50 / 66
驚愕の真実
しおりを挟む
幻竜はあたいの右手に噛みつき同化すると腕、手、そして爪が変化した。まるで竜の鱗と竜の爪のように。
「ネモネア……どういうこと……」
「あたいたちは、こことは別の世界で特訓した……竜力をね」
このとき、一月の竜になる特訓の意味がわかった。
「いくよっ!」
「なによっ、魔界の斬撃っ!」
見える、飛んでくる刃がさっきよりも遅く避けやすい。
「ちいっ、なら魔王の鎌で殺すっ!」
振り下ろす鎌を竜の爪、竜爪で受け止めた。
「そんな、バカなっ!」
「……もうやめな、クレマ」
竜魔法によってあたいの身体の一部を竜に出来る。でもそれを使いこなすには竜としての動きを知ることが絶対に必要だと今すごく感じる。
「ふんっ!」
「キャアッ、どこから……尻尾!」
竜の尻尾も出せる。頬を叩かれ焦ったのか空に向かって上がっていくクレマ。
「ハァ、ハァ、竜みたい、なんなのよ、もうっ……うそっ……」
「逃さないよ、クレマァァッ!」
飛びたいと思ったとき背中が疼き翼が現れる。空を飛ぶのだって最初は苦戦したけど、今は平気。
「2人とも、竜魔法で早くアヴエロを」
「そうだった、いくよエメール!」
「ドラゴン・プリンセス……はっ、そうでした、急ぎましょう」
一刻も早くアヴエロを魔界からツオーゴに呼んで一緒に戦うんだ。
今度はモントが竜魔法で幻竜を出して後に付いていく。
「教会の崖の下か」
「勇者アヴエロに連絡を……うわっ!」
「うっ、なんだ、あたしが吹き飛ばされた?」
「お前等を思うようにはさせない……」
「シッ、シスター・ファスッ!」
「どういう事ですか、いったい……」
教会下の崖に向かおうとしたのを邪魔したのは、シスター・ファスのお婆さん。
「決まっているだろ、貴様等を通さないと言っている」
「あのラングネス最古のシスター・ファスなのか……」
「信じられません、こんなっ!」
動揺を隠しきれない2人、それはあたいも同じだった。
「え、シスター・ファスなの……ほんとに……」
「ネモネアァァッ!」
「うっ、くっ、クレマ、あれは本当にシスター・ファスなのか?」
「ウフフッ、そうよ、あの人は正真正銘のラングネス最古のシスター・ファス」
クレマを倒さなきゃいけないのに、気持ちが、頭が混乱してきた。苦戦してしまう中で一つの大きな不安が。
「ヴィゴーレは、シスターたちは大丈夫なのか……シスター・ファスッ!」
「フフッ、さあね……」
もし何かあったら、許せない。裏切りのシスター・ファス……。
「まずいぞエメール」
「わかってますよ、ネモネア・プリンセスがこちらも気にしていたら」
「ああ、ネモネアがクレマに殺される……」
「貴様等はここで死ぬ」
「「竜魔法」」
エメールたちも竜魔法を唱えたのを感じた。
「どうしたのよ、気になって戦いに集中出来ない? ネモネア」
「……ちょっとねっ」
エメールは剣に、モントは2本の剣に竜を纏わすと竜剣となり、身体もあたいと同じように変化した。
「いくぞっ、エメールッ」
「ええ、モント・プリンセス!」
「愚かな、ヘル・ファイアッ!」
大きな獄炎がシスター・ファスに向かって走る2人を飲み込んだ。
だが竜の鱗は炎への耐性が極めて高く、払い除けて。
「「はぁああっ!」」
シスター・ファスを斬り裂いた……。
「今のうちですっ、モント・プリンセス……ぐはっ」
後ろから掴まれた2人が投げ飛ばされた。羽音をたてて浮いている魔族の男。
「痛っ、なんなんだ今度は……それがあんたの正体か」
「ハァ、どうやらそのようですね」
「……調子に乗るなよ、貴様ら」
「あなたは何者ですか」
「エメールとか言ったな、私の名はデルニエール、
魔王シャンイレール様の配下」
「やっぱりまた配下か……だがそんな魔王の配下がなぜシスター・ファスに化けていたっ」
威嚇のように眉間にシワを寄せて浮いている魔王シャンイレールの配下デルニエールは腕を組み語り始める。
「フッ、私はその昔、本物のシスター・ファスだった女を殺し成りすましたのだ」
「シスター・ファスを殺しただと……」
「そうだがそこの女騎士、貴様は会ったことなどあるはずないぞ、もう100年以上前のことなんだからな」
「……なぜあなたは、当時に若かりしシスター・ファスを殺したのですか」
「魔王シャンイレール様の命令でこの世界のスパイとして潜り込むため」
という事はそれまでのシスター・ファスは全部デルニエールだったということ。
「なぜそのような事」
「全ては魔王シャンイレール様が魔王ルモールが滅んだときのための崇高なる作戦であり、このツオーゴを新しく創造するためだ」
話しがバカげていると思っても相手は魔王の配下なら信じざるおえない。
「フフッ、さらに貴様等に絶望をあたえてやろう。このツオーゴの神、女神フラデーアは魔王シャンイレール様が滅ぼした」
「……う、そでしょ……女神フラデーアが」
あたいは動揺が隠せなかった……。
――そんな事が明らかになっていくと同時刻のラングネスの教会の中では、頭に血を流し倒れているシスター・ヴィゴーレ。
「うっ、あたし……生きてる……痛っ……ハァ、ハァ、ハァ……シスター・ファスが、魔王の配下だったなんて……ぐすっ」
「ネモネア……どういうこと……」
「あたいたちは、こことは別の世界で特訓した……竜力をね」
このとき、一月の竜になる特訓の意味がわかった。
「いくよっ!」
「なによっ、魔界の斬撃っ!」
見える、飛んでくる刃がさっきよりも遅く避けやすい。
「ちいっ、なら魔王の鎌で殺すっ!」
振り下ろす鎌を竜の爪、竜爪で受け止めた。
「そんな、バカなっ!」
「……もうやめな、クレマ」
竜魔法によってあたいの身体の一部を竜に出来る。でもそれを使いこなすには竜としての動きを知ることが絶対に必要だと今すごく感じる。
「ふんっ!」
「キャアッ、どこから……尻尾!」
竜の尻尾も出せる。頬を叩かれ焦ったのか空に向かって上がっていくクレマ。
「ハァ、ハァ、竜みたい、なんなのよ、もうっ……うそっ……」
「逃さないよ、クレマァァッ!」
飛びたいと思ったとき背中が疼き翼が現れる。空を飛ぶのだって最初は苦戦したけど、今は平気。
「2人とも、竜魔法で早くアヴエロを」
「そうだった、いくよエメール!」
「ドラゴン・プリンセス……はっ、そうでした、急ぎましょう」
一刻も早くアヴエロを魔界からツオーゴに呼んで一緒に戦うんだ。
今度はモントが竜魔法で幻竜を出して後に付いていく。
「教会の崖の下か」
「勇者アヴエロに連絡を……うわっ!」
「うっ、なんだ、あたしが吹き飛ばされた?」
「お前等を思うようにはさせない……」
「シッ、シスター・ファスッ!」
「どういう事ですか、いったい……」
教会下の崖に向かおうとしたのを邪魔したのは、シスター・ファスのお婆さん。
「決まっているだろ、貴様等を通さないと言っている」
「あのラングネス最古のシスター・ファスなのか……」
「信じられません、こんなっ!」
動揺を隠しきれない2人、それはあたいも同じだった。
「え、シスター・ファスなの……ほんとに……」
「ネモネアァァッ!」
「うっ、くっ、クレマ、あれは本当にシスター・ファスなのか?」
「ウフフッ、そうよ、あの人は正真正銘のラングネス最古のシスター・ファス」
クレマを倒さなきゃいけないのに、気持ちが、頭が混乱してきた。苦戦してしまう中で一つの大きな不安が。
「ヴィゴーレは、シスターたちは大丈夫なのか……シスター・ファスッ!」
「フフッ、さあね……」
もし何かあったら、許せない。裏切りのシスター・ファス……。
「まずいぞエメール」
「わかってますよ、ネモネア・プリンセスがこちらも気にしていたら」
「ああ、ネモネアがクレマに殺される……」
「貴様等はここで死ぬ」
「「竜魔法」」
エメールたちも竜魔法を唱えたのを感じた。
「どうしたのよ、気になって戦いに集中出来ない? ネモネア」
「……ちょっとねっ」
エメールは剣に、モントは2本の剣に竜を纏わすと竜剣となり、身体もあたいと同じように変化した。
「いくぞっ、エメールッ」
「ええ、モント・プリンセス!」
「愚かな、ヘル・ファイアッ!」
大きな獄炎がシスター・ファスに向かって走る2人を飲み込んだ。
だが竜の鱗は炎への耐性が極めて高く、払い除けて。
「「はぁああっ!」」
シスター・ファスを斬り裂いた……。
「今のうちですっ、モント・プリンセス……ぐはっ」
後ろから掴まれた2人が投げ飛ばされた。羽音をたてて浮いている魔族の男。
「痛っ、なんなんだ今度は……それがあんたの正体か」
「ハァ、どうやらそのようですね」
「……調子に乗るなよ、貴様ら」
「あなたは何者ですか」
「エメールとか言ったな、私の名はデルニエール、
魔王シャンイレール様の配下」
「やっぱりまた配下か……だがそんな魔王の配下がなぜシスター・ファスに化けていたっ」
威嚇のように眉間にシワを寄せて浮いている魔王シャンイレールの配下デルニエールは腕を組み語り始める。
「フッ、私はその昔、本物のシスター・ファスだった女を殺し成りすましたのだ」
「シスター・ファスを殺しただと……」
「そうだがそこの女騎士、貴様は会ったことなどあるはずないぞ、もう100年以上前のことなんだからな」
「……なぜあなたは、当時に若かりしシスター・ファスを殺したのですか」
「魔王シャンイレール様の命令でこの世界のスパイとして潜り込むため」
という事はそれまでのシスター・ファスは全部デルニエールだったということ。
「なぜそのような事」
「全ては魔王シャンイレール様が魔王ルモールが滅んだときのための崇高なる作戦であり、このツオーゴを新しく創造するためだ」
話しがバカげていると思っても相手は魔王の配下なら信じざるおえない。
「フフッ、さらに貴様等に絶望をあたえてやろう。このツオーゴの神、女神フラデーアは魔王シャンイレール様が滅ぼした」
「……う、そでしょ……女神フラデーアが」
あたいは動揺が隠せなかった……。
――そんな事が明らかになっていくと同時刻のラングネスの教会の中では、頭に血を流し倒れているシスター・ヴィゴーレ。
「うっ、あたし……生きてる……痛っ……ハァ、ハァ、ハァ……シスター・ファスが、魔王の配下だったなんて……ぐすっ」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
【完結済】姿を偽った黒髪令嬢は、女嫌いな公爵様のお世話係をしているうちに溺愛されていたみたいです
鳴宮野々花@初書籍発売中【二度婚約破棄】
恋愛
王国の片田舎にある小さな町から、八歳の時に母方の縁戚であるエヴェリー伯爵家に引き取られたミシェル。彼女は伯爵一家に疎まれ、美しい髪を黒く染めて使用人として生活するよう強いられた。以来エヴェリー一家に虐げられて育つ。
十年後。ミシェルは同い年でエヴェリー伯爵家の一人娘であるパドマの婚約者に嵌められ、伯爵家を身一つで追い出されることに。ボロボロの格好で人気のない場所を彷徨っていたミシェルは、空腹のあまりふらつき倒れそうになる。
そこへ馬で通りがかった男性と、危うくぶつかりそうになり──────
※いつもの独自の世界のゆる設定なお話です。何もかもファンタジーです。よろしくお願いします。
※この作品はカクヨム、小説家になろう、ベリーズカフェにも投稿しています。
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
【完結】平凡な魔法使いですが、国一番の騎士に溺愛されています
空月
ファンタジー
この世界には『善い魔法使い』と『悪い魔法使い』がいる。
『悪い魔法使い』の根絶を掲げるシュターメイア王国の魔法使いフィオラ・クローチェは、ある日魔法の暴発で幼少時の姿になってしまう。こんな姿では仕事もできない――というわけで有給休暇を得たフィオラだったが、一番の友人を自称するルカ=セト騎士団長に、何故かなにくれとなく世話をされることに。
「……おまえがこんなに子ども好きだとは思わなかった」
「いや、俺は子どもが好きなんじゃないよ。君が好きだから、子どもの君もかわいく思うし好きなだけだ」
そんなことを大真面目に言う国一番の騎士に溺愛される、平々凡々な魔法使いのフィオラが、元の姿に戻るまでと、それから。
◆三部完結しました。お付き合いありがとうございました。(2024/4/4)
ユニークスキルで異世界マイホーム ~俺と共に育つ家~
楠富 つかさ
ファンタジー
地震で倒壊した我が家にて絶命した俺、家入竜也は自分の死因だとしても家が好きで……。
そんな俺に転生を司る女神が提案してくれたのは、俺の成長に応じて育つ異空間を創造する力。この力で俺は生まれ育った家を再び取り戻す。
できれば引きこもりたい俺と異世界の冒険者たちが織りなすソード&ソーサリー、開幕!!
第17回ファンタジー小説大賞にエントリーしました!
神様のサウナ ~神様修業がてらサウナ満喫生活始めました~
イタズ
ファンタジー
定年を機に、サウナ満喫生活を行っていた島野守。
極上の整いを求めて、呼吸法と自己催眠を用いた、独自のリラックス方法『黄金の整い』で、知らず知らずの内に神秘の力を身体に蓄えていた。
そんな中、サウナを満喫していたところ、突如、創造神様に神界に呼び出されてしまう。
『黄金の整い』で得ていた神秘の力は、実は神の気であったことが判明し、神の気を大量に蓄えた身体と、類まれなる想像力を見込まれた守は「神様になってみないか?」とスカウトされる。
だが、サウナ満喫生活を捨てられないと苦悶する守。
ならば異世界で自分のサウナを作ってみたらどうかと、神様に説得されてしまう。
守にとって夢のマイサウナ、それが手に入るならと、神様になるための修業を開始することに同意したとたん。
無人島に愛犬のノンと共に放り出されることとなってしまった。
果たして守は異世界でも整えるのか?
そして降り立った世界は、神様が顕現してる不思議な異世界、守の異世界神様修業とサウナ満喫生活が始まる!
*基本ほのぼのです、作者としてはほとんどコメディーと考えています。間違っていたらごめんなさない。
錬金術師カレンはもう妥協しません
山梨ネコ
ファンタジー
「おまえとの婚約は破棄させてもらう」
前は病弱だったものの今は現在エリート街道を驀進中の婚約者に捨てられた、Fランク錬金術師のカレン。
病弱な頃、支えてあげたのは誰だと思っているのか。
自棄酒に溺れたカレンは、弾みでとんでもない条件を付けてとある依頼を受けてしまう。
それは『血筋の祝福』という、受け継いだ膨大な魔力によって苦しむ呪いにかかった甥っ子を救ってほしいという貴族からの依頼だった。
依頼内容はともかくとして問題は、報酬は思いのままというその依頼に、達成報酬としてカレンが依頼人との結婚を望んでしまったことだった。
王都で今一番結婚したい男、ユリウス・エーレルト。
前世も今世も妥協して付き合ったはずの男に振られたカレンは、もう妥協はするまいと、美しく強く家柄がいいという、三国一の男を所望してしまったのだった。
ともかくは依頼達成のため、錬金術師としてカレンはポーションを作り出す。
仕事を通じて様々な人々と関わりながら、カレンの心境に変化が訪れていく。
錬金術師カレンの新しい人生が幕を開ける。
※小説家になろうにも投稿中。
転生幼女は幸せを得る。
泡沫 ウィルベル
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!?
今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−
転生錬金術師・葉菜花の魔石ごはん~食いしん坊王子様のお気に入り~
豆狸
ファンタジー
異世界に転生した葉菜花には前世の料理を再現するチートなスキルがあった!
食いしん坊の王国ラトニーで俺様王子様と残念聖女様を餌付けしながら、可愛い使い魔ラケル(モフモフわんこ)と一緒に頑張るよ♪
※基本のんびりスローライフ? で、たまに事件に関わります。
※本編は葉菜花の一人称、ときどき別視点の三人称です。
※ひとつの話の中で視点が変わるときは★、同じ視点で場面や時間が変わるときは☆で区切っています。
※20210114、11話内の神殿からもらったお金がおかしかったので訂正しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる