2 / 11
第二章 出会い編 一年生の風紀委員長
しおりを挟む
浦原誠二…彼は鳴海と同じ学年で、やはり頭脳明晰な優等生だった。たしか、風紀委員の委員長という地味なポストに治まっていた。
でも、僕は感じていた。彼が油断ならない男であること。これはあくまで直感だった。
実際、彼は常に先回りして僕の行く手を阻むような妨害工作を得意としていた。
風紀委員長という表向きの顔の裏に、少数の人間を使って心理戦に持ち込む戦法が実に上手かった。
…とにかく誠二君は油断ならないってことか。
僕はラテン語の辞書を図書室に返却に行きながら、生徒会室へと向かうのだった。
********************************
放課後、鳴海は校門の門柱に手持ち無沙汰な様子で凭れていた。今朝方、あんなふうに佐屋と別れたが、本気で怒っていたわけではない。いつの間にか…自分の日常のなかに自然と僕との位置は定まりつつあった。
自分が過ごす時間のなかに、僕が存在しないこと事態に違和感が生ずるようになっていたのだ。
「…オレも、バイトすっかな…。いつまで後見人のアノ人に頼ってらんねーしな…」
そんなふうに独り言をぶつぶつとつぶやいていると、鳴海の横に腕章をつけた生徒が数人、彼を取り囲んだ。
「…一年の鳴海悠生だな」
「…あァ?…んだよ?」
鳴海はちらりと腕章を見た。
……風紀委員か…。またこの髪のことを言われんだろうな…。
「……相変わらず、校内での暴力的な態度を改める気はないのか?」
「…暴力的?どのへんが暴力的だよ?オレは最近、ケンカだってしてねー」
「…ケンカはしなくても、その威圧的な態度、そして髪型!我々の規定を大いに逸脱している…」
まるで絵に描いたような連中だった。風紀委員のメンバー全員が眼鏡をかけ、似たような髪形で同じ黒髪だ。
「そろいも揃って、まるで虫みてー。うっとうしい…」
「なんだとっ!?我々が丁寧に君を指導しようとしているのに、その態度は…」
「…待て」
風紀委員のメンバーの一人が鳴海に詰め寄ろうとしたとき、彼らの背後から声がした。
…浦原誠二?
「…やめておけ。ソイツには構うな。ソイツに構えば…会長が黙ってはいないだろう…」
「…は…はい、でも…規則では…?」
「鳴海悠生!いつまでもオレたちが大人しく引き下がるとは思わないほうがいい。じゃあな…」
浦原はその場にいた風紀委員たちを従えてその場を去った。
一年生にして優秀な頭脳、統率力を買われ、唯一、委員長になっている生徒、それが浦原誠二であることは、鳴海もよく知っていることだった。
佐屋と暮らす前までは、佐屋とこの浦原は自分には生理的には合わない人種だと、信じて疑わなかった。
「鳴海!」
僕が呼びかけると、彼が振り向いた。
「…待っててくれたの?ありがとう。今朝はあんなに怒っていたから、今日は先に帰ってしまったと思っていたよ…」
僕はからかったことを素直に鳴海に詫びた。すると彼は「気にしてない」と言ってくれた。
他愛もない話をしながら、帰路を二人で歩く。そんなささやかな時間が、嬉しかった。
そして、僕らに忍び寄る影が、刻一刻と迫ってきていることに、この時、僕らは気付くことはなかった…。
******************************
今日は久しぶりに僕のバイトが休みだったこともあり、二人でゆっくりと夕食を食べた。
「なぁ…佐屋は、いつもバイトしてて偉いよなぁ…オレも…バイトしてぇんだけどさー」
「…意欲があるなら、やってみたらいいよ。努力して得られる報酬の楽しみって、鳴海は味わったことないのかい?」
「…ん、そーでもねーよ。昔、ガテン系で日当稼いだことあるし…。オレって体力には自信あんだぜ?」
鳴海はご飯粒を飛ばすような勢いで笑う。
「鳴海ー!汚いよ!ご飯粒が飛んでくる!」
「あ、悪りぃ、悪りぃ!!」
性格もまるで正反対の僕らなのに、何故、こんなに一緒にいて安らぐのだろう…。
夕食の後片付けを済ませ、僕は母のベーゼンドルファーの前に座った。鳴海が何か弾いて欲しいとせがむので、ショパンのノクターンを弾きはじめた。
「…なんか、いい曲だな。オレも…こんな風に気持ちよく弾いてみたい」
優しくて切ない曲想を彼は気に入ったという。あんなに暴れん坊な彼が、僕のピアノで大人しくなるなんて、ちょっと不思議だった。
「…自分で弾いてるみたいに、雰囲気味わってみる?」
僕は椅子から立つと、替わりに鳴海を座らせ、その背に回って僕は立ってピアノを弾きはじめた。
「…目を閉じてみて、鳴海…」
鍵盤をストロークする僕の指が奏でる音を、君は一番近くで聴いてごらん?
優しい音がする?それとも切ない音?
どんな種類なのかわからないけれど、僕は今、とても満たされた気持ちなんだ…。
君に出逢えて…本当に良かった。
そして…………
嬉しい。
僕は鳴海の背中に合わさるようにして、ピアノを弾き続けた。すると…彼が顔を真っ赤にさせて言った。
「…佐屋」
「…何?」
僕は指を止めた。
「笑わないで、聞いてくれ。……オレ…なんか…なんかさ、変なこと、考えてた」
「…変?」
「ずっと、なんで佐屋と一緒に居たいと思ってたんだろう、ってもやもやしてた。確かに一人で暮らすより金だって節約になるし、メシだって一人で食べるより美味いし、ホントにそれだけなのか…って」
「鳴海……」
「…お…お…オレは、男なのに…なんでだろ……佐屋のこと……すっげー…気になって仕方ないんだ。気になるっつーか、好き…?かも」
僕は鳴海を見つめた。そして、僕が彼と一緒にいるわけをようやく見つけたような気がしていた。
「……鳴海が変だっていうなら、僕はもっと変かもしれないね…」
「…なんで?なんで佐屋が変なんだよ?」
「だって……君に言われる前から、僕は君が好きだったみたいだから」
赤い顔をして椅子に座ったまま見あげた鳴海を、僕は抱きしめた。
「…女の子でも、男の子でも…僕はたぶん、鳴海だから好きなんだと思うよ…」
僕は迷わず目を閉じ、鳴海と唇を重ねた。
静かな夜だった…。
僕らはただ、互いの気持ちや心の声を探すかのように、何度も何度もキスをした。覚えたての恋やこの想いを大切に育てたいと自然に思えた。やがて、僕らはお互いといつか繋がりたいと思う日がくるだろう。たとえそうだとしても、今夜の恥ずかしそうに雲間に隠れる月と、たどたどしいキスの感触をきっと忘れることはない。今まで乾いていた心を潤すように、何度もキスをした。
鳴海…大好きだよ。
どうして君は…こんなにあったかいの?
僕には余裕がなくて…
この気持ちを…愛してるっていうのだろうか。
****************************
翌朝、満たされた気持ちで僕がベッドで目覚めると、横にいるはずの鳴海が居なかった。
「…鳴海?」
僕が部屋中を捜すと、食卓に走り書きのメモがあり、朝食が用意されていた。鳴海の、少し癖のある字が並んでいる。
≪朝飯、作っておいた。
朝、すっげぇー恥ずかしいし、どんな顔してお前と会っていいか、わかんねーから、先に学校行く。温水プールでも行って、朝風呂っぽく泳いでくる。 =鳴海=≫
「…鳴海、卵、少し焦げてる。でも…」
いただきます。
僕はその手紙を読んで、また幸せな気持ちになっていた。僕らは自然に惹かれあって結ばれた。そしてそれはのちに罪深い秘密を抱えることになるとは、夢にも思わなかった。若さゆえの、衝動のために。
でも、僕は感じていた。彼が油断ならない男であること。これはあくまで直感だった。
実際、彼は常に先回りして僕の行く手を阻むような妨害工作を得意としていた。
風紀委員長という表向きの顔の裏に、少数の人間を使って心理戦に持ち込む戦法が実に上手かった。
…とにかく誠二君は油断ならないってことか。
僕はラテン語の辞書を図書室に返却に行きながら、生徒会室へと向かうのだった。
********************************
放課後、鳴海は校門の門柱に手持ち無沙汰な様子で凭れていた。今朝方、あんなふうに佐屋と別れたが、本気で怒っていたわけではない。いつの間にか…自分の日常のなかに自然と僕との位置は定まりつつあった。
自分が過ごす時間のなかに、僕が存在しないこと事態に違和感が生ずるようになっていたのだ。
「…オレも、バイトすっかな…。いつまで後見人のアノ人に頼ってらんねーしな…」
そんなふうに独り言をぶつぶつとつぶやいていると、鳴海の横に腕章をつけた生徒が数人、彼を取り囲んだ。
「…一年の鳴海悠生だな」
「…あァ?…んだよ?」
鳴海はちらりと腕章を見た。
……風紀委員か…。またこの髪のことを言われんだろうな…。
「……相変わらず、校内での暴力的な態度を改める気はないのか?」
「…暴力的?どのへんが暴力的だよ?オレは最近、ケンカだってしてねー」
「…ケンカはしなくても、その威圧的な態度、そして髪型!我々の規定を大いに逸脱している…」
まるで絵に描いたような連中だった。風紀委員のメンバー全員が眼鏡をかけ、似たような髪形で同じ黒髪だ。
「そろいも揃って、まるで虫みてー。うっとうしい…」
「なんだとっ!?我々が丁寧に君を指導しようとしているのに、その態度は…」
「…待て」
風紀委員のメンバーの一人が鳴海に詰め寄ろうとしたとき、彼らの背後から声がした。
…浦原誠二?
「…やめておけ。ソイツには構うな。ソイツに構えば…会長が黙ってはいないだろう…」
「…は…はい、でも…規則では…?」
「鳴海悠生!いつまでもオレたちが大人しく引き下がるとは思わないほうがいい。じゃあな…」
浦原はその場にいた風紀委員たちを従えてその場を去った。
一年生にして優秀な頭脳、統率力を買われ、唯一、委員長になっている生徒、それが浦原誠二であることは、鳴海もよく知っていることだった。
佐屋と暮らす前までは、佐屋とこの浦原は自分には生理的には合わない人種だと、信じて疑わなかった。
「鳴海!」
僕が呼びかけると、彼が振り向いた。
「…待っててくれたの?ありがとう。今朝はあんなに怒っていたから、今日は先に帰ってしまったと思っていたよ…」
僕はからかったことを素直に鳴海に詫びた。すると彼は「気にしてない」と言ってくれた。
他愛もない話をしながら、帰路を二人で歩く。そんなささやかな時間が、嬉しかった。
そして、僕らに忍び寄る影が、刻一刻と迫ってきていることに、この時、僕らは気付くことはなかった…。
******************************
今日は久しぶりに僕のバイトが休みだったこともあり、二人でゆっくりと夕食を食べた。
「なぁ…佐屋は、いつもバイトしてて偉いよなぁ…オレも…バイトしてぇんだけどさー」
「…意欲があるなら、やってみたらいいよ。努力して得られる報酬の楽しみって、鳴海は味わったことないのかい?」
「…ん、そーでもねーよ。昔、ガテン系で日当稼いだことあるし…。オレって体力には自信あんだぜ?」
鳴海はご飯粒を飛ばすような勢いで笑う。
「鳴海ー!汚いよ!ご飯粒が飛んでくる!」
「あ、悪りぃ、悪りぃ!!」
性格もまるで正反対の僕らなのに、何故、こんなに一緒にいて安らぐのだろう…。
夕食の後片付けを済ませ、僕は母のベーゼンドルファーの前に座った。鳴海が何か弾いて欲しいとせがむので、ショパンのノクターンを弾きはじめた。
「…なんか、いい曲だな。オレも…こんな風に気持ちよく弾いてみたい」
優しくて切ない曲想を彼は気に入ったという。あんなに暴れん坊な彼が、僕のピアノで大人しくなるなんて、ちょっと不思議だった。
「…自分で弾いてるみたいに、雰囲気味わってみる?」
僕は椅子から立つと、替わりに鳴海を座らせ、その背に回って僕は立ってピアノを弾きはじめた。
「…目を閉じてみて、鳴海…」
鍵盤をストロークする僕の指が奏でる音を、君は一番近くで聴いてごらん?
優しい音がする?それとも切ない音?
どんな種類なのかわからないけれど、僕は今、とても満たされた気持ちなんだ…。
君に出逢えて…本当に良かった。
そして…………
嬉しい。
僕は鳴海の背中に合わさるようにして、ピアノを弾き続けた。すると…彼が顔を真っ赤にさせて言った。
「…佐屋」
「…何?」
僕は指を止めた。
「笑わないで、聞いてくれ。……オレ…なんか…なんかさ、変なこと、考えてた」
「…変?」
「ずっと、なんで佐屋と一緒に居たいと思ってたんだろう、ってもやもやしてた。確かに一人で暮らすより金だって節約になるし、メシだって一人で食べるより美味いし、ホントにそれだけなのか…って」
「鳴海……」
「…お…お…オレは、男なのに…なんでだろ……佐屋のこと……すっげー…気になって仕方ないんだ。気になるっつーか、好き…?かも」
僕は鳴海を見つめた。そして、僕が彼と一緒にいるわけをようやく見つけたような気がしていた。
「……鳴海が変だっていうなら、僕はもっと変かもしれないね…」
「…なんで?なんで佐屋が変なんだよ?」
「だって……君に言われる前から、僕は君が好きだったみたいだから」
赤い顔をして椅子に座ったまま見あげた鳴海を、僕は抱きしめた。
「…女の子でも、男の子でも…僕はたぶん、鳴海だから好きなんだと思うよ…」
僕は迷わず目を閉じ、鳴海と唇を重ねた。
静かな夜だった…。
僕らはただ、互いの気持ちや心の声を探すかのように、何度も何度もキスをした。覚えたての恋やこの想いを大切に育てたいと自然に思えた。やがて、僕らはお互いといつか繋がりたいと思う日がくるだろう。たとえそうだとしても、今夜の恥ずかしそうに雲間に隠れる月と、たどたどしいキスの感触をきっと忘れることはない。今まで乾いていた心を潤すように、何度もキスをした。
鳴海…大好きだよ。
どうして君は…こんなにあったかいの?
僕には余裕がなくて…
この気持ちを…愛してるっていうのだろうか。
****************************
翌朝、満たされた気持ちで僕がベッドで目覚めると、横にいるはずの鳴海が居なかった。
「…鳴海?」
僕が部屋中を捜すと、食卓に走り書きのメモがあり、朝食が用意されていた。鳴海の、少し癖のある字が並んでいる。
≪朝飯、作っておいた。
朝、すっげぇー恥ずかしいし、どんな顔してお前と会っていいか、わかんねーから、先に学校行く。温水プールでも行って、朝風呂っぽく泳いでくる。 =鳴海=≫
「…鳴海、卵、少し焦げてる。でも…」
いただきます。
僕はその手紙を読んで、また幸せな気持ちになっていた。僕らは自然に惹かれあって結ばれた。そしてそれはのちに罪深い秘密を抱えることになるとは、夢にも思わなかった。若さゆえの、衝動のために。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説

クズ彼氏にサヨナラして一途な攻めに告白される話
雨宮里玖
BL
密かに好きだった一条と成り行きで恋人同士になった真下。恋人になったはいいが、一条の態度は冷ややかで、真下は耐えきれずにこのことを塔矢に相談する。真下の事を一途に想っていた塔矢は一条に腹を立て、復讐を開始する——。
塔矢(21)攻。大学生&俳優業。一途に真下が好き。
真下(21)受。大学生。一条と恋人同士になるが早くも後悔。
一条廉(21)大学生。モテる。イケメン。真下のクズ彼氏。
【完結】はじめてできた友だちは、好きな人でした
月音真琴
BL
完結しました。ピュアな高校の同級生同士。友達以上恋人未満な関係。
人付き合いが苦手な仲谷皇祐(なかたにこうすけ)は、誰かといるよりも一人でいる方が楽だった。
高校に入学後もそれは同じだったが、購買部の限定パンを巡ってクラスメートの一人小此木敦貴(おこのぎあつき)に懐かれてしまう。
一人でいたいのに、強引に誘われて敦貴と共に過ごすようになっていく。
はじめての友だちと過ごす日々は楽しいもので、だけどつまらない自分が敦貴を独占していることに申し訳なくて。それでも敦貴は友だちとして一緒にいてくれることを選んでくれた。
次第に皇祐は嬉しい気持ちとは別に違う感情が生まれていき…。
――僕は、敦貴が好きなんだ。
自分の気持ちに気づいた皇祐が選んだ道とは。
エブリスタ様にも掲載しています(完結済)
エブリスタ様にてトレンドランキング BLジャンル・日間90位
◆「第12回BL小説大賞」に参加しています。
応援していただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。
ピュアな二人が大人になってからのお話も連載はじめました。よかったらこちらもどうぞ。
『迷いと絆~友情か恋愛か、親友との揺れる恋物語~』
https://www.alphapolis.co.jp/novel/416124410/923802748
たまにはゆっくり、歩きませんか?
隠岐 旅雨
BL
大手IT企業でシステムエンジニアとして働く榊(さかき)は、一時的に都内本社から埼玉県にある支社のプロジェクトへの応援増員として参加することになった。その最初の通勤の電車の中で、つり革につかまって半分眠った状態のままの男子高校生が倒れ込んでくるのを何とか支え抱きとめる。
よく見ると高校生は自分の出身高校の後輩であることがわかり、また翌日の同時刻にもたまたま同じ電車で遭遇したことから、日々の通勤通学をともにすることになる。
世間話をともにするくらいの仲ではあったが、徐々に互いの距離は縮まっていき、週末には映画を観に行く約束をする。が……

告白ゲームの攻略対象にされたので面倒くさい奴になって嫌われることにした
雨宮里玖
BL
《あらすじ》
昼休みに乃木は、イケメン三人の話に聞き耳を立てていた。そこで「それぞれが最初にぶつかった奴を口説いて告白する。それで一番早く告白オッケーもらえた奴が勝ち」という告白ゲームをする話を聞いた。
その直後、乃木は三人のうちで一番のモテ男・早坂とぶつかってしまった。
その日の放課後から早坂は乃木にぐいぐい近づいてきて——。
早坂(18)モッテモテのイケメン帰国子女。勉強運動なんでもできる。物静か。
乃木(18)普通の高校三年生。
波田野(17)早坂の友人。
蓑島(17)早坂の友人。
石井(18)乃木の友人。
【完結】俺はずっと、おまえのお嫁さんになりたかったんだ。
ペガサスサクラ
BL
※あらすじ、後半の内容にやや二章のネタバレを含みます。
幼なじみの悠也に、恋心を抱くことに罪悪感を持ち続ける楓。
逃げるように東京の大学に行き、田舎故郷に二度と帰るつもりもなかったが、大学三年の夏休みに母親からの電話をきっかけに帰省することになる。
見慣れた駅のホームには、悠也が待っていた。あの頃と変わらない無邪気な笑顔のままー。
何年もずっと連絡をとらずにいた自分を笑って許す悠也に、楓は戸惑いながらも、そばにいたい、という気持ちを抑えられず一緒に過ごすようになる。もう少し今だけ、この夏が終わったら今度こそ悠也のもとを去るのだと言い聞かせながら。
しかしある夜、悠也が、「ずっと親友だ」と自分に無邪気に伝えてくることに耐えきれなくなった楓は…。
お互いを大切に思いながらも、「すき」の色が違うこととうまく向き合えない、不器用な少年二人の物語。
主人公楓目線の、片思いBL。
プラトニックラブ。
いいね、感想大変励みになっています!読んでくださって本当にありがとうございます。
2024.11.27 無事本編完結しました。感謝。
最終章投稿後、第四章 3.5話を追記しています。
(この回は箸休めのようなものなので、読まなくても次の章に差し支えはないです。)
番外編は、2人の高校時代のお話。

【BL】記憶のカケラ
樺純
BL
あらすじ
とある事故により記憶の一部を失ってしまったキイチ。キイチはその事故以来、海辺である男性の後ろ姿を追いかける夢を毎日見るようになり、その男性の顔が見えそうになるといつもその夢から覚めるため、その相手が誰なのか気になりはじめる。
そんなキイチはいつからか惹かれている幼なじみのタカラの家に転がり込み、居候生活を送っているがタカラと幼なじみという関係を壊すのが怖くて告白出来ずにいた。そんな時、毎日見る夢に出てくるあの後ろ姿を街中で見つける。キイチはその人と会えば何故、あの夢を毎日見るのかその理由が分かるかもしれないとその後ろ姿に夢中になるが、結果としてそのキイチのその行動がタカラの心を締め付け過去の傷痕を抉る事となる。
キイチが忘れてしまった記憶とは?
タカラの抱える過去の傷痕とは?
散らばった記憶のカケラが1つになった時…真実が明かされる。
キイチ(男)
中二の時に事故に遭い記憶の一部を失う。幼なじみであり片想いの相手であるタカラの家に居候している。同じ男であることや幼なじみという関係を壊すのが怖く、タカラに告白出来ずにいるがタカラには過保護で尽くしている。
タカラ(男)
過去の出来事が忘れられないままキイチを自分の家に居候させている。タカラの心には過去の出来事により出来てしまった傷痕があり、その傷痕を癒すことができないまま自分の想いに蓋をしキイチと暮らしている。
ノイル(男)
キイチとタカラの幼なじみ。幼なじみ、男女7人組の年長者として2人を落ち着いた目で見守っている。キイチの働くカフェのオーナーでもあり、良き助言者でもあり、ノイルの行動により2人に大きな変化が訪れるキッカケとなる。
ミズキ(男)
幼なじみ7人組の1人でもありタカラの親友でもある。タカラと同じ職場に勤めていて会社ではタカラの執事くんと呼ばれるほどタカラに甘いが、恋人であるヒノハが1番大切なのでここぞと言う時は恋人を優先する。
ユウリ(女)
幼なじみ7人組の1人。ノイルの経営するカフェで一緒に働いていてノイルの彼女。
ヒノハ(女)
幼なじみ7人組の1人。ミズキの彼女。ミズキのことが大好きで冗談半分でタカラにライバル心を抱いてるというネタで場を和ませる。
リヒト(男)
幼なじみ7人組の1人。冷静な目で幼なじみ達が恋人になっていく様子を見守ってきた。
謎の男性
街でキイチが見かけた毎日夢に出てくる後ろ姿にそっくりな男。

それはきっと、気の迷い。
葉津緒
BL
王道転入生に親友扱いされている、気弱な平凡脇役くんが主人公。嫌われ後、総狙われ?
主人公→睦実(ムツミ)
王道転入生→珠紀(タマキ)
全寮制王道学園/美形×平凡/コメディ?

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる