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第二章 真実のキスは藪の中
友人へ、わたしはお別れを言う
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モニカの様子はここ最近妙だった。話しかけても上の空で、機嫌が悪いともまた違った。
だからある昼下がり、思い切って尋ねてみた。
「もしかして、恋? パーティで好きな人でもできたの?」
「……え? なに? 聞いていなかったわ」
きょとんとモニカはロキシーを見た。流石に心配になり、熱でもあるんじゃなかろうかと額を寄せるが平熱だ。
「ほんとにどうしちゃったの? 最近、ちょっと変よ?」
「わたくしが変なのはいつものことでしょう?」
「そうだけど、いつにもまして、変なのよ」
モニカは何か言いたげに口を尖らせてみせたが、結局は頭を横に振る。
「パーティが続いてちょっと疲れたのよ。……恋じゃないわ」
しっかり聞こえてたんじゃないの、とロキシーは思った。
ルーカスがそんな二人をじっと見つめている。弟もこのところ寡黙だ。
(二人とも、変だわ)
だがロキシー自身も普通ではなかった。城を訪れて以来、考え続けていることがある。
女王ロクサーナが、一体何をして、何をしなかったのか、ということだ。
蘇った記憶の破片は、少なくともクリフ暗殺は命じていなかったのだと知らせてくれた。
確かに、王子の排斥はした。だが殺したいとは望んでいなかった。
だが先日、モニカは女王がクリフ暗殺を命じたと言っていた。
(……嘘をつく意味はないわ。モニカはわたしがどこまで記憶を思い出しているかなんてわからないはずだもの)
ばれるような嘘をつく妹ではない。
ならやはり、モニカも知らなかったのだ。だから“あいつ”は少なくともモニカではない。
よかった、と安心している自分に気が付く。
(なんだかんだ言って、わたしはモニカのことが好きなんだわ)
扱いにくいが、彼女は自分に正直で純粋だ。憎たらしいが憎めない。
死の間際、女王は自分以外の世界を呪った。人々が女王に向ける憎悪。女王が人々に向ける憎悪。身も震えるほどの憎悪があの場を支配していた。
(可哀想な、ロクサーナ。誰にも愛されなくて、最期は犯してもいない罪で断罪されたんだ)
誰も同情してくれなかったとしても、今の自分だけは彼女のことを哀れんであげよう。
はあ、とため息をついたところで、使用人が三人を呼びに来た。
どうやらフィンが訪れたらしい。そういえば、話があると以前言っていた。
◇◆◇
「殿下のパーティは大変だったらしいな」
どうやらモニカから話を聞いていたらしく、フィンはそう言った。フィンとモニカは仲が良く、時折二人で出かけるのだ。その時にでもあらましを知ったのだろう。
「ロキシーは城が豪華なんで驚きすぎて倒れて、ルーカスは殿下に嫉妬して会場から逃走したって?」
「ぜ、全然違うわ!」
事実に反したことがいくつかあったため訂正をすると、フィンは苦笑した。
「モニカの話は相変わらずだな。信用ならない」
「ひどいわ! 実際そうだったじゃないの」
嘘泣きを始めるが、意に介さずフィンは続けた。
「話があるって前にいっただろ? 改まって言うのも気恥ずかしいけど、実は留学することになった」
「そ、そうだったの!」
なぜか驚いたのはロキシーだけだった。「オレは聞いてたから」とルーカスは言う。モニカはきっとループの中で知っていたんだろう。
「リーチェも一緒に。あいつは社会勉強のためだが、俺は推薦枠に通ってな。だから、別れを言おうと思ってたんだ。なかなかタイミングがなくて、遅くなってすまない」
「寂しくなるわ。だけど、すごいじゃない! 本当に優秀なのね」
ロキシーが言うと、フィンは照れくさそうに笑う。
「……将来、政治家になりたいんだ」
「そうなんだ!」
ルーカスもこれは初耳だったのか、目を丸くした。フィンは頷く。
「家に金はあるが、俺は平民だ。
身分の低い人間が国を変えたいと思ったら政治家になって民衆の支持を得るか、軍人になってのし上がるしかない。軍人は無理だ、俺向きじゃない。
だから政治家になって、この国を変えてやる。平民出身の議員は少ないが、前例がないわけじゃないから。どうせ、じいさんになるまでこの国で暮らすんだ。身分に囚われない、誰もが自由に好きなことをできる、そんな国に生きたい。そう思ってる奴は俺以外にもたくさんいるはずだ」
そう語る彼の瞳には、情熱が宿る。
圧倒されて、何も言えなかった。
国を変えたいなんて、ロキシーは考えたこともなかった。この国に変える余地があるのかすら、思ってもいなかった。
フィンにはどんな景色が見えているんだろうか。その目は輝き、すぐそこにある明るい未来を映しているかのようだ。
だから別の世界でも彼は、革命を率いたのだろうか。その熱に、突き動かされるようにして。
「きっと上手く行くわ」
黙っていたモニカがふいにそう言った。フィンが顔を向けた。その目が真っ直ぐに彼女を見据える。
「フィン、あなたは絶対に成功する。このわたくしが言うんだから間違いないわ」
予言めいたことを言うモニカは、真剣な表情をしていた。束の間、ロキシーもルーカスも黙った。フィンとモニカはただ互いを静かに見ていた。
「モニカに言われると、本当にそんな気がしてくるな……」
「だって事実だもの」
フィンは照れたような笑みを作り、それからロキシーに向き直る。
「ロキシー。本当にすまなかった」
「な、なにが?」
「昔、君を信じなかったことと、頬を叩いたことだ」
思わず吹き出した。彼は真面目すぎるのではないか。
「よしてよ、何回謝ってくれるの? 今までにもう一生分のごめんなさいを聞いたわ」
これまで、数え切れないほどの謝罪を受けたのだ。もういい加減止めて欲しい。
二年も前の話だし、ロキシーにしたって、どうせ話しても無駄だと彼の誤解を解こうともしなかった。信頼してなかったのは、お互い様だ。
こうしてまた話ができるなんて、あの時は思ってもみなかった。
フィンは情熱家で突っ走りやすい。だが懐が深く、信念に従う人間だった。ロキシーとフィンは、いまや信頼し合う、よい友人となった。
フィンの背中を、三人で見送った。モニカはいつになく静かに、彼を見つめている。
彼女はこれからの彼の姿を正確に思い描くことができるのだろう。幾度となく見てきた世界と同じなのだから。
佇む彼女に近づくと、そっと手を繋ぐ。しっかりと、握り返された。
「本当に、行ってしまうのね」
モニカの顔を見る。彼女はまだ視線を前に向けたままだった。フィンが角を曲がり、その背は見えなくなる。
「どうせ再会するもの。嫌でも会えるわ」
「だけど、寂しいわ」
なおも素直に告げると、モニカも今度はロキシーに柔らかく微笑みかけた。
「――うん、寂しい」
◇◆◇
「いいの? お兄様」
家に帰ると、病院の定期検査から戻ったリーチェが待っていて、話しかけてきた。
「彼女に、気持ちを伝えなくて」
「なんの話だ?」
とぼけてみせるが、お見通しらしい。
まったく、女というのは妙に勘がいい。
(俺が彼女を好きなのも、気持ちを伝えないままでいようと思っているのも、リーチェに言っていないのにな)
フィンはリーチェの頭を撫でる。
「いいんだ。ロキシーはもうずっとどこか遠くを見ているから」
今、何を言っても届かないだろう。フィンのことなど眼中にない。
リーチェは目を丸くする。
「まあ! あたし、モニカ様のつもりで言ったのよ? だって、すごく仲がいいもの。そう思うでしょう?」
フィンは舌を巻いた。誤解させておいた方がよかったかもしれない。昔は確かにそうだった。モニカを守りたいと、騎士道ぶった精神に冒されて、幼いながら、淡い恋心を抱いていた。だがもう違う。もう自分は、子供ではなかった。
リーチェは笑う。
「案外、お兄様は気が多いのね? だけど、応援する。心配なのは、ルーカスさんだって、彼女のことが好きだってこと」
「わかってる」
フィンは言う。
「彼女のことは好きだ。だけどルーカスから奪い取りたいとは思わない。だから、この想いは一生言わないつもりだ。それに、俺は彼女を昔、傷つけてしまった」
「もう許しているわ。いいえ、元から怒ってさえいないと思う。だってとても優しい人だもの」
「罵ってくれた方がまだましだ。俺なんて、眼中にないのかもな。つまるところ一方通行で、叶う望みもないんだ」
いっそのこと、恋心など捨ててしまいたいと努力もしたが、彼女に笑いかけられるたびに、上手くは行かなかった。
リーチェは優しく笑う。
「……きっと恋って、自分ではままならないものなのでしょうね――」
だからある昼下がり、思い切って尋ねてみた。
「もしかして、恋? パーティで好きな人でもできたの?」
「……え? なに? 聞いていなかったわ」
きょとんとモニカはロキシーを見た。流石に心配になり、熱でもあるんじゃなかろうかと額を寄せるが平熱だ。
「ほんとにどうしちゃったの? 最近、ちょっと変よ?」
「わたくしが変なのはいつものことでしょう?」
「そうだけど、いつにもまして、変なのよ」
モニカは何か言いたげに口を尖らせてみせたが、結局は頭を横に振る。
「パーティが続いてちょっと疲れたのよ。……恋じゃないわ」
しっかり聞こえてたんじゃないの、とロキシーは思った。
ルーカスがそんな二人をじっと見つめている。弟もこのところ寡黙だ。
(二人とも、変だわ)
だがロキシー自身も普通ではなかった。城を訪れて以来、考え続けていることがある。
女王ロクサーナが、一体何をして、何をしなかったのか、ということだ。
蘇った記憶の破片は、少なくともクリフ暗殺は命じていなかったのだと知らせてくれた。
確かに、王子の排斥はした。だが殺したいとは望んでいなかった。
だが先日、モニカは女王がクリフ暗殺を命じたと言っていた。
(……嘘をつく意味はないわ。モニカはわたしがどこまで記憶を思い出しているかなんてわからないはずだもの)
ばれるような嘘をつく妹ではない。
ならやはり、モニカも知らなかったのだ。だから“あいつ”は少なくともモニカではない。
よかった、と安心している自分に気が付く。
(なんだかんだ言って、わたしはモニカのことが好きなんだわ)
扱いにくいが、彼女は自分に正直で純粋だ。憎たらしいが憎めない。
死の間際、女王は自分以外の世界を呪った。人々が女王に向ける憎悪。女王が人々に向ける憎悪。身も震えるほどの憎悪があの場を支配していた。
(可哀想な、ロクサーナ。誰にも愛されなくて、最期は犯してもいない罪で断罪されたんだ)
誰も同情してくれなかったとしても、今の自分だけは彼女のことを哀れんであげよう。
はあ、とため息をついたところで、使用人が三人を呼びに来た。
どうやらフィンが訪れたらしい。そういえば、話があると以前言っていた。
◇◆◇
「殿下のパーティは大変だったらしいな」
どうやらモニカから話を聞いていたらしく、フィンはそう言った。フィンとモニカは仲が良く、時折二人で出かけるのだ。その時にでもあらましを知ったのだろう。
「ロキシーは城が豪華なんで驚きすぎて倒れて、ルーカスは殿下に嫉妬して会場から逃走したって?」
「ぜ、全然違うわ!」
事実に反したことがいくつかあったため訂正をすると、フィンは苦笑した。
「モニカの話は相変わらずだな。信用ならない」
「ひどいわ! 実際そうだったじゃないの」
嘘泣きを始めるが、意に介さずフィンは続けた。
「話があるって前にいっただろ? 改まって言うのも気恥ずかしいけど、実は留学することになった」
「そ、そうだったの!」
なぜか驚いたのはロキシーだけだった。「オレは聞いてたから」とルーカスは言う。モニカはきっとループの中で知っていたんだろう。
「リーチェも一緒に。あいつは社会勉強のためだが、俺は推薦枠に通ってな。だから、別れを言おうと思ってたんだ。なかなかタイミングがなくて、遅くなってすまない」
「寂しくなるわ。だけど、すごいじゃない! 本当に優秀なのね」
ロキシーが言うと、フィンは照れくさそうに笑う。
「……将来、政治家になりたいんだ」
「そうなんだ!」
ルーカスもこれは初耳だったのか、目を丸くした。フィンは頷く。
「家に金はあるが、俺は平民だ。
身分の低い人間が国を変えたいと思ったら政治家になって民衆の支持を得るか、軍人になってのし上がるしかない。軍人は無理だ、俺向きじゃない。
だから政治家になって、この国を変えてやる。平民出身の議員は少ないが、前例がないわけじゃないから。どうせ、じいさんになるまでこの国で暮らすんだ。身分に囚われない、誰もが自由に好きなことをできる、そんな国に生きたい。そう思ってる奴は俺以外にもたくさんいるはずだ」
そう語る彼の瞳には、情熱が宿る。
圧倒されて、何も言えなかった。
国を変えたいなんて、ロキシーは考えたこともなかった。この国に変える余地があるのかすら、思ってもいなかった。
フィンにはどんな景色が見えているんだろうか。その目は輝き、すぐそこにある明るい未来を映しているかのようだ。
だから別の世界でも彼は、革命を率いたのだろうか。その熱に、突き動かされるようにして。
「きっと上手く行くわ」
黙っていたモニカがふいにそう言った。フィンが顔を向けた。その目が真っ直ぐに彼女を見据える。
「フィン、あなたは絶対に成功する。このわたくしが言うんだから間違いないわ」
予言めいたことを言うモニカは、真剣な表情をしていた。束の間、ロキシーもルーカスも黙った。フィンとモニカはただ互いを静かに見ていた。
「モニカに言われると、本当にそんな気がしてくるな……」
「だって事実だもの」
フィンは照れたような笑みを作り、それからロキシーに向き直る。
「ロキシー。本当にすまなかった」
「な、なにが?」
「昔、君を信じなかったことと、頬を叩いたことだ」
思わず吹き出した。彼は真面目すぎるのではないか。
「よしてよ、何回謝ってくれるの? 今までにもう一生分のごめんなさいを聞いたわ」
これまで、数え切れないほどの謝罪を受けたのだ。もういい加減止めて欲しい。
二年も前の話だし、ロキシーにしたって、どうせ話しても無駄だと彼の誤解を解こうともしなかった。信頼してなかったのは、お互い様だ。
こうしてまた話ができるなんて、あの時は思ってもみなかった。
フィンは情熱家で突っ走りやすい。だが懐が深く、信念に従う人間だった。ロキシーとフィンは、いまや信頼し合う、よい友人となった。
フィンの背中を、三人で見送った。モニカはいつになく静かに、彼を見つめている。
彼女はこれからの彼の姿を正確に思い描くことができるのだろう。幾度となく見てきた世界と同じなのだから。
佇む彼女に近づくと、そっと手を繋ぐ。しっかりと、握り返された。
「本当に、行ってしまうのね」
モニカの顔を見る。彼女はまだ視線を前に向けたままだった。フィンが角を曲がり、その背は見えなくなる。
「どうせ再会するもの。嫌でも会えるわ」
「だけど、寂しいわ」
なおも素直に告げると、モニカも今度はロキシーに柔らかく微笑みかけた。
「――うん、寂しい」
◇◆◇
「いいの? お兄様」
家に帰ると、病院の定期検査から戻ったリーチェが待っていて、話しかけてきた。
「彼女に、気持ちを伝えなくて」
「なんの話だ?」
とぼけてみせるが、お見通しらしい。
まったく、女というのは妙に勘がいい。
(俺が彼女を好きなのも、気持ちを伝えないままでいようと思っているのも、リーチェに言っていないのにな)
フィンはリーチェの頭を撫でる。
「いいんだ。ロキシーはもうずっとどこか遠くを見ているから」
今、何を言っても届かないだろう。フィンのことなど眼中にない。
リーチェは目を丸くする。
「まあ! あたし、モニカ様のつもりで言ったのよ? だって、すごく仲がいいもの。そう思うでしょう?」
フィンは舌を巻いた。誤解させておいた方がよかったかもしれない。昔は確かにそうだった。モニカを守りたいと、騎士道ぶった精神に冒されて、幼いながら、淡い恋心を抱いていた。だがもう違う。もう自分は、子供ではなかった。
リーチェは笑う。
「案外、お兄様は気が多いのね? だけど、応援する。心配なのは、ルーカスさんだって、彼女のことが好きだってこと」
「わかってる」
フィンは言う。
「彼女のことは好きだ。だけどルーカスから奪い取りたいとは思わない。だから、この想いは一生言わないつもりだ。それに、俺は彼女を昔、傷つけてしまった」
「もう許しているわ。いいえ、元から怒ってさえいないと思う。だってとても優しい人だもの」
「罵ってくれた方がまだましだ。俺なんて、眼中にないのかもな。つまるところ一方通行で、叶う望みもないんだ」
いっそのこと、恋心など捨ててしまいたいと努力もしたが、彼女に笑いかけられるたびに、上手くは行かなかった。
リーチェは優しく笑う。
「……きっと恋って、自分ではままならないものなのでしょうね――」
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