4 / 20
青き龍
しおりを挟む
早朝、あまり眠れなかったのはレッド·ドラゴンだった。
ロマーヌと出会ってから彼女の事ばかりが頭に浮かび困っているものの、悪い気はせず彼は広大な海の上を飛んでいたのだ。それはあるドラゴンに会うために······。
海の中心辺りに着いたレッドドラゴンは翼を羽ばたかせながら、
「出てこい」と精神感応を送る。
「出てこい、出てくるのだ。ブルーよ、話がしたい」
しかし中々でてこなかった。
それでもしつこく精神感応を送り続けると、海に龍の影が写り、
「なんじゃ、しつこい奴だな」
顔半分だけを出して来て黄緑の眼の彼女がブルー·ドラゴンだった。
「久しいなレッドよ」
「フンッ、相変わらず海の底に居るようだな」
「私はお前のように仕事熱心ではないのでな、して何のようじゃ······」
2匹の龍は近くの無人島に向かい、彼女は顔半分のままレッド·ドラゴンは浅瀬で着地しロマーヌと出会ってからの自分の異変を話した。
「――それでお前はその子が気になると?」
「ああ、ロマーヌに会ってから、よく眠れもしなくてな。だが、なぜか悪い気はしないのだ」
空を見上げながら太陽をロマーヌに重ね幸せそうなレッド·ドラゴンだが、
「······くだらん」
その言葉に眼にシワを寄せ睨みつける。
「なんだと?」
「見損なったぞ、我々は守護龍であり、この地球の秩序を重んじる神に近い存在。それをたった一人の下等な人間の雌に心乱されるとはな、恥を知れ」
彼は言い返せなかった。
そもそも誇り高き龍が人間に心乱されるなど笑い話、
「目は覚ませ、そして二度とその人間には近づかない事だ。それがレッドお前のためだ、これ以上失望させるなよ」
言いたい事を言いブルー·ドラゴンは海の中へと顔を沈め去って行く。
一匹無人島に残されたレッド·ドラゴンは、
「グォォォー!」
大声で叫んだ。
木々で休んでいた鳥達が飛び去り、魚も驚き跳ね、隠れていた哺乳類や爬虫類までもが彼の怒りに危険を感じ逃げていく。
レッド·ドラゴンは、侮辱された事、自分の運命、何よりもロマーヌを『下等な人間』とバカにされた事が何よも許せなかった。
そして彼は飛ぶ、その怒りをスピードを上げて飛行するのだった······。
深海を潜って行ったブルー·ドラゴンは、
「情けない奴だ、人間ごときに恋するなど······だが面白い、たしかフローティアだったな」
龍の体はフローティアに向き泳いで行く、暗闇に眼を光らせながら······。
その次の日、いつもの様に明るくレストランで接客し料理をお母さんと一緒に作っていたロマーヌ、
「いらっしゃい」
元気よく挨拶をするが彼女を知るお客さんの中には、
「あれ? 何か雰囲気違うねロマーヌちゃん」
「え、そうですかね?」
「恋でもしてるんじゃないの~?」
赤面しながらも否定し仕事をする彼女、でもレッド·ドラゴンの事が頭の片隅に浮かんでいた。
「う~ん、ドラゴン様のことは気になるけど·····」
それが恋かと言われても自分でもわからない、気なってばかりだとレストランに集中できないと思ってもう一度、龍のねぐらへ行ってみることにする。
森で迷わないためにブルー·バードも一緒に連れてフローティアの入り口を出た。
「ん?」
誰かの視線を感じ周りを見渡すが、砂浜や草原、そして海にも何もいない。
気のせいと思い龍のねぐらの方へと走って行く······。
チャプンと水の音、海から顔半分を出して見ていたブルー·ドラゴンは、
「あれがロマーヌか」
彼女を知るために監視していたのだ。
「しかし何処に······龍のねぐら、レッドのところか」
何を思ったのか再び海に潜り消えたブルー·ドラゴンであった······。
ロマーヌと出会ってから彼女の事ばかりが頭に浮かび困っているものの、悪い気はせず彼は広大な海の上を飛んでいたのだ。それはあるドラゴンに会うために······。
海の中心辺りに着いたレッドドラゴンは翼を羽ばたかせながら、
「出てこい」と精神感応を送る。
「出てこい、出てくるのだ。ブルーよ、話がしたい」
しかし中々でてこなかった。
それでもしつこく精神感応を送り続けると、海に龍の影が写り、
「なんじゃ、しつこい奴だな」
顔半分だけを出して来て黄緑の眼の彼女がブルー·ドラゴンだった。
「久しいなレッドよ」
「フンッ、相変わらず海の底に居るようだな」
「私はお前のように仕事熱心ではないのでな、して何のようじゃ······」
2匹の龍は近くの無人島に向かい、彼女は顔半分のままレッド·ドラゴンは浅瀬で着地しロマーヌと出会ってからの自分の異変を話した。
「――それでお前はその子が気になると?」
「ああ、ロマーヌに会ってから、よく眠れもしなくてな。だが、なぜか悪い気はしないのだ」
空を見上げながら太陽をロマーヌに重ね幸せそうなレッド·ドラゴンだが、
「······くだらん」
その言葉に眼にシワを寄せ睨みつける。
「なんだと?」
「見損なったぞ、我々は守護龍であり、この地球の秩序を重んじる神に近い存在。それをたった一人の下等な人間の雌に心乱されるとはな、恥を知れ」
彼は言い返せなかった。
そもそも誇り高き龍が人間に心乱されるなど笑い話、
「目は覚ませ、そして二度とその人間には近づかない事だ。それがレッドお前のためだ、これ以上失望させるなよ」
言いたい事を言いブルー·ドラゴンは海の中へと顔を沈め去って行く。
一匹無人島に残されたレッド·ドラゴンは、
「グォォォー!」
大声で叫んだ。
木々で休んでいた鳥達が飛び去り、魚も驚き跳ね、隠れていた哺乳類や爬虫類までもが彼の怒りに危険を感じ逃げていく。
レッド·ドラゴンは、侮辱された事、自分の運命、何よりもロマーヌを『下等な人間』とバカにされた事が何よも許せなかった。
そして彼は飛ぶ、その怒りをスピードを上げて飛行するのだった······。
深海を潜って行ったブルー·ドラゴンは、
「情けない奴だ、人間ごときに恋するなど······だが面白い、たしかフローティアだったな」
龍の体はフローティアに向き泳いで行く、暗闇に眼を光らせながら······。
その次の日、いつもの様に明るくレストランで接客し料理をお母さんと一緒に作っていたロマーヌ、
「いらっしゃい」
元気よく挨拶をするが彼女を知るお客さんの中には、
「あれ? 何か雰囲気違うねロマーヌちゃん」
「え、そうですかね?」
「恋でもしてるんじゃないの~?」
赤面しながらも否定し仕事をする彼女、でもレッド·ドラゴンの事が頭の片隅に浮かんでいた。
「う~ん、ドラゴン様のことは気になるけど·····」
それが恋かと言われても自分でもわからない、気なってばかりだとレストランに集中できないと思ってもう一度、龍のねぐらへ行ってみることにする。
森で迷わないためにブルー·バードも一緒に連れてフローティアの入り口を出た。
「ん?」
誰かの視線を感じ周りを見渡すが、砂浜や草原、そして海にも何もいない。
気のせいと思い龍のねぐらの方へと走って行く······。
チャプンと水の音、海から顔半分を出して見ていたブルー·ドラゴンは、
「あれがロマーヌか」
彼女を知るために監視していたのだ。
「しかし何処に······龍のねぐら、レッドのところか」
何を思ったのか再び海に潜り消えたブルー·ドラゴンであった······。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
13
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる