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第一章 聖女イリス
彼女は死んで、また生まれる
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⭐︎お読みいただきありがとうございます!
完結済54万字程度の長編です。
第一話前半は劇中劇です。
* * *
冷たい石の床に体を横たえていたイリスは、気配を感じ体をわずか起こし、やがて現れた背の高い男を見て穏やかに微笑んだ。
「ディミトリオスお兄様」
ディミトリオスは、イリスとは対照的に、あらゆる感情を悟られまいとするかのように無表情を取り繕い、平素貼り付けている模範的な廷臣の笑みは鳴りを潜めていた。
整えられた黒髪は頭の後ろで束ねられ、塔を駆け上がったせいか、呼吸は乱れている。その瞳の奥に、ごくわずかな悲哀を見て取り、イリスは更に、冷たい鉄格子に向かって、寄っていった。
自分の運命を、イリスは呪ってはいなかった。誰も恨んではいなかった。今まで生きてきた歳月と同様、全ての運命を受け入れていた。命令の通りに生き、命令の通りに死ぬことに、さほどの疑問は抱かなかった。
数週間続いた裁判は終わり、判決があった。“死罪”。
その瞬間だけ、イリスの心に小さな揺れがあった。――ようやく解放されるのだ、と。
イリスが鉄格子を掴むと、その手ごと、兄は掴んだ。白く小さく、冷たいイリスの手に反して、ディミトリオスの手は日焼けし大きく、火傷しそうなほど熱かった。
「なぜ受け入れる。お前は非道い扱いをされているんだ。
エルアリンドに騙されていた、能力がないのに、そう信じ込まされていたと、ただ、ひとこと、そう言えばいい。自分が聖女だと言ったのは間違っていたと、そう告解するんだ」
暗い牢に、ディミトリオスの声が響く。イリスは首を横に振る。
「いいえ」
「まだ間に合う、オーランド様が恩赦をくださる。全て間違っていたと、聖女はアリア様ただお一人だと、そう言え!」
兄の目は懇願するかのように見開かれ、握る手は震えていた。
「言ってくれ、イリス。それだけでお前は生きられる」
「――いいえ」
「なぜ分からない!」
ディミトリオスは苛立ちを隠さず声を荒げた。
ぱっと彼が鉄格子から離れたため、イリスの手は熱を失う。
「聖女はアリア様だ! お前はテミス家の陰謀の一環として差し出されたただの娘に過ぎない!」
「そうかもしれません」イリスは兄に向かって笑った。「お兄様が見つけた彼女こそ、本物だったのかも、しれません。けれど――」
黄金の瞳に映るみすぼらしい自分の姿を見つめ返しながら、罪人を赦す聖職者のように、慈愛に満ちた笑みを浮かべてみせた。
「けれどわたしは、自分の心に嘘偽りを持ちたくないのです。今までずっと聖女として存在してきました。今でもわたしは、自分がこの国に尽くし、人の為に生まれたのだと、信じています」
十歳で聖女として宮廷に入ってから、十七歳までそう振る舞ってきた。今さら他の自分として生きられるはずがない。
聖女でないと告白するのは、自分を信じた者に対する裏切りだ。聖女の為にと、多くの兵士が戦い命を落とした。だからこそ、聖女が偽物だったと告白するのは、彼らの命に対する侮辱に等しい。
「俺はお前に生きていて欲しい」
イリスは首を横に振る。もう生に執着は持てなかった。愛してくれた人々が、一転して憎悪を向けるこの世界に、これ以上生きる意味はない。
「人を愛しています。愛に生きて、愛に死にます。誰かを憎む前に、清らかな心で終わりたいのです」
あまりにも純粋で悲痛な言葉に、ディミトリオスが顔を歪めた。
最後の望みをかけ救いに来た妹に、拒絶をされたことに対する抵抗から、彼の両手は体の脇で硬く握りしめられた。
兄の姿に、イリスはふいに過去を思い出した。まだ幼い頃、領地の森で迷子になったことがあった。日が暮れる寸前に、ディミトリオスは自分も擦り傷だらけになりながらも必死にイリスを探し、遂に見つけてくれたのだ。彼を見て、安堵したのを、今でもよく覚えている。
あの時の兄は、両手を握りしめて、怒り出す寸前のように、あるいは泣き出す寸前のように、こんな風に情けない顔をして、そうしてイリスを抱きしめたのだ。
しかし今、二人の間に悠然と佇む鉄格子が、決して再現は起こりえないのだと、言外に伝えていた。ディミトリオスがイリスを抱擁することは、二度とない。
「心残りがひとつだけあるとしたら――」
初めて、イリスは自分の頬に涙が流れていることに気がついた。穏やかであった水面に、小石が投げ込まれたように、イリスの心にさざ波が起こっていた。
「幼い頃に過ごしたあの故郷で、ディマ、あなたと一緒にまた笑い合いたかった。それだけが、わたしのたったひとつの望み」
白銀の髪に、透き通るような淡い翡翠色の瞳のイリス。深い夜空のような黒髪に、野生動物のような冷たい金色の瞳のディミトリオス。少しも似ていない兄と妹は、互いに同じ情景を思い浮かべた。
「……なら帰ろう。お前は生きて、俺と一緒に家へ帰るんだ。そうして帝都での数年など、すべて忘れて暮らそう。全てが終わったら、そうしよう――」
「帰れるのでしょうか。あの場所に、本当に? お兄様も一緒に?」
頷くディミトリオスを見て、イリスは遂に言った。
「……明日、言います。わたしは偽者だったのだと、処刑場で告白します」
兄が、安堵の表情を浮かべるのが分かった。
だが結論から言うと、兄妹の約束は、果たされなかった。結論から言うと、イリスは死んだ。
しかしこの時、故郷を思いイリスの心に浮かんだほんの一瞬の喜びは、決して偽りのないものだった。彼女にとっての幸福は、そのまま故郷の形をしていたのだから。
処刑は翌日のことだった。
罪を悔い改めろと迫る司祭に、イリスは、はっきりとした口調で告げた。
「わたしは聖女です。そのことに、嘘偽りを申し上げてはおりません。わたしこそが、まことの聖女でございます」
驚愕の表情でこちらを見つめるディミトリオスを聖女アリアの傍らに見つけ、イリスは微笑みかけた。
結局、決意は変えられなかった。故郷には戻らない。聖女として死ぬ。それが自分の生きた十七年の人生に対する矜持だった。
「どうかお兄様に、神のご加護がありますように」
幼い頃から道具として扱われてきた。ようやく自分の意思を持てた。生まれて初めて、やり返した気分だった。一種の爽快ささえも、覚えていた。
「このローザリアの幸福が未来永劫続くように、聖女イリスは祈り続けます」
もしも来世があるのなら、とイリスは思った。空を飛ぶあの鳥のように、誰にも縛られず、自分の思う通りに生きていきたい。
処刑人の斧が、彼女の首目がけて何度も振り下ろされる。誰かの絶叫を聞きながら、偽の聖女の命は終わりを告げた。
人々が崇拝した偶像は、食肉用の羊のように、いとも容易く屠られた。
◇◆◇
ぎゃあああ、と叫んだように思ったし、多分実際にそうだった。お母さまがすっとんできて、わたしをゆりかごから抱き上げたのだから。
「大丈夫よ。怖いものなんて、なにもないから、かわいい赤ちゃん」
何を言うの? 怖いものだらけだわ!
優しく揺すられても、悪夢が去ったわけではなかった。
優しい声が聞こえても、心が晴れるわけではない。
抗議の声を上げようとしても、口から出たのは情けない赤ちゃんの言葉だった。
「うあー! あーう」
くすくすと母は笑う。
「何を怒るの? あなたには幸福だけが約束されているのよ、かわいいイリス?」
彼女は、その名前こそわたしを悩ませているということを知らない。
悪夢を見たの。また、イリスが死ぬ場面!
「うあうあうーだーあ!」
言葉が伝えられたらどんなにいいだろう。赤ん坊の未発達な声帯のせいか、思考している内容の一割だって言葉にはならない。
先ほどの悪夢に想いを馳せた。
あのシーンなら覚えている。
なぜって? 憤りを覚えたから。
だって、どうして罪のないイリスが死ななくてはならないの? たとえそれが、主人公である本物の聖女の存在を、際立たせる為だとはいえ。
「はあ……」口から赤ちゃんらしからぬ、悩ましいため息が漏れた。
「イリス、イリス。わたしのかわいいイリス、泣かないで」
お母さまの言葉に耳を塞ぎたくなった。
心の中で百億回は罵ったであろう言葉を、また繰り返す。
どうして? どうしてなの?
なんて運が悪いの!
よりにもよって処刑される運命のイリスに生まれ変わっちゃうなんて!
完結済54万字程度の長編です。
第一話前半は劇中劇です。
* * *
冷たい石の床に体を横たえていたイリスは、気配を感じ体をわずか起こし、やがて現れた背の高い男を見て穏やかに微笑んだ。
「ディミトリオスお兄様」
ディミトリオスは、イリスとは対照的に、あらゆる感情を悟られまいとするかのように無表情を取り繕い、平素貼り付けている模範的な廷臣の笑みは鳴りを潜めていた。
整えられた黒髪は頭の後ろで束ねられ、塔を駆け上がったせいか、呼吸は乱れている。その瞳の奥に、ごくわずかな悲哀を見て取り、イリスは更に、冷たい鉄格子に向かって、寄っていった。
自分の運命を、イリスは呪ってはいなかった。誰も恨んではいなかった。今まで生きてきた歳月と同様、全ての運命を受け入れていた。命令の通りに生き、命令の通りに死ぬことに、さほどの疑問は抱かなかった。
数週間続いた裁判は終わり、判決があった。“死罪”。
その瞬間だけ、イリスの心に小さな揺れがあった。――ようやく解放されるのだ、と。
イリスが鉄格子を掴むと、その手ごと、兄は掴んだ。白く小さく、冷たいイリスの手に反して、ディミトリオスの手は日焼けし大きく、火傷しそうなほど熱かった。
「なぜ受け入れる。お前は非道い扱いをされているんだ。
エルアリンドに騙されていた、能力がないのに、そう信じ込まされていたと、ただ、ひとこと、そう言えばいい。自分が聖女だと言ったのは間違っていたと、そう告解するんだ」
暗い牢に、ディミトリオスの声が響く。イリスは首を横に振る。
「いいえ」
「まだ間に合う、オーランド様が恩赦をくださる。全て間違っていたと、聖女はアリア様ただお一人だと、そう言え!」
兄の目は懇願するかのように見開かれ、握る手は震えていた。
「言ってくれ、イリス。それだけでお前は生きられる」
「――いいえ」
「なぜ分からない!」
ディミトリオスは苛立ちを隠さず声を荒げた。
ぱっと彼が鉄格子から離れたため、イリスの手は熱を失う。
「聖女はアリア様だ! お前はテミス家の陰謀の一環として差し出されたただの娘に過ぎない!」
「そうかもしれません」イリスは兄に向かって笑った。「お兄様が見つけた彼女こそ、本物だったのかも、しれません。けれど――」
黄金の瞳に映るみすぼらしい自分の姿を見つめ返しながら、罪人を赦す聖職者のように、慈愛に満ちた笑みを浮かべてみせた。
「けれどわたしは、自分の心に嘘偽りを持ちたくないのです。今までずっと聖女として存在してきました。今でもわたしは、自分がこの国に尽くし、人の為に生まれたのだと、信じています」
十歳で聖女として宮廷に入ってから、十七歳までそう振る舞ってきた。今さら他の自分として生きられるはずがない。
聖女でないと告白するのは、自分を信じた者に対する裏切りだ。聖女の為にと、多くの兵士が戦い命を落とした。だからこそ、聖女が偽物だったと告白するのは、彼らの命に対する侮辱に等しい。
「俺はお前に生きていて欲しい」
イリスは首を横に振る。もう生に執着は持てなかった。愛してくれた人々が、一転して憎悪を向けるこの世界に、これ以上生きる意味はない。
「人を愛しています。愛に生きて、愛に死にます。誰かを憎む前に、清らかな心で終わりたいのです」
あまりにも純粋で悲痛な言葉に、ディミトリオスが顔を歪めた。
最後の望みをかけ救いに来た妹に、拒絶をされたことに対する抵抗から、彼の両手は体の脇で硬く握りしめられた。
兄の姿に、イリスはふいに過去を思い出した。まだ幼い頃、領地の森で迷子になったことがあった。日が暮れる寸前に、ディミトリオスは自分も擦り傷だらけになりながらも必死にイリスを探し、遂に見つけてくれたのだ。彼を見て、安堵したのを、今でもよく覚えている。
あの時の兄は、両手を握りしめて、怒り出す寸前のように、あるいは泣き出す寸前のように、こんな風に情けない顔をして、そうしてイリスを抱きしめたのだ。
しかし今、二人の間に悠然と佇む鉄格子が、決して再現は起こりえないのだと、言外に伝えていた。ディミトリオスがイリスを抱擁することは、二度とない。
「心残りがひとつだけあるとしたら――」
初めて、イリスは自分の頬に涙が流れていることに気がついた。穏やかであった水面に、小石が投げ込まれたように、イリスの心にさざ波が起こっていた。
「幼い頃に過ごしたあの故郷で、ディマ、あなたと一緒にまた笑い合いたかった。それだけが、わたしのたったひとつの望み」
白銀の髪に、透き通るような淡い翡翠色の瞳のイリス。深い夜空のような黒髪に、野生動物のような冷たい金色の瞳のディミトリオス。少しも似ていない兄と妹は、互いに同じ情景を思い浮かべた。
「……なら帰ろう。お前は生きて、俺と一緒に家へ帰るんだ。そうして帝都での数年など、すべて忘れて暮らそう。全てが終わったら、そうしよう――」
「帰れるのでしょうか。あの場所に、本当に? お兄様も一緒に?」
頷くディミトリオスを見て、イリスは遂に言った。
「……明日、言います。わたしは偽者だったのだと、処刑場で告白します」
兄が、安堵の表情を浮かべるのが分かった。
だが結論から言うと、兄妹の約束は、果たされなかった。結論から言うと、イリスは死んだ。
しかしこの時、故郷を思いイリスの心に浮かんだほんの一瞬の喜びは、決して偽りのないものだった。彼女にとっての幸福は、そのまま故郷の形をしていたのだから。
処刑は翌日のことだった。
罪を悔い改めろと迫る司祭に、イリスは、はっきりとした口調で告げた。
「わたしは聖女です。そのことに、嘘偽りを申し上げてはおりません。わたしこそが、まことの聖女でございます」
驚愕の表情でこちらを見つめるディミトリオスを聖女アリアの傍らに見つけ、イリスは微笑みかけた。
結局、決意は変えられなかった。故郷には戻らない。聖女として死ぬ。それが自分の生きた十七年の人生に対する矜持だった。
「どうかお兄様に、神のご加護がありますように」
幼い頃から道具として扱われてきた。ようやく自分の意思を持てた。生まれて初めて、やり返した気分だった。一種の爽快ささえも、覚えていた。
「このローザリアの幸福が未来永劫続くように、聖女イリスは祈り続けます」
もしも来世があるのなら、とイリスは思った。空を飛ぶあの鳥のように、誰にも縛られず、自分の思う通りに生きていきたい。
処刑人の斧が、彼女の首目がけて何度も振り下ろされる。誰かの絶叫を聞きながら、偽の聖女の命は終わりを告げた。
人々が崇拝した偶像は、食肉用の羊のように、いとも容易く屠られた。
◇◆◇
ぎゃあああ、と叫んだように思ったし、多分実際にそうだった。お母さまがすっとんできて、わたしをゆりかごから抱き上げたのだから。
「大丈夫よ。怖いものなんて、なにもないから、かわいい赤ちゃん」
何を言うの? 怖いものだらけだわ!
優しく揺すられても、悪夢が去ったわけではなかった。
優しい声が聞こえても、心が晴れるわけではない。
抗議の声を上げようとしても、口から出たのは情けない赤ちゃんの言葉だった。
「うあー! あーう」
くすくすと母は笑う。
「何を怒るの? あなたには幸福だけが約束されているのよ、かわいいイリス?」
彼女は、その名前こそわたしを悩ませているということを知らない。
悪夢を見たの。また、イリスが死ぬ場面!
「うあうあうーだーあ!」
言葉が伝えられたらどんなにいいだろう。赤ん坊の未発達な声帯のせいか、思考している内容の一割だって言葉にはならない。
先ほどの悪夢に想いを馳せた。
あのシーンなら覚えている。
なぜって? 憤りを覚えたから。
だって、どうして罪のないイリスが死ななくてはならないの? たとえそれが、主人公である本物の聖女の存在を、際立たせる為だとはいえ。
「はあ……」口から赤ちゃんらしからぬ、悩ましいため息が漏れた。
「イリス、イリス。わたしのかわいいイリス、泣かないで」
お母さまの言葉に耳を塞ぎたくなった。
心の中で百億回は罵ったであろう言葉を、また繰り返す。
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