刻んだネギが山盛りの厚揚げと、ごま油でかりかりに焼き上げ、上からお醤油がかかった油揚げ。わさびが入っていてほんのりと辛い、大人向けの稲荷寿司。そして締めのきつねうどんが並んでいる
たくさん食べてお腹はもうぱんぱんなのに、目の前にきつねうどんが出てきて、優しいお出汁の香りを嗅いだ瞬間、お腹の中に空きスペースが生まれた。おそらく初めての経験だけど、どうやらこれが別腹というやつらしい。
帰ったらすぐに体重計を家の片隅に封印することと、明日からしばらく食べる量を減らすことを忘れずにやらなきゃなと思いながら、私は食欲に抗うことなくうどんをすすった。適度なコシと出汁の味が絶品で、私はとっても幸せな気持ちになった。
「やっぱり姉さんのきつねうどんは美味しいねえ」
そう言ったのは、嬉しそうに目を細めながら、火傷しないようにちゃんと少しずつ小さな器に入れて冷ましてから食べる三毛猫。
「きつねうどん、すごく美味しいです!」
にこにこしながら大きな声で報告するのがクマ。
「うん、本当に美味しいです」
クマに続くのが私。そしてその直後、向かいの席に座っているのがキツネではなく三毛猫になっていて、びっくりして三毛猫を二度見したのも私。
「え? あれ?」
戸惑う私に気がついた三毛猫は、私を見て一瞬首を傾げるが、すぐに合点がいったのか、ころころ笑い出した。
「あんた、もしかして記憶がないのかい? 姉さんが料理を振る舞ってくれるって言うから、私たちあんたの目の前で席を交代してたじゃないか」
そう言って三毛猫は生ビールをぐいっと飲み、「記憶をとばすなんて飲み過ぎだよ、あんた」と、にやにやしながら私に言った。そんな三毛猫を見て、この猫はいつ見ても飲みっぷりがいいなーと思いつつ、飲み過ぎって言うけれど、どんどん美味しいお酒を勧めてくれるのも、お酒にぴったりなお料理出してくるのも三毛猫じゃないか、と反論したくなった。でも、私はそれをうどんとともにぐっと飲み込んだ。
でも、三毛猫とキツネが交代? 一体それはいつのことだろう? 全く記憶が無い。思い出そうとしてみたが、ここ数時間の記憶が何もよみがえらない。あれ、私はどれぐらい食べてどれぐらいお酒を飲んだんだろう?
「あれ、ゆり子さん覚えてないんですか? 三毛猫さんとキツネさんが交代したのはもう二時間ほど前ですよ。ゆり子さんもキツネさんのお料理が食べられるって喜んでたのに」
そう言って、クマが私の隣で豪快に音を立ててうどんをすすった。不思議なことに、クマには酔っている気配はない。私よりも飲んでいるはずなのに、こいつはウワバミか何かだろうか。いつかクマが酔っ払ったところを見てみたいと思うけれど、それを見るにはかなり私自身かなり準備がいりそうで面倒だなとも思った。
「さて、どうだい? 今日の食事会は楽しんでくれたかい?」
私がうどんをすすっていると、したり顔の三毛猫が言った。
「楽しいです。でも、試食会なのにどのお料理にもちゃんと感想を残せてないんですけど、いいんですか?」
酔いが覚めた私は肝心なことを思い出して聞いてみた。試食会と聞いて来たのに、私たちは出されたものを食べているだけだ。「美味しい」とは言っているが、三毛猫の役に立つことは何も言えていない。てか、今日私たちが食べている量は試食会で食べる量じゃない。私は今日の飲食代を考えてゾッとした。
いや、そう言えば、そもそも三毛猫から味の感想を聞かれていない。あと、きのこじゃないお料理は出てくるし、いつの間にかキツネの料理が出てくるし、不思議な状況になっている。そうだ、あと料理の値段も聞いてない。
「本当ですね、私もゆり子さんも普通に食べているだけだ!」
クマが、はっ! と口を開けて目を白黒させた。酔ってはなかったけれどクマも忘れていたらしい。私たちはよくわからない状況に困惑し、顔を見合わせた。
「ごめんね、試食会なんて嘘なのよ」
私たちがあわあわしていると、キツネが厨房から出てきて羽織っていた割烹着を脱いだ。よくわからず三毛猫を見ると、三毛猫は私たちを見てしししと笑っている。
「どういうことです?」
クマがキツネと三毛猫を交互に見ながら言った。うん、私も聞きたい。私もクマと同じくキツネと三毛猫を交互に見る。
「三毛猫がね、いつも出したお料理を、それはもう美味しそうに食べてくれる仲良しコンビがいるってよく言うから、気になってね。お願いしてこの会を開いてもらったの」
キツネが笑いながらも、申し訳なさそうに言った。そして、よいしょっと言いながら三毛猫の隣、私の正面に座った。
「試食会なんかじゃないのよ。私たちは単に美味しそうに食べるあんたたちが見たかっただけの」
そう言う三毛猫は、いたずらっぽい笑顔を見せた。まるで小さな女の子みたいだ。私とクマが状況の理解に時間がかかり固まっているのを余所に、「言った通りでしょう?」「ほんと、いい感じじゃない」なんてキツネと話している。
「じゃあ、お料理の感想は?」
おずおずと聞いたのはクマ。
「大丈夫よ、単に食べて欲しかっただけだから。あ、お代も今日は私とキツネがもつからいらないから」
けろりと言うのは三毛猫。
クマと私は顔を見合わせて、はあーと大きなため息をついた。なんだ、試食会じゃなかったのか。てか、なんだ、美味しい料理を無料で食べさせてもらうだけの会って。なんだ、お酒もたくさん飲ませてもらったのに無料って。いいのか、そんな素敵な会があって。
「あの、本当にいいんですか? 私たち何も考えず食べてただけですよ?」
不安になって聞いてみると、キツネがにこにこしながら「いいのいいの」と言った。
「クマさんにも久しぶりに会えたし、あなたたちの素敵な食べっぷりも見られたから」
やったー! と隣ではしゃぐクマの横で、私は「はあ……」と気の抜けた返事しかできなかった。するとキツネがすっと立ち上がり「それから心配しなくても大丈夫よ。弟分にしか思ってないから」と私の耳元で囁いた。
最初何を言われているのか分からなかった。でも、わかった途端、自分の顔が真っ赤になるのがわかった。
「な、ちがっ! そんなんじゃ」
「いいのよ、それ以上言わなくて。ねえ?」
慌てる私を見てにやりとしたキツネはすっと隣の三毛猫を見た。すると三毛猫もにまにましながら私を見て、いつの間にか持って来た温かいお茶をゆっくりすすっている。
「どうしたんですか?」
クマが不思議そうに私を見ているので、私の頭は一瞬真っ白になった。
「うるさい! 気にしなくていいからクマはうどんすすってな!」
私はつい大きな声を出してしまい、言った直後に後悔した。あちゃーと思いながら次の言葉を探しているうちに、あっはっはっ! と三毛猫とキツネの大きな笑い声が店内に響いた。クマは「えー……」と言って困り顔だけれど、その声は笑い声でかき消された。
なんだろう、すごく恥ずかしい。でも、どこかほっとしている自分もいて、自分が何にほっとしているのかよく分からなかった。
お昼頃に始まった三毛猫のお店でのきのこ料理の試食会。でも、気がつけばきのこ以外のお料理がどんどんテーブルに並べられていった。
「美味しかったら何も問題ないのよ」
しれっと三毛猫に言われた私たちは、反論することもなく、「そうですよねー」なんて笑顔で言いつつ、出されたものを食べ続けていた。そんなこんなで楽しく過ごしていたら、気づけばとっぷり日が暮れていた。
食べて飲んで休んで、食べて飲んで休んで、食べて飲んで休んでを繰り返していたら、そりゃ時間も経つか。当たり前と言えば当たり前なのだけれど、やっている時はそれを忘れてしまうから不思議だ。楽しい時間は本当に一瞬だなあと改めて思う。
今、テーブルの上に並ぶのは、刻んだネギが山盛りの厚揚げと、ごま油でかりかりに焼き上げ、上からお醤油がかかった油揚げ。わさびが入っていてほんのりと辛い、大人向けの稲荷寿司。そして締めのきつねうどんが並んでいる
たくさん食べてお腹はもうぱんぱんなのに、目の前にきつねうどんが出てきて、優しいお出汁の香りを嗅いだ瞬間、お腹の中に空きスペースが生まれた。おそらく初めての経験だけど、どうやらこれが別腹というやつらしい。
帰ったらすぐに体重計を家の片隅に封印することと、明日からしばらく食べる量を減らすことを忘れずにやらなきゃなと思いながら、私は食欲に抗うことなくうどんをすすった。適度なコシと出汁の味が絶品で、私はとっても幸せな気持ちになった。
「やっぱり姉さんのきつねうどんは美味しいねえ」
そう言ったのは、嬉しそうに目を細めながら、火傷しないようにちゃんと少しずつ小さな器に入れて冷ましてから食べる三毛猫。
「きつねうどん、すごく美味しいです!」
にこにこしながら大きな声で報告するのがクマ。
「うん、本当に美味しいです」
クマに続くのが私。そしてその直後、向かいの席に座っているのがキツネではなく三毛猫になっていて、びっくりして三毛猫を二度見したのも私。
「え? あれ?」
戸惑う私に気がついた三毛猫は、私を見て一瞬首を傾げるが、すぐに合点がいったのか、ころころ笑い出した。
「あんた、もしかして記憶がないのかい? 姉さんが料理を振る舞ってくれるって言うから、私たちあんたの目の前で席を交代してたじゃないか」
そう言って三毛猫は生ビールをぐいっと飲み、「記憶をとばすなんて飲み過ぎだよ、あんた」と、にやにやしながら私に言った。そんな三毛猫を見て、この猫はいつ見ても飲みっぷりがいいなーと思いつつ、飲み過ぎって言うけれど、どんどん美味しいお酒を勧めてくれるのも、お酒にぴったりなお料理出してくるのも三毛猫じゃないか、と反論したくなった。でも、私はそれをうどんとともにぐっと飲み込んだ。
でも、三毛猫とキツネが交代? 一体それはいつのことだろう? 全く記憶が無い。思い出そうとしてみたが、ここ数時間の記憶が何もよみがえらない。あれ、私はどれぐらい食べてどれぐらいお酒を飲んだんだろう?
「あれ、ゆり子さん覚えてないんですか? 三毛猫さんとキツネさんが交代したのはもう二時間ほど前ですよ。ゆり子さんもキツネさんのお料理が食べられるって喜んでたのに」
そう言って、クマが私の隣で豪快に音を立ててうどんをすすった。不思議なことに、クマには酔っている気配はない。私よりも飲んでいるはずなのに、こいつはウワバミか何かだろうか。いつかクマが酔っ払ったところを見てみたいと思うけれど、それを見るにはかなり私自身かなり準備がいりそうで面倒だなとも思った。
「さて、どうだい? 今日の食事会は楽しんでくれたかい?」
私がうどんをすすっていると、したり顔の三毛猫が言った。
「楽しいです。でも、試食会なのにどのお料理にもちゃんと感想を残せてないんですけど、いいんですか?」
酔いが覚めた私は肝心なことを思い出して聞いてみた。試食会と聞いて来たのに、私たちは出されたものを食べているだけだ。「美味しい」とは言っているが、三毛猫の役に立つことは何も言えていない。てか、今日私たちが食べている量は試食会で食べる量じゃない。私は今日の飲食代を考えてゾッとした。
いや、そう言えば、そもそも三毛猫から味の感想を聞かれていない。あと、きのこじゃないお料理は出てくるし、いつの間にかキツネの料理が出てくるし、不思議な状況になっている。そうだ、あと料理の値段も聞いてない。
「本当ですね、私もゆり子さんも普通に食べているだけだ!」
クマが、はっ! と口を開けて目を白黒させた。酔ってはなかったけれどクマも忘れていたらしい。私たちはよくわからない状況に困惑し、顔を見合わせた。
「ごめんね、試食会なんて嘘なのよ」
私たちがあわあわしていると、キツネが厨房から出てきて羽織っていた割烹着を脱いだ。よくわからず三毛猫を見ると、三毛猫は私たちを見てしししと笑っている。
「どういうことです?」
クマがキツネと三毛猫を交互に見ながら言った。うん、私も聞きたい。私もクマと同じくキツネと三毛猫を交互に見る。
「三毛猫がね、いつも出したお料理を、それはもう美味しそうに食べてくれる仲良しコンビがいるってよく言うから、気になってね。お願いしてこの会を開いてもらったの」
キツネが笑いながらも、申し訳なさそうに言った。そして、よいしょっと言いながら三毛猫の隣、私の正面に座った。
「試食会なんかじゃないのよ。私たちは単に美味しそうに食べるあんたたちが見たかっただけの」
そう言う三毛猫は、いたずらっぽい笑顔を見せた。まるで小さな女の子みたいだ。私とクマが状況の理解に時間がかかり固まっているのを余所に、「言った通りでしょう?」「ほんと、いい感じじゃない」なんてキツネと話している。
「じゃあ、お料理の感想は?」
おずおずと聞いたのはクマ。
「大丈夫よ、単に食べて欲しかっただけだから。あ、お代も今日は私とキツネがもつからいらないから」
けろりと言うのは三毛猫。
クマと私は顔を見合わせて、はあーと大きなため息をついた。なんだ、試食会じゃなかったのか。てか、なんだ、美味しい料理を無料で食べさせてもらうだけの会って。なんだ、お酒もたくさん飲ませてもらったのに無料って。いいのか、そんな素敵な会があって。
「あの、本当にいいんですか? 私たち何も考えず食べてただけですよ?」
不安になって聞いてみると、キツネがにこにこしながら「いいのいいの」と言った。
「クマさんにも久しぶりに会えたし、あなたたちの素敵な食べっぷりも見られたから」
やったー! と隣ではしゃぐクマの横で、私は「はあ……」と気の抜けた返事しかできなかった。するとキツネがすっと立ち上がり「それから心配しなくても大丈夫よ。弟分にしか思ってないから」と私の耳元で囁いた。
最初何を言われているのか分からなかった。でも、わかった途端、自分の顔が真っ赤になるのがわかった。
「な、ちがっ! そんなんじゃ」
「いいのよ、それ以上言わなくて。ねえ?」
慌てる私を見てにやりとしたキツネはすっと隣の三毛猫を見た。すると三毛猫もにまにましながら私を見て、いつの間にか持って来た温かいお茶をゆっくりすすっている。
「どうしたんですか?」
クマが不思議そうに私を見ているので、私の頭は一瞬真っ白になった。
「うるさい! 気にしなくていいからクマはうどんすすってな!」
私はつい大きな声を出してしまい、言った直後に後悔した。あちゃーと思いながら次の言葉を探しているうちに、あっはっはっ! と三毛猫とキツネの大きな笑い声が店内に響いた。クマは「えー……」と言って困り顔だけれど、その声は笑い声でかき消された。
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