36 / 50
鬼ヶ島最終決戦
しおりを挟む
「そうだっ、家族を守るためだ、だから」
「落ち着いてください、カラス殿」
桃子は力を抜いて話しだす。
「戻れば逃走とみなし、刑を受けるでしょう。私達と戦えばそれも命を失うかもしれません。ならば解るはずです、自分のとるべき行動が」
カラスは震えながら、
「だが、今さら······」
「私達はあなたを咎めません」
「ああ、それにここに居るのは桃太郎と鬼、元は敵どうしだったんだぜ」
「夕陽、殿」
「あなた」
「奴等を倒すには皆の力が必要だ、お主の翼を貸してはくれぬか、黒縁殿」
「恩に、着る」
「良かった、あなた」
一族を思う気持ちで敵対していたカラスの黒縁、彼の立場を理解し互いの未来のためと戦わずに終わった。
そして階段を上り、決戦の時が来る。
桃太が扉を開く、
「よく無事だったね~」
腕を組み瞑想しているように椅子に座る鬼神の紅蓮、その隣には不気味に微笑みながら紫鬼毒の空麗が待っていた。
「ドブカラスはどうした、逃げたのか?」
桃子が、
「彼等は私達と手を取り合う方を選びました」
「ったく、役立たずが」
「そんな言い方ないじゃない、今まであなた達の言う通りに彼は動いてたというのに」
「フンッ、役立たずには変わりないね~、所詮はどっち付かずのドブカラスさっ」
「あなたと言う人は······鬼を、退治します」
刀を抜く、
「焦るんじゃないよ、あんた等の相手は鬼神の紅蓮だよ!」
空が雷雲に包まれ雷が鳴り、
「双子の桃太郎よ、そして我が娘よ、よく来た。身体中の血がウズいてたまらんワイ」
「鬼神の紅蓮っ!」
桃太が声をはり、
「あの時は青鬼との戦いで力を使い果たしたゆえ、お主にやられたが今度はそうはいかん。桃太郎の名に懸けて全力でお主らを退治するっ!」
すると相手も立ち上がり、
「うおぉぉぉー、戦いだぁぁーっ!」
雷鳴が唸ると同時に双子の桃太郎、赤鬼の夕陽、柴犬の飛竜、猿の源太が構えた。
「行くぞーっ!」
桃太郎と鬼の命運懸けた最後の戦いが始まったのだ······。
牢の中、
「この音は、最後の戦いが始まったのか? 姉貴」
「時雨!」
「お前はカラス」
青鬼は構える。
「今度は母上に何を言われてきたのだ」
「違うんだ、私はもう紫鬼毒の手下ではない」
「何······いや、嘘だ、お前はまた」
信用しない時雨に、
「嘘じゃないわよ」
「ん? 桃太郎の所の、キジ」
「そうよ、カラスの彼も桃太郎と赤鬼の方に付くことになったの」
突然の事に頭が白くなるが、
「キジ殿がそう言うなら」
「すまん、時雨殿、私は今さら自分がやって来たことを忘れた訳じゃない。でも彼等に懸けてみることにしたんだ」
「落ち着いてください、カラス殿」
桃子は力を抜いて話しだす。
「戻れば逃走とみなし、刑を受けるでしょう。私達と戦えばそれも命を失うかもしれません。ならば解るはずです、自分のとるべき行動が」
カラスは震えながら、
「だが、今さら······」
「私達はあなたを咎めません」
「ああ、それにここに居るのは桃太郎と鬼、元は敵どうしだったんだぜ」
「夕陽、殿」
「あなた」
「奴等を倒すには皆の力が必要だ、お主の翼を貸してはくれぬか、黒縁殿」
「恩に、着る」
「良かった、あなた」
一族を思う気持ちで敵対していたカラスの黒縁、彼の立場を理解し互いの未来のためと戦わずに終わった。
そして階段を上り、決戦の時が来る。
桃太が扉を開く、
「よく無事だったね~」
腕を組み瞑想しているように椅子に座る鬼神の紅蓮、その隣には不気味に微笑みながら紫鬼毒の空麗が待っていた。
「ドブカラスはどうした、逃げたのか?」
桃子が、
「彼等は私達と手を取り合う方を選びました」
「ったく、役立たずが」
「そんな言い方ないじゃない、今まであなた達の言う通りに彼は動いてたというのに」
「フンッ、役立たずには変わりないね~、所詮はどっち付かずのドブカラスさっ」
「あなたと言う人は······鬼を、退治します」
刀を抜く、
「焦るんじゃないよ、あんた等の相手は鬼神の紅蓮だよ!」
空が雷雲に包まれ雷が鳴り、
「双子の桃太郎よ、そして我が娘よ、よく来た。身体中の血がウズいてたまらんワイ」
「鬼神の紅蓮っ!」
桃太が声をはり、
「あの時は青鬼との戦いで力を使い果たしたゆえ、お主にやられたが今度はそうはいかん。桃太郎の名に懸けて全力でお主らを退治するっ!」
すると相手も立ち上がり、
「うおぉぉぉー、戦いだぁぁーっ!」
雷鳴が唸ると同時に双子の桃太郎、赤鬼の夕陽、柴犬の飛竜、猿の源太が構えた。
「行くぞーっ!」
桃太郎と鬼の命運懸けた最後の戦いが始まったのだ······。
牢の中、
「この音は、最後の戦いが始まったのか? 姉貴」
「時雨!」
「お前はカラス」
青鬼は構える。
「今度は母上に何を言われてきたのだ」
「違うんだ、私はもう紫鬼毒の手下ではない」
「何······いや、嘘だ、お前はまた」
信用しない時雨に、
「嘘じゃないわよ」
「ん? 桃太郎の所の、キジ」
「そうよ、カラスの彼も桃太郎と赤鬼の方に付くことになったの」
突然の事に頭が白くなるが、
「キジ殿がそう言うなら」
「すまん、時雨殿、私は今さら自分がやって来たことを忘れた訳じゃない。でも彼等に懸けてみることにしたんだ」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
拝啓 私のことが大嫌いな旦那様。あなたがほんとうに愛する私の双子の姉との仲を取り持ちますので、もう私とは離縁してください
ぽんた
恋愛
ミカは、夫を心から愛している。しかし、夫はミカを嫌っている。そして、彼のほんとうに愛する人はミカの双子の姉。彼女は、夫のしあわせを願っている。それゆえ、彼女は誓う。夫に離縁してもらい、夫がほんとうに愛している双子の姉と結婚してしあわせになってもらいたい、と。そして、ついにその機会がやってきた。
※ハッピーエンド確約。タイトル通りです。ご都合主義のゆるゆる設定はご容赦願います。
会うたびに、貴方が嫌いになる
黒猫子猫(猫子猫)
恋愛
長身の王女レオーネは、侯爵家令息のアリエスに会うたびに惹かれた。だが、守り役に徹している彼が応えてくれたことはない。彼女が聖獣の力を持つために発情期を迎えた時も、身体を差し出して鎮めてくれこそしたが、その後も変わらず塩対応だ。悩むレオーネは、彼が自分とは正反対の可愛らしい令嬢と親しくしているのを目撃してしまう。優しく笑いかけ、「小さい方が良い」と褒めているのも聞いた。失恋という現実を受け入れるしかなかったレオーネは、二人の妨げになるまいと決意した。
アリエスは嫌そうに自分を遠ざけ始めたレオーネに、動揺を隠せなくなった。彼女が演技などではなく、本気でそう思っていると分かったからだ。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる