19 / 48
第1話 繰り返す
しおりを挟む
「君は嫌だろうが、俺は嫌ではない。どうぞよろしく、レディ・ヴィクトリカ」
そう言って跪き、手にキスをするレイズナーを、私は呆然と見下ろした。
震え上がりそうになる足に、力を込める。
また、この日に戻ってきてしまった。
無駄だったの? 足掻きは、更なる深みに嵌るだけだったというの。
死の運命から、逃れられたわけではなかった。彼と過ごした一週間足らずの日々が、単に延長されただけだったのだ。
声も出せない私の顔を見て、レイズナーは眉を顰める。以前ならこの表情を、とても恐ろしいと思ったことだろう。だけど今は、怖くはない。
「ヒースはお前との婚約を破棄し、ポーリーナと結婚をする。いいな?」
お兄様の声は、どこか遠い場所から聞こえてくるみたいだ。
「気分でも悪いのか」
長髪を揺らしながらレイズナーがさらに寄り、問いかけた。気分なら、もうずっと悪かった。
咳払いを一つして、満面の作り笑顔で応じた。
「お受けいたします。結婚しましょう、レイズナー」
彼の眉間の皺が濃くなる様子を見て、私は愉快になる。せいぜい訝しがるといいんだわ。私を騙した償いには到底ならないけれど。
どうせなら、と覚悟を決めていた。
私が数日間生き延びたことに、何か理由があるはずだ。彼と結婚すれば、少なくとも今日は死なないし、その間に理由を突き止めよう、と。
レイズナーはお兄様に向き直る。
「陛下、彼女と二人で話すお許しをいただけませんか」
「これから二人の時間は腐るほどあるというのに。いいだろう、好きにしろ」
既視感のある台詞を吐き、お兄様は部屋を出て行く。
「何を企んでいるんだ?」
「企んでいるのは、レイズナー、あなたでしょう?」
「光栄だな、ヴィクトリカ。いつから君は、俺を名前で呼んでくれるようになったのかな」
苦笑するレイズナーを見て、言うことを聞かない胸がときめいた。まったく忌々しい。
「座りなさいレイズナー」
命じると、胡散臭そうに私を見つめながら、レイズナーはソファーにかけ、隣に座るように手で促してきた。だが私は立ったまま、彼を見下ろす。
「レイズナー・レイブン。私はあなたがとても嫌いよ。だけど結婚してあげるわ。持参金と、地位と名誉を与えてあげる」
「随分な言い様だ」
彼が鼻で笑う。
「勘違いするのも仕方が無いが、俺は君が好きだから、結婚の許しを陛下に請うたんだ」
嘘ばっかり。もう騙されるものですか。
睨み付けていると、レイズナーが立ち上がった。
「立ち上がる許可はしてないわ!」
「だけど式の準備をしなくてはならない。裸で俺の前で着替えてもいいというなら別だけどね。君の誤解は、今夜ゆっくり解くとしよう」
私の髪の一房に彼は触れ、指先でもてあそんだ後で、ゆっくりと離した。私の愚かな心臓は、彼が触れるだけで歓喜する。
「では妻よ。式で会おう」
式に、前回と変わった様子はなかった。カーソンお兄様とポーリーナがいて、ルイサお姉様とヒースはいない。
繰り返された今日の中で、私が何度も死んだ原因が、あの影に殺されていたからだとしたら、今日いる人物と婚約パーティにいた人物が、必然的に影を操る犯人だ。
そもそもあの影は何なんだろう。きっと魔法だ、と思った。だとしたら、魔法を使える人間は限られる。
ヒース。
そしてレイズナー。
隣で司祭の言葉を聞いているレイズナーを横目で見る。と、彼と目が合った。
「見惚れてしまうのは仕方が無いが、そろそろ台詞が来るぞ」
囁き声はぞくりとするほど魅力的だ。「誓います」ただそれだけの言葉を、私は言った。
ヒースはこの場にいないけれど、なんたって、宮廷魔法使いの片翼なのだから、城に出入りすることを疑われることはない。考えたくはないけれど、彼が私を殺す機会は、有無で考えると“有”だ。
ではもう片翼を担う魔法使い、レイズナーは――。どちらかと言えば、彼の方が疑わしい。パーティ会場で私が殺される前、こちらに向かって手を翳し、魔法を放とうとしていたのだから。
だけど、ハンと一緒にいたときに襲われた際は助けてくれた。殺すのならあの時が絶好の機会だったはずなのに。いいえそうでなくとも、私を殺すだけならいつだって可能だ。
あるいは他に、魔法を使う人間が潜んでいたのか――あり得なくはない。黙っていれば、誰もその人が魔法使いだなんて考えない。
容疑者は更に広がる。今日いて、あの日にいたという条件は、この会場にいるほとんど全ての人に当てはまった。
ふと肩に、レイズナーの大きな手が触れ、私の思考は戻された。続いてキスがある。
誓いのキスは二度目だな、とぼんやり考えた。
嘘ばかりだ。
思わず冷笑が漏れ、レイズナーが奇妙なものを見たかのように眉を顰める。
レイズナーはキンバリー・グレイホルムを愛している。私はそれを知っていて、彼を愛さないと決めている。
どちらも、愛なんて誓っていない。この結婚式は偽りだった。
*
馬車での会話はほとんどなく、私は死ぬこともなく、レイズナーと共に屋敷に着いた。
「疲れているのか?」
「望まぬ結婚ですもの。当たり前でしょう」
レイズナーも、私の様子を不審に思っているようで、以前のように軽口を叩くことも、言い寄ってくることもない。私にとっても好都合で、早々に部屋に引きこもった。
ともかく、パーティまでは死ぬことがない。
――いえ、本当に?
楽観的観測を打ち消した。道で一度襲われているのだ、パーティで機会が訪れただけで、影は私の殺害を虎視眈々と狙っているのかもしれない。
身震いをしたとき、控えめなノックの音の後で、静かな声が聞こえてきた。
「ヴィクトリカ。入ってもいいか」
レイズナーだった。
「いいえ嫌よ」
「妙なことはしないよ。君の様子が気がかりだ。心配している」
「心配はいらないわ。あなたといたくないだけだから」
自分でも分かるほどのきつい言い方になってしまった。
罪悪感を誤魔化すように、私は、まだ会ってさえいない彼女の手助けをする。
「メイドのアイラが馬小屋に異国の男性を隠しているけど、役に立つから雇ってあげて。遊牧民は馬の世話が得意だから」
「なんだって?」
疑わしさが存分に含まれた声色だったが、彼の性格的に、確かめずにはいられないだろう。
扉の前から気配が消え、足音が遠ざかっていくのを感じた。
窓から外を眺めていると、レイズナーが馬屋に向かうおぼろげな光が見えた。
しばらくの後、ハンが連れ出される。屋敷から飛び出したアイラが慌てた様子でそれに駆け寄り、三人はなにやら言い争い、そしてやはり、レイズナーが折れたようだ。
彼が肩をすくめ――突然私の部屋に目を向けたため、慌てて隠れる。だがばっちりと目が合ってしまった。
ベッドに潜り込み目を閉じていると、再び足音が近づき、私の部屋の前で止まる。
「君の助言の通り、彼を雇うことにした。片言のやりとりには参ったけどね。――ところで、なぜ彼が馬屋に匿われていることを知っていたんだ?」
知っているのは、それだけじゃないと言い返したくなる衝動を抑え、私は答えた。
「言ったとしても、信じないわ」
「君が真実として言ったことなら、なんでも信じる」
「信じるふりはできるでしょう。私は嘘を見破るのが下手だから、簡単に騙されてしまうわ」
頑なな私の心を感じ取ったのか、沈黙の後、やがてレイズナーの声がした。
「おやすみ、ヴィクトリカ」
声に含まれる優しささえ、計算の上なのだろう。にじむ涙に気付かないフリをして、私は目を閉じた。
そう言って跪き、手にキスをするレイズナーを、私は呆然と見下ろした。
震え上がりそうになる足に、力を込める。
また、この日に戻ってきてしまった。
無駄だったの? 足掻きは、更なる深みに嵌るだけだったというの。
死の運命から、逃れられたわけではなかった。彼と過ごした一週間足らずの日々が、単に延長されただけだったのだ。
声も出せない私の顔を見て、レイズナーは眉を顰める。以前ならこの表情を、とても恐ろしいと思ったことだろう。だけど今は、怖くはない。
「ヒースはお前との婚約を破棄し、ポーリーナと結婚をする。いいな?」
お兄様の声は、どこか遠い場所から聞こえてくるみたいだ。
「気分でも悪いのか」
長髪を揺らしながらレイズナーがさらに寄り、問いかけた。気分なら、もうずっと悪かった。
咳払いを一つして、満面の作り笑顔で応じた。
「お受けいたします。結婚しましょう、レイズナー」
彼の眉間の皺が濃くなる様子を見て、私は愉快になる。せいぜい訝しがるといいんだわ。私を騙した償いには到底ならないけれど。
どうせなら、と覚悟を決めていた。
私が数日間生き延びたことに、何か理由があるはずだ。彼と結婚すれば、少なくとも今日は死なないし、その間に理由を突き止めよう、と。
レイズナーはお兄様に向き直る。
「陛下、彼女と二人で話すお許しをいただけませんか」
「これから二人の時間は腐るほどあるというのに。いいだろう、好きにしろ」
既視感のある台詞を吐き、お兄様は部屋を出て行く。
「何を企んでいるんだ?」
「企んでいるのは、レイズナー、あなたでしょう?」
「光栄だな、ヴィクトリカ。いつから君は、俺を名前で呼んでくれるようになったのかな」
苦笑するレイズナーを見て、言うことを聞かない胸がときめいた。まったく忌々しい。
「座りなさいレイズナー」
命じると、胡散臭そうに私を見つめながら、レイズナーはソファーにかけ、隣に座るように手で促してきた。だが私は立ったまま、彼を見下ろす。
「レイズナー・レイブン。私はあなたがとても嫌いよ。だけど結婚してあげるわ。持参金と、地位と名誉を与えてあげる」
「随分な言い様だ」
彼が鼻で笑う。
「勘違いするのも仕方が無いが、俺は君が好きだから、結婚の許しを陛下に請うたんだ」
嘘ばっかり。もう騙されるものですか。
睨み付けていると、レイズナーが立ち上がった。
「立ち上がる許可はしてないわ!」
「だけど式の準備をしなくてはならない。裸で俺の前で着替えてもいいというなら別だけどね。君の誤解は、今夜ゆっくり解くとしよう」
私の髪の一房に彼は触れ、指先でもてあそんだ後で、ゆっくりと離した。私の愚かな心臓は、彼が触れるだけで歓喜する。
「では妻よ。式で会おう」
式に、前回と変わった様子はなかった。カーソンお兄様とポーリーナがいて、ルイサお姉様とヒースはいない。
繰り返された今日の中で、私が何度も死んだ原因が、あの影に殺されていたからだとしたら、今日いる人物と婚約パーティにいた人物が、必然的に影を操る犯人だ。
そもそもあの影は何なんだろう。きっと魔法だ、と思った。だとしたら、魔法を使える人間は限られる。
ヒース。
そしてレイズナー。
隣で司祭の言葉を聞いているレイズナーを横目で見る。と、彼と目が合った。
「見惚れてしまうのは仕方が無いが、そろそろ台詞が来るぞ」
囁き声はぞくりとするほど魅力的だ。「誓います」ただそれだけの言葉を、私は言った。
ヒースはこの場にいないけれど、なんたって、宮廷魔法使いの片翼なのだから、城に出入りすることを疑われることはない。考えたくはないけれど、彼が私を殺す機会は、有無で考えると“有”だ。
ではもう片翼を担う魔法使い、レイズナーは――。どちらかと言えば、彼の方が疑わしい。パーティ会場で私が殺される前、こちらに向かって手を翳し、魔法を放とうとしていたのだから。
だけど、ハンと一緒にいたときに襲われた際は助けてくれた。殺すのならあの時が絶好の機会だったはずなのに。いいえそうでなくとも、私を殺すだけならいつだって可能だ。
あるいは他に、魔法を使う人間が潜んでいたのか――あり得なくはない。黙っていれば、誰もその人が魔法使いだなんて考えない。
容疑者は更に広がる。今日いて、あの日にいたという条件は、この会場にいるほとんど全ての人に当てはまった。
ふと肩に、レイズナーの大きな手が触れ、私の思考は戻された。続いてキスがある。
誓いのキスは二度目だな、とぼんやり考えた。
嘘ばかりだ。
思わず冷笑が漏れ、レイズナーが奇妙なものを見たかのように眉を顰める。
レイズナーはキンバリー・グレイホルムを愛している。私はそれを知っていて、彼を愛さないと決めている。
どちらも、愛なんて誓っていない。この結婚式は偽りだった。
*
馬車での会話はほとんどなく、私は死ぬこともなく、レイズナーと共に屋敷に着いた。
「疲れているのか?」
「望まぬ結婚ですもの。当たり前でしょう」
レイズナーも、私の様子を不審に思っているようで、以前のように軽口を叩くことも、言い寄ってくることもない。私にとっても好都合で、早々に部屋に引きこもった。
ともかく、パーティまでは死ぬことがない。
――いえ、本当に?
楽観的観測を打ち消した。道で一度襲われているのだ、パーティで機会が訪れただけで、影は私の殺害を虎視眈々と狙っているのかもしれない。
身震いをしたとき、控えめなノックの音の後で、静かな声が聞こえてきた。
「ヴィクトリカ。入ってもいいか」
レイズナーだった。
「いいえ嫌よ」
「妙なことはしないよ。君の様子が気がかりだ。心配している」
「心配はいらないわ。あなたといたくないだけだから」
自分でも分かるほどのきつい言い方になってしまった。
罪悪感を誤魔化すように、私は、まだ会ってさえいない彼女の手助けをする。
「メイドのアイラが馬小屋に異国の男性を隠しているけど、役に立つから雇ってあげて。遊牧民は馬の世話が得意だから」
「なんだって?」
疑わしさが存分に含まれた声色だったが、彼の性格的に、確かめずにはいられないだろう。
扉の前から気配が消え、足音が遠ざかっていくのを感じた。
窓から外を眺めていると、レイズナーが馬屋に向かうおぼろげな光が見えた。
しばらくの後、ハンが連れ出される。屋敷から飛び出したアイラが慌てた様子でそれに駆け寄り、三人はなにやら言い争い、そしてやはり、レイズナーが折れたようだ。
彼が肩をすくめ――突然私の部屋に目を向けたため、慌てて隠れる。だがばっちりと目が合ってしまった。
ベッドに潜り込み目を閉じていると、再び足音が近づき、私の部屋の前で止まる。
「君の助言の通り、彼を雇うことにした。片言のやりとりには参ったけどね。――ところで、なぜ彼が馬屋に匿われていることを知っていたんだ?」
知っているのは、それだけじゃないと言い返したくなる衝動を抑え、私は答えた。
「言ったとしても、信じないわ」
「君が真実として言ったことなら、なんでも信じる」
「信じるふりはできるでしょう。私は嘘を見破るのが下手だから、簡単に騙されてしまうわ」
頑なな私の心を感じ取ったのか、沈黙の後、やがてレイズナーの声がした。
「おやすみ、ヴィクトリカ」
声に含まれる優しささえ、計算の上なのだろう。にじむ涙に気付かないフリをして、私は目を閉じた。
23
お気に入りに追加
429
あなたにおすすめの小説

【完結】どうやら時戻りをしました。
まるねこ
恋愛
ウルダード伯爵家は借金地獄に陥り、借金返済のため泣く泣く嫁いだ先は王家の闇を担う家。
辛い日々に耐えきれずモアは自らの命を断つ。
時戻りをした彼女は同じ轍を踏まないと心に誓う。
※前半激重です。ご注意下さい
Copyright©︎2023-まるねこ

忘れられたら苦労しない
菅井群青
恋愛
結婚を考えていた彼氏に突然振られ、二年間引きずる女と同じく過去の恋に囚われている男が出会う。
似ている、私たち……
でもそれは全然違った……私なんかより彼の方が心を囚われたままだ。
別れた恋人を忘れられない女と、運命によって引き裂かれ突然亡くなった彼女の思い出の中で生きる男の物語
「……まだいいよ──会えたら……」
「え?」
あなたには忘れらない人が、いますか?──

【完結済】平凡令嬢はぼんやり令息の世話をしたくない
天知 カナイ
恋愛
【完結済 全24話】ヘイデン侯爵の嫡男ロレアントは容姿端麗、頭脳明晰、魔法力に満ちた超優良物件だ。周りの貴族子女はこぞって彼に近づきたがる。だが、ロレアントの傍でいつも世話を焼いているのは、見た目も地味でとりたてて特長もないリオ―チェだ。ロレアントは全てにおいて秀でているが、少し生活能力が薄く、いつもぼんやりとしている。国都にあるタウンハウスが隣だった縁で幼馴染として育ったのだが、ロレアントの母が亡くなる時「ロレンはぼんやりしているから、リオが面倒見てあげてね」と頼んだので、律義にリオ―チェはそれを守り何くれとなくロレアントの世話をしていた。
だが、それが気にくわない人々はたくさんいて様々にリオ―チェに対し嫌がらせをしてくる。だんだんそれに疲れてきたリオーチェは‥。
氷の騎士様は実は太陽の騎士様です。
りつ
恋愛
イリスの婚約者は幼馴染のラファエルである。彼と結婚するまで遠い修道院の寄宿学校で過ごしていたが、十八歳になり、王都へ戻って来た彼女は彼と結婚できる事実に胸をときめかせていた。しかし両親はラファエル以外の男性にも目を向けるよう言い出し、イリスは戸惑ってしまう。
王女殿下や王太子殿下とも知り合い、ラファエルが「氷の騎士」と呼ばれていることを知ったイリス。離れている間の知らなかったラファエルのことを令嬢たちの口から聞かされるが、イリスは次第に違和感を抱き始めて……
※他サイトにも掲載しています
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました

私が、良いと言ってくれるので結婚します
あべ鈴峰
恋愛
幼馴染のクリスと比較されて悲しい思いをしていたロアンヌだったが、突然現れたレグール様のプロポーズに 初対面なのに結婚を決意する。
しかし、その事を良く思わないクリスが・・。
【完結】欲しがり義妹に王位を奪われ偽者花嫁として嫁ぎました。バレたら処刑されるとドキドキしていたらイケメン王に溺愛されてます。
美咲アリス
恋愛
【Amazonベストセラー入りしました(長編版)】「国王陛下!わたくしは偽者の花嫁です!どうぞわたくしを処刑してください!!」「とりあえず、落ち着こうか?(にっこり)」意地悪な義母の策略で義妹の代わりに辺境国へ嫁いだオメガ王女のフウル。正直な性格のせいで嘘をつくことができずに命を捨てる覚悟で夫となる国王に真実を告げる。だが美貌の国王リオ・ナバはなぜかにっこりと微笑んだ。そしてフウルを甘々にもてなしてくれる。「きっとこれは処刑前の罠?」不幸生活が身についたフウルはビクビクしながら城で暮らすが、実は国王にはある考えがあって⋯⋯?
氷の公爵の婚姻試験
黎
恋愛
ある日、若き氷の公爵レオンハルトからある宣言がなされた――「私のことを最もよく知る女性を、妻となるべき者として迎える。その出自、身分その他一切を問わない。」。公爵家の一員となる一世一代のチャンスに王国中が沸き、そして「公爵レオンハルトを最もよく知る女性」の選抜試験が行われた。

侯爵令嬢はざまぁ展開より溺愛ルートを選びたい
花月
恋愛
内気なソフィア=ドレスデン侯爵令嬢の婚約者は美貌のナイジェル=エヴァンス公爵閣下だったが、王宮の中庭で美しいセリーヌ嬢を抱きしめているところに遭遇してしまう。
ナイジェル様から婚約破棄を告げられた瞬間、大聖堂の鐘の音と共に身体に異変が――。
あら?目の前にいるのはわたし…?「お前は誰だ!?」叫んだわたしの姿の中身は一体…?
ま、まさかのナイジェル様?何故こんな展開になってしまったの??
そして婚約破棄はどうなるの???
ほんの数時間の魔法――一夜だけの入れ替わりに色々詰め込んだ、ちぐはぐラブコメ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる