29 / 54
プリンセス ―ショート―
闇夜森林の戦い
しおりを挟む
「いえ、円卓の間での貴女とはとても思えなくて」
あのときはホントッ、何にも興味がなかった。今思うと失礼極まりない。
優しく話すオメラ王女、でも振り向いて再び前を進む時一瞬悲しそうな顔をした彼女にエマリンは気づく。
長い廊下を歩き扉を開いた先に一旦外に出てすぐの所にまた高いお城がある。
「ここが私の部屋です。どうぞお上がりください」
「あ、これ」
エマリンが気になったのは『右手の指を揃えて手のひらを上に向けて指先を相手に向けて指す扉』、
「この扉にご興味が?」
「はい、私の部屋の扉もこういう彫刻だったので」
「へ~、なにか縁があるのかもしれませんね」
少しづつ気持ちが楽になっていくエマリン、オメラの部屋は玄関の先にテーブルと椅子があり座らしてもらう。さらに用意してもらった紅茶を一口飲み、
「フ~ッ、ありがとう、ございます。オメラ王女」
「少しは気分が落ち着きましたか?」
「はい、それで」
可愛らしく無邪気の様だったエマリンらしくない下を向き眉尻が下り深刻そうな顔にオメラもただならぬ事だと表情を変えて座る。
「聞きましょう――」
夜、デナに襲われるも彼女に馬を渡して和解したエマリン。尻もちを付いた体をなんとか動かし城へと戻ろうとすると「エマリン王女」と心配で歩いて来たのか騎士カイブに、
「あ、カイブ、いま腰を抜かしてしまって、手を貸してください······カイブ?」
「エマリン王女······命を、貰います」
「え?」
突如としてわけも分からず騎士カイブに襲われるエマリンは反射的に逃げ出そうとする。
「な、何なのよ、カイブ。あたしは王女様で偉いラドラ·アク·エマリンよっ」
しかし聞く耳持たずに左腰の鞘から剣を抜き刃を向けた。
「ちょっとやめてよ」
涙を浮かべながら恐怖で震えまた腰を付く、
「死んでもらう」
「そ、そんな、いや······いやぁーっ!」
すると遠くから馬の音、そして、
キーンッ、
「ちいっ」
現れたのは知っているフードを被る者、
「あ、あなた」
「言っただろ、借りを返せそうだと」
先程去ったはずのデナが再び姿を現した。
「貴様は、姉殺しのデナか!」
「エマリン王女っ、コイツはいったいなんなんだ」
騎士カイブを知らないデナにエマリンが説明、彼は騎士団長候補で成績もよく常に任務優先の無口な男だという。
「どけ犯罪者、私は後ろのエマリン王女にようがある」
獣のような恐ろしい目付きで睨むカイブのあんな顔をいままで1度も見たことが無いエマリンは夜でもあり余計に恐怖に溢れる。
「どきたいところだが、エマリン王女には馬の借りがある。どくわけにはいかんっ!」
「ならば、一緒にコロスッ!」
デナとカイブの戦いが始まった。
力で軽々と剣を振り回すカイブに対して冷静に相手の好きを付こうとするデナだが、
「はぁあ!」
二度、三度とデナの速さのある剣を弾くカイブ。
「ちっ、こいつ意外と冷静だ」
攻めは力任せでも、守りは相手の剣を見逃さないほどの反射神経で剣をさばいていく。
「ふふっ、貴様の剣は私には効かんぞ? 今なら逃げても構わん。行けっ」
「言っただろ、借りがあるとな」
「ならば人の慈悲を無にした事を後悔させてやろう」
再度攻撃を仕掛けてくる。
デナも必死に避けていると、相手の剣が大木などにめり込む。
そんな事を続けていたら、
「ハァ、ハァ、しまった」
足を滑らせる。
「もらった!」
「くうっ!」
寝転がりながら紙一重で避け後ろに下がると、
「エマリン王女っ!」
デナの大声でビクッとするエマリン。
「兵を呼んでこいっ」
「え、え、でも私いま腰が」
「ぬあぁぁっ!」
三度襲ってくるカイブ、だが必死に避けながらもデナはエマリンに、
「あまったれるなっ、私がコイツに殺られたら次はお前が死ぬんだぞっ!」
命懸けで守っている彼女の言葉に、はっ、とする。
「自分の身を、国を護ってみせろエマリン王女っ!」
国をまもる、ワタシが······体中全ての血液が巡るのを感じて何かが目を覚ました。
「うっ、くっ······」
必死に立とうとして震えながらも立ち上がった。
「行けっ、エマリン王女っ!」
震えが止まらずとも歩き出すが、
「させんぞっ!」
カイブがエマリンの方を向こうとすると、
「余所見をするなっ」
デナを無視するわけにもいかず、腹が立ってくる。
「おのれーっ!」
エマリンは一歩ずつ確実に階段を登り扉まで走り開けた。
「エマリン王女どうしました?」
また何か悪さをしたのだろうと言う顔、無理もないいままでそうだったのだから。でも今は、
「皆さん、いま下でカイブと戦っている方を」
「え、え?」「カイブ様が?」
「カイブと戦っているデナさんを助けてください」
「あのですね王女、デナという方は犯罪者で」
「はやく行きなさいっ!」
怒鳴ったエマリンは、騎士兵士を自分のために剣を交えているデナに向かわせ自身も戻る。
「そろそろ疲れが見えてきたな犯罪者」
「くっ、こんなとこで、ハァ、ハァ」
その時カイブの後ろから、
「まてそこの、カイブ様?」
カイブは自分を疑っていないと直感、
「おう、お前たちか、今エマリン王女を殺そうとした犯罪者デナ戦闘をしていた。手伝ってくれ」
すると兵はハイと返事をしてデナの方に槍を向ける。
「な、貴様等、命を狙ったのはそいつたぞ!」
「黙れっ、長年ムース城に命を預けてきた騎士カイブ様がそのようなことをするかよ、犯罪者!」
グフフとニヤつくカイブだが、
「なにをしてるのっ、デナさんは味方よ。敵はカイブだって言ったでしょうっ!」
「エマリン王女、しかし」
困惑する騎士兵士達5人に何とかしなければと必死に思うエマリンはスッと背筋を伸ばし、
「違います。デナさんと別れたあと、騎士カイブによって襲われたところをデナさんが助けてくださってのです」
それはエマリンに初めて大人の王女の様な威厳を感じ真剣な顔へと変化していき騎士兵士たちも本当なのだと伝わる。
「······本当ですか、騎士カイブ様」
「ふんっ、奴にあんな威厳があるとは王族の血も争えんか」
デナもエマリンの急激な変わりように目を見開いていたが、すぐ首を振りもとに戻る。
「やるじゃないか、エマリン王女」
さらにはエマリンの大声により他の兵もやってきて、
「仕方ない、ずらかるか」
「ま、まてカイブッ!」
暗殺は無理と感じたのかカイブは闇夜の森へと姿を消す。
静けさが戻るとエマリンは「はぁ~」と力が抜け安心したが、デナが去ろうとするのを見て、
「ま、待って」
「エマリン王女、なにを?」
「皆さんはお城に戻って、ください。私はあの人と2人で話したいことがあるの」
他の兵を戻しエマリンは馬に乗ろうとするデナへと近づいて行く。
「デナさん」
「エマリン王女、驚いたぞ。あなたもやるときはやるんだな」
「いえ、さっきのは必死だったので」
見直したような笑みを浮かべるデナ、そんな彼女を見ているとエマリンはモジモジと両の指を触りながら、
「あの······」
「ん、まだなにか?」
「本当にあなたが、その······お姉さんを······」
エマリンから目をそらしデナは、下を向くとシワを寄せて鬼のような形相になり、
「私は······姉を殺してはいない」
「やっぱり」
「あのとき······」
――ランク城の攻略に失敗し姉のプレナと喧嘩して自室のベッドで横になっていたデナは寝れずにずっとぼやいていた。
「2人で、クイーン·ザ·セレブレイドになる······か」
両手を枕にぼんやりと天井を見ながら姉のことばかりが頭に浮かんでしまう。さらに寝返りうつ伏せに、
「無理だよ、あたしには」
いつもの姉のプレナは長女として王女として自身の前にいた人。自分は逆にそんな姉に甘え、いつもその後ろでサポートしてきただけ。それがデナにとってネックとなっていたのだ。
しかし喧嘩したままでは悪いと「ふぅ~、行くか」と起き上がり玉座に居るであろう姉の元へと足を運ぶ事にした。
もうすっかり夜で暗い、いつまでもランク城の攻略を引きずるわけにはいかないと思いながら扉を開ける。
あのときはホントッ、何にも興味がなかった。今思うと失礼極まりない。
優しく話すオメラ王女、でも振り向いて再び前を進む時一瞬悲しそうな顔をした彼女にエマリンは気づく。
長い廊下を歩き扉を開いた先に一旦外に出てすぐの所にまた高いお城がある。
「ここが私の部屋です。どうぞお上がりください」
「あ、これ」
エマリンが気になったのは『右手の指を揃えて手のひらを上に向けて指先を相手に向けて指す扉』、
「この扉にご興味が?」
「はい、私の部屋の扉もこういう彫刻だったので」
「へ~、なにか縁があるのかもしれませんね」
少しづつ気持ちが楽になっていくエマリン、オメラの部屋は玄関の先にテーブルと椅子があり座らしてもらう。さらに用意してもらった紅茶を一口飲み、
「フ~ッ、ありがとう、ございます。オメラ王女」
「少しは気分が落ち着きましたか?」
「はい、それで」
可愛らしく無邪気の様だったエマリンらしくない下を向き眉尻が下り深刻そうな顔にオメラもただならぬ事だと表情を変えて座る。
「聞きましょう――」
夜、デナに襲われるも彼女に馬を渡して和解したエマリン。尻もちを付いた体をなんとか動かし城へと戻ろうとすると「エマリン王女」と心配で歩いて来たのか騎士カイブに、
「あ、カイブ、いま腰を抜かしてしまって、手を貸してください······カイブ?」
「エマリン王女······命を、貰います」
「え?」
突如としてわけも分からず騎士カイブに襲われるエマリンは反射的に逃げ出そうとする。
「な、何なのよ、カイブ。あたしは王女様で偉いラドラ·アク·エマリンよっ」
しかし聞く耳持たずに左腰の鞘から剣を抜き刃を向けた。
「ちょっとやめてよ」
涙を浮かべながら恐怖で震えまた腰を付く、
「死んでもらう」
「そ、そんな、いや······いやぁーっ!」
すると遠くから馬の音、そして、
キーンッ、
「ちいっ」
現れたのは知っているフードを被る者、
「あ、あなた」
「言っただろ、借りを返せそうだと」
先程去ったはずのデナが再び姿を現した。
「貴様は、姉殺しのデナか!」
「エマリン王女っ、コイツはいったいなんなんだ」
騎士カイブを知らないデナにエマリンが説明、彼は騎士団長候補で成績もよく常に任務優先の無口な男だという。
「どけ犯罪者、私は後ろのエマリン王女にようがある」
獣のような恐ろしい目付きで睨むカイブのあんな顔をいままで1度も見たことが無いエマリンは夜でもあり余計に恐怖に溢れる。
「どきたいところだが、エマリン王女には馬の借りがある。どくわけにはいかんっ!」
「ならば、一緒にコロスッ!」
デナとカイブの戦いが始まった。
力で軽々と剣を振り回すカイブに対して冷静に相手の好きを付こうとするデナだが、
「はぁあ!」
二度、三度とデナの速さのある剣を弾くカイブ。
「ちっ、こいつ意外と冷静だ」
攻めは力任せでも、守りは相手の剣を見逃さないほどの反射神経で剣をさばいていく。
「ふふっ、貴様の剣は私には効かんぞ? 今なら逃げても構わん。行けっ」
「言っただろ、借りがあるとな」
「ならば人の慈悲を無にした事を後悔させてやろう」
再度攻撃を仕掛けてくる。
デナも必死に避けていると、相手の剣が大木などにめり込む。
そんな事を続けていたら、
「ハァ、ハァ、しまった」
足を滑らせる。
「もらった!」
「くうっ!」
寝転がりながら紙一重で避け後ろに下がると、
「エマリン王女っ!」
デナの大声でビクッとするエマリン。
「兵を呼んでこいっ」
「え、え、でも私いま腰が」
「ぬあぁぁっ!」
三度襲ってくるカイブ、だが必死に避けながらもデナはエマリンに、
「あまったれるなっ、私がコイツに殺られたら次はお前が死ぬんだぞっ!」
命懸けで守っている彼女の言葉に、はっ、とする。
「自分の身を、国を護ってみせろエマリン王女っ!」
国をまもる、ワタシが······体中全ての血液が巡るのを感じて何かが目を覚ました。
「うっ、くっ······」
必死に立とうとして震えながらも立ち上がった。
「行けっ、エマリン王女っ!」
震えが止まらずとも歩き出すが、
「させんぞっ!」
カイブがエマリンの方を向こうとすると、
「余所見をするなっ」
デナを無視するわけにもいかず、腹が立ってくる。
「おのれーっ!」
エマリンは一歩ずつ確実に階段を登り扉まで走り開けた。
「エマリン王女どうしました?」
また何か悪さをしたのだろうと言う顔、無理もないいままでそうだったのだから。でも今は、
「皆さん、いま下でカイブと戦っている方を」
「え、え?」「カイブ様が?」
「カイブと戦っているデナさんを助けてください」
「あのですね王女、デナという方は犯罪者で」
「はやく行きなさいっ!」
怒鳴ったエマリンは、騎士兵士を自分のために剣を交えているデナに向かわせ自身も戻る。
「そろそろ疲れが見えてきたな犯罪者」
「くっ、こんなとこで、ハァ、ハァ」
その時カイブの後ろから、
「まてそこの、カイブ様?」
カイブは自分を疑っていないと直感、
「おう、お前たちか、今エマリン王女を殺そうとした犯罪者デナ戦闘をしていた。手伝ってくれ」
すると兵はハイと返事をしてデナの方に槍を向ける。
「な、貴様等、命を狙ったのはそいつたぞ!」
「黙れっ、長年ムース城に命を預けてきた騎士カイブ様がそのようなことをするかよ、犯罪者!」
グフフとニヤつくカイブだが、
「なにをしてるのっ、デナさんは味方よ。敵はカイブだって言ったでしょうっ!」
「エマリン王女、しかし」
困惑する騎士兵士達5人に何とかしなければと必死に思うエマリンはスッと背筋を伸ばし、
「違います。デナさんと別れたあと、騎士カイブによって襲われたところをデナさんが助けてくださってのです」
それはエマリンに初めて大人の王女の様な威厳を感じ真剣な顔へと変化していき騎士兵士たちも本当なのだと伝わる。
「······本当ですか、騎士カイブ様」
「ふんっ、奴にあんな威厳があるとは王族の血も争えんか」
デナもエマリンの急激な変わりように目を見開いていたが、すぐ首を振りもとに戻る。
「やるじゃないか、エマリン王女」
さらにはエマリンの大声により他の兵もやってきて、
「仕方ない、ずらかるか」
「ま、まてカイブッ!」
暗殺は無理と感じたのかカイブは闇夜の森へと姿を消す。
静けさが戻るとエマリンは「はぁ~」と力が抜け安心したが、デナが去ろうとするのを見て、
「ま、待って」
「エマリン王女、なにを?」
「皆さんはお城に戻って、ください。私はあの人と2人で話したいことがあるの」
他の兵を戻しエマリンは馬に乗ろうとするデナへと近づいて行く。
「デナさん」
「エマリン王女、驚いたぞ。あなたもやるときはやるんだな」
「いえ、さっきのは必死だったので」
見直したような笑みを浮かべるデナ、そんな彼女を見ているとエマリンはモジモジと両の指を触りながら、
「あの······」
「ん、まだなにか?」
「本当にあなたが、その······お姉さんを······」
エマリンから目をそらしデナは、下を向くとシワを寄せて鬼のような形相になり、
「私は······姉を殺してはいない」
「やっぱり」
「あのとき······」
――ランク城の攻略に失敗し姉のプレナと喧嘩して自室のベッドで横になっていたデナは寝れずにずっとぼやいていた。
「2人で、クイーン·ザ·セレブレイドになる······か」
両手を枕にぼんやりと天井を見ながら姉のことばかりが頭に浮かんでしまう。さらに寝返りうつ伏せに、
「無理だよ、あたしには」
いつもの姉のプレナは長女として王女として自身の前にいた人。自分は逆にそんな姉に甘え、いつもその後ろでサポートしてきただけ。それがデナにとってネックとなっていたのだ。
しかし喧嘩したままでは悪いと「ふぅ~、行くか」と起き上がり玉座に居るであろう姉の元へと足を運ぶ事にした。
もうすっかり夜で暗い、いつまでもランク城の攻略を引きずるわけにはいかないと思いながら扉を開ける。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
別に構いませんよ、離縁するので。
杉本凪咲
恋愛
父親から告げられたのは「出ていけ」という冷たい言葉。
他の家族もそれに賛同しているようで、どうやら私は捨てられてしまうらしい。
まあいいですけどね。私はこっそりと笑顔を浮かべた。
旦那様に離縁をつきつけたら
cyaru
恋愛
駆け落ち同然で結婚したシャロンとシリウス。
仲の良い夫婦でずっと一緒だと思っていた。
突然現れた子連れの女性、そして腕を組んで歩く2人。
我慢の限界を迎えたシャロンは神殿に離縁の申し込みをした。
※色々と異世界の他に現実に近いモノや妄想の世界をぶっこんでいます。
※設定はかなり他の方の作品とは異なる部分があります。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる