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第一章 写真
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「あああああああ~!!もう!眉毛うまく描けない!後ろの寝ぐせ直らない!そしてなんか外からゴミ収集車の音が聞こえてきたぁ~!!待って!待って!待って!!」
私はとある通信系の会社に通うOL。今そんな言い方をすると時代に合ってないないって言われるかもしれないけれど、今は滅茶苦茶焦っているので自己紹介はもっと後にお願いします。
私が住んでいるマンション近くに、もう迫ってきている気配。そう、今日は可燃ゴミの日!そして先週から寝坊して出せなかったゴミ袋に部屋から出て行ってもらわなければならないのだ。
取り敢えずいい加減なメイクで寝ぐせも中途半端に直ってる状態で両手にゴミ袋を持ち、エレベーターが自分の階に到着するのも待ってられない状況で駆け足で階段を下りてゆく。我ながらよく足がもつれないと思う。ただ、いざとなった時の集中力は我ながらあっぱれだと思うの。
マンションのエントランスにやっとたどり着いたとき、ゴミ収集車、いわゆるパッカー車はエントランスに横付けされ、管理人さんが一時保管室に出されていたマンション中の可燃ゴミは既に道路の隅で山となっていた。
「わぁぁぁぁぁ!すみませーーーーん!待ってぇ~」
無造作にゴミ収集車の投入口に次々にゴミ袋を放っていく作業員に気持ち的にはスライディング土下座する勢いで私は両手に下げたゴミ袋をお願いする。
「ああ、はい。危ないから僕が」
このひとは私が自らゴミ収集車の投入口にゴミ袋を放とうとしているように見えたのかもしれない。軍手をした手でなるべく私の手に触れないようにゴミ袋を受け取ってくれた。
「すみません、有難うございます」
そう、そこまでは良かったのだ。急いでいた私はゴミ袋を渡すや否や自分の部屋へと戻るつもりだった。まだまだ化粧の途中だったし、出勤時間まで残り少ない時間で朝ごはんも食べなきゃならない。あきらめかけた寝ぐせももしかしたら直せるかもしれないから。
パァァーーーーーーーーーーーーン!!!
詰め込むだけ詰め込んだ私のゴミ袋は、ゴミ投入口におとなしく吸い込まれることを拒絶し、投入口で圧縮プレスされた途端、なんと!破裂して内容物が道路に飛び散ったのだ。私はそのなかなかの破裂音に圧倒され、部屋に戻りかけたが振り返った。
「いやぁぁぁぁぁぁ!!!」
見られてまずいものはそんなに入っていなかったと思う(自信はないけど)。だけど自分のゴミ袋が破裂して自分のゴミが公共の道路に散乱する様は朝からあまりにも恥ずかしい。昨日の帰りにコンビニで買ったプリンのレシート、化粧水をぺたぺたしたコットン、ティッシュ、トイレットペーパーの芯までコロコロゴミ収集車のタイヤあたりに転がっていく。あ!一番恥ずかしいものを見つけた!!生ごみのバナナの皮っ!!
慌てて私が広い集めに行くと、さきほどゴミ袋を手渡した作業員さんが私を制するように手を出した。
「僕がやりますから、大丈夫です。そして出来れば、ゴミ袋は少し余裕をもたせた方が破裂しないからね」
と、忠告してくれた。
「すみません、気を付けます」
私はペコリと頭を下げ、初めてその作業員さんの顔を見た。マスクをしていたけれど……どこか目はとても涼し気な眼の男性だった。
(あれ……?意外に若いひと?)
そう思いながらも、私はマンションへと急ぎ足で戻った。なんとなく、記憶に残りそうだと思ったのは、背が高めで体型もすらりとしていて若そうだったからだ。若い言っても自分よりは年下ではないだろうな。こういった環境整備の業界のことを知らないからなんとも言えないのだけれど、私のなかでは40歳前後のおじさんたちが作業をして下さっているというイメージで落ち着いていたからだ……というとそれは偏見だね。
「いかん、いかん。急がなきゃ遅刻しちゃう!!」
そして私はなんとか無事に出勤時間内に支度が出来たのだった。
***********
「おい、山中」
ドライバーさんに確認され、僕は右手を上げて移動OKの合図を出す。さっき破裂して散乱したゴミを拾い集める作業でほんの少しだけタイムロスしただろうか。ここ最近の東京は可燃ゴミの量が半端なく増えている。テイクアウトの店が増えたせいだろうか?それともなんだろう?
ふと、足元を見ると何かまだ落ちていた。タイヤの陰になっていて拾い忘れたゴミかもしれない。その白い紙のようなものをつまんで投入口に入れようとして、僕は寸前で手を止めた。裏を返せば写真だった。
「あ………さっきの」
なりふり構わずマンションからゴミ袋を両手で下げてきた女の子のだ、と思った。彼女自身が映っていて、彼女の隣に優しそうな老婦人と猫がいる。いい写真だと思った。これをゴミに捨てたりするのかな。だとしたら……ちょっとイヤだな。
僕はどうしてもその写真が投入口に入れることが出来ず、作業着の胸ポケットにしまった。彼女に返せることなんて出来るとは思わなかったけれど(なぜなら僕はこのエリアは今日迄で、来週から違う区のエリアでの作業になってしまうから)。
でももしこの写真を返す機会があったら、何故この写真を捨てたのか理由が知りたい…ふとそう思わずにはいられない朝だった。
**********
私の名前は渡辺美玖。年齢はあまり言いたくないけどアラサーの27歳。25歳の時に結婚を約束していた彼氏に浮気され、それからはまったく出会いがなくなった女子。大してお酒も強いわけじゃないので合コンとかにも縁がなく、あまり話も上手な方ではないので誘われたりすることもない。
そんな自分を何処かで変えたいと思っていた。いろいろなことに焦っていた。仕事がバリバリできるバリキャリでもなく、一生独身で生きて行けるのかな…と思ったりする。いまのうちにマンションでも買っておいた方がいいのかな?でもマンションで孤独死とかもイヤだなぁ…。前に一度、ひどい風邪をひいて高熱が出たことがあって、そのときにこのまま死ぬんじゃないか、と思ったことがあった。だとしたらあまりにも惨めな気がした。学生時代の友達は結婚している子たちもいるし、しっかりママになって育児の真っ最中の子だっている。毎日充実していて仕事をバリバリこなして輝いている子だっている。
私はどうしたいんだろう?この歳で未だに自分探しをしているみたい。ドンくさい。昔から要領は良くなかったからなぁ…。両親はそんな私に少し呆れていたみたいだけれど、でも、一昨年亡くなったおばあちゃんは唯一、私の味方だった。子供の頃はなんだか厳しくて怖そうに見えてたおばあちゃんだったけど、晩年のおばあちゃんは穏やかで私にも猫にも優しいひとだった。写真をいつも持ち歩いていたりするんだけどね。スマホカバーに挟めるように少し小さくカットして。
私は出勤途中の電車に揺られながら、スマホカバーを開いた。いつものSNSとかチェックしておこう。そして必ずおばあちゃんの写真が目に入る………はずだった。
(無い?!あれ?無い?無い?どうして?えっ?どうして無いの??)
通勤に使っているリュックのサイドポケットかな…。ずっとスマホ入れっぱなしだったから。私はごそごそとリュックを背負ったまま、サイドポケットを手探りで探す。大胆にやっていると隣でつり革につかまってるおばさんに睨まれそうになった。んん…しょうがない。会社に着いてからちゃんと探そう。
本来そこにあるべきものがないとき、私は急に不安になってしまう。ましてやそれがとても大切なものであったとしたらなおさらだった。
(どうしよう…。おばあちゃんと一緒に撮った写真、あれだけなのに)
スマホの画面をタップしながらSNSを見てるけど、内容なんてほとんど頭に入っては来なかった。とにかく写真が無事に現れることをずっと気にしていた。
(落としたのかな…。何処で落としたんだろう?あれ?待って…。たしかゴミ捨てるときにスマホも一緒に手で持ってなかった、私?)
そうよ、なんなの、私!?スマホなんて部屋に置いておけばよかったのよ。時間を気にしなくちゃならなくてゴミ捨てるときまで持っていくとかするからいけないのよ!!
(え?だとしたら……。もしかして私、間違えてゴミで捨てちゃったのかな?やだな…そんなことないよね、そう、絶対にないから!!!!)
自問自動しながら、私はどんどん泣きそうになっていた。スマホなんて片時も離さないように手で持っていたからいけなかったのだ。いや、もしかしたら思い込みでリュックのサイドポケットから出てくるかもしれないじゃない?
自分の希望的な展開を期待して平常心を保とうとした。でも結局、会社に着いてリュックをひっくり返して探したけれど、おばあちゃんと撮った大事な写真は結局出て来なかったのだった。
私はとある通信系の会社に通うOL。今そんな言い方をすると時代に合ってないないって言われるかもしれないけれど、今は滅茶苦茶焦っているので自己紹介はもっと後にお願いします。
私が住んでいるマンション近くに、もう迫ってきている気配。そう、今日は可燃ゴミの日!そして先週から寝坊して出せなかったゴミ袋に部屋から出て行ってもらわなければならないのだ。
取り敢えずいい加減なメイクで寝ぐせも中途半端に直ってる状態で両手にゴミ袋を持ち、エレベーターが自分の階に到着するのも待ってられない状況で駆け足で階段を下りてゆく。我ながらよく足がもつれないと思う。ただ、いざとなった時の集中力は我ながらあっぱれだと思うの。
マンションのエントランスにやっとたどり着いたとき、ゴミ収集車、いわゆるパッカー車はエントランスに横付けされ、管理人さんが一時保管室に出されていたマンション中の可燃ゴミは既に道路の隅で山となっていた。
「わぁぁぁぁぁ!すみませーーーーん!待ってぇ~」
無造作にゴミ収集車の投入口に次々にゴミ袋を放っていく作業員に気持ち的にはスライディング土下座する勢いで私は両手に下げたゴミ袋をお願いする。
「ああ、はい。危ないから僕が」
このひとは私が自らゴミ収集車の投入口にゴミ袋を放とうとしているように見えたのかもしれない。軍手をした手でなるべく私の手に触れないようにゴミ袋を受け取ってくれた。
「すみません、有難うございます」
そう、そこまでは良かったのだ。急いでいた私はゴミ袋を渡すや否や自分の部屋へと戻るつもりだった。まだまだ化粧の途中だったし、出勤時間まで残り少ない時間で朝ごはんも食べなきゃならない。あきらめかけた寝ぐせももしかしたら直せるかもしれないから。
パァァーーーーーーーーーーーーン!!!
詰め込むだけ詰め込んだ私のゴミ袋は、ゴミ投入口におとなしく吸い込まれることを拒絶し、投入口で圧縮プレスされた途端、なんと!破裂して内容物が道路に飛び散ったのだ。私はそのなかなかの破裂音に圧倒され、部屋に戻りかけたが振り返った。
「いやぁぁぁぁぁぁ!!!」
見られてまずいものはそんなに入っていなかったと思う(自信はないけど)。だけど自分のゴミ袋が破裂して自分のゴミが公共の道路に散乱する様は朝からあまりにも恥ずかしい。昨日の帰りにコンビニで買ったプリンのレシート、化粧水をぺたぺたしたコットン、ティッシュ、トイレットペーパーの芯までコロコロゴミ収集車のタイヤあたりに転がっていく。あ!一番恥ずかしいものを見つけた!!生ごみのバナナの皮っ!!
慌てて私が広い集めに行くと、さきほどゴミ袋を手渡した作業員さんが私を制するように手を出した。
「僕がやりますから、大丈夫です。そして出来れば、ゴミ袋は少し余裕をもたせた方が破裂しないからね」
と、忠告してくれた。
「すみません、気を付けます」
私はペコリと頭を下げ、初めてその作業員さんの顔を見た。マスクをしていたけれど……どこか目はとても涼し気な眼の男性だった。
(あれ……?意外に若いひと?)
そう思いながらも、私はマンションへと急ぎ足で戻った。なんとなく、記憶に残りそうだと思ったのは、背が高めで体型もすらりとしていて若そうだったからだ。若い言っても自分よりは年下ではないだろうな。こういった環境整備の業界のことを知らないからなんとも言えないのだけれど、私のなかでは40歳前後のおじさんたちが作業をして下さっているというイメージで落ち着いていたからだ……というとそれは偏見だね。
「いかん、いかん。急がなきゃ遅刻しちゃう!!」
そして私はなんとか無事に出勤時間内に支度が出来たのだった。
***********
「おい、山中」
ドライバーさんに確認され、僕は右手を上げて移動OKの合図を出す。さっき破裂して散乱したゴミを拾い集める作業でほんの少しだけタイムロスしただろうか。ここ最近の東京は可燃ゴミの量が半端なく増えている。テイクアウトの店が増えたせいだろうか?それともなんだろう?
ふと、足元を見ると何かまだ落ちていた。タイヤの陰になっていて拾い忘れたゴミかもしれない。その白い紙のようなものをつまんで投入口に入れようとして、僕は寸前で手を止めた。裏を返せば写真だった。
「あ………さっきの」
なりふり構わずマンションからゴミ袋を両手で下げてきた女の子のだ、と思った。彼女自身が映っていて、彼女の隣に優しそうな老婦人と猫がいる。いい写真だと思った。これをゴミに捨てたりするのかな。だとしたら……ちょっとイヤだな。
僕はどうしてもその写真が投入口に入れることが出来ず、作業着の胸ポケットにしまった。彼女に返せることなんて出来るとは思わなかったけれど(なぜなら僕はこのエリアは今日迄で、来週から違う区のエリアでの作業になってしまうから)。
でももしこの写真を返す機会があったら、何故この写真を捨てたのか理由が知りたい…ふとそう思わずにはいられない朝だった。
**********
私の名前は渡辺美玖。年齢はあまり言いたくないけどアラサーの27歳。25歳の時に結婚を約束していた彼氏に浮気され、それからはまったく出会いがなくなった女子。大してお酒も強いわけじゃないので合コンとかにも縁がなく、あまり話も上手な方ではないので誘われたりすることもない。
そんな自分を何処かで変えたいと思っていた。いろいろなことに焦っていた。仕事がバリバリできるバリキャリでもなく、一生独身で生きて行けるのかな…と思ったりする。いまのうちにマンションでも買っておいた方がいいのかな?でもマンションで孤独死とかもイヤだなぁ…。前に一度、ひどい風邪をひいて高熱が出たことがあって、そのときにこのまま死ぬんじゃないか、と思ったことがあった。だとしたらあまりにも惨めな気がした。学生時代の友達は結婚している子たちもいるし、しっかりママになって育児の真っ最中の子だっている。毎日充実していて仕事をバリバリこなして輝いている子だっている。
私はどうしたいんだろう?この歳で未だに自分探しをしているみたい。ドンくさい。昔から要領は良くなかったからなぁ…。両親はそんな私に少し呆れていたみたいだけれど、でも、一昨年亡くなったおばあちゃんは唯一、私の味方だった。子供の頃はなんだか厳しくて怖そうに見えてたおばあちゃんだったけど、晩年のおばあちゃんは穏やかで私にも猫にも優しいひとだった。写真をいつも持ち歩いていたりするんだけどね。スマホカバーに挟めるように少し小さくカットして。
私は出勤途中の電車に揺られながら、スマホカバーを開いた。いつものSNSとかチェックしておこう。そして必ずおばあちゃんの写真が目に入る………はずだった。
(無い?!あれ?無い?無い?どうして?えっ?どうして無いの??)
通勤に使っているリュックのサイドポケットかな…。ずっとスマホ入れっぱなしだったから。私はごそごそとリュックを背負ったまま、サイドポケットを手探りで探す。大胆にやっていると隣でつり革につかまってるおばさんに睨まれそうになった。んん…しょうがない。会社に着いてからちゃんと探そう。
本来そこにあるべきものがないとき、私は急に不安になってしまう。ましてやそれがとても大切なものであったとしたらなおさらだった。
(どうしよう…。おばあちゃんと一緒に撮った写真、あれだけなのに)
スマホの画面をタップしながらSNSを見てるけど、内容なんてほとんど頭に入っては来なかった。とにかく写真が無事に現れることをずっと気にしていた。
(落としたのかな…。何処で落としたんだろう?あれ?待って…。たしかゴミ捨てるときにスマホも一緒に手で持ってなかった、私?)
そうよ、なんなの、私!?スマホなんて部屋に置いておけばよかったのよ。時間を気にしなくちゃならなくてゴミ捨てるときまで持っていくとかするからいけないのよ!!
(え?だとしたら……。もしかして私、間違えてゴミで捨てちゃったのかな?やだな…そんなことないよね、そう、絶対にないから!!!!)
自問自動しながら、私はどんどん泣きそうになっていた。スマホなんて片時も離さないように手で持っていたからいけなかったのだ。いや、もしかしたら思い込みでリュックのサイドポケットから出てくるかもしれないじゃない?
自分の希望的な展開を期待して平常心を保とうとした。でも結局、会社に着いてリュックをひっくり返して探したけれど、おばあちゃんと撮った大事な写真は結局出て来なかったのだった。
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