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オーブの秘密
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ラングネスに封印されていたというブ、ブブ、ブラック・オーブ……本物だ~!」
あたいたちはキングロビウの城下町で一番の考古学者カーゼ・ジェント先生の家に来ていた。あたいが砂漠の地下に迷ってる2日の間にエメールとモントは考古学者を探してくれていたんだ。
「やりましたねっ、先っせーいっ!」
「す、すごいテンションの2人だねモント」
「あ、ああ」
「それでカーゼ先生に助手のブリーズ・カインドさん、このブラック・オーブの四角い台座に彫ってある古代文字はなんと書いてあるのですか?」
「あっ、あ~ごめんね興奮しちゃって……コホンッ、では……」
『試練を乗り越えし、強き大自然の子らよ。竜神殿にて神聖なる竜の光で竜玉を包みこめ、さすれば大いなる大地に足を踏み入れるであろう』
「……これが私とカーゼ先生の答えです」
「竜神殿……そんなとこ一体どこにあるんだモント」
「あたしにもわからないよ、それに竜玉って、エメール」
「大いなる大地とは、これはまた壮大ですね」
いつの間にかみんなで予想や思いつきの言い合いに。だってまったく分からないし。でも、やっぱりブラック・オーブには何か大きな力がありそう、まずは竜神殿って場所を見つけないと。
「竜神殿だな、じゃあまずは図書室かネモネア、エメール」
「「うん」」
あたいたちは急いで探そうとしたら大きな声で止める助手のブリーズ。
「ちょっとっ、待ってみなさぁぁぁんっ!」
「なんだよブリーズ」
「では先生」
「うむ、コホン……竜神殿なら分かっておる」
落ち着いて断言するカーゼ先生の言葉にピタッと立ち止まる。
「人類が誕生してから約500万年……」
「ちょっと、カーゼ先生あたいは」
「焦らずに話を聞きましょうネモネア・プリンセス」
「人類は時とともに常に進化してきた。そんな人類が今から約4万年前、とある種族とお別れをした。その種族が竜族。竜族はむかし人間と仲がよかったようじゃ、しかし何故かこの世界ツオーゴから彼等は消え、その彼等のために人間は竜神殿を建てたようじゃ」
考古学者カーゼ先生の話しには魔族だけじゃなく竜と仲良くしたって、魔界には邪恐竜っていう危険な恐竜はいたけど仲間なんてとても無理だ。そうじゃない竜なんてほんとうに存在するのだろうか。
「その竜神殿と言われる神殿がこのキングロビウ地方に存在する」
「え……それって、もしかしてあの朽ち果てた遺跡……」
「さよう」
「そうかっ、じゃあネモネアが盗賊女に落とされた流砂の地下が竜神殿の中だったのか」
つまりあたいはもう次の進むべき場所に辿り着いていたってこと。なら、この3つの指輪も。
「そ、その指輪はっ?」
「あたいが盗賊に落とされた砂漠の地下で拾った指輪で」
「す、すすっ、すっごいですよカーゼ先生!」
「それだけじゃないよ、地下には魔王や女神とかの壁画とか、竜の門とかあったんだ」
砂漠の地下で迷った話をありったけを話すとカーゼ先生と助手のブリーズは、最初の騒がしさから一転、静まり返る。
「……いやはや仰天の極みじゃ」
「はい、先生の助手になってこんなにひっくり返ったのは初めてです」
「それであたいらはどうすればいい? 竜神殿が砂漠の地下だって事はわかったけど、落ちて彷徨ったあたいと盗賊女でも抜け出すのがやっとだったんだ」
隅々まで調べたつもりだ。おまけに盗賊のナニラも調べたから取りこぼしはないはず。
「永遠に魔物アリが出てくるんだったな」
「じっと考える余裕もありませんね」
「竜の門のとこで扉を閉めればだいじょう……」
「お前さん達、わし等を竜神殿に同行させてくれ」
「カーゼ先生とブリーズを?」
「さよう、前から行きたかったが見ての通り研究ばかりで戦いはてんで出来ん、かと言って戦士を雇う金などありゃせんかった。しかし今こそ神殿を調べるチャンスッ、お主達がワシとブリーズを守ってくれれば必ず、研究者の誇りにかけて秘密を解くことを約束しよう……どうじゃ?」
あたいは一度エメールとモントで話し合うことにした。守れないわけじゃないけど危険であることに変わりはないから。
「あたいはこの話しにのりたい、エメールとモントは」
「私は構いませんよ……出来れば研究者は女性が良かったんですが」
「あいかわらずなんだからエメールは……モントは?」
「……騎士としては一般人を巻き込むのは反対……」
「モントそこを頼むよ」
「でも……きっとソレイル姉さんなら、私が守るから大丈夫って笑顔で許すんだろうな」
「うん、ソレイルは優しくて強い騎士だから」
「よしっ、行こうネモネア、エメール」
「モント、ありがとう」
「どこにいるか分からないけど、そうすることが姉さんの近道な気がする」
「……モント」
「そうですね……私もいずれモント・プリンセスのお姉様にお会いしたい!」
「姉さんはお前みたいな馴れなれしいやつは受け流されるよ」
「……エメール」
「どうしたネモネア」
「ネモネア・プリンセス?」
今あたいの目の前には頼もしい2人の仲間、流砂に落ちて地下を彷徨ったとき思ってた。早く会いたいって、そう感じたときこそが仲間。
「……モント、ソレイルの行方の話しだけど」
「ネモネア、まさか教えてくれるの……」
「うん、今の2人ならアヴエロたちのように信頼出来るから」
「ネモネア・プリンセス……」
「……ソレイルは、アヴエロたちは、いま魔界にいる」
あたいたちはキングロビウの城下町で一番の考古学者カーゼ・ジェント先生の家に来ていた。あたいが砂漠の地下に迷ってる2日の間にエメールとモントは考古学者を探してくれていたんだ。
「やりましたねっ、先っせーいっ!」
「す、すごいテンションの2人だねモント」
「あ、ああ」
「それでカーゼ先生に助手のブリーズ・カインドさん、このブラック・オーブの四角い台座に彫ってある古代文字はなんと書いてあるのですか?」
「あっ、あ~ごめんね興奮しちゃって……コホンッ、では……」
『試練を乗り越えし、強き大自然の子らよ。竜神殿にて神聖なる竜の光で竜玉を包みこめ、さすれば大いなる大地に足を踏み入れるであろう』
「……これが私とカーゼ先生の答えです」
「竜神殿……そんなとこ一体どこにあるんだモント」
「あたしにもわからないよ、それに竜玉って、エメール」
「大いなる大地とは、これはまた壮大ですね」
いつの間にかみんなで予想や思いつきの言い合いに。だってまったく分からないし。でも、やっぱりブラック・オーブには何か大きな力がありそう、まずは竜神殿って場所を見つけないと。
「竜神殿だな、じゃあまずは図書室かネモネア、エメール」
「「うん」」
あたいたちは急いで探そうとしたら大きな声で止める助手のブリーズ。
「ちょっとっ、待ってみなさぁぁぁんっ!」
「なんだよブリーズ」
「では先生」
「うむ、コホン……竜神殿なら分かっておる」
落ち着いて断言するカーゼ先生の言葉にピタッと立ち止まる。
「人類が誕生してから約500万年……」
「ちょっと、カーゼ先生あたいは」
「焦らずに話を聞きましょうネモネア・プリンセス」
「人類は時とともに常に進化してきた。そんな人類が今から約4万年前、とある種族とお別れをした。その種族が竜族。竜族はむかし人間と仲がよかったようじゃ、しかし何故かこの世界ツオーゴから彼等は消え、その彼等のために人間は竜神殿を建てたようじゃ」
考古学者カーゼ先生の話しには魔族だけじゃなく竜と仲良くしたって、魔界には邪恐竜っていう危険な恐竜はいたけど仲間なんてとても無理だ。そうじゃない竜なんてほんとうに存在するのだろうか。
「その竜神殿と言われる神殿がこのキングロビウ地方に存在する」
「え……それって、もしかしてあの朽ち果てた遺跡……」
「さよう」
「そうかっ、じゃあネモネアが盗賊女に落とされた流砂の地下が竜神殿の中だったのか」
つまりあたいはもう次の進むべき場所に辿り着いていたってこと。なら、この3つの指輪も。
「そ、その指輪はっ?」
「あたいが盗賊に落とされた砂漠の地下で拾った指輪で」
「す、すすっ、すっごいですよカーゼ先生!」
「それだけじゃないよ、地下には魔王や女神とかの壁画とか、竜の門とかあったんだ」
砂漠の地下で迷った話をありったけを話すとカーゼ先生と助手のブリーズは、最初の騒がしさから一転、静まり返る。
「……いやはや仰天の極みじゃ」
「はい、先生の助手になってこんなにひっくり返ったのは初めてです」
「それであたいらはどうすればいい? 竜神殿が砂漠の地下だって事はわかったけど、落ちて彷徨ったあたいと盗賊女でも抜け出すのがやっとだったんだ」
隅々まで調べたつもりだ。おまけに盗賊のナニラも調べたから取りこぼしはないはず。
「永遠に魔物アリが出てくるんだったな」
「じっと考える余裕もありませんね」
「竜の門のとこで扉を閉めればだいじょう……」
「お前さん達、わし等を竜神殿に同行させてくれ」
「カーゼ先生とブリーズを?」
「さよう、前から行きたかったが見ての通り研究ばかりで戦いはてんで出来ん、かと言って戦士を雇う金などありゃせんかった。しかし今こそ神殿を調べるチャンスッ、お主達がワシとブリーズを守ってくれれば必ず、研究者の誇りにかけて秘密を解くことを約束しよう……どうじゃ?」
あたいは一度エメールとモントで話し合うことにした。守れないわけじゃないけど危険であることに変わりはないから。
「あたいはこの話しにのりたい、エメールとモントは」
「私は構いませんよ……出来れば研究者は女性が良かったんですが」
「あいかわらずなんだからエメールは……モントは?」
「……騎士としては一般人を巻き込むのは反対……」
「モントそこを頼むよ」
「でも……きっとソレイル姉さんなら、私が守るから大丈夫って笑顔で許すんだろうな」
「うん、ソレイルは優しくて強い騎士だから」
「よしっ、行こうネモネア、エメール」
「モント、ありがとう」
「どこにいるか分からないけど、そうすることが姉さんの近道な気がする」
「……モント」
「そうですね……私もいずれモント・プリンセスのお姉様にお会いしたい!」
「姉さんはお前みたいな馴れなれしいやつは受け流されるよ」
「……エメール」
「どうしたネモネア」
「ネモネア・プリンセス?」
今あたいの目の前には頼もしい2人の仲間、流砂に落ちて地下を彷徨ったとき思ってた。早く会いたいって、そう感じたときこそが仲間。
「……モント、ソレイルの行方の話しだけど」
「ネモネア、まさか教えてくれるの……」
「うん、今の2人ならアヴエロたちのように信頼出来るから」
「ネモネア・プリンセス……」
「……ソレイルは、アヴエロたちは、いま魔界にいる」
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