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告白
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「……さっきネモネアが走り去ったあと、僕はソレイルに……好きって、告白された」
ソレイルがあんな状況の中で告白するなんて、やっぱり凄いねソレイルは、泣いていたあたいと違って強い人。
「けど、断った」
「……どうしてよ」
「好きな人がいるから……」
「……だ、誰よ、す、好きな人って」
「え……それは……その」
「は、はっきりしたらっ、勇者のクセに」
「そ……そうだっ、ネモネアが『ここで待ってて』って言ってたから、ネモネアから話して」
「あっ、あ~ずるい……でも、ぐすっ、そうだったね、じゃあ……あたいが死んじゃった時にその~……何か言ってたでしょ」
「え……え~っと~」
「記憶が薄くて覚えてないの」
「そそ、それは~……」
「もうっ……あ、あたいが死ぬ間際にさ、す、好きって言ったあとの答え、おしえて」
「……愛してる」
「え……もう一度言って」
「あ、愛してる……って言ったんです」
ずっと聞きたかった言葉……。
かなり遠周りしたけどこの時のために頑張ってきたんだもん……。
すごく嬉しくて幸せ……。
「ネモネア!」
「わっ……アヴエロ」
「ずっと、こうしてあげたかった。なのに一緒に教会にいたとき……度胸がなくて抱きしめてあげられなかった」
「臆病すぎよアヴエロ……どれだけ、まってたと思ってるの」
「ごめん……そんな僕のために頑張ってくれて、生きてこの場にいてくれてありがとう」
「うん……うん!」
「……ネモネア肌冷たいね」
「夜なんだから、ちょっと寒いの」
「じゃあ……」
「これ……なつかしい」
抱きしめてくれたアヴエロはとっても温かかった。
そしてあたいをマントで包んでくれた。
今でも覚えてる、アヴエロがあたいにマントで包んでくれた時を……。
あたいとアヴエロは崩れた教会の崖端で2人で座った。
「……アヴエロ」
「ん」
「魔界に閉じこめられたあと、何してたの」
「旅……いや」
「やっぱりそうなんだ」
「……諦めてた」
「え、アヴエロが」
「うん、ネモネア死んじゃった後、封印されてたフラデーア様が御礼と現れて魔界で魔王シャンイレールを倒す事を条件に生き返らせてくれた。でも、魔王に魔界からツオーゴに戻れなくされて、絶望した」
「アヴエロでも絶望するのね」
「でもそんなとき……ふと、目が覚めたネモネアが知ったら、何がなんでもまず行動するだろうなって思えた……そしたら、頑張らないとって」
「そ、そう……」
「違うな……ネモネアにすぐ会いたかったからかな。あってネモネアのそばに、いたかった」
ドサッと言われた瞬間、隣のアヴエロの胸にあたいは頭を置いた。
「ネ、ネモネアッ、どうしたんですかっ」
「……なんか嬉しくて安心したの」
「あ、頭を、あげ」
「もう少しこうさせて、おねがい……」
あたいが行動したのは待ってると不安だったから。
あと、みんな消えちゃってシスター・カルタやジュリとかブリジットに泣き顔を見せたくなかったから。心配させちゃうし。
ほんとうはいつも何やってんだろって思っちゃうときもあった……。
なんかいままでの不安が全部吹き飛んで彼の胸で目を閉じる。もうこうしてるだけで気持ちいい……。
「――ネモネア太陽だよ、ネモネア」
「ぐう~……」
「ネモネア……しょうがないですね」
朝日が観えても気持ちよく寝ちゃったあたいに、風邪を引かないようにとマントを肩にかけてくれる優しいアヴエロ。そんなあなたに出会えて、ほんとうによかった。
「……アヴエロ、すき」
「僕もネモネアが大好きです……」
ソレイルがあんな状況の中で告白するなんて、やっぱり凄いねソレイルは、泣いていたあたいと違って強い人。
「けど、断った」
「……どうしてよ」
「好きな人がいるから……」
「……だ、誰よ、す、好きな人って」
「え……それは……その」
「は、はっきりしたらっ、勇者のクセに」
「そ……そうだっ、ネモネアが『ここで待ってて』って言ってたから、ネモネアから話して」
「あっ、あ~ずるい……でも、ぐすっ、そうだったね、じゃあ……あたいが死んじゃった時にその~……何か言ってたでしょ」
「え……え~っと~」
「記憶が薄くて覚えてないの」
「そそ、それは~……」
「もうっ……あ、あたいが死ぬ間際にさ、す、好きって言ったあとの答え、おしえて」
「……愛してる」
「え……もう一度言って」
「あ、愛してる……って言ったんです」
ずっと聞きたかった言葉……。
かなり遠周りしたけどこの時のために頑張ってきたんだもん……。
すごく嬉しくて幸せ……。
「ネモネア!」
「わっ……アヴエロ」
「ずっと、こうしてあげたかった。なのに一緒に教会にいたとき……度胸がなくて抱きしめてあげられなかった」
「臆病すぎよアヴエロ……どれだけ、まってたと思ってるの」
「ごめん……そんな僕のために頑張ってくれて、生きてこの場にいてくれてありがとう」
「うん……うん!」
「……ネモネア肌冷たいね」
「夜なんだから、ちょっと寒いの」
「じゃあ……」
「これ……なつかしい」
抱きしめてくれたアヴエロはとっても温かかった。
そしてあたいをマントで包んでくれた。
今でも覚えてる、アヴエロがあたいにマントで包んでくれた時を……。
あたいとアヴエロは崩れた教会の崖端で2人で座った。
「……アヴエロ」
「ん」
「魔界に閉じこめられたあと、何してたの」
「旅……いや」
「やっぱりそうなんだ」
「……諦めてた」
「え、アヴエロが」
「うん、ネモネア死んじゃった後、封印されてたフラデーア様が御礼と現れて魔界で魔王シャンイレールを倒す事を条件に生き返らせてくれた。でも、魔王に魔界からツオーゴに戻れなくされて、絶望した」
「アヴエロでも絶望するのね」
「でもそんなとき……ふと、目が覚めたネモネアが知ったら、何がなんでもまず行動するだろうなって思えた……そしたら、頑張らないとって」
「そ、そう……」
「違うな……ネモネアにすぐ会いたかったからかな。あってネモネアのそばに、いたかった」
ドサッと言われた瞬間、隣のアヴエロの胸にあたいは頭を置いた。
「ネ、ネモネアッ、どうしたんですかっ」
「……なんか嬉しくて安心したの」
「あ、頭を、あげ」
「もう少しこうさせて、おねがい……」
あたいが行動したのは待ってると不安だったから。
あと、みんな消えちゃってシスター・カルタやジュリとかブリジットに泣き顔を見せたくなかったから。心配させちゃうし。
ほんとうはいつも何やってんだろって思っちゃうときもあった……。
なんかいままでの不安が全部吹き飛んで彼の胸で目を閉じる。もうこうしてるだけで気持ちいい……。
「――ネモネア太陽だよ、ネモネア」
「ぐう~……」
「ネモネア……しょうがないですね」
朝日が観えても気持ちよく寝ちゃったあたいに、風邪を引かないようにとマントを肩にかけてくれる優しいアヴエロ。そんなあなたに出会えて、ほんとうによかった。
「……アヴエロ、すき」
「僕もネモネアが大好きです……」
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