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相違
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この時お母さんはショックを受け、
「辞めさす事は出来ますか?」
そういうと霞さんは窓際に立って、
「······どうしてもと言うなら、良いですよ」
「本当ですか?」
「但し」
お母さんの方を向き、
「但し、うちの徹に一切近づかないのが条件です」
「えっ、でも妊娠して······」
「ええ、知ってます。まったくっ、私にとっても迷惑な話で」
「えっ」
「お母様の方から娘に言って頂いて」
「ちょっと待ってくださいよ、どういう事ですか?」
「この際なので言っておきますが、私はお宅の娘さんをよく思ってません」
「どうして――どうしたんですか、霞さん」
「ですから、娘さんと徹に別れて貰いたいんです」
「······失礼ですが、二人が愛し合っている中に私達が口を出すべきではないと思いますが」
「そちらの考え方は自由です、徹はただ一人の私の息子です。私には私の考え方があるんです」
「ですから二人の間に私達親が入るのは、良くないんじゃないかと言ってるんです!」
「だから、それはお宅の考えで、私達には私達の考えがあると言ってるんです!」
「······娘は妊娠してるんですよ」
「その事はうちで出しましょう。こちらで下ろすお金は持ちますので、それでどうですか?」
「どうしてそうなるの――」
そこに、社長に報告に来ていた愛が歩いてる時に声で気付き、聞いていた。
「まずい······まずいよ、未来っ――」
「ですから、そうした方がこちらに都合がいいんです」
「ふざけないでください。あなたも子供を産んだ親じゃないですか。どうしてそんな酷い事が言えるの······」
「考え方の相違ですね」
「霞さん!」
その時ドアが開き、
「ハァ、ハァ、ママ――お母さんなんで?」
「未来······」
「お前の母親が来て、テストパイロットを辞めさせたいみたいだ」
「えっ」
「丁度いいタイミングじゃないか、辞めるか?」
突然知らされて急に辞める話に、
「何言ってるんですか? 私は辞める気はありませんよ」
「未来!」
「だそうだが、お母様」
するとお母さんは立ち上がり、私の手を掴んで、
「ここを出るわよっ」
「そんな」
スーツ姿の私を連れて帰ろうとして社長室を出たが、
「離してっ、よっ!」
私は手を強引に離す、
「未来っ、どういう事っ、手伝いだって言ったじゃない!」
「ごめん、ママやパパに心配かけたくなくて······」
「だから嘘付いたの?」
「だって、言ったら反対されると思ったから」
「そんな大切な事を黙ってるなんて······」
「ごめんなさい、でも辞める訳にはいかないわっ」
「どうしてっ!」
「未来、とお義母さん、ハァ、ハァッ」
「徹君、これは一体どういう事なの?」
「すいません、自分が不甲斐ないばっかりに」
「徹······」
「未来は連れていくからっ」
「お母さんっ!」
「徹君には悪いけど、見損なったわ·······あなたのお母さんも」
「そんな言い方止めてよっ!」
そう言われても徹は冷静だった。
「お義母さんの怒りはごもっともです。だから未来も自分も仕事が終わったら、お義母さん宅に向かってちゃんと許しを貰います!」
「え、徹」
「でも······」
「ちゃんと話をさせて下さい」
「······分かったわ」
「お義母さん、ありがとうございます!」
「徹」この時の彼はカッコ良かった。
「······今は十一時四十五分か、未来」
「はっ、何?」
「お義母さんとお昼にしてきなよ、オレはまだ仕事あるから」
「うん、分かった」
「お義母さんもそれでいいですか?」
「分かったわ」
「ありがとうございます」
徹に言われてお母さんと二人で食堂に向かった······。
「辞めさす事は出来ますか?」
そういうと霞さんは窓際に立って、
「······どうしてもと言うなら、良いですよ」
「本当ですか?」
「但し」
お母さんの方を向き、
「但し、うちの徹に一切近づかないのが条件です」
「えっ、でも妊娠して······」
「ええ、知ってます。まったくっ、私にとっても迷惑な話で」
「えっ」
「お母様の方から娘に言って頂いて」
「ちょっと待ってくださいよ、どういう事ですか?」
「この際なので言っておきますが、私はお宅の娘さんをよく思ってません」
「どうして――どうしたんですか、霞さん」
「ですから、娘さんと徹に別れて貰いたいんです」
「······失礼ですが、二人が愛し合っている中に私達が口を出すべきではないと思いますが」
「そちらの考え方は自由です、徹はただ一人の私の息子です。私には私の考え方があるんです」
「ですから二人の間に私達親が入るのは、良くないんじゃないかと言ってるんです!」
「だから、それはお宅の考えで、私達には私達の考えがあると言ってるんです!」
「······娘は妊娠してるんですよ」
「その事はうちで出しましょう。こちらで下ろすお金は持ちますので、それでどうですか?」
「どうしてそうなるの――」
そこに、社長に報告に来ていた愛が歩いてる時に声で気付き、聞いていた。
「まずい······まずいよ、未来っ――」
「ですから、そうした方がこちらに都合がいいんです」
「ふざけないでください。あなたも子供を産んだ親じゃないですか。どうしてそんな酷い事が言えるの······」
「考え方の相違ですね」
「霞さん!」
その時ドアが開き、
「ハァ、ハァ、ママ――お母さんなんで?」
「未来······」
「お前の母親が来て、テストパイロットを辞めさせたいみたいだ」
「えっ」
「丁度いいタイミングじゃないか、辞めるか?」
突然知らされて急に辞める話に、
「何言ってるんですか? 私は辞める気はありませんよ」
「未来!」
「だそうだが、お母様」
するとお母さんは立ち上がり、私の手を掴んで、
「ここを出るわよっ」
「そんな」
スーツ姿の私を連れて帰ろうとして社長室を出たが、
「離してっ、よっ!」
私は手を強引に離す、
「未来っ、どういう事っ、手伝いだって言ったじゃない!」
「ごめん、ママやパパに心配かけたくなくて······」
「だから嘘付いたの?」
「だって、言ったら反対されると思ったから」
「そんな大切な事を黙ってるなんて······」
「ごめんなさい、でも辞める訳にはいかないわっ」
「どうしてっ!」
「未来、とお義母さん、ハァ、ハァッ」
「徹君、これは一体どういう事なの?」
「すいません、自分が不甲斐ないばっかりに」
「徹······」
「未来は連れていくからっ」
「お母さんっ!」
「徹君には悪いけど、見損なったわ·······あなたのお母さんも」
「そんな言い方止めてよっ!」
そう言われても徹は冷静だった。
「お義母さんの怒りはごもっともです。だから未来も自分も仕事が終わったら、お義母さん宅に向かってちゃんと許しを貰います!」
「え、徹」
「でも······」
「ちゃんと話をさせて下さい」
「······分かったわ」
「お義母さん、ありがとうございます!」
「徹」この時の彼はカッコ良かった。
「······今は十一時四十五分か、未来」
「はっ、何?」
「お義母さんとお昼にしてきなよ、オレはまだ仕事あるから」
「うん、分かった」
「お義母さんもそれでいいですか?」
「分かったわ」
「ありがとうございます」
徹に言われてお母さんと二人で食堂に向かった······。
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