七代目 双子の桃太郎

ヒムネ

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    鬼ヶ島最終決戦

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「そうだっ、家族を守るためだ、だから」

「落ち着いてください、カラス殿」
 桃子は力を抜いて話しだす。
「戻れば逃走とみなし、刑を受けるでしょう。わたくし達と戦えばそれも命を失うかもしれません。ならば解るはずです、自分のとるべき行動が」
 カラスは震えながら、
「だが、今さら······」
「私達はあなたを咎めません」
「ああ、それにここに居るのは桃太郎と鬼、元は敵どうしだったんだぜ」

「夕陽、殿」
「あなた」

「奴等を倒すには皆の力が必要だ、お主の翼を貸してはくれぬか、黒縁殿」

「恩に、着る」
「良かった、あなた」
 一族を思う気持ちで敵対していたカラスの黒縁、彼の立場を理解し互いの未来のためと戦わずに終わった。

 そして階段を上り、決戦の時が来る。

 桃太が扉を開く、
「よく無事だったね~」
 腕を組み瞑想しているように椅子に座る鬼神の紅蓮、その隣には不気味に微笑みながら紫鬼毒の空麗が待っていた。
「ドブカラスはどうした、逃げたのか?」
 桃子が、
「彼等は私達と手を取り合う方を選びました」
「ったく、役立たずが」
「そんな言い方ないじゃない、今まであなた達の言う通りに彼は動いてたというのに」
「フンッ、役立たずには変わりないね~、所詮はどっち付かずのドブカラスさっ」

「あなたと言う人は······鬼を、退治します」

 刀を抜く、
「焦るんじゃないよ、あんた等の相手は鬼神の紅蓮だよ!」
 空が雷雲に包まれ雷が鳴り、
「双子の桃太郎よ、そして我が娘よ、よく来た。身体中の血がウズいてたまらんワイ」

「鬼神の紅蓮っ!」
 桃太が声をはり、

「あの時は青鬼との戦いで力を使い果たしたゆえ、お主にやられたが今度はそうはいかん。桃太郎の名に懸けて全力でお主らを退治するっ!」

 すると相手も立ち上がり、
「うおぉぉぉー、戦いだぁぁーっ!」
 雷鳴が唸ると同時に双子の桃太郎、赤鬼の夕陽、柴犬の飛竜、猿の源太が構えた。

「行くぞーっ!」

 桃太郎と鬼の命運懸けた最後の戦いが始まったのだ······。

 牢の中、
「この音は、最後の戦いが始まったのか? 姉貴」
「時雨!」
「お前はカラス」
 青鬼は構える。
「今度は母上に何を言われてきたのだ」
「違うんだ、私はもう紫鬼毒の手下ではない」
「何······いや、嘘だ、お前はまた」
 信用しない時雨に、
「嘘じゃないわよ」
「ん? 桃太郎の所の、キジ」
「そうよ、カラスの彼も桃太郎と赤鬼の方に付くことになったの」
 突然の事に頭が白くなるが、
「キジ殿がそう言うなら」
「すまん、時雨殿、私は今さら自分がやって来たことを忘れた訳じゃない。でも彼等に懸けてみることにしたんだ」
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