7 / 48
第7話 メイドのアイラが抱える秘密
しおりを挟む中は思っていたよりも明るかった。なんだかこの世界を無茶苦茶に変えた元凶の会社の割には普通の所だ。メインホールは広くて綺麗だ。清掃も行き届いている。もっと秘密基地っぽくて汚いところだと思っていた。なんか拍子抜けだな。
ここから桃を探すのには骨が折れそうだ。だがそれは普通にしたらの話だ。俺には秘策がある。
ポケットから1枚の布切れを取り出した。これは桃が着ていた服の切れ端である。もしも、桃とはぐれたりした時にヒルに探してもらえるように一応持っておいたのだ。
ヒルに切れ端を嗅がせる。ヒルはイヌ科なので鼻がいい。だから桃の匂いを追跡して居場所を見つけることができるのだ。
ヒルが地面に鼻をつけて歩き始めた。俺も後ろをついていく。
しばらく歩いていると、ふと気になることがあった。人がいない。人っ子一人いない。正面入口を守ってる人がいるから誰もいないってことはないはずだ。しかしいない。
置いてあったウォーターサーバーは最近使われてた形跡があった。だから完全に人がいないっていうのはないと思う。なんかよく分からない所だな。
それに結構入り組んでいる。とゆうより会社っぽくない。完全に研究所のようだ。そこら辺に自動で動いてるロボットや書類が置いてある。
またさらにしばらく進んでいると非常用扉の所についた。ここの前でヒルも立ち止まった。
「……ここにいるのか?」
「ワン」
「ワンじゃ分からんよ」
扉は銀色でまぁどこにでもある非常用扉という感じだ。分厚さは普通くらい。この先に桃がいるのかは分からないがとりあえず行ってみることにしよう。
ドアノブに手をかけた。しかし扉はあかない。扉の横を見てみると、小型のテレビみたいなのがついてあった。この扉に鍵穴はないから、こっちでパスワードでも打つのだろう。
小型のテレビみたなのに触れてみる。ピコッという電子音が鳴った。
「指紋認証中……画面から指を離さないでください」
「は?……え?」
画面から若い女の人の声が聞こえた。言われるがまま指をつける。
「指紋認証中……指紋認証中……合致しました。お入りください糞餓鬼様」
「は?おいなんだその名前。つーかなんで合致したんだよ」
カチャンと扉の鍵が開く音がした。なんか色々と納得できない。なんで俺の指紋が登録されてるんだろう。でも開いたしな……行くか。
扉の先は薄暗い廊下だった。空気がひんやりしててお化け屋敷みたいな雰囲気をしている。地面は大理石で踏む度にキュッキュッという音が出る。
灯りが見えた。何か音もする。ここから先には何があるんだろうか。とりあえず行かないとな。
そこはとても白くて、広い所だった。半径約30mくらいの円柱の空間でそこから壁に沿って下に螺旋階段が続いている。下までは目測で100mはある。すごい高い。
1番下には木箱や車が置いてある。もし落ちてもそれがクッションになれば生き残れるかもな。やりたくはないが。
道なりに沿って階段を降りる。ヒルの追跡はまだ終わってはいない。手すりもないのでうっかり横に転けたら落ちてしまう。うっかりで済む怪我ではなくなるぞ。
何段か降りるとと横に廊下を見つけた。ヒルもそこに入っていった。電気はついているのでホラー的な展開になることはないだろう。俺もその廊下に入っていった。
不気味な所だ。殺風景な白い通路がずっと続いている。どこかで変化はないかと探すが曲がり角があるくらいで何も無い。匂いも全くしない。まるで夢の世界に来たようだ。
ヒルはこんな所でも匂いを嗅ぎとることができるのかと感心した。俺だとなんか発狂しそうだ。
ガタッ
音がした。即座に矢をつがえて構える。ヒルも音を聞いたようで、唸りはじめた。
カツン……カツン……。
誰かが歩いてくる音がする。ここは十字路。どこに誰がいるかも分からない。弓を構えながら辺りを見渡す。何もない。でも音はする。頭がおかしくなりそうだ。
カツン……カツン……カツン。
音が止まった。近くにいる。もしかしたらこの階ではなく下の階かもしれない。呼吸が乱れる。気が狂いそうなほど何もない空間にいながら何かがいるという状況。俺にはとんでもないストレスが溜まっていた。
ストレスに耐えられない。だが走り出したらその何かに位置がバレる可能性がある。それはまずい。だから走るのではなく、すり足で移動する。これなら音は出ない。
少しずつだ。とにかくここから離れたい。ヒルも俺の状況を感じ取ったのか、できるだけ音を立てないようにしてくれている。この子は多分、そこら辺の人間よりも頭がいいんだろうな。
10mくらい移動した時、気がついた。音が止まっている。足音が聞こえない。聞こえないなら聞こえないでいいのだがそういう問題ではない。さっきまで聞こえていた音が無くなったのだ。
なぜ消えたのだ。疑問が頭を突っ走った。気のせいでは絶対にない。確実に何かがいる。その何かが俺を狙っている。体重が3倍に増えたような感覚に陥った。
ミシミシ……。
何か音が聞こえた。下からだ。見たところ廊下や階段は新品だった。だから老朽化で音を立てたのではない。何かが下で何かをしているのだ。
ドス。
下から手が出てきた。黒い手袋をつけている。一瞬何が起こったのか分からなかった。まぁ当たり前だろう。
その手は凄まじい力で俺の足首を掴んできた。
「なっっ――」
声を出す暇もなく、俺は地面へと引っ張られた。辺りの地面が崩れ落ち、俺の体もろとも下の階へと落ちていった。といっても4mほどだが。
辺りに砂煙が充満していた。地面に背中がぶつかる。痛い……が、これくらいは慣れた。まだ足首には掴まれてる感覚がする。
突然、砂煙の中から大柄の女性が出てきた。
俺の足首を掴んでいるのはこの女だ。
俺はそれを瞬時に理解した。
女が俺の腹めがけて拳を叩きつけてきた。当たるともちろんヤバい。体を捻って拳から逃げる。俺の体がいた位置に叩きつけられた拳はかなり硬いであろう地面に綺麗な穴を空けていた。
当たったら死ぬ。直感でそんなことはわかった。とりあえず女の手を離させないといけない。
クイーバーから矢を取り出して女の手に突き刺した。女の体が少し震えた。しかし手は一向に離れる気配はない。なんなら強くなった。
女がこっちに顔を向けた。明らかな殺意のこもった目をしている。これはヤバい。まじでヤバい。
俺は体を捻って女の鼻にめがけて蹴りを入れた。女の手が緩まった。その隙に女の腕を蹴り飛ばして、ゴロゴロと転がりながら女との距離をとった。
立ち上がって女の方を確認する。女との距離は5m。下の階には来たが、上の階とあまり風景は変わらない。
少し冷静になって女の容姿を見てみた。女の体格はとんでもなくでかく、身長は2mもありそうだ。髪は茶髪でロング。黒いスーツと手袋をしており、スタイルもいい。洋画に出てくる強い女の人みたいだ。
女が立ち上がった。この硬い地面に穴を空けられるほどのパワー。こいつも化け物だろう。気おつけないと。
「……チッ」
舌打ちをされた。俺も舌打ちをしたいくらいなんだがな。
「脱走者の次は侵入者……私を過労死させる気なの?」
「……別に休んでくれても俺は構わないけど?」
「それができたらいいんだけどね……でも、あの人のことを考えるならあなたを殺さないといけないの」
「一方通行の恋は痛い目を見ることが多いぞ」
「うるさい口ね。さっさと喋れなくしてやるわ」
女が手袋を引いた。手袋は結構薄いようで女の大きい手が強調されている。まさか黒幕の本拠地に入っていきなりボス戦とはな。……上等だ。
俺は弦を引いた。
続く
ここから桃を探すのには骨が折れそうだ。だがそれは普通にしたらの話だ。俺には秘策がある。
ポケットから1枚の布切れを取り出した。これは桃が着ていた服の切れ端である。もしも、桃とはぐれたりした時にヒルに探してもらえるように一応持っておいたのだ。
ヒルに切れ端を嗅がせる。ヒルはイヌ科なので鼻がいい。だから桃の匂いを追跡して居場所を見つけることができるのだ。
ヒルが地面に鼻をつけて歩き始めた。俺も後ろをついていく。
しばらく歩いていると、ふと気になることがあった。人がいない。人っ子一人いない。正面入口を守ってる人がいるから誰もいないってことはないはずだ。しかしいない。
置いてあったウォーターサーバーは最近使われてた形跡があった。だから完全に人がいないっていうのはないと思う。なんかよく分からない所だな。
それに結構入り組んでいる。とゆうより会社っぽくない。完全に研究所のようだ。そこら辺に自動で動いてるロボットや書類が置いてある。
またさらにしばらく進んでいると非常用扉の所についた。ここの前でヒルも立ち止まった。
「……ここにいるのか?」
「ワン」
「ワンじゃ分からんよ」
扉は銀色でまぁどこにでもある非常用扉という感じだ。分厚さは普通くらい。この先に桃がいるのかは分からないがとりあえず行ってみることにしよう。
ドアノブに手をかけた。しかし扉はあかない。扉の横を見てみると、小型のテレビみたいなのがついてあった。この扉に鍵穴はないから、こっちでパスワードでも打つのだろう。
小型のテレビみたなのに触れてみる。ピコッという電子音が鳴った。
「指紋認証中……画面から指を離さないでください」
「は?……え?」
画面から若い女の人の声が聞こえた。言われるがまま指をつける。
「指紋認証中……指紋認証中……合致しました。お入りください糞餓鬼様」
「は?おいなんだその名前。つーかなんで合致したんだよ」
カチャンと扉の鍵が開く音がした。なんか色々と納得できない。なんで俺の指紋が登録されてるんだろう。でも開いたしな……行くか。
扉の先は薄暗い廊下だった。空気がひんやりしててお化け屋敷みたいな雰囲気をしている。地面は大理石で踏む度にキュッキュッという音が出る。
灯りが見えた。何か音もする。ここから先には何があるんだろうか。とりあえず行かないとな。
そこはとても白くて、広い所だった。半径約30mくらいの円柱の空間でそこから壁に沿って下に螺旋階段が続いている。下までは目測で100mはある。すごい高い。
1番下には木箱や車が置いてある。もし落ちてもそれがクッションになれば生き残れるかもな。やりたくはないが。
道なりに沿って階段を降りる。ヒルの追跡はまだ終わってはいない。手すりもないのでうっかり横に転けたら落ちてしまう。うっかりで済む怪我ではなくなるぞ。
何段か降りるとと横に廊下を見つけた。ヒルもそこに入っていった。電気はついているのでホラー的な展開になることはないだろう。俺もその廊下に入っていった。
不気味な所だ。殺風景な白い通路がずっと続いている。どこかで変化はないかと探すが曲がり角があるくらいで何も無い。匂いも全くしない。まるで夢の世界に来たようだ。
ヒルはこんな所でも匂いを嗅ぎとることができるのかと感心した。俺だとなんか発狂しそうだ。
ガタッ
音がした。即座に矢をつがえて構える。ヒルも音を聞いたようで、唸りはじめた。
カツン……カツン……。
誰かが歩いてくる音がする。ここは十字路。どこに誰がいるかも分からない。弓を構えながら辺りを見渡す。何もない。でも音はする。頭がおかしくなりそうだ。
カツン……カツン……カツン。
音が止まった。近くにいる。もしかしたらこの階ではなく下の階かもしれない。呼吸が乱れる。気が狂いそうなほど何もない空間にいながら何かがいるという状況。俺にはとんでもないストレスが溜まっていた。
ストレスに耐えられない。だが走り出したらその何かに位置がバレる可能性がある。それはまずい。だから走るのではなく、すり足で移動する。これなら音は出ない。
少しずつだ。とにかくここから離れたい。ヒルも俺の状況を感じ取ったのか、できるだけ音を立てないようにしてくれている。この子は多分、そこら辺の人間よりも頭がいいんだろうな。
10mくらい移動した時、気がついた。音が止まっている。足音が聞こえない。聞こえないなら聞こえないでいいのだがそういう問題ではない。さっきまで聞こえていた音が無くなったのだ。
なぜ消えたのだ。疑問が頭を突っ走った。気のせいでは絶対にない。確実に何かがいる。その何かが俺を狙っている。体重が3倍に増えたような感覚に陥った。
ミシミシ……。
何か音が聞こえた。下からだ。見たところ廊下や階段は新品だった。だから老朽化で音を立てたのではない。何かが下で何かをしているのだ。
ドス。
下から手が出てきた。黒い手袋をつけている。一瞬何が起こったのか分からなかった。まぁ当たり前だろう。
その手は凄まじい力で俺の足首を掴んできた。
「なっっ――」
声を出す暇もなく、俺は地面へと引っ張られた。辺りの地面が崩れ落ち、俺の体もろとも下の階へと落ちていった。といっても4mほどだが。
辺りに砂煙が充満していた。地面に背中がぶつかる。痛い……が、これくらいは慣れた。まだ足首には掴まれてる感覚がする。
突然、砂煙の中から大柄の女性が出てきた。
俺の足首を掴んでいるのはこの女だ。
俺はそれを瞬時に理解した。
女が俺の腹めがけて拳を叩きつけてきた。当たるともちろんヤバい。体を捻って拳から逃げる。俺の体がいた位置に叩きつけられた拳はかなり硬いであろう地面に綺麗な穴を空けていた。
当たったら死ぬ。直感でそんなことはわかった。とりあえず女の手を離させないといけない。
クイーバーから矢を取り出して女の手に突き刺した。女の体が少し震えた。しかし手は一向に離れる気配はない。なんなら強くなった。
女がこっちに顔を向けた。明らかな殺意のこもった目をしている。これはヤバい。まじでヤバい。
俺は体を捻って女の鼻にめがけて蹴りを入れた。女の手が緩まった。その隙に女の腕を蹴り飛ばして、ゴロゴロと転がりながら女との距離をとった。
立ち上がって女の方を確認する。女との距離は5m。下の階には来たが、上の階とあまり風景は変わらない。
少し冷静になって女の容姿を見てみた。女の体格はとんでもなくでかく、身長は2mもありそうだ。髪は茶髪でロング。黒いスーツと手袋をしており、スタイルもいい。洋画に出てくる強い女の人みたいだ。
女が立ち上がった。この硬い地面に穴を空けられるほどのパワー。こいつも化け物だろう。気おつけないと。
「……チッ」
舌打ちをされた。俺も舌打ちをしたいくらいなんだがな。
「脱走者の次は侵入者……私を過労死させる気なの?」
「……別に休んでくれても俺は構わないけど?」
「それができたらいいんだけどね……でも、あの人のことを考えるならあなたを殺さないといけないの」
「一方通行の恋は痛い目を見ることが多いぞ」
「うるさい口ね。さっさと喋れなくしてやるわ」
女が手袋を引いた。手袋は結構薄いようで女の大きい手が強調されている。まさか黒幕の本拠地に入っていきなりボス戦とはな。……上等だ。
俺は弦を引いた。
続く
36
お気に入りに追加
429
あなたにおすすめの小説

【完結】どうやら時戻りをしました。
まるねこ
恋愛
ウルダード伯爵家は借金地獄に陥り、借金返済のため泣く泣く嫁いだ先は王家の闇を担う家。
辛い日々に耐えきれずモアは自らの命を断つ。
時戻りをした彼女は同じ轍を踏まないと心に誓う。
※前半激重です。ご注意下さい
Copyright©︎2023-まるねこ
氷の騎士様は実は太陽の騎士様です。
りつ
恋愛
イリスの婚約者は幼馴染のラファエルである。彼と結婚するまで遠い修道院の寄宿学校で過ごしていたが、十八歳になり、王都へ戻って来た彼女は彼と結婚できる事実に胸をときめかせていた。しかし両親はラファエル以外の男性にも目を向けるよう言い出し、イリスは戸惑ってしまう。
王女殿下や王太子殿下とも知り合い、ラファエルが「氷の騎士」と呼ばれていることを知ったイリス。離れている間の知らなかったラファエルのことを令嬢たちの口から聞かされるが、イリスは次第に違和感を抱き始めて……
※他サイトにも掲載しています
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました
落ちぶれて捨てられた侯爵令嬢は辺境伯に求愛される~今からは俺の溺愛ターンだから覚悟して~
しましまにゃんこ
恋愛
年若い辺境伯であるアレクシスは、大嫌いな第三王子ダマスから、自分の代わりに婚約破棄したセシルと新たに婚約を結ぶように頼まれる。実はセシルはアレクシスが長年恋焦がれていた令嬢で。アレクシスは突然のことにとまどいつつも、この機会を逃してたまるかとセシルとの婚約を引き受けることに。
とんとん拍子に話はまとまり、二人はロイター辺境で甘く穏やかな日々を過ごす。少しずつ距離は縮まるものの、時折どこか悲し気な表情を見せるセシルの様子が気になるアレクシス。
「セシルは絶対に俺が幸せにしてみせる!」
だがそんなある日、ダマスからセシルに王都に戻るようにと伝令が来て。セシルは一人王都へ旅立ってしまうのだった。
追いかけるアレクシスと頑なな態度を崩さないセシル。二人の恋の行方は?
すれ違いからの溺愛ハッピーエンドストーリーです。
小説家になろう、他サイトでも掲載しています。
麗しすぎるイラストは汐の音様からいただきました!
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
【完結】欲しがり義妹に王位を奪われ偽者花嫁として嫁ぎました。バレたら処刑されるとドキドキしていたらイケメン王に溺愛されてます。
美咲アリス
恋愛
【Amazonベストセラー入りしました(長編版)】「国王陛下!わたくしは偽者の花嫁です!どうぞわたくしを処刑してください!!」「とりあえず、落ち着こうか?(にっこり)」意地悪な義母の策略で義妹の代わりに辺境国へ嫁いだオメガ王女のフウル。正直な性格のせいで嘘をつくことができずに命を捨てる覚悟で夫となる国王に真実を告げる。だが美貌の国王リオ・ナバはなぜかにっこりと微笑んだ。そしてフウルを甘々にもてなしてくれる。「きっとこれは処刑前の罠?」不幸生活が身についたフウルはビクビクしながら城で暮らすが、実は国王にはある考えがあって⋯⋯?
廃妃の再婚
束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの
父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。
ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。
それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。
身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。
あの時助けた青年は、国王になっていたのである。
「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは
結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。
帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。
カトルはイルサナを寵愛しはじめる。
王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。
ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。
引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。
ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。
だがユリシアスは何かを隠しているようだ。
それはカトルの抱える、真実だった──。
グランディア様、読まないでくださいっ!〜仮死状態となった令嬢、婚約者の王子にすぐ隣で声に出して日記を読まれる〜
月
恋愛
第三王子、グランディアの婚約者であるティナ。
婚約式が終わってから、殿下との溝は深まるばかり。
そんな時、突然聖女が宮殿に住み始める。
不安になったティナは王妃様に相談するも、「私に任せなさい」とだけ言われなぜかお茶をすすめられる。
お茶を飲んだその日の夜、意識が戻ると仮死状態!?
死んだと思われたティナの日記を、横で読み始めたグランディア。
しかもわざわざ声に出して。
恥ずかしさのあまり、本当に死にそうなティナ。
けれど、グランディアの気持ちが少しずつ分かり……?
※この小説は他サイトでも公開しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる