35 / 48
第4話 そして妹がやってきた
しおりを挟む
翌日の朝、食堂でレイズナーと顔を突き合わせ食事を取っていた。
だんだんと、何が起きているのか分かってきたように思った。
「前の世界でのパーティでは、エルナンデスは殺されなかったの。なぜなのか、考えていたんだけど、分かった気がする」
私が言うと、レイズナーがちろりと顔を上げる。
「ハンがエルナンデスを殺したんだわ」
「なぜだ」
「ヒースはあなたを嫌っているんでしょう? あなたと一緒にいるエルナンデスを目撃したから、罪を着せようとしたと思うと、筋が通るように思うの」
「あの男なら、そのくらいのことはやりそうだ」
ため息を吐くレイズナーに、私も目を伏せた。
「私が思っているヒースと、あなたが思っているヒースは違うのね。周りが思っているレイズナー・レイブンと、本当のあなたが違うように」
私は初めから、見たいものしか見れなかったのかもしれない。
ヒースの愛という幻想は美しかったけど、レイズナーの愛という現実は、決して美しいだけではない。痛くて辛くて切ない。それでも求めるのは、後者だった。
はっと、レイズナーが私を見るのが分かった。何かを言いたげに口を開いた瞬間、使用人が朝食の席に現れる。
「ポーリーナ王女がお見えです」
私はレイズナーと目を合わせ、頷き合った。
*
レイズナーを部屋の外に追いやった客間の中で、テーブルをはさみ向かい合うポーリーナは問う。
「暮らしはどう?」
「アイラはレイズナーの愛人ではないし、もうこの屋敷を辞めるのよ。それにポーリーナ、婚約パーティーはやめた方がいいと思う。私たち、騙されているわ」
間髪入れずに言うと、ポーリーナは目を丸くする。
「誰に? 誰に騙されているっていうのよ?」
「ヒースよ。ヒースは多分、私のことも、ポーリーナのことも愛していないわ」
見る間に、ポーリーナの顔は赤く染まる。昔から、怒るとすぐに真っ赤になる子だった。次に言う言葉は、なんとなく予想が付いた。
「嘘よ! ヒースはヴィクトリカお姉様に愛されていなかったって言っていたわ。本当の愛をくれたのは、この私だって!」
驚くほど私は冷静だった。いつかレイズナーに言われたように、ポーリーナに言う。
「それを誰から聞いたの?」
「……ヒースよ!」
「私もヒースに、レイズナーに憎まれていると聞いたわ。だけど本当は逆だったの」
「馬鹿げているわ! お姉様こそ、レイブンに騙されているのよ!」
「いいえ、そうは思わない」
きっぱりと言うと、ポーリーナの大きな瞳が揺れた。
「ポーリーナ。私たち、いつだって支え合って生きてきたでしょう?
ルイサお姉様が嫁がれて、お兄様は冷たくて、周囲の人たちの誰も信用できなかった中で、あなただけはいつだって私の味方だった。私だってそうだわ。いつだってあなたの味方よ」
私と同じ色の瞳が、瞬きもせずに見つめ返してくる。手を握ると、抵抗はされなかった。
「私、あなたが幸せならそれでいいの。だって姉妹よ? たった一人の、かけがえのない妹だわ。あなたは違う?」
「……違わないけど」
小さく、呟くようなポーリーナの声に、私は勇気づけられた。
「私、ヒースのことが本当に好きだったわ。彼も愛してくれていると思ったの。だけど、結婚式の一日前に、彼はあなたと婚約をした。そのことを、私には言わなかったのよ。
ヒースは、もしかすると思っているような人ではないかもしれないわ」
瞬時に手が引き抜かれる。
「そんなこと……そんなことないわ! 彼は素敵な人よ! 私を愛してくれているって、ヴィクトリカお姉様よりも好きだって、言ってくれたもの!」
どん、とポーリーナがテーブルを叩いたためカップが揺れ、紅茶がこぼれた。勢いよく開いたのは扉の方で、レイズナーが飛び込むように入ってくる。
私の側に駆け寄ると、点検するように体を見る。
「君が紅茶をかけられたかと思った」
「平気よ。どうしてそう思ったの?」
「……さあ。言われてみれば不思議だな。どうしてだろうか」
戸惑ったように笑うレイズナーに、怒鳴ったのはポーリーナだった。
「レイブン! やはりあなたは野良犬ね。盗み聞きしていたなんて! お姉様と結婚したのも、奇跡の王女を手に入れたかったからなんでしょう!?」
レイズナーはポーリーナを一瞥すると、どかりと、私の隣に腰掛け、肩に手を回してきた。彼の熱に包まれる。
「いかにも俺は育ちが悪い。だが少なくともグリフィスとは違い、愛のない結婚はしませんよ」
ポーリーナは、愕然とした表情になった。
「ヴィクトリカを愛している。それ以外に、結婚の理由はありません」
レイズナーの声色には、明らかな苛立ちが含まれていた。
「あなたを愛するお姉様と、自分だけしか愛せないあの男と、どちらを信頼するかなど、目に見えていると思いますが」
それから、私の手をつかみ立ち上がらせると、ポーリーナに笑いかけた。
「では今から、ヒース・グリフィスの本性を確かめに参りましょうか?」
だんだんと、何が起きているのか分かってきたように思った。
「前の世界でのパーティでは、エルナンデスは殺されなかったの。なぜなのか、考えていたんだけど、分かった気がする」
私が言うと、レイズナーがちろりと顔を上げる。
「ハンがエルナンデスを殺したんだわ」
「なぜだ」
「ヒースはあなたを嫌っているんでしょう? あなたと一緒にいるエルナンデスを目撃したから、罪を着せようとしたと思うと、筋が通るように思うの」
「あの男なら、そのくらいのことはやりそうだ」
ため息を吐くレイズナーに、私も目を伏せた。
「私が思っているヒースと、あなたが思っているヒースは違うのね。周りが思っているレイズナー・レイブンと、本当のあなたが違うように」
私は初めから、見たいものしか見れなかったのかもしれない。
ヒースの愛という幻想は美しかったけど、レイズナーの愛という現実は、決して美しいだけではない。痛くて辛くて切ない。それでも求めるのは、後者だった。
はっと、レイズナーが私を見るのが分かった。何かを言いたげに口を開いた瞬間、使用人が朝食の席に現れる。
「ポーリーナ王女がお見えです」
私はレイズナーと目を合わせ、頷き合った。
*
レイズナーを部屋の外に追いやった客間の中で、テーブルをはさみ向かい合うポーリーナは問う。
「暮らしはどう?」
「アイラはレイズナーの愛人ではないし、もうこの屋敷を辞めるのよ。それにポーリーナ、婚約パーティーはやめた方がいいと思う。私たち、騙されているわ」
間髪入れずに言うと、ポーリーナは目を丸くする。
「誰に? 誰に騙されているっていうのよ?」
「ヒースよ。ヒースは多分、私のことも、ポーリーナのことも愛していないわ」
見る間に、ポーリーナの顔は赤く染まる。昔から、怒るとすぐに真っ赤になる子だった。次に言う言葉は、なんとなく予想が付いた。
「嘘よ! ヒースはヴィクトリカお姉様に愛されていなかったって言っていたわ。本当の愛をくれたのは、この私だって!」
驚くほど私は冷静だった。いつかレイズナーに言われたように、ポーリーナに言う。
「それを誰から聞いたの?」
「……ヒースよ!」
「私もヒースに、レイズナーに憎まれていると聞いたわ。だけど本当は逆だったの」
「馬鹿げているわ! お姉様こそ、レイブンに騙されているのよ!」
「いいえ、そうは思わない」
きっぱりと言うと、ポーリーナの大きな瞳が揺れた。
「ポーリーナ。私たち、いつだって支え合って生きてきたでしょう?
ルイサお姉様が嫁がれて、お兄様は冷たくて、周囲の人たちの誰も信用できなかった中で、あなただけはいつだって私の味方だった。私だってそうだわ。いつだってあなたの味方よ」
私と同じ色の瞳が、瞬きもせずに見つめ返してくる。手を握ると、抵抗はされなかった。
「私、あなたが幸せならそれでいいの。だって姉妹よ? たった一人の、かけがえのない妹だわ。あなたは違う?」
「……違わないけど」
小さく、呟くようなポーリーナの声に、私は勇気づけられた。
「私、ヒースのことが本当に好きだったわ。彼も愛してくれていると思ったの。だけど、結婚式の一日前に、彼はあなたと婚約をした。そのことを、私には言わなかったのよ。
ヒースは、もしかすると思っているような人ではないかもしれないわ」
瞬時に手が引き抜かれる。
「そんなこと……そんなことないわ! 彼は素敵な人よ! 私を愛してくれているって、ヴィクトリカお姉様よりも好きだって、言ってくれたもの!」
どん、とポーリーナがテーブルを叩いたためカップが揺れ、紅茶がこぼれた。勢いよく開いたのは扉の方で、レイズナーが飛び込むように入ってくる。
私の側に駆け寄ると、点検するように体を見る。
「君が紅茶をかけられたかと思った」
「平気よ。どうしてそう思ったの?」
「……さあ。言われてみれば不思議だな。どうしてだろうか」
戸惑ったように笑うレイズナーに、怒鳴ったのはポーリーナだった。
「レイブン! やはりあなたは野良犬ね。盗み聞きしていたなんて! お姉様と結婚したのも、奇跡の王女を手に入れたかったからなんでしょう!?」
レイズナーはポーリーナを一瞥すると、どかりと、私の隣に腰掛け、肩に手を回してきた。彼の熱に包まれる。
「いかにも俺は育ちが悪い。だが少なくともグリフィスとは違い、愛のない結婚はしませんよ」
ポーリーナは、愕然とした表情になった。
「ヴィクトリカを愛している。それ以外に、結婚の理由はありません」
レイズナーの声色には、明らかな苛立ちが含まれていた。
「あなたを愛するお姉様と、自分だけしか愛せないあの男と、どちらを信頼するかなど、目に見えていると思いますが」
それから、私の手をつかみ立ち上がらせると、ポーリーナに笑いかけた。
「では今から、ヒース・グリフィスの本性を確かめに参りましょうか?」
23
お気に入りに追加
429
あなたにおすすめの小説

【完結】どうやら時戻りをしました。
まるねこ
恋愛
ウルダード伯爵家は借金地獄に陥り、借金返済のため泣く泣く嫁いだ先は王家の闇を担う家。
辛い日々に耐えきれずモアは自らの命を断つ。
時戻りをした彼女は同じ轍を踏まないと心に誓う。
※前半激重です。ご注意下さい
Copyright©︎2023-まるねこ
氷の騎士様は実は太陽の騎士様です。
りつ
恋愛
イリスの婚約者は幼馴染のラファエルである。彼と結婚するまで遠い修道院の寄宿学校で過ごしていたが、十八歳になり、王都へ戻って来た彼女は彼と結婚できる事実に胸をときめかせていた。しかし両親はラファエル以外の男性にも目を向けるよう言い出し、イリスは戸惑ってしまう。
王女殿下や王太子殿下とも知り合い、ラファエルが「氷の騎士」と呼ばれていることを知ったイリス。離れている間の知らなかったラファエルのことを令嬢たちの口から聞かされるが、イリスは次第に違和感を抱き始めて……
※他サイトにも掲載しています
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました
落ちぶれて捨てられた侯爵令嬢は辺境伯に求愛される~今からは俺の溺愛ターンだから覚悟して~
しましまにゃんこ
恋愛
年若い辺境伯であるアレクシスは、大嫌いな第三王子ダマスから、自分の代わりに婚約破棄したセシルと新たに婚約を結ぶように頼まれる。実はセシルはアレクシスが長年恋焦がれていた令嬢で。アレクシスは突然のことにとまどいつつも、この機会を逃してたまるかとセシルとの婚約を引き受けることに。
とんとん拍子に話はまとまり、二人はロイター辺境で甘く穏やかな日々を過ごす。少しずつ距離は縮まるものの、時折どこか悲し気な表情を見せるセシルの様子が気になるアレクシス。
「セシルは絶対に俺が幸せにしてみせる!」
だがそんなある日、ダマスからセシルに王都に戻るようにと伝令が来て。セシルは一人王都へ旅立ってしまうのだった。
追いかけるアレクシスと頑なな態度を崩さないセシル。二人の恋の行方は?
すれ違いからの溺愛ハッピーエンドストーリーです。
小説家になろう、他サイトでも掲載しています。
麗しすぎるイラストは汐の音様からいただきました!
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

【溺愛のはずが誘拐?】王子様に婚約破棄された令嬢は引きこもりましたが・・・お城の使用人達に可愛がられて楽しく暮らしています!
五月ふう
恋愛
ザルトル国に来てから一ヶ月後のある日。最愛の婚約者サイラス様のお母様が突然家にやってきた。
「シエリさん。あなたとサイラスの婚約は認められないわ・・・!すぐに荷物をまとめてここから出ていって頂戴!」
「え・・・と・・・。」
私の名前はシエリ・ウォルターン。17歳。デンバー国伯爵家の一人娘だ。一ヶ月前からサイラス様と共に暮らし始め幸せに暮していたのだが・・・。
「わかったかしら?!ほら、早く荷物をまとめて出ていって頂戴!」
義母様に詰め寄られて、思わずうなずきそうになってしまう。
「な・・・なぜですか・・・?」
両手をぎゅっと握り締めて、義母様に尋ねた。
「リングイット家は側近として代々ザルトル王家を支えてきたのよ。貴方のようなスキャンダラスな子をお嫁さんにするわけにはいかないの!!婚約破棄は決定事項です!」
彼女はそう言って、私を家から追い出してしまった。ちょうどサイラス様は行方不明の王子を探して、家を留守にしている。
どうしよう・・・
家を失った私は、サイラス様を追いかけて隣町に向かったのだがーーー。
この作品は【王子様に婚約破棄された令嬢は引きこもりましたが・・・お城の使用人達に可愛がられて楽しく暮らしています!】のスピンオフ作品です。
この作品だけでもお楽しみいただけますが、気になる方は是非上記の作品を手にとってみてください。
第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ化企画進行中「妹に全てを奪われた元最高聖女は隣国の皇太子に溺愛される」完結
まほりろ
恋愛
第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ企画進行中。
コミカライズ化がスタートしましたらこちらの作品は非公開にします。
部屋にこもって絵ばかり描いていた私は、聖女の仕事を果たさない役立たずとして、王太子殿下に婚約破棄を言い渡されました。
絵を描くことは国王陛下の許可を得ていましたし、国中に結界を張る仕事はきちんとこなしていたのですが……。
王太子殿下は私の話に聞く耳を持たず、腹違い妹のミラに最高聖女の地位を与え、自身の婚約者になさいました。
最高聖女の地位を追われ無一文で追い出された私は、幼なじみを頼り海を越えて隣国へ。
私の描いた絵には神や精霊の加護が宿るようで、ハルシュタイン国は私の描いた絵の力で発展したようなのです。
えっ? 私がいなくなって精霊の加護がなくなった? 妹のミラでは魔力量が足りなくて国中に結界を張れない?
私は隣国の皇太子様に溺愛されているので今更そんなこと言われても困ります。
というより海が荒れて祖国との国交が途絶えたので、祖国が危機的状況にあることすら知りません。
小説家になろう、アルファポリス、pixivに投稿しています。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
小説家になろうランキング、異世界恋愛/日間2位、日間総合2位。週間総合3位。
pixivオリジナル小説ウィークリーランキング5位に入った小説です。
【改稿版について】
コミカライズ化にあたり、作中の矛盾点などを修正しようと思い全文改稿しました。
ですが……改稿する必要はなかったようです。
おそらくコミカライズの「原作」は、改稿前のものになるんじゃないのかなぁ………多分。その辺良くわかりません。
なので、改稿版と差し替えではなく、改稿前のデータと、改稿後のデータを分けて投稿します。
小説家になろうさんに問い合わせたところ、改稿版をアップすることは問題ないようです。
よろしければこちらも読んでいただければ幸いです。
※改稿版は以下の3人の名前を変更しています。
・一人目(ヒロイン)
✕リーゼロッテ・ニクラス(変更前)
◯リアーナ・ニクラス(変更後)
・二人目(鍛冶屋)
✕デリー(変更前)
◯ドミニク(変更後)
・三人目(お針子)
✕ゲレ(変更前)
◯ゲルダ(変更後)
※下記二人の一人称を変更
へーウィットの一人称→✕僕◯俺
アルドリックの一人称→✕私◯僕
※コミカライズ化がスタートする前に規約に従いこちらの先品は削除します。

【完結】契約の花嫁だったはずなのに、無口な旦那様が逃がしてくれません
Rohdea
恋愛
──愛されない契約の花嫁だったはずなのに、何かがおかしい。
家の借金返済を肩代わりして貰った代わりに
“お飾りの妻が必要だ”
という謎の要求を受ける事になったロンディネ子爵家の姉妹。
ワガママな妹、シルヴィが泣いて嫌がった為、必然的に自分が嫁ぐ事に決まってしまった姉のミルフィ。
そんなミルフィの嫁ぎ先は、
社交界でも声を聞いた人が殆どいないと言うくらい無口と噂されるロイター侯爵家の嫡男、アドルフォ様。
……お飾りの妻という存在らしいので、愛される事は無い。
更には、用済みになったらポイ捨てされてしまうに違いない!
そんな覚悟で嫁いだのに、
旦那様となったアドルフォ様は確かに無口だったけど───……
一方、ミルフィのものを何でも欲しがる妹のシルヴィは……

あなた方には後悔してもらいます!
風見ゆうみ
恋愛
私、リサ・ミノワーズは小国ではありますが、ミドノワール国の第2王女です。
私の国では代々、王の子供であれば、性別や生まれの早い遅いは関係なく、成人近くになると王となるべき人の胸元に国花が浮き出ると言われていました。
国花は今まで、長男や長女にしか現れなかったそうですので、次女である私は、姉に比べて母からはとても冷遇されておりました。
それは私が17歳の誕生日を迎えた日の事、パーティー会場の外で姉の婚約者と私の婚約者が姉を取り合い、喧嘩をしていたのです。
婚約破棄を受け入れ、部屋に戻り1人で泣いていると、私の胸元に国花が浮き出てしまったじゃないですか!
お父様にその事を知らせに行くと、そこには隣国の国王陛下もいらっしゃいました。
事情を知った陛下が息子である第2王子を婚約者兼協力者として私に紹介して下さる事に!
彼と一緒に元婚約者達を後悔させてやろうと思います!
※史実とは関係ない異世界の世界観であり、話の中での色々な設定は話の都合、展開の為のご都合主義、ゆるい設定ですので、そんな世界なのだとご了承いただいた上でお読み下さいませ。
※話が合わない場合は閉じていただきますよう、お願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる