31 / 48
マンションですごす二年目
夏の終わりの買い物帰り
しおりを挟む
誰も悪くない、悪いのは私。
足をくじいた。お昼過ぎの薄い水彩絵の具で塗ったような空を見ながら歩いていた。もうすぐ夏が終わるなあと、弱々しく鳴く蝉の声を聞いてそんなことを考えていたら、ぐきっとやってしまった。道路に情けない声を響かせながら、重力に逆らうことなくどさりと体を道路に打ち付けた。
せっかくの有給休暇、駅前の本屋さんに行ってお料理の本を立ち読みして帰ってくるところだった。レシピサイトやアプリがあるから、今まで本なんて買わなくてもお料理はいくらでもできた。でも、こないだ実家でお料理の本を見てから、一冊ぐらい買ってもいいかなと思い見に行ったのだ。
いくつか気になる本はあった。でも、どれも決め手に欠けると言うか、これ! という本がなかったので、もう少し様子を見ることにして今日は買わずに帰ってきた。
せっかく気分良く過ごしていたのに。ちょっと……いや、かなりへこむ。
幸い血は出ていない。はいていたデニムが少し擦れただけで、服も破れていない。でも、でも、でも……
「いったぁぁぁ……!」
我慢できずに声が出た。痛い。とっても痛い。転けるのが久しぶりすぎて、こんなに痛いなんて忘れていた。そして熱い。もうすぐ夏が終わるとはいえ、アスファルトってこんなに熱いのか。
転けたことがちょっとショックで、すぐに立ち上がることができず、私は座り込んでいた。痛いし熱いしなんだか涙が出そうになってきた。しかし、流石にこんなところで泣きたくはない。涙の代わりにため息をついた。
「あの、大丈夫ですか? 立てますか?」
後ろから、いや後ろのかなり上の方から声が降ってきた。びっくりして振り返ると、きゅっと引き締まった茶色い足が見えた。その足をつたって見上げると、大きな馬が私を見下ろしていた。ツヤツヤと光沢のある毛並みをした、爽やか系イケメンの若い馬だった。
「立てますか? すみません、私は見てのとおり手をお貸しすることができないものですから……」
「そんなそんな、お気遣いいただきありがとうございます」
申し訳なさそうに話す馬を見て、私は大慌てで立ち上がり足についた砂を払った。でも、すぐに右足首に痛みを感じ、「いっ!」と叫びながらぐらりとよろけた。
ああ、また私は転けるのか。一日に二回も転けるなんてついてない、そんなことが頭によぎる。
ゆっくりと傾いていく世界、私には全てがスローモーションに見えた。視界はとってもゆっくりと動いていくのに、私の体は全く言うことを聞いてくれず、ただただ地面に着地するのを待っているようだった。
ぼふっ……
おや? 転けなかった。気づけば私は黒くて大きな手の中にいた。見上げると大きな大きなゴリラが私を見下ろしているではないか。少し白髪の混じったナイスミドルなゴリラだった。
「大丈夫ですか? 足を痛めてらっしゃるのでは?」
「あ、ありがとうございます。どうやら右足をくじいたみたいで……」
「それはいけない」
そう言ってゴリラさんは私の右足を見て、それから馬の顔を見た。ゴリラさんと馬は顔を見合わせるとこくんと頷き合った。
「お姉さん、お家はこの辺りですか?」
突然のゴリラさんの質問に戸惑いつつも、私は「はい、歩いて10分ぐらいのところです」と素直に答えた。
「ならよかった。もしよければこいつの背中に乗りませんか? お家までお送りしますよ」
ゴリラさんはぴんと立てた右手の親指をくいっとして馬を指差した。馬も爽やかな笑顔で私を見ている。なんだこの方々は、イケメンが過ぎる。
「え、そんな、いいんですか?」
「どうぞどうぞ」
私が恐縮していると馬が優しく言ってくれた。
「じゃあ、お言葉に甘えて……本当にありがとうございます」
嬉しいやら、恥ずかしいやらで私は少し困惑していた。でも、足首がかなり痛むので、この申し出はとってもありがたかった。
「じゃあ、早速乗せますね」
ゴリラさんはそう言うやいなや、「ちょっと失礼しますね」と言いながら私を後ろからひょいと抱き上げた。そして慣れた手つきですとんと馬の背中に乗せてくれた。
「乗り心地はいかがですか?」
馬がこちらに首をほんの少し曲げて具合を聞いてきた。そうか、馬は視野が広いからこれだけで後ろが見えるんだ。私はそのことに気づいて、ちょっぴり嬉しくなった。
「思っていたよりも高くてびっくりしてます。私、こんなふうに乗るの初めてで……」
私は少し緊張しながら答えた。そう、馬の背中は思っていたよりも高かった、そして少し固かった。でも、固いなと思ったことはなんだか申し訳なくて言わないでおいた。
爽やか系イケメンの馬とイケオジゴリラはご近所さんらしい。馬は今年働き始めたばかり、ゴリラさんは年金暮らし。年はかなり離れているけれど、同じアパートに住んでいてよく一緒に遊んでいるそうだ。今日は今から買い物に行って、帰りにどこかで飲むつもりだったらしい。
「すみません、遠回りをさせてしまって」
申し訳なくて謝ると、馬がブルブルと首を振った。
「とんでもない。困った時はみんなお互い様ですよ。ねえ?」
馬がゴリラさんに顔を向けると、「そうそう。いちいち気にしなくて大丈夫ですよ」と、ゴリラさんが優しい笑顔で私に言ってくれた。ああ、なんて優しいんだろう。私は胸の奥がじーんとした。
私のマンションに近づくにつれて、真っ白で綺麗な夕顔と夜顔の花が咲いているのが見えてきた。夏が来る前にクマと一緒に種を蒔いた朝顔、昼顔、夕顔、夜顔の花。秋の足音が聞こえ始めた今でも綺麗に花を咲かせている。
「あの白い花が咲いたマンションの前までお願いします」
私がそう言った時、ちょうどタイミングよく緑の大きなじょうろを持ったクマがマンションの前に出てきた。
「あ、クマだ」
私が思わずそう言うと、クマの耳がぴくぴくっと動いた。そしてこちらを見ると満面の笑みで「ゆり子さーん」と言いかけた。うん、たぶん言いかけたんだと思う。
「ゆり子さ……わー! わ! すごいすごい! かっこいいですね! ウマさんに乗ってどうしたんですか?」
まるで目の中にLEDでも仕込んでいるんじゃないかってぐらい、クマは目を輝かせて言った。
「お知り合いのようですね」
「……ええ、ご近所さんなんです」
優しい笑顔で私を見るゴリラさんを、私は直視できなかった。だって湯気が出るんじゃないかってぐらい、顔が熱くて仕方がなかったから。
足をくじいた。お昼過ぎの薄い水彩絵の具で塗ったような空を見ながら歩いていた。もうすぐ夏が終わるなあと、弱々しく鳴く蝉の声を聞いてそんなことを考えていたら、ぐきっとやってしまった。道路に情けない声を響かせながら、重力に逆らうことなくどさりと体を道路に打ち付けた。
せっかくの有給休暇、駅前の本屋さんに行ってお料理の本を立ち読みして帰ってくるところだった。レシピサイトやアプリがあるから、今まで本なんて買わなくてもお料理はいくらでもできた。でも、こないだ実家でお料理の本を見てから、一冊ぐらい買ってもいいかなと思い見に行ったのだ。
いくつか気になる本はあった。でも、どれも決め手に欠けると言うか、これ! という本がなかったので、もう少し様子を見ることにして今日は買わずに帰ってきた。
せっかく気分良く過ごしていたのに。ちょっと……いや、かなりへこむ。
幸い血は出ていない。はいていたデニムが少し擦れただけで、服も破れていない。でも、でも、でも……
「いったぁぁぁ……!」
我慢できずに声が出た。痛い。とっても痛い。転けるのが久しぶりすぎて、こんなに痛いなんて忘れていた。そして熱い。もうすぐ夏が終わるとはいえ、アスファルトってこんなに熱いのか。
転けたことがちょっとショックで、すぐに立ち上がることができず、私は座り込んでいた。痛いし熱いしなんだか涙が出そうになってきた。しかし、流石にこんなところで泣きたくはない。涙の代わりにため息をついた。
「あの、大丈夫ですか? 立てますか?」
後ろから、いや後ろのかなり上の方から声が降ってきた。びっくりして振り返ると、きゅっと引き締まった茶色い足が見えた。その足をつたって見上げると、大きな馬が私を見下ろしていた。ツヤツヤと光沢のある毛並みをした、爽やか系イケメンの若い馬だった。
「立てますか? すみません、私は見てのとおり手をお貸しすることができないものですから……」
「そんなそんな、お気遣いいただきありがとうございます」
申し訳なさそうに話す馬を見て、私は大慌てで立ち上がり足についた砂を払った。でも、すぐに右足首に痛みを感じ、「いっ!」と叫びながらぐらりとよろけた。
ああ、また私は転けるのか。一日に二回も転けるなんてついてない、そんなことが頭によぎる。
ゆっくりと傾いていく世界、私には全てがスローモーションに見えた。視界はとってもゆっくりと動いていくのに、私の体は全く言うことを聞いてくれず、ただただ地面に着地するのを待っているようだった。
ぼふっ……
おや? 転けなかった。気づけば私は黒くて大きな手の中にいた。見上げると大きな大きなゴリラが私を見下ろしているではないか。少し白髪の混じったナイスミドルなゴリラだった。
「大丈夫ですか? 足を痛めてらっしゃるのでは?」
「あ、ありがとうございます。どうやら右足をくじいたみたいで……」
「それはいけない」
そう言ってゴリラさんは私の右足を見て、それから馬の顔を見た。ゴリラさんと馬は顔を見合わせるとこくんと頷き合った。
「お姉さん、お家はこの辺りですか?」
突然のゴリラさんの質問に戸惑いつつも、私は「はい、歩いて10分ぐらいのところです」と素直に答えた。
「ならよかった。もしよければこいつの背中に乗りませんか? お家までお送りしますよ」
ゴリラさんはぴんと立てた右手の親指をくいっとして馬を指差した。馬も爽やかな笑顔で私を見ている。なんだこの方々は、イケメンが過ぎる。
「え、そんな、いいんですか?」
「どうぞどうぞ」
私が恐縮していると馬が優しく言ってくれた。
「じゃあ、お言葉に甘えて……本当にありがとうございます」
嬉しいやら、恥ずかしいやらで私は少し困惑していた。でも、足首がかなり痛むので、この申し出はとってもありがたかった。
「じゃあ、早速乗せますね」
ゴリラさんはそう言うやいなや、「ちょっと失礼しますね」と言いながら私を後ろからひょいと抱き上げた。そして慣れた手つきですとんと馬の背中に乗せてくれた。
「乗り心地はいかがですか?」
馬がこちらに首をほんの少し曲げて具合を聞いてきた。そうか、馬は視野が広いからこれだけで後ろが見えるんだ。私はそのことに気づいて、ちょっぴり嬉しくなった。
「思っていたよりも高くてびっくりしてます。私、こんなふうに乗るの初めてで……」
私は少し緊張しながら答えた。そう、馬の背中は思っていたよりも高かった、そして少し固かった。でも、固いなと思ったことはなんだか申し訳なくて言わないでおいた。
爽やか系イケメンの馬とイケオジゴリラはご近所さんらしい。馬は今年働き始めたばかり、ゴリラさんは年金暮らし。年はかなり離れているけれど、同じアパートに住んでいてよく一緒に遊んでいるそうだ。今日は今から買い物に行って、帰りにどこかで飲むつもりだったらしい。
「すみません、遠回りをさせてしまって」
申し訳なくて謝ると、馬がブルブルと首を振った。
「とんでもない。困った時はみんなお互い様ですよ。ねえ?」
馬がゴリラさんに顔を向けると、「そうそう。いちいち気にしなくて大丈夫ですよ」と、ゴリラさんが優しい笑顔で私に言ってくれた。ああ、なんて優しいんだろう。私は胸の奥がじーんとした。
私のマンションに近づくにつれて、真っ白で綺麗な夕顔と夜顔の花が咲いているのが見えてきた。夏が来る前にクマと一緒に種を蒔いた朝顔、昼顔、夕顔、夜顔の花。秋の足音が聞こえ始めた今でも綺麗に花を咲かせている。
「あの白い花が咲いたマンションの前までお願いします」
私がそう言った時、ちょうどタイミングよく緑の大きなじょうろを持ったクマがマンションの前に出てきた。
「あ、クマだ」
私が思わずそう言うと、クマの耳がぴくぴくっと動いた。そしてこちらを見ると満面の笑みで「ゆり子さーん」と言いかけた。うん、たぶん言いかけたんだと思う。
「ゆり子さ……わー! わ! すごいすごい! かっこいいですね! ウマさんに乗ってどうしたんですか?」
まるで目の中にLEDでも仕込んでいるんじゃないかってぐらい、クマは目を輝かせて言った。
「お知り合いのようですね」
「……ええ、ご近所さんなんです」
優しい笑顔で私を見るゴリラさんを、私は直視できなかった。だって湯気が出るんじゃないかってぐらい、顔が熱くて仕方がなかったから。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
心の落とし物
緋色刹那
ライト文芸
・完結済み(2024/10/12)。また書きたくなったら、番外編として投稿するかも
・第4回、第5回ライト文芸大賞にて奨励賞をいただきました!!✌︎('ω'✌︎ )✌︎('ω'✌︎ )
〈本作の楽しみ方〉
本作は読む喫茶店です。順に読んでもいいし、興味を持ったタイトルや季節から読んでもオッケーです。
知らない人、知らない設定が出てきて不安になるかもしれませんが、喫茶店の常連さんのようなものなので、雰囲気を楽しんでください(一応説明↓)。
〈あらすじ〉
〈心の落とし物〉はありませんか?
どこかに失くした物、ずっと探している人、過去の後悔、忘れていた夢。
あなたは忘れているつもりでも、心があなたの代わりに探し続けているかもしれません……。
喫茶店LAMP(ランプ)の店長、添野由良(そえのゆら)は、人の未練が具現化した幻〈心の落とし物(こころのおとしもの)〉と、それを探す生き霊〈探し人(さがしびと)〉に気づきやすい体質。
ある夏の日、由良は店の前を何度も通る男性に目を止め、声をかける。男性は数年前に移転した古本屋を探していて……。
懐かしくも切ない、過去の未練に魅せられる。
〈主人公と作中用語〉
・添野由良(そえのゆら)
洋燈町にある喫茶店LAMP(ランプ)の店長。〈心の落とし物〉や〈探し人〉に気づきやすい体質。
・〈心の落とし物(こころのおとしもの)〉
人の未練が具現化した幻。あるいは、未練そのもの。
・〈探し人(さがしびと)〉
〈心の落とし物〉を探す生き霊で、落とし主。当人に代わって、〈心の落とし物〉を探している。
・〈未練溜まり(みれんだまり)〉
忘れられた〈心の落とし物〉が行き着く場所。
・〈分け御霊(わけみたま)〉
生者の後悔や未練が物に宿り、具現化した者。込められた念が強ければ強いほど、人のように自由意志を持つ。いわゆる付喪神に近い。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
『 ゆりかご 』 ◉諸事情で非公開予定ですが読んでくださる方がいらっしゃるのでもう少しこのままにしておきます。
設樂理沙
ライト文芸
皆さま、ご訪問いただきありがとうございます。
最初2/10に非公開の予告文を書いていたのですが読んで
くださる方が増えましたので2/20頃に変更しました。
古い作品ですが、有難いことです。😇
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
" 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始
の加筆修正有版になります。
2022.7.30 再掲載
・・・・・・・・・・・
夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・
その後で私に残されたものは・・。
・・・・・・・・・・
💛イラストはAI生成画像自作
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる