中島は考えた。廃墟に行けばバズるはずだと

鞠目

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廃墟をあとにして……

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『乱道様! 私の力を感じることができますか?』
「……何となくだがな?」

 日本刀となった我路の柄を握りしめると、腕から肩にかけて纏わりつくように、蒼い炎の様なものが絡みつき、とぐろを巻いている。

 ……これが我路のエネルギーか? 

『では私を抜刀してくれますか? 力が解放されるはずです』

 我路が刀を鞘から抜刀してくれと言う。
 刀から凄い力を感じ、俺に抜刀できるのか不安になるが、右手に力を込め、思いっきり鞘から引き抜いた。

「うおっ!?」
 
 何だこれは!? 刀身が何倍にも伸びて行く。
 これは一体どう言う原理なんだ?
 抜刀した刀は、俺の身長の三倍を超える長さまで伸びた。
 なのに……なんの重さも全く感じない。

『では乱道様? 行きますよ』

「おう!」

 次の瞬間、俺の体が勝手に動く。何だこれ!?
 我路が操っているのか?
 勢いよく向かってくるドラゴンを、ひらりと飛んで交わすと、刀はドラゴンの首を捕らえる。

「えっ?」
 
 刀がカチリっと納刀された。

 次の瞬間。

 ドラゴンの首が大きな体から離れ落ち、俺の目の前にドラゴンの顔が転がる。

 ちょっと待ってくれ!? 何をやったんだ? 
 自分の体なのに、何が起こったのか理解できていない。
 ドラゴンの突進を飛んで交わしたっと思ったら、刀が鞘に戻っていた。
 
『下等生物などに、我が力を使う程もなかったですね』

 嘘だろ? コイツの力はこんなにも強いのか?

「なあああああああああああああああああ!?」

 虚しく転がるドラゴンの頭を見て絶叫する男達。
 おいおいさっきの勢いはどこに行ったんだ?

『さぁ。もう一体も殺りますか』
 
 我路がそう言うと、瞬きをする間もない時間の間に。
 もう一体のドラゴンの頭が、ゴロンっと転がった。

「ヒィヤアアアアアアアアアアアッ!!!!」

 瞬殺されたトラゴンの死骸を見て
 偉そうに言っていた男達は、驚愕し大声で叫ぶ。

 なんせドラゴンが、ほんの数秒で倒されたんだ。
 そりゃそうなるわな。
 俺だって正直、我路が何をやったのか理解出来ていない。

『大した事なかったですね』

 我路がいつの間にがイケオジ姿に戻り、何事も無かったかのように微笑む。
 大した事あったぞ? お前の力がヤバすぎただけだ。

「おい? 俺をどうにかするんじゃ無かったのか? もうドラゴンはいねーぞ?」

 俺は震える男達を煽る。

 捕まえて、稲荷の事など聞かねーとな。
 
 俺は腰を抜かしている男達に向かって歩いていく。
 男達を捕まえようとした次の瞬間。

 また男達が現れた時と同じように、空気が揺れる。

「へ?……消えた?」

 さっきまで目の前にいた筈なのに、男達は姿を忽然と消した。


 
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