25 / 133
第一章 首を切られてわたしは死んだ
分かり合えない妹を、わたしは悲しむ
しおりを挟む
モニカは後ろに縛られた手で、ロキシーの懐を探る。ロキシーも彼女が取り出しやすいように、体を動かしてやる。
「そこじゃないわ! 胸の谷間のことろよ!」
「そんなのないわ!」
「とにかく、首から鎖で胸にかかっているから。服の下よ!」
遂にモニカの手が、鎖に触れた。そのまま取り出される。
「刃に注意して、二つ折りになってるから」
言われたモニカは慎重にナイフを開く。
「咥えるわ。先にあなたの縄を切るから、そしたらあなたがわたしの縄を切るのよ!」
言われたとおりに、モニカはナイフをロキシーに差し出す。それを咥えた。
「わたくしの白魚のような美しい手を切らないでね?」
言い返したくなる衝動を抑え、ロキシーはモニカの縄を切り始める。器用には行かないが、なんとか一本切り抜いた。
遂に彼女の手が自由になると、ロキシーの首から鎖ごとナイフを取り、足を縛っている縄も切る。
モニカは立ち上がった。次はロキシーの番だ。床に腹ばいになりながら、彼女を見つめる。
「よかった。さあわたしの縄も」
だが妹は直立不動だった。ロキシーとナイフを、交互に見つめる。
まさか。
ロキシーの胸に疑惑が浮かぶ。きっと表情に出ていたのだろう。感じ取ったらしいモニカがふ、と口元を歪めた。
「ねえ、ロキシー。もしここであなたが死んだら、誘拐犯に殺されたって、皆、思うかしら?」
――なぜ。
ロキシーには分からない。
なぜ、モニカはこんなにもロキシーを排除したいのか。
単なる憎しみか、張り合いなのか。
だが対面するモニカの瞳に浮かぶのは静かな決意だった。
彼女は自分の中の信念に従って、ロキシーを排除しようとしているのだ。
「モニカ、お願い。わたしはあなたの敵じゃないわ……」
床に転がったまま、ロキシーは懇願した。
ロキシーがモニカに抱く感情は複雑だった。
血の繋がらない妹。幼い頃は、本当に仲が良かったと思う。前世では、ひどく憎かった。
今世では憎まれ、殺されかけたこともある。仲良くなりたかったが、拒絶された。
だがいつだって、もし彼女が心を開いてくれるなら、と願った。今も一緒にここから生き延びようと思っていた。協力して、父の元に帰る。それができると思っていた。
なのに、彼女は刃を向ける。それがただ、ひたすら悲しい。
(悲しむなんて、お門違いなのかもしれないわ……)
だって、これはきっと、自分がまいた種なのだ。
女王ロクサーナが犯した罪は――嫉妬に荒れ狂い、偽りの王として君臨し、国を混沌に陥れた罪は――周囲に憎まれ、疎まれ、真実の女王の手によって殺されることで、ようやく償われるものなのかもしれない。
この世界で記憶を取り戻し、今、殺されることが、神が課した償いの道なのだ。
それほどまでに重い罪。神は一度の死では、許してくれなかった。
「これが、前世の罰なのね……」
そう呟いたとき、モニカの瞳が揺れた。困惑気味の、囁くような声。
「ぜん、せ……?」
モニカの顔に奇妙な色が浮かぶ。
その時だ。
外から、足音が聞こえた。大きな音からして、恐らく男だ。足音は一人分。
(誘拐犯が戻ってきたんだわ!)
悠長に押し問答をしている時間は無い。このままでは、モニカでさえも危ない。
瞬時に気持ちを切り替え、ロキシーは叫んだ。
「モニカ! わたしの縄を切って! はやく!」
モニカは黙ったまま、大人しくロキシーを縛る縄を切った。ロキシーが立ち上がったのと、男が入ってきたのは同時だった。
これもまた、母が教えてくれたことだ。体の小さな者が自分よりも大きな者を倒すためには、相手の虚を衝く必要がある。
ロキシーは男に突進した。
ロキシーがぶつかった勢いで男の手が触れ、扉が閉まる。
男が我に返る前に、彼が銃を握る腕を掴むと捻り上げた。
銃は手から離れ地面に落とされる。それを遠くへと蹴った。ぽかんと口を開けたままのモニカの足元に行く。ロキシーはモニカに叫んだ。
「銃をこいつに向けて!」
手を180度捻られた男はいとも簡単に膝を床に着いた。後は縛ればいい。だが、男はロキシーの手を無理矢理引き剥がした。そのまま首を掴まれる。
「くそがきが!」
大人の男の本気の力を、ロキシーが振りほどけるわけがない。首を締め付けられて、息が苦しくなる。
今度こそ、死を覚悟した。
だが。
続けざまに発砲音がして、ロキシーの呼吸は突然楽になる。
手が離れ、男はそのまま、何も言うことなく地面に倒れた。体からは血が流れる。数発撃ち込まれ、ほとんど即死状態だ。
ロキシーはその男の顔に、見覚えがあるような気がした。だが今は、思い出している余裕はない。
銃口からは白い煙が立ち上る。震える手で銃を握っていたのは――怯えた表情のモニカだった。
「し、仕方がなかったのよ、だって、この男があなたを、こ、殺そうとしていたから……」
今にも泣きそうなモニカをなだめようと、ロキシーは言った。
「モニカ、そうよ、その通りだわ。……ありがとう」
「動かないで!」
モニカは、銃をロキシーに向けた。人を撃って動揺しているようで、引きつった筋肉を無理に動かすように口を開く。
「あなたを殺さない限り、また同じ事の繰り返しだわ! 二度と、負けるわけにはいかないのよ! わたくし、もう死にたくない!」
銃口は真っ直ぐロキシーに向けられている。ロキシーはどこか冷静にそれを見た。
ここで殺されてやれば、モニカの心は晴れるのだろうか。もし前世の罪を償うのであれば、そうすべきなのか――?
静かに、二人の瞳が交差した。
「そこじゃないわ! 胸の谷間のことろよ!」
「そんなのないわ!」
「とにかく、首から鎖で胸にかかっているから。服の下よ!」
遂にモニカの手が、鎖に触れた。そのまま取り出される。
「刃に注意して、二つ折りになってるから」
言われたモニカは慎重にナイフを開く。
「咥えるわ。先にあなたの縄を切るから、そしたらあなたがわたしの縄を切るのよ!」
言われたとおりに、モニカはナイフをロキシーに差し出す。それを咥えた。
「わたくしの白魚のような美しい手を切らないでね?」
言い返したくなる衝動を抑え、ロキシーはモニカの縄を切り始める。器用には行かないが、なんとか一本切り抜いた。
遂に彼女の手が自由になると、ロキシーの首から鎖ごとナイフを取り、足を縛っている縄も切る。
モニカは立ち上がった。次はロキシーの番だ。床に腹ばいになりながら、彼女を見つめる。
「よかった。さあわたしの縄も」
だが妹は直立不動だった。ロキシーとナイフを、交互に見つめる。
まさか。
ロキシーの胸に疑惑が浮かぶ。きっと表情に出ていたのだろう。感じ取ったらしいモニカがふ、と口元を歪めた。
「ねえ、ロキシー。もしここであなたが死んだら、誘拐犯に殺されたって、皆、思うかしら?」
――なぜ。
ロキシーには分からない。
なぜ、モニカはこんなにもロキシーを排除したいのか。
単なる憎しみか、張り合いなのか。
だが対面するモニカの瞳に浮かぶのは静かな決意だった。
彼女は自分の中の信念に従って、ロキシーを排除しようとしているのだ。
「モニカ、お願い。わたしはあなたの敵じゃないわ……」
床に転がったまま、ロキシーは懇願した。
ロキシーがモニカに抱く感情は複雑だった。
血の繋がらない妹。幼い頃は、本当に仲が良かったと思う。前世では、ひどく憎かった。
今世では憎まれ、殺されかけたこともある。仲良くなりたかったが、拒絶された。
だがいつだって、もし彼女が心を開いてくれるなら、と願った。今も一緒にここから生き延びようと思っていた。協力して、父の元に帰る。それができると思っていた。
なのに、彼女は刃を向ける。それがただ、ひたすら悲しい。
(悲しむなんて、お門違いなのかもしれないわ……)
だって、これはきっと、自分がまいた種なのだ。
女王ロクサーナが犯した罪は――嫉妬に荒れ狂い、偽りの王として君臨し、国を混沌に陥れた罪は――周囲に憎まれ、疎まれ、真実の女王の手によって殺されることで、ようやく償われるものなのかもしれない。
この世界で記憶を取り戻し、今、殺されることが、神が課した償いの道なのだ。
それほどまでに重い罪。神は一度の死では、許してくれなかった。
「これが、前世の罰なのね……」
そう呟いたとき、モニカの瞳が揺れた。困惑気味の、囁くような声。
「ぜん、せ……?」
モニカの顔に奇妙な色が浮かぶ。
その時だ。
外から、足音が聞こえた。大きな音からして、恐らく男だ。足音は一人分。
(誘拐犯が戻ってきたんだわ!)
悠長に押し問答をしている時間は無い。このままでは、モニカでさえも危ない。
瞬時に気持ちを切り替え、ロキシーは叫んだ。
「モニカ! わたしの縄を切って! はやく!」
モニカは黙ったまま、大人しくロキシーを縛る縄を切った。ロキシーが立ち上がったのと、男が入ってきたのは同時だった。
これもまた、母が教えてくれたことだ。体の小さな者が自分よりも大きな者を倒すためには、相手の虚を衝く必要がある。
ロキシーは男に突進した。
ロキシーがぶつかった勢いで男の手が触れ、扉が閉まる。
男が我に返る前に、彼が銃を握る腕を掴むと捻り上げた。
銃は手から離れ地面に落とされる。それを遠くへと蹴った。ぽかんと口を開けたままのモニカの足元に行く。ロキシーはモニカに叫んだ。
「銃をこいつに向けて!」
手を180度捻られた男はいとも簡単に膝を床に着いた。後は縛ればいい。だが、男はロキシーの手を無理矢理引き剥がした。そのまま首を掴まれる。
「くそがきが!」
大人の男の本気の力を、ロキシーが振りほどけるわけがない。首を締め付けられて、息が苦しくなる。
今度こそ、死を覚悟した。
だが。
続けざまに発砲音がして、ロキシーの呼吸は突然楽になる。
手が離れ、男はそのまま、何も言うことなく地面に倒れた。体からは血が流れる。数発撃ち込まれ、ほとんど即死状態だ。
ロキシーはその男の顔に、見覚えがあるような気がした。だが今は、思い出している余裕はない。
銃口からは白い煙が立ち上る。震える手で銃を握っていたのは――怯えた表情のモニカだった。
「し、仕方がなかったのよ、だって、この男があなたを、こ、殺そうとしていたから……」
今にも泣きそうなモニカをなだめようと、ロキシーは言った。
「モニカ、そうよ、その通りだわ。……ありがとう」
「動かないで!」
モニカは、銃をロキシーに向けた。人を撃って動揺しているようで、引きつった筋肉を無理に動かすように口を開く。
「あなたを殺さない限り、また同じ事の繰り返しだわ! 二度と、負けるわけにはいかないのよ! わたくし、もう死にたくない!」
銃口は真っ直ぐロキシーに向けられている。ロキシーはどこか冷静にそれを見た。
ここで殺されてやれば、モニカの心は晴れるのだろうか。もし前世の罪を償うのであれば、そうすべきなのか――?
静かに、二人の瞳が交差した。
67
お気に入りに追加
481
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
虐げられた令嬢は、姉の代わりに王子へ嫁ぐ――たとえお飾りの妃だとしても
千堂みくま
恋愛
「この卑しい娘め、おまえはただの身代わりだろうが!」 ケルホーン伯爵家に生まれたシーナは、ある理由から義理の家族に虐げられていた。シーナは姉のルターナと瓜二つの顔を持ち、背格好もよく似ている。姉は病弱なため、義父はシーナに「ルターナの代わりに、婚約者のレクオン王子と面会しろ」と強要してきた。二人はなんとか支えあって生きてきたが、とうとうある冬の日にルターナは帰らぬ人となってしまう。「このお金を持って、逃げて――」ルターナは最後の力で屋敷から妹を逃がし、シーナは名前を捨てて別人として暮らしはじめたが、レクオン王子が迎えにやってきて……。○第15回恋愛小説大賞に参加しています。もしよろしければ応援お願いいたします。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
【完結】聖女になり損なった刺繍令嬢は逃亡先で幸福を知る。
みやこ嬢
恋愛
「ルーナ嬢、神聖なる聖女選定の場で不正を働くとは何事だ!」
魔法国アルケイミアでは魔力の多い貴族令嬢の中から聖女を選出し、王子の妃とするという古くからの習わしがある。
ところが、最終試験まで残ったクレモント侯爵家令嬢ルーナは不正を疑われて聖女候補から外されてしまう。聖女になり損なった失意のルーナは義兄から襲われたり高齢宰相の後妻に差し出されそうになるが、身を守るために侍女ティカと共に逃げ出した。
あてのない旅に出たルーナは、身を寄せた隣国シュベルトの街で運命的な出会いをする。
【2024年3月16日完結、全58話】
夫が愛人を離れに囲っているようなので、私も念願の猫様をお迎えいたします
葉柚
恋愛
ユフィリア・マーマレード伯爵令嬢は、婚約者であるルードヴィッヒ・コンフィチュール辺境伯と無事に結婚式を挙げ、コンフィチュール伯爵夫人となったはずであった。
しかし、ユフィリアの夫となったルードヴィッヒはユフィリアと結婚する前から離れの屋敷に愛人を住まわせていたことが使用人たちの口から知らされた。
ルードヴィッヒはユフィリアには目もくれず、離れの屋敷で毎日過ごすばかり。結婚したというのにユフィリアはルードヴィッヒと簡単な挨拶は交わしてもちゃんとした言葉を交わすことはなかった。
ユフィリアは決意するのであった。
ルードヴィッヒが愛人を離れに囲うなら、自分は前々からお迎えしたかった猫様を自室に迎えて愛でると。
だが、ユフィリアの決意をルードヴィッヒに伝えると思いもよらぬ事態に……。
【完結】お荷物王女は婚約解消を願う
miniko
恋愛
王家の瞳と呼ばれる色を持たずに生まれて来た王女アンジェリーナは、一部の貴族から『お荷物王女』と蔑まれる存在だった。
それがエスカレートするのを危惧した国王は、アンジェリーナの後ろ楯を強くする為、彼女の従兄弟でもある筆頭公爵家次男との婚約を整える。
アンジェリーナは八歳年上の優しい婚約者が大好きだった。
今は妹扱いでも、自分が大人になれば年の差も気にならなくなり、少しづつ愛情が育つ事もあるだろうと思っていた。
だが、彼女はある日聞いてしまう。
「お役御免になる迄は、しっかりアンジーを守る」と言う彼の宣言を。
───そうか、彼は私を守る為に、一時的に婚約者になってくれただけなのね。
それなら出来るだけ早く、彼を解放してあげなくちゃ・・・・・・。
そして二人は盛大にすれ違って行くのだった。
※設定ユルユルですが、笑って許してくださると嬉しいです。
※感想欄、ネタバレ配慮しておりません。ご了承ください。
この婚約は白い結婚に繋がっていたはずですが? 〜深窓の令嬢は赤獅子騎士団長に溺愛される〜
氷雨そら
恋愛
婚約相手のいない婚約式。
通常であれば、この上なく惨めであろうその場所に、辺境伯令嬢ルナシェは、美しいベールをなびかせて、毅然とした姿で立っていた。
ベールから、こぼれ落ちるような髪は白銀にも見える。プラチナブロンドが、日差しに輝いて神々しい。
さすがは、白薔薇姫との呼び名高い辺境伯令嬢だという周囲の感嘆。
けれど、ルナシェの内心は、実はそれどころではなかった。
(まさかのやり直し……?)
先ほど確かに、ルナシェは断頭台に露と消えたのだ。しかし、この場所は確かに、あの日経験した、たった一人の婚約式だった。
ルナシェは、人生を変えるため、婚約式に現れなかった婚約者に、婚約破棄を告げるため、激戦の地へと足を向けるのだった。
小説家になろう様にも投稿しています。
前世の旦那様、貴方とだけは結婚しません。
真咲
恋愛
全21話。他サイトでも掲載しています。
一度目の人生、愛した夫には他に想い人がいた。
侯爵令嬢リリア・エンダロインは幼い頃両親同士の取り決めで、幼馴染の公爵家の嫡男であるエスター・カンザスと婚約した。彼は学園時代のクラスメイトに恋をしていたけれど、リリアを優先し、リリアだけを大切にしてくれた。
二度目の人生。
リリアは、再びリリア・エンダロインとして生まれ変わっていた。
「次は、私がエスターを幸せにする」
自分が彼に幸せにしてもらったように。そのために、何がなんでも、エスターとだけは結婚しないと決めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる