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奪い返す!
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――ソイヤッ、ソイヤッ、と進み行く子どもたちのお神輿を見ている精霊バナナ·ガールのナナ。子どもたちがとても一生懸命で微笑ましい・・・ではなくナナは、
「ぬぁんでお客さん来ないのぉぉぉーっ!」
ブチ切れていた。ミミの宛もはずれ一向に来ない客、ちょっと前まで普通に歩いていたはずなのにまるで何かが起きたのではないかと思うほど。
「はぁ~、ナナさんが来てくれればとお客さん戻ると思ったのに~」
「ご、ごめんミミちゃん」
「いやいやちゃんと時給は払いま・・・」
「あ、ナナさん! なんで屋台に?」
ミミたちを知らない桜子に夏の海のことを話す。
「――そうなんですか」
「んなことより一緒に同級生と話してた末信は?」
「いつの間にか末信君がいなくててっきりナナさんと一緒かと」
呆れるナナだが大体の目星をつけて桜子に屋台を交代してもらい沢山の祭りの中を1人探すことにする。
「見つかるかな~ナナさん」
「よろしくねっ、桜子さん」
「は、はいーっ」
「――ったく末信は~」
愚痴をこぼしながら道を歩くと浴衣や着物を着た老若男女にすれ違うも見つからず、だが大体の予想ともう一つ気になっていることが、いやそちらが本題。
「・・・やっぱり、なんか変ね」
人の流れ、とくに男性がやけに進む道が一緒でナナも気になって流れてみることに。
すると少しづつ人混みが多くなってきてそこに、
「あっ、末信!」
末信を発見、何かを観ている。あの末信が見てるのは大体、
「っつ、どいてどいて~・・・おい!」
「ん、ナナッ」
「あんた、なにこんなところに、桜子ちゃんが探してたわよ」
「え、まじかよ!」
「はは~ん、あんたアレ観てたのね」
「「は~い、ご主人さま~~♡」」
案の定、メイド服を着たカワイ~イ女の子3人。末信のこと可愛い女の子の噂でも耳にしてそっちに行ったのかもしれないが、好きな子と歩いといてそりゃないだろうと情けなく思うナナは頭を抱える。
「こりゃ~桜子ちゃんが向かないはずだわ」
「な、なんか言ったかよ」
「別に・・・それよりも」
どおりでお客さんが来ないわけだ、これだけ大々的にアプローチをしているメイド3人に比べこっちはただ地味じみに接客しているだけにこれでは勝ち目がない。
「なかなかやるわね・・・でもこっちだって負けねーっつーの」
「・・・カワイイな~」
このガキはと耳を引っ張り、
「いでででーっ、ちょっ、ちょっとナナー」
「好きな子がいるのにのうのうとっ!」
連れて帰る······。
「ありがとうございましたー」
「桜子ちゃんて、思ってたよりもしっかり接客出来るのね」
ナナが探しに行ってから桜子が1人、2人と接客をこなしていると、
「え、いえ、そんな」
「ホントほんと、接客に向いてるわよ」
「ほ、ほんとう、ですか・・・」
「ギャルは嘘つかないし」
「ホラッ」
「いってーな、放り投げんなよ」
末信を連れてきた。
「末信君、どこにいたの? 探したよ」
「あ・・・いや・・・その、道に迷っちゃって~、はは」
ニヤリとするナナの目が怖い、ここは大人しくしていたほうが身のためと静かにする末信だった。
「ナナさんおかえり」
「ミミちゃん、原因がわかったわ」
チョコバナナ屋台の左道をずっと行った先のメイド3人の事を話すと頭を抱えミミは、
「――そういうことですか~、すいませんナナさん。そういうことならあがってもらって結構ですよ」
これ以上は悪いとお祭りを楽しんでもらおうとした。
「な~に言ってんのよ、向こうがああするんならこっちだって考えがあるわ!」
やり返す気マンマンの眼に炎がたぎるナナの考えとは······。
「「ありがとうございました~!」」
「・・・あれ? 店長、お客さんが減ってる気がしますね」
「なになに? たしかに、おかしいな・・・いったい」
3人メイドの店長は2人を残し1人男性が流れる場所に向かってみることにした。
するとえーっ、と驚く。
「な、なにあれ」
「さ~、男性のみなさ~ん、チョコバナナは、い・か・が?」
超セクシーボインの店員が接客をしている、その正体は魔法の指パッチンで胸、お尻、身長を伸ばしたナナなのだ。
「す、すげー胸と、お尻・・・」
もはやメイド店長は顎が下がるほどただただあ然とするしかなかった······。
「ナナさんって、ここまでするのね」
「さすがウチラのギャル姐さん、はは・・・」
桜子やミミが少し引いていたが、末信はちょっとラッキーと1人いや、男性たちは思っていたのだった。
「ウッフーン、お・じ・い・さん、また買ってね」
「うひょーたまらんのうーっ、もう一つじゃっ!」
「あ・り・が・と・う」
一度はメイド3人の屋台にお客を奪われるも見事ナナのセクシー・ダイナマイト作戦で勝利をもぎ取ったのだった······。
「ぬぁんでお客さん来ないのぉぉぉーっ!」
ブチ切れていた。ミミの宛もはずれ一向に来ない客、ちょっと前まで普通に歩いていたはずなのにまるで何かが起きたのではないかと思うほど。
「はぁ~、ナナさんが来てくれればとお客さん戻ると思ったのに~」
「ご、ごめんミミちゃん」
「いやいやちゃんと時給は払いま・・・」
「あ、ナナさん! なんで屋台に?」
ミミたちを知らない桜子に夏の海のことを話す。
「――そうなんですか」
「んなことより一緒に同級生と話してた末信は?」
「いつの間にか末信君がいなくててっきりナナさんと一緒かと」
呆れるナナだが大体の目星をつけて桜子に屋台を交代してもらい沢山の祭りの中を1人探すことにする。
「見つかるかな~ナナさん」
「よろしくねっ、桜子さん」
「は、はいーっ」
「――ったく末信は~」
愚痴をこぼしながら道を歩くと浴衣や着物を着た老若男女にすれ違うも見つからず、だが大体の予想ともう一つ気になっていることが、いやそちらが本題。
「・・・やっぱり、なんか変ね」
人の流れ、とくに男性がやけに進む道が一緒でナナも気になって流れてみることに。
すると少しづつ人混みが多くなってきてそこに、
「あっ、末信!」
末信を発見、何かを観ている。あの末信が見てるのは大体、
「っつ、どいてどいて~・・・おい!」
「ん、ナナッ」
「あんた、なにこんなところに、桜子ちゃんが探してたわよ」
「え、まじかよ!」
「はは~ん、あんたアレ観てたのね」
「「は~い、ご主人さま~~♡」」
案の定、メイド服を着たカワイ~イ女の子3人。末信のこと可愛い女の子の噂でも耳にしてそっちに行ったのかもしれないが、好きな子と歩いといてそりゃないだろうと情けなく思うナナは頭を抱える。
「こりゃ~桜子ちゃんが向かないはずだわ」
「な、なんか言ったかよ」
「別に・・・それよりも」
どおりでお客さんが来ないわけだ、これだけ大々的にアプローチをしているメイド3人に比べこっちはただ地味じみに接客しているだけにこれでは勝ち目がない。
「なかなかやるわね・・・でもこっちだって負けねーっつーの」
「・・・カワイイな~」
このガキはと耳を引っ張り、
「いでででーっ、ちょっ、ちょっとナナー」
「好きな子がいるのにのうのうとっ!」
連れて帰る······。
「ありがとうございましたー」
「桜子ちゃんて、思ってたよりもしっかり接客出来るのね」
ナナが探しに行ってから桜子が1人、2人と接客をこなしていると、
「え、いえ、そんな」
「ホントほんと、接客に向いてるわよ」
「ほ、ほんとう、ですか・・・」
「ギャルは嘘つかないし」
「ホラッ」
「いってーな、放り投げんなよ」
末信を連れてきた。
「末信君、どこにいたの? 探したよ」
「あ・・・いや・・・その、道に迷っちゃって~、はは」
ニヤリとするナナの目が怖い、ここは大人しくしていたほうが身のためと静かにする末信だった。
「ナナさんおかえり」
「ミミちゃん、原因がわかったわ」
チョコバナナ屋台の左道をずっと行った先のメイド3人の事を話すと頭を抱えミミは、
「――そういうことですか~、すいませんナナさん。そういうことならあがってもらって結構ですよ」
これ以上は悪いとお祭りを楽しんでもらおうとした。
「な~に言ってんのよ、向こうがああするんならこっちだって考えがあるわ!」
やり返す気マンマンの眼に炎がたぎるナナの考えとは······。
「「ありがとうございました~!」」
「・・・あれ? 店長、お客さんが減ってる気がしますね」
「なになに? たしかに、おかしいな・・・いったい」
3人メイドの店長は2人を残し1人男性が流れる場所に向かってみることにした。
するとえーっ、と驚く。
「な、なにあれ」
「さ~、男性のみなさ~ん、チョコバナナは、い・か・が?」
超セクシーボインの店員が接客をしている、その正体は魔法の指パッチンで胸、お尻、身長を伸ばしたナナなのだ。
「す、すげー胸と、お尻・・・」
もはやメイド店長は顎が下がるほどただただあ然とするしかなかった······。
「ナナさんって、ここまでするのね」
「さすがウチラのギャル姐さん、はは・・・」
桜子やミミが少し引いていたが、末信はちょっとラッキーと1人いや、男性たちは思っていたのだった。
「ウッフーン、お・じ・い・さん、また買ってね」
「うひょーたまらんのうーっ、もう一つじゃっ!」
「あ・り・が・と・う」
一度はメイド3人の屋台にお客を奪われるも見事ナナのセクシー・ダイナマイト作戦で勝利をもぎ取ったのだった······。
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