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はじめましての一年目
お鍋の買い出しに行く
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「お鍋と言えばやっぱりキムチ鍋でしょう」
今、私はスーパーにいる。そして私の右手にはキムチ鍋の素がある。水で薄める必要がなくそのまま使える液体タイプのやつだ。そしてそれをクマの持つ買い物カゴに入れようとしているのだがさっきからずっと邪魔されている。
「いやいや、お鍋と言えば水炊きですって」
クマはそう言って陳列棚にずらりと並んだ有名シェフ監修の液体タイプの水炊きの素を取ろうとする。しかし私はすかさずそれを阻止する。バスケ漫画を読んで磨いたディフェンススキルがまさかこんなところで活きるなんて考えたことなかった。
「どうして邪魔するのよ!」
「それはゆり子さんもでしょう!」
他の買い物客の邪魔にならないように時折周りを見ながら私たちはかれこれ5分ほど揉めている。
「ゆり子さん! 今夜一緒にお鍋なんてどうですか?」
11月半ばのお天気のいい土曜日。お昼過ぎにラジオを聞きながらのんびり紅茶を飲んでいるとクマがやってきた。晩ごはんの献立が未定だったので私はすぐにクマとお鍋をすることに決めた。
「いいわよ、私お鍋好きなの」
「やったー!」
クマはにこにこしながら嬉しそうに両手を上げた。一緒にお鍋を食べるだけでこんなに喜ばれるなんて。なんだか少し照れくさい。
「でもどうしていきなりお鍋なの?」
ふと気になって聞いてみた。
「実は寒くなってきたんでそろそろ冬眠しようと思うんです。それで冬眠する前にゆり子さんとお鍋が食べたいなーと思ったんです!」
何故かクマは胸を張り、誇らしそうに言った。そうか、ツキノワグマは冬になると冬眠するのか。当たり前のことだけれど私はすっかり忘れていた。
「そっか、じゃあ今夜はいつもより奮発してリッチなお鍋にしましょ」
「本当ですか!? やったー!」
私がそう言うとクマは嬉しそうに目を細めて飛び跳ねて喜んだ。クマが飛び跳ねる度にマンションが軽く揺れる。
「クマ、揺れるから落ち着いて。それじゃあ買い出しに行かなきゃね。10分待っててくれる? 今支度するから」
「わかりました! 下で大人しく待ってます!」
クマはそう言うといそいそと階段を降りていった。なんだか子どもみたいだ。そんなクマを見て私は思わず笑ってしまった。
水で薄めたような薄い水色の空の下、クマと私は近所のスーパーに歩いて行った。
「カゴは任せてください」
スーパーに着き買い物カゴを取ろうとするとクマがにこにこしながら言ってくれた。私はクマの言葉に甘えることにしてカゴを渡した。
私たちはまず野菜売り場に行き白菜と大根、人参をカゴに入れた。そして通路に設置されたお鍋の素がたくさん並べられた特設コーナーに来た時に問題が発生した。
私はキムチ鍋の素、クマは水炊きの素を手に取ろうとした。私たちは手に取る前にお互いに違うお鍋の素を取ろうとしていることに気づいた。そして今に至る。
「ゆり子さん、大根買いましたよね? 大根といえば絶対に水炊きですって」
「いや、大根はキムチ鍋にもあうわよ。それに白菜が一番美味しいのはキムチ鍋よ」
大人気ないことは自分でもよくわかっている。でも、私は今夜はキムチ鍋の気分になっていたからここで折れる訳にはいかないのだ。きっとクマも同じなんだろう。クマがこんなに頑固なのは初めてだ。
このままだと平行線だしどうしよう、そう思った時だった。
「ねえ、おかあさん。きょうはトマトなべがいい!」
近くで可愛い女の子の声が聞こえた。声がした方を見ると5歳ぐらいの女の子がこちらにやってくるところだった。女の子はツインテールがとってもよく似合っていてすごくかわいい。彼女の隣には買い物カゴを乗せたカートを押すお母さんがいる。
「トマト鍋本当に好きねえ。いいよ、今夜はトマト鍋にしましょう。お鍋の素を取ってきてくれる?」
「やったー!」
女の子は嬉しそうにこっちに走ってくるとトマト鍋の素を手に取りお母さんのもとへ走っていった。
「おなべのあとはオムライスがいい!」
「そうね、お鍋の締めはオムライスにしようねー。じゃあ後で卵も買いにいこっか」
女の子とお母さんはそんな穏やかな会話をしながらお肉売り場に向かっていった。
平和な親子のやりとりを見ているうちに私の中にあったキムチ鍋の気分はいつの間にかなくなっていた。そしてその代わりに別のお鍋が食べたくなった。
「ねえクマ、私、今夜はキムチ鍋の気分じゃなくなったわ」
私はお肉売り場に向かう親子を見ながらクマに言った。
「あ、奇遇ですね。私も水炊きの気分じゃなくなりました」
クマもお肉売り場に向かう彼女たちを見ながら言った。
「ねえクマ、私、実はトマト鍋食べたことないんだ」
「奇遇ですね。私もです」
そう言って私たちは顔を見合わすとつい笑ってしまった。
私たちはトマト鍋の素をカゴに入れた。もちろん今夜のお鍋の締めはオムライスに決まった。
「ねえ、いつ冬眠するの?」
レジに向かう時、私はクマに聞いてみた。
「来週末には寝ようと思ってます。まだこの日って決めてないんですけど最近すごく眠たくて」
クマは予定を考えているのか右斜め上をずっと見ている。
「クマは晩ごはんにお鍋が続くと嫌?」
「そんなことないですよ。お鍋は大好きです!」
クマはえっへんと胸を張って言った。
「なら明日はキムチ鍋、明後日は水炊きなんてどう?」
「え、いいんですか?」
「もちろん」
「やったー!」
「ちょっと待ってて」
私は喜ぶクマを通路に放置してお鍋の素を取りに行った。
今夜はトマト鍋の気分。でも、やっぱりキムチ鍋も食べたい。それにクマが冬眠する前に一緒に水炊きも食べたいなと思ったのだ。
二種類のお鍋の素を持ってクマを放置した場所に戻るとクマがいなかった。どこに行ったのかしら? 周りを見渡すとクマがカートを押してやってきた。いっぱいになったカゴを下の段に置き、空のカゴを上の段にセットしている。
「お鍋を3回するならもう少し材料がいるかなと思って」
にこにこしながらクマが言った。
「そうね、まとめて買っちゃいましょう」
私たちは野菜売り場に戻った。
3回分のお鍋の買い出しをした結果、お会計金額はなかなかいいお値段になった。金額を見た時、びっくりして思わず一瞬動きがフリーズしてしまった。クマも目を白黒させている。お金はクマと半分ずつにしたけれど大きな出費だ。
「スーパーでこんなにお金使ったの初めてです……」
「奇遇ね、私もよ……」
「買い物袋がこんなに重たいのも初めてです……」
「奇遇ね、私もよ……」
「3回分のお鍋の材料って言っても調子に乗っていろいろ買いすぎた気がします……」
「奇遇ね、私もよ……」
スーパーからの帰り道、重たい荷物を両手に持ちながら私たちはまとめ買いしたことを少し後悔していた。
今、私はスーパーにいる。そして私の右手にはキムチ鍋の素がある。水で薄める必要がなくそのまま使える液体タイプのやつだ。そしてそれをクマの持つ買い物カゴに入れようとしているのだがさっきからずっと邪魔されている。
「いやいや、お鍋と言えば水炊きですって」
クマはそう言って陳列棚にずらりと並んだ有名シェフ監修の液体タイプの水炊きの素を取ろうとする。しかし私はすかさずそれを阻止する。バスケ漫画を読んで磨いたディフェンススキルがまさかこんなところで活きるなんて考えたことなかった。
「どうして邪魔するのよ!」
「それはゆり子さんもでしょう!」
他の買い物客の邪魔にならないように時折周りを見ながら私たちはかれこれ5分ほど揉めている。
「ゆり子さん! 今夜一緒にお鍋なんてどうですか?」
11月半ばのお天気のいい土曜日。お昼過ぎにラジオを聞きながらのんびり紅茶を飲んでいるとクマがやってきた。晩ごはんの献立が未定だったので私はすぐにクマとお鍋をすることに決めた。
「いいわよ、私お鍋好きなの」
「やったー!」
クマはにこにこしながら嬉しそうに両手を上げた。一緒にお鍋を食べるだけでこんなに喜ばれるなんて。なんだか少し照れくさい。
「でもどうしていきなりお鍋なの?」
ふと気になって聞いてみた。
「実は寒くなってきたんでそろそろ冬眠しようと思うんです。それで冬眠する前にゆり子さんとお鍋が食べたいなーと思ったんです!」
何故かクマは胸を張り、誇らしそうに言った。そうか、ツキノワグマは冬になると冬眠するのか。当たり前のことだけれど私はすっかり忘れていた。
「そっか、じゃあ今夜はいつもより奮発してリッチなお鍋にしましょ」
「本当ですか!? やったー!」
私がそう言うとクマは嬉しそうに目を細めて飛び跳ねて喜んだ。クマが飛び跳ねる度にマンションが軽く揺れる。
「クマ、揺れるから落ち着いて。それじゃあ買い出しに行かなきゃね。10分待っててくれる? 今支度するから」
「わかりました! 下で大人しく待ってます!」
クマはそう言うといそいそと階段を降りていった。なんだか子どもみたいだ。そんなクマを見て私は思わず笑ってしまった。
水で薄めたような薄い水色の空の下、クマと私は近所のスーパーに歩いて行った。
「カゴは任せてください」
スーパーに着き買い物カゴを取ろうとするとクマがにこにこしながら言ってくれた。私はクマの言葉に甘えることにしてカゴを渡した。
私たちはまず野菜売り場に行き白菜と大根、人参をカゴに入れた。そして通路に設置されたお鍋の素がたくさん並べられた特設コーナーに来た時に問題が発生した。
私はキムチ鍋の素、クマは水炊きの素を手に取ろうとした。私たちは手に取る前にお互いに違うお鍋の素を取ろうとしていることに気づいた。そして今に至る。
「ゆり子さん、大根買いましたよね? 大根といえば絶対に水炊きですって」
「いや、大根はキムチ鍋にもあうわよ。それに白菜が一番美味しいのはキムチ鍋よ」
大人気ないことは自分でもよくわかっている。でも、私は今夜はキムチ鍋の気分になっていたからここで折れる訳にはいかないのだ。きっとクマも同じなんだろう。クマがこんなに頑固なのは初めてだ。
このままだと平行線だしどうしよう、そう思った時だった。
「ねえ、おかあさん。きょうはトマトなべがいい!」
近くで可愛い女の子の声が聞こえた。声がした方を見ると5歳ぐらいの女の子がこちらにやってくるところだった。女の子はツインテールがとってもよく似合っていてすごくかわいい。彼女の隣には買い物カゴを乗せたカートを押すお母さんがいる。
「トマト鍋本当に好きねえ。いいよ、今夜はトマト鍋にしましょう。お鍋の素を取ってきてくれる?」
「やったー!」
女の子は嬉しそうにこっちに走ってくるとトマト鍋の素を手に取りお母さんのもとへ走っていった。
「おなべのあとはオムライスがいい!」
「そうね、お鍋の締めはオムライスにしようねー。じゃあ後で卵も買いにいこっか」
女の子とお母さんはそんな穏やかな会話をしながらお肉売り場に向かっていった。
平和な親子のやりとりを見ているうちに私の中にあったキムチ鍋の気分はいつの間にかなくなっていた。そしてその代わりに別のお鍋が食べたくなった。
「ねえクマ、私、今夜はキムチ鍋の気分じゃなくなったわ」
私はお肉売り場に向かう親子を見ながらクマに言った。
「あ、奇遇ですね。私も水炊きの気分じゃなくなりました」
クマもお肉売り場に向かう彼女たちを見ながら言った。
「ねえクマ、私、実はトマト鍋食べたことないんだ」
「奇遇ですね。私もです」
そう言って私たちは顔を見合わすとつい笑ってしまった。
私たちはトマト鍋の素をカゴに入れた。もちろん今夜のお鍋の締めはオムライスに決まった。
「ねえ、いつ冬眠するの?」
レジに向かう時、私はクマに聞いてみた。
「来週末には寝ようと思ってます。まだこの日って決めてないんですけど最近すごく眠たくて」
クマは予定を考えているのか右斜め上をずっと見ている。
「クマは晩ごはんにお鍋が続くと嫌?」
「そんなことないですよ。お鍋は大好きです!」
クマはえっへんと胸を張って言った。
「なら明日はキムチ鍋、明後日は水炊きなんてどう?」
「え、いいんですか?」
「もちろん」
「やったー!」
「ちょっと待ってて」
私は喜ぶクマを通路に放置してお鍋の素を取りに行った。
今夜はトマト鍋の気分。でも、やっぱりキムチ鍋も食べたい。それにクマが冬眠する前に一緒に水炊きも食べたいなと思ったのだ。
二種類のお鍋の素を持ってクマを放置した場所に戻るとクマがいなかった。どこに行ったのかしら? 周りを見渡すとクマがカートを押してやってきた。いっぱいになったカゴを下の段に置き、空のカゴを上の段にセットしている。
「お鍋を3回するならもう少し材料がいるかなと思って」
にこにこしながらクマが言った。
「そうね、まとめて買っちゃいましょう」
私たちは野菜売り場に戻った。
3回分のお鍋の買い出しをした結果、お会計金額はなかなかいいお値段になった。金額を見た時、びっくりして思わず一瞬動きがフリーズしてしまった。クマも目を白黒させている。お金はクマと半分ずつにしたけれど大きな出費だ。
「スーパーでこんなにお金使ったの初めてです……」
「奇遇ね、私もよ……」
「買い物袋がこんなに重たいのも初めてです……」
「奇遇ね、私もよ……」
「3回分のお鍋の材料って言っても調子に乗っていろいろ買いすぎた気がします……」
「奇遇ね、私もよ……」
スーパーからの帰り道、重たい荷物を両手に持ちながら私たちはまとめ買いしたことを少し後悔していた。
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