86 / 133
幕間
冬の空に、小鳥は飛んでいく
しおりを挟む
庭から空を見上げた。
冬の空は遥か高く青く澄み、この世の憂いを映さない。
この箱庭の中で、木々の葉は外に広い世界があるとは遂に知らず、地に落ちる。それを足で踏みつけた。
「モニカ、朝が早いね」
「お兄様」
現れたクリフを見て、モニカは微笑む。
「何か、ご用でしょうか?」
「いや、私も時には早朝に庭を眺めたくなることもあるんだ」
クリフもそう微笑み返し、どちらともなく、連れ立って歩き始めた。
「暮らしには、もう慣れたかい?」
「はい、皆さん、とても優しいですわ。お父様も、よくしてくださいます」
「父上は、モニカがかわいくて仕方がないらしい。無理もない、生きているかも分からずに探し回っていた娘と、ようやく再会できたのだから」
モニカが王女だと名乗り出てから、半年が過ぎていた。あれ以来、家族とは会っていない。モニカがこうして王家に迎え入れられた以上、通常であれば育ての親のオリバーは褒賞に値するだろう。
だが彼は、反乱軍と内通していたのではないかと未だ疑惑の渦中にいた。見張りはいなくなったものの、王からの言葉もない。存在を忘れているかのようだった。まさしくそうなのだろう。王にとって、命を懸ける覚悟で国に献身してきたオリバーはすでに過去の人間だったのだ。
ファフニールの家族とは疎遠になったと城の面々に伝えていた。皆モニカに気を使って、連絡を取ることもしなかったらしい。この半年、音沙汰はない。
「まだ、信じられないようだ」
ふいに立ち止まったクリフが、じっとモニカを見つめる。
「君が妹だとは、思いもしなかった」
「まるで他の人のことは、そう思っていたような口ぶりですわ」
ふふ、とモニカは笑うが、クリフは真面目な顔をして押し黙った。
「オリバー・ファフニールが、わたくしの出自を保証してくださいますわ。気になさっているのなら――」
モニカが王家に迎え入れられたということは、それなりの裏どりをしているはずだ。間違ってはいるが。
「疑ったわけじゃない。すまない」
言葉を遮るように、クリフは謝罪を口にした。父親に似ず、さほどプライドは高くない。
「ただ、奇跡のように思えるよ。父は母を憎んでいたし、命さえ奪った。だから君が帰ってこれたということは、父は母を許せたということだ」
――果たしてあなたの母はあなたの父を許しているのかしら?
モニカはクリフのこともよく知っていた。
人の愛を信じる、夢見がちな青年。そう思えば、確かにロキシーとよく似ている。愛されて育ったから、人間誰しも愛を持っていると勘違いをしているのだ。
「わたくしも、とても幸福に思っていますわ」
どこかでヒタキが鳴く声がする。
口から漏れた白い息が、宙に消えていった。
◇◆◇
自室にいたモニカは、ひどく取り乱した様子のメイドに呼ばれた。
用件を伝えられ、ああ、そういえばと思う。もうその日になったらしい。
赤い目をしたメイドに礼を言い、そこへと向かう。
夜だった。街の明かりが眼下に見えた。
城内は勝手知ったるものだ。面白味もない。
この人生においては二度目だ。クリフの誕生日に、ロキシーと来た。何度も来たこの城が、あの日だけはとても楽しく思えたのは、なぜだったのだろう。
答えは知っていたが、辿りつく前に打ち消した。そんなもの、認められない。
進むと、廊下にロイ・スタンリーの姿があった。
「モニカ様、陛下がお呼びです」
「聞いたわ」
彼との立場は逆転した。モニカはもはや男爵令嬢ではない。
厳粛なアーロン王の心さえ溶かした、麗しの姫だ。かたや、ただの王子の家臣である。
父親の死に際して泣きもしないモニカを、ロイがどう思っているかは不明だ。ロイはモニカの本性の一部を知っているが、口の堅い男だ。忠義のつもりか、モニカの性格を口外することはなかった。
扉を開くとすでにクリフがいた。憔悴していたが、モニカを見ると微かに笑う。
「おいで、モニカ」
手が差し出され、それを取る。そのまま、ベッドに横たわる王の前に立った。
やせ細り、かつての威厳はない。目を閉じ、既に死んでいるように見える。
「お父様」
呼び掛けると彼は目を開けた。
「モニカ……」
弱々しい声だった。
「私は既に父と話した。モニカ、お別れをするといい」
そっとクリフは一歩離れる。
アーロン王。王家の外様であり、血統だけでは決して王位にはつけなかった。女を利用することで、ようやくそれを手に入れることができた、身の程知らずの野心家だ。冷徹で傲慢な王の評判は、当然の如くあまりよくはない。
だがモニカに会ってから、他の者への態度も和らいだ。涙を流してモニカに感謝をする使用人すらいたほどだ。
その王は、先刻血を吐き、そして倒れた。そのまま帰らぬ人となることを、モニカだけが知っている。病に苦しみぬいた彼は、しかしどこや安らかに見える。
最期に生き別れの娘に会えて、元妻に許されたとでも思ったのだろうか。すがるように、モニカに手を伸ばす。
(馬鹿ばっかり)
許されはしない。
なぜなら、モニカにはその権利も、興味もないからだ。
モニカは手を握り返した。彼はほっとしたように、力なく微笑む。
耳元で、彼にしか聞こえないほど小さく囁いた――。
「……ねえ。わたくし、本当はあなたの娘じゃなくってよ」
王の目が、驚愕に見開かれた。
笑いをこらえきれずに、小刻みに揺れる背を、泣いているとでも勘違いしたのだろうか。誰かのすすり泣きが聞こえた。
真相を告げてあげるなんて、自分はなんと優しいのだろう。
だが彼は、何を言われてたのか、理解できていないらしい。
「だからあなたは、誰にも許されていない。未来永劫、咎人よ」
王の顔がぴくりと震える。
口が物を言いたげに開かれたが、出たのは不規則な呼吸だけだ。二、三度嫌な呼吸を繰り返し、そのまま目を閉じた。すぐさま医者が駆け寄ってくる。
「父上!」
クリフもまた、王の隣に寄り何度も呼び掛けた。
「お父様!」
モニカは、涙を流しながら、果たして父はどこにいるのだろうかと冷静に思った。
少なくとも、ここにはいない。
モニカにとって、父は一人だけだった。それはあの、頑固で融通の利かない、正義だとか信頼だとかいう言葉が大好きで、真面目の上に馬鹿がつくような、オリバー・ファフニールだけだった。
実の娘すらその信念のために利用しようとした、あの父だけだ。
ほどなくして王は死んだ。
やはり何の悲しみも抱かなかった。
冬の空は遥か高く青く澄み、この世の憂いを映さない。
この箱庭の中で、木々の葉は外に広い世界があるとは遂に知らず、地に落ちる。それを足で踏みつけた。
「モニカ、朝が早いね」
「お兄様」
現れたクリフを見て、モニカは微笑む。
「何か、ご用でしょうか?」
「いや、私も時には早朝に庭を眺めたくなることもあるんだ」
クリフもそう微笑み返し、どちらともなく、連れ立って歩き始めた。
「暮らしには、もう慣れたかい?」
「はい、皆さん、とても優しいですわ。お父様も、よくしてくださいます」
「父上は、モニカがかわいくて仕方がないらしい。無理もない、生きているかも分からずに探し回っていた娘と、ようやく再会できたのだから」
モニカが王女だと名乗り出てから、半年が過ぎていた。あれ以来、家族とは会っていない。モニカがこうして王家に迎え入れられた以上、通常であれば育ての親のオリバーは褒賞に値するだろう。
だが彼は、反乱軍と内通していたのではないかと未だ疑惑の渦中にいた。見張りはいなくなったものの、王からの言葉もない。存在を忘れているかのようだった。まさしくそうなのだろう。王にとって、命を懸ける覚悟で国に献身してきたオリバーはすでに過去の人間だったのだ。
ファフニールの家族とは疎遠になったと城の面々に伝えていた。皆モニカに気を使って、連絡を取ることもしなかったらしい。この半年、音沙汰はない。
「まだ、信じられないようだ」
ふいに立ち止まったクリフが、じっとモニカを見つめる。
「君が妹だとは、思いもしなかった」
「まるで他の人のことは、そう思っていたような口ぶりですわ」
ふふ、とモニカは笑うが、クリフは真面目な顔をして押し黙った。
「オリバー・ファフニールが、わたくしの出自を保証してくださいますわ。気になさっているのなら――」
モニカが王家に迎え入れられたということは、それなりの裏どりをしているはずだ。間違ってはいるが。
「疑ったわけじゃない。すまない」
言葉を遮るように、クリフは謝罪を口にした。父親に似ず、さほどプライドは高くない。
「ただ、奇跡のように思えるよ。父は母を憎んでいたし、命さえ奪った。だから君が帰ってこれたということは、父は母を許せたということだ」
――果たしてあなたの母はあなたの父を許しているのかしら?
モニカはクリフのこともよく知っていた。
人の愛を信じる、夢見がちな青年。そう思えば、確かにロキシーとよく似ている。愛されて育ったから、人間誰しも愛を持っていると勘違いをしているのだ。
「わたくしも、とても幸福に思っていますわ」
どこかでヒタキが鳴く声がする。
口から漏れた白い息が、宙に消えていった。
◇◆◇
自室にいたモニカは、ひどく取り乱した様子のメイドに呼ばれた。
用件を伝えられ、ああ、そういえばと思う。もうその日になったらしい。
赤い目をしたメイドに礼を言い、そこへと向かう。
夜だった。街の明かりが眼下に見えた。
城内は勝手知ったるものだ。面白味もない。
この人生においては二度目だ。クリフの誕生日に、ロキシーと来た。何度も来たこの城が、あの日だけはとても楽しく思えたのは、なぜだったのだろう。
答えは知っていたが、辿りつく前に打ち消した。そんなもの、認められない。
進むと、廊下にロイ・スタンリーの姿があった。
「モニカ様、陛下がお呼びです」
「聞いたわ」
彼との立場は逆転した。モニカはもはや男爵令嬢ではない。
厳粛なアーロン王の心さえ溶かした、麗しの姫だ。かたや、ただの王子の家臣である。
父親の死に際して泣きもしないモニカを、ロイがどう思っているかは不明だ。ロイはモニカの本性の一部を知っているが、口の堅い男だ。忠義のつもりか、モニカの性格を口外することはなかった。
扉を開くとすでにクリフがいた。憔悴していたが、モニカを見ると微かに笑う。
「おいで、モニカ」
手が差し出され、それを取る。そのまま、ベッドに横たわる王の前に立った。
やせ細り、かつての威厳はない。目を閉じ、既に死んでいるように見える。
「お父様」
呼び掛けると彼は目を開けた。
「モニカ……」
弱々しい声だった。
「私は既に父と話した。モニカ、お別れをするといい」
そっとクリフは一歩離れる。
アーロン王。王家の外様であり、血統だけでは決して王位にはつけなかった。女を利用することで、ようやくそれを手に入れることができた、身の程知らずの野心家だ。冷徹で傲慢な王の評判は、当然の如くあまりよくはない。
だがモニカに会ってから、他の者への態度も和らいだ。涙を流してモニカに感謝をする使用人すらいたほどだ。
その王は、先刻血を吐き、そして倒れた。そのまま帰らぬ人となることを、モニカだけが知っている。病に苦しみぬいた彼は、しかしどこや安らかに見える。
最期に生き別れの娘に会えて、元妻に許されたとでも思ったのだろうか。すがるように、モニカに手を伸ばす。
(馬鹿ばっかり)
許されはしない。
なぜなら、モニカにはその権利も、興味もないからだ。
モニカは手を握り返した。彼はほっとしたように、力なく微笑む。
耳元で、彼にしか聞こえないほど小さく囁いた――。
「……ねえ。わたくし、本当はあなたの娘じゃなくってよ」
王の目が、驚愕に見開かれた。
笑いをこらえきれずに、小刻みに揺れる背を、泣いているとでも勘違いしたのだろうか。誰かのすすり泣きが聞こえた。
真相を告げてあげるなんて、自分はなんと優しいのだろう。
だが彼は、何を言われてたのか、理解できていないらしい。
「だからあなたは、誰にも許されていない。未来永劫、咎人よ」
王の顔がぴくりと震える。
口が物を言いたげに開かれたが、出たのは不規則な呼吸だけだ。二、三度嫌な呼吸を繰り返し、そのまま目を閉じた。すぐさま医者が駆け寄ってくる。
「父上!」
クリフもまた、王の隣に寄り何度も呼び掛けた。
「お父様!」
モニカは、涙を流しながら、果たして父はどこにいるのだろうかと冷静に思った。
少なくとも、ここにはいない。
モニカにとって、父は一人だけだった。それはあの、頑固で融通の利かない、正義だとか信頼だとかいう言葉が大好きで、真面目の上に馬鹿がつくような、オリバー・ファフニールだけだった。
実の娘すらその信念のために利用しようとした、あの父だけだ。
ほどなくして王は死んだ。
やはり何の悲しみも抱かなかった。
59
お気に入りに追加
481
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
虐げられた令嬢は、姉の代わりに王子へ嫁ぐ――たとえお飾りの妃だとしても
千堂みくま
恋愛
「この卑しい娘め、おまえはただの身代わりだろうが!」 ケルホーン伯爵家に生まれたシーナは、ある理由から義理の家族に虐げられていた。シーナは姉のルターナと瓜二つの顔を持ち、背格好もよく似ている。姉は病弱なため、義父はシーナに「ルターナの代わりに、婚約者のレクオン王子と面会しろ」と強要してきた。二人はなんとか支えあって生きてきたが、とうとうある冬の日にルターナは帰らぬ人となってしまう。「このお金を持って、逃げて――」ルターナは最後の力で屋敷から妹を逃がし、シーナは名前を捨てて別人として暮らしはじめたが、レクオン王子が迎えにやってきて……。○第15回恋愛小説大賞に参加しています。もしよろしければ応援お願いいたします。
【完結】お荷物王女は婚約解消を願う
miniko
恋愛
王家の瞳と呼ばれる色を持たずに生まれて来た王女アンジェリーナは、一部の貴族から『お荷物王女』と蔑まれる存在だった。
それがエスカレートするのを危惧した国王は、アンジェリーナの後ろ楯を強くする為、彼女の従兄弟でもある筆頭公爵家次男との婚約を整える。
アンジェリーナは八歳年上の優しい婚約者が大好きだった。
今は妹扱いでも、自分が大人になれば年の差も気にならなくなり、少しづつ愛情が育つ事もあるだろうと思っていた。
だが、彼女はある日聞いてしまう。
「お役御免になる迄は、しっかりアンジーを守る」と言う彼の宣言を。
───そうか、彼は私を守る為に、一時的に婚約者になってくれただけなのね。
それなら出来るだけ早く、彼を解放してあげなくちゃ・・・・・・。
そして二人は盛大にすれ違って行くのだった。
※設定ユルユルですが、笑って許してくださると嬉しいです。
※感想欄、ネタバレ配慮しておりません。ご了承ください。
夫が愛人を離れに囲っているようなので、私も念願の猫様をお迎えいたします
葉柚
恋愛
ユフィリア・マーマレード伯爵令嬢は、婚約者であるルードヴィッヒ・コンフィチュール辺境伯と無事に結婚式を挙げ、コンフィチュール伯爵夫人となったはずであった。
しかし、ユフィリアの夫となったルードヴィッヒはユフィリアと結婚する前から離れの屋敷に愛人を住まわせていたことが使用人たちの口から知らされた。
ルードヴィッヒはユフィリアには目もくれず、離れの屋敷で毎日過ごすばかり。結婚したというのにユフィリアはルードヴィッヒと簡単な挨拶は交わしてもちゃんとした言葉を交わすことはなかった。
ユフィリアは決意するのであった。
ルードヴィッヒが愛人を離れに囲うなら、自分は前々からお迎えしたかった猫様を自室に迎えて愛でると。
だが、ユフィリアの決意をルードヴィッヒに伝えると思いもよらぬ事態に……。
【完結】この地獄のような楽園に祝福を
おもち。
恋愛
いらないわたしは、決して物語に出てくるようなお姫様にはなれない。
だって知っているから。わたしは生まれるべき存在ではなかったのだと……
「必ず迎えに来るよ」
そんなわたしに、唯一親切にしてくれた彼が紡いだ……たった一つの幸せな嘘。
でもその幸せな夢さえあれば、どんな辛い事にも耐えられると思ってた。
ねぇ、フィル……わたし貴方に会いたい。
フィル、貴方と共に生きたいの。
※子どもに手を上げる大人が出てきます。読まれる際はご注意下さい、無理な方はブラウザバックでお願いします。
※この作品は作者独自の設定が出てきますので何卒ご了承ください。
※本編+おまけ数話。
婚約なんてするんじゃなかった——そう言われたのならば。
ルーシャオ
恋愛
ビーレンフェン男爵家次女チェリーシャは、婚約者のスネルソン伯爵家嫡男アンソニーに振り回されていた。彼の買った時代遅れのドレスを着て、殴られたあざを隠すよう化粧をして、舞踏会へ連れていかれて、挙句にアンソニーの同級生たちの前で「婚約なんてするんじゃなかった」と嘲笑われる。
すでにアンソニーから離れられやしないと諦めていたチェリーシャの前に現れたのは、長い黒髪の貴公子だった。
時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました。
屋月 トム伽
恋愛
ifとして、時間が戻る前の半年間を時々入れます。(リディアとオズワルド以外はなかった事になっているのでifとしてます。)
私は、リディア・ウォード侯爵令嬢19歳だ。
婚約者のレオンハルト・グラディオ様はこの国の第2王子だ。
レオン様の誕生日パーティーで、私はエスコートなしで行くと、婚約者のレオン様はアリシア男爵令嬢と仲睦まじい姿を見せつけられた。
一人壁の花になっていると、レオン様の兄のアレク様のご友人オズワルド様と知り合う。
話が弾み、つい地がでそうになるが…。
そして、パーティーの控室で私は襲われ、倒れてしまった。
朦朧とする意識の中、最後に見えたのはオズワルド様が私の名前を叫びながら控室に飛び込んでくる姿だった…。
そして、目が覚めると、オズワルド様と半年前に時間が戻っていた。
レオン様との婚約を避ける為に、オズワルド様と婚約することになり、二人の日常が始まる。
ifとして、時間が戻る前の半年間を時々入れます。
第14回恋愛小説大賞にて奨励賞受賞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる