5 / 48
第5話 ポーリーナの襲来
しおりを挟む
就寝の準備なんて一人でしたことがなかったから、えらく手間取っているとアイラがまた、ノックなくやってきた。
「あのね、アイラ。部屋に入るときドアをノックして欲しいのよ」
「ドアをノック……?」
まるで初めてそんな行為を聞いたかとでもいうように、アイラは目を数回しばたいた。やがて思い至ったかのように、神妙に頷く。
「なるほど、申し訳ありませんでした奥様。旦那様の部屋に入る時、ノックなんてしたことなかったので。これから、気をつけますわ」
それはどういう意味なのだろう。
考えるのも億劫だ。アイラは美人で賢く、きっぱりと物を言う女性だ。心の中に黒い靄が広がっていく。本当に、彼女はただのメイドなんだろうか。
私は首を横に振る。
レイブンが、どんな女性と親密になろうが関係のないことよ。どうせお姉様と会えれば、彼とはお別れなんだから。
ぼんやりとそんなことを考えていると、彼女の手に大小の箱が抱えられていることにようやく気がついた。
「旦那様から奥様へ、ということです」
相変わらず無表情でアイラは言う。
どうやらレイブンからの贈り物は花だけではないらしい。腹が立つのは、それをアイラに届けさせたことだ。
「自分で渡せと言っておいて」
机の上に並べられた宝石やらを見ながら言う。顔色一つ変えずアイラは言った。
「わたくしもそう申し上げたのですが、奥様は自分に会いたくないだろうから、代わりにと仰せつかりました」
「どれもこれも、もっと上等な物を持っているわ。いらないと伝えて」
「もったいないですわ。物に罪はありませんもの」
またしてもアイラの反撃に遭う。
「奥様が、欲しいものをおっしゃればよろしいのです」
「言ったわ」
「わたくしには拒絶の言葉に感じました」
彼女はもしや、私を責めているのだろうか。驚いて見るが、その茶色の瞳は賢そうに光るだけだ。
「歩み寄られてはいかがでしょうか。旦那様は女性をいなすのは上手でも、あなた様の扱いには慣れていないのでしょうから。それに、奥様はそこらの町娘とはまるで違う、でしょう?」
アイラはどのくらい、レイブンに仕えているのだろう。少なくとも私ではなく彼の味方のようだった。
「だけど奥様が旦那様に、少しは興味をお持ちのようで安心しましたわ」
「どこが! 彼は最低の人間だって、皆言ってるわ」
「彼がこの国の最下層の出身だからですか」
きつい物言いに、ぎょっとして答える。
「ち、違うわ。いつも、恐ろしい噂がつきまとっているからよ。人を殺したこともあるとさえ言われているわ」
「だけど噂でしょう? 奥様は、本当の旦那様をご自分の目で確かめたことがおありですか?」
「本当の彼って?」
「愛する人に相手にされなくても、なんとか喜ばせたくて空回りしながら奮闘する男のことです」
答えに詰まった。レイブンが奮闘しているようにはとても見えない。だけど、さっき確かに、傷ついたかのように見えた。
「……あの人、どういうつもりなのかしら」
「奥様に喜んでもらいたいだけですわ。大抵の男性は、好きな女性にそうしますよ」
分かりきったことを子供に諭すかのように、アイラは言う。
思わず考え込んでしまった。レイブンは、本当に私に好意があるの? いや、そんなはずはない。
彼は私に好意をほのめかし、更なる財産をかすめ取ろうとしているに違いない。悪名高きレイズナー・レイブン。心を許してはいけない。
――翌朝目覚めると、ベッドの側脇の机の上に花瓶が置いてあり、彼が持ち帰った花が飾られていた。
*
相変わらず不味い朝食の席で、レイブンが馬を買いにいかないかと誘ってきた。
「馬を? どうして?」
「俺は不在にしがちだし、気が紛れるものがあるといいかと思ったんだ」
乗馬は好きだけど、誰かに話したことはない。
「君は馬が好きだろう? 違うのかい」
「違わないわ!」
嬉しくて、つい本心を口にしてしまった。
「なんて素敵なのかしら。ずっと自分の馬を持つのが夢だったの」
お兄様は決して許さなかった。男達がこぞって遠乗りするのを、どれほど羨ましく思ったことだろう。彼らに劣らず乗れるのに、私が馬に乗るのはいつだって、誰かと一緒でなくてはいけなかった。
微笑むと、彼も笑う。
「それに、もし子供ができたら一緒に遠乗りをしたい」
「こ、子供?」
「そのうちの話だ」
レイブンは、どこまで本気で言っているんだろう。私と彼の子供? ――彼はそれを望んでいるというの。
顔に出ていたのかも知れない。意外にも、困ったように彼は笑い、その表情に、たとえようもなく心が揺れ動いた。
「ポーリーナ王女がお見えです」
アイラがそう声をかけたのは救いだったかもしれない。あやうく、切なげな視線の理由を問いただすところだった。
妹といえど食卓に王女を通すわけにもいかず、私たちは客間へと移動する。火急の引っ越しでまだ整えられていなかったそこは、机とソファーだけが置かれた殺風景なものだった。
ポーリーナは私と同じブロンドの髪を美しく編み込んでいて、よそ行きのドレスを来て現れた。結婚式の前日まで、私たちの仲は悪くなかったはずだ。唯一心を許し合っていた、血を分けた妹だった。
妹の姿を見て、私の胸はずきりと痛んだ。まるで他人に向けるような作り笑顔を、私に向けているのだから。
「用件があれば、こちらからお伺いしたというのに」
レイブンがポーリーナを歓迎していないことはその表情から明らかだった。
かつての私なら、その笑顔の下の本心に気付かなかっただろう。だけどこの二日、彼を観察していたから、このくらいの感情の変化なら、分かるようになってしまった。
「結婚のお祝いに来たのよ。急な式だったでしょう? お祝いも言えないままだったもの」
にこりと笑うポーリーナに、レイブンも応じる。
「私も一緒にいても差し支えないでしょうか」
「あなたが? いいえ、嫌よ。下がりなさい」
ぞっとしたのは、妹は、こんなに冷たい表情をする人間だっただろうかと思ったからだ。
そう思うのは私が、もう王族ではないからだろうか。もしかすると私も、こんな目でレイブンを見たことがあったのかもしれない。考えると、また暗い靄に支配されそうだった。
レイブンは、片方の眉を不愉快そうに吊り上げたが、結局は何も言わずに出て行った。
バタリと扉が閉められ、二人きりになったところで、ポーリーナが言う。
「暮らしはどう?」
「たった二日じゃ、なにも分からないわ」
妹がこんな作り笑顔をしていなかったら、私は彼女に助けを求めたかもしれない。だが目の前の、まるで別人のようなポーリーナに弱音を吐くことはできなかった。
「あの男との結婚を、ヴィクトリカお姉様が承諾するなんてね。何がいいの? 顔? 顔は確かに素敵だわ。それとも、別の理由があるの? 身分の低い人間は、動物的欲求が強いと聞くけど、彼はもうお姉様を、その体で虜にしたの?」
好奇心と侮蔑が入り交じった表情で問うポーリーナに、やっと答える。
「結婚したのは、分かるでしょう? 他に、選択の余地なんてなかったのよ」
「へえ? それにしては楽しそうな声が食堂から漏れていたわね」
明らかに納得していない。他に誰もいないというのに、ポーリーナは声を潜めた。自然、私たちの顔は近づく。
「騙されてはだめよ。レイブンはお姉様を愛していないわ。地位と持参金と、ヒースへの当てつけのためだけにお姉様を娶ったのだわ」
そんなことは、言われなくても分かっていた。だけど私だって黙っていられない。
「でも彼は、私に歩み寄ろうとしているわ。少なくとも夫婦として、やっていこうとしているのよ」
山のようなプレゼントも、馬を飼おうという申し出もその証拠だ。
だがポーリーナは、勝ち誇ったかのように笑っている。
「可哀想なお姉様。いいことを教えてあげる。
……アイラとかいうメイドは、レイブンの愛人よ」
「あのね、アイラ。部屋に入るときドアをノックして欲しいのよ」
「ドアをノック……?」
まるで初めてそんな行為を聞いたかとでもいうように、アイラは目を数回しばたいた。やがて思い至ったかのように、神妙に頷く。
「なるほど、申し訳ありませんでした奥様。旦那様の部屋に入る時、ノックなんてしたことなかったので。これから、気をつけますわ」
それはどういう意味なのだろう。
考えるのも億劫だ。アイラは美人で賢く、きっぱりと物を言う女性だ。心の中に黒い靄が広がっていく。本当に、彼女はただのメイドなんだろうか。
私は首を横に振る。
レイブンが、どんな女性と親密になろうが関係のないことよ。どうせお姉様と会えれば、彼とはお別れなんだから。
ぼんやりとそんなことを考えていると、彼女の手に大小の箱が抱えられていることにようやく気がついた。
「旦那様から奥様へ、ということです」
相変わらず無表情でアイラは言う。
どうやらレイブンからの贈り物は花だけではないらしい。腹が立つのは、それをアイラに届けさせたことだ。
「自分で渡せと言っておいて」
机の上に並べられた宝石やらを見ながら言う。顔色一つ変えずアイラは言った。
「わたくしもそう申し上げたのですが、奥様は自分に会いたくないだろうから、代わりにと仰せつかりました」
「どれもこれも、もっと上等な物を持っているわ。いらないと伝えて」
「もったいないですわ。物に罪はありませんもの」
またしてもアイラの反撃に遭う。
「奥様が、欲しいものをおっしゃればよろしいのです」
「言ったわ」
「わたくしには拒絶の言葉に感じました」
彼女はもしや、私を責めているのだろうか。驚いて見るが、その茶色の瞳は賢そうに光るだけだ。
「歩み寄られてはいかがでしょうか。旦那様は女性をいなすのは上手でも、あなた様の扱いには慣れていないのでしょうから。それに、奥様はそこらの町娘とはまるで違う、でしょう?」
アイラはどのくらい、レイブンに仕えているのだろう。少なくとも私ではなく彼の味方のようだった。
「だけど奥様が旦那様に、少しは興味をお持ちのようで安心しましたわ」
「どこが! 彼は最低の人間だって、皆言ってるわ」
「彼がこの国の最下層の出身だからですか」
きつい物言いに、ぎょっとして答える。
「ち、違うわ。いつも、恐ろしい噂がつきまとっているからよ。人を殺したこともあるとさえ言われているわ」
「だけど噂でしょう? 奥様は、本当の旦那様をご自分の目で確かめたことがおありですか?」
「本当の彼って?」
「愛する人に相手にされなくても、なんとか喜ばせたくて空回りしながら奮闘する男のことです」
答えに詰まった。レイブンが奮闘しているようにはとても見えない。だけど、さっき確かに、傷ついたかのように見えた。
「……あの人、どういうつもりなのかしら」
「奥様に喜んでもらいたいだけですわ。大抵の男性は、好きな女性にそうしますよ」
分かりきったことを子供に諭すかのように、アイラは言う。
思わず考え込んでしまった。レイブンは、本当に私に好意があるの? いや、そんなはずはない。
彼は私に好意をほのめかし、更なる財産をかすめ取ろうとしているに違いない。悪名高きレイズナー・レイブン。心を許してはいけない。
――翌朝目覚めると、ベッドの側脇の机の上に花瓶が置いてあり、彼が持ち帰った花が飾られていた。
*
相変わらず不味い朝食の席で、レイブンが馬を買いにいかないかと誘ってきた。
「馬を? どうして?」
「俺は不在にしがちだし、気が紛れるものがあるといいかと思ったんだ」
乗馬は好きだけど、誰かに話したことはない。
「君は馬が好きだろう? 違うのかい」
「違わないわ!」
嬉しくて、つい本心を口にしてしまった。
「なんて素敵なのかしら。ずっと自分の馬を持つのが夢だったの」
お兄様は決して許さなかった。男達がこぞって遠乗りするのを、どれほど羨ましく思ったことだろう。彼らに劣らず乗れるのに、私が馬に乗るのはいつだって、誰かと一緒でなくてはいけなかった。
微笑むと、彼も笑う。
「それに、もし子供ができたら一緒に遠乗りをしたい」
「こ、子供?」
「そのうちの話だ」
レイブンは、どこまで本気で言っているんだろう。私と彼の子供? ――彼はそれを望んでいるというの。
顔に出ていたのかも知れない。意外にも、困ったように彼は笑い、その表情に、たとえようもなく心が揺れ動いた。
「ポーリーナ王女がお見えです」
アイラがそう声をかけたのは救いだったかもしれない。あやうく、切なげな視線の理由を問いただすところだった。
妹といえど食卓に王女を通すわけにもいかず、私たちは客間へと移動する。火急の引っ越しでまだ整えられていなかったそこは、机とソファーだけが置かれた殺風景なものだった。
ポーリーナは私と同じブロンドの髪を美しく編み込んでいて、よそ行きのドレスを来て現れた。結婚式の前日まで、私たちの仲は悪くなかったはずだ。唯一心を許し合っていた、血を分けた妹だった。
妹の姿を見て、私の胸はずきりと痛んだ。まるで他人に向けるような作り笑顔を、私に向けているのだから。
「用件があれば、こちらからお伺いしたというのに」
レイブンがポーリーナを歓迎していないことはその表情から明らかだった。
かつての私なら、その笑顔の下の本心に気付かなかっただろう。だけどこの二日、彼を観察していたから、このくらいの感情の変化なら、分かるようになってしまった。
「結婚のお祝いに来たのよ。急な式だったでしょう? お祝いも言えないままだったもの」
にこりと笑うポーリーナに、レイブンも応じる。
「私も一緒にいても差し支えないでしょうか」
「あなたが? いいえ、嫌よ。下がりなさい」
ぞっとしたのは、妹は、こんなに冷たい表情をする人間だっただろうかと思ったからだ。
そう思うのは私が、もう王族ではないからだろうか。もしかすると私も、こんな目でレイブンを見たことがあったのかもしれない。考えると、また暗い靄に支配されそうだった。
レイブンは、片方の眉を不愉快そうに吊り上げたが、結局は何も言わずに出て行った。
バタリと扉が閉められ、二人きりになったところで、ポーリーナが言う。
「暮らしはどう?」
「たった二日じゃ、なにも分からないわ」
妹がこんな作り笑顔をしていなかったら、私は彼女に助けを求めたかもしれない。だが目の前の、まるで別人のようなポーリーナに弱音を吐くことはできなかった。
「あの男との結婚を、ヴィクトリカお姉様が承諾するなんてね。何がいいの? 顔? 顔は確かに素敵だわ。それとも、別の理由があるの? 身分の低い人間は、動物的欲求が強いと聞くけど、彼はもうお姉様を、その体で虜にしたの?」
好奇心と侮蔑が入り交じった表情で問うポーリーナに、やっと答える。
「結婚したのは、分かるでしょう? 他に、選択の余地なんてなかったのよ」
「へえ? それにしては楽しそうな声が食堂から漏れていたわね」
明らかに納得していない。他に誰もいないというのに、ポーリーナは声を潜めた。自然、私たちの顔は近づく。
「騙されてはだめよ。レイブンはお姉様を愛していないわ。地位と持参金と、ヒースへの当てつけのためだけにお姉様を娶ったのだわ」
そんなことは、言われなくても分かっていた。だけど私だって黙っていられない。
「でも彼は、私に歩み寄ろうとしているわ。少なくとも夫婦として、やっていこうとしているのよ」
山のようなプレゼントも、馬を飼おうという申し出もその証拠だ。
だがポーリーナは、勝ち誇ったかのように笑っている。
「可哀想なお姉様。いいことを教えてあげる。
……アイラとかいうメイドは、レイブンの愛人よ」
37
お気に入りに追加
429
あなたにおすすめの小説

【完結】どうやら時戻りをしました。
まるねこ
恋愛
ウルダード伯爵家は借金地獄に陥り、借金返済のため泣く泣く嫁いだ先は王家の闇を担う家。
辛い日々に耐えきれずモアは自らの命を断つ。
時戻りをした彼女は同じ轍を踏まないと心に誓う。
※前半激重です。ご注意下さい
Copyright©︎2023-まるねこ
氷の騎士様は実は太陽の騎士様です。
りつ
恋愛
イリスの婚約者は幼馴染のラファエルである。彼と結婚するまで遠い修道院の寄宿学校で過ごしていたが、十八歳になり、王都へ戻って来た彼女は彼と結婚できる事実に胸をときめかせていた。しかし両親はラファエル以外の男性にも目を向けるよう言い出し、イリスは戸惑ってしまう。
王女殿下や王太子殿下とも知り合い、ラファエルが「氷の騎士」と呼ばれていることを知ったイリス。離れている間の知らなかったラファエルのことを令嬢たちの口から聞かされるが、イリスは次第に違和感を抱き始めて……
※他サイトにも掲載しています
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました
落ちぶれて捨てられた侯爵令嬢は辺境伯に求愛される~今からは俺の溺愛ターンだから覚悟して~
しましまにゃんこ
恋愛
年若い辺境伯であるアレクシスは、大嫌いな第三王子ダマスから、自分の代わりに婚約破棄したセシルと新たに婚約を結ぶように頼まれる。実はセシルはアレクシスが長年恋焦がれていた令嬢で。アレクシスは突然のことにとまどいつつも、この機会を逃してたまるかとセシルとの婚約を引き受けることに。
とんとん拍子に話はまとまり、二人はロイター辺境で甘く穏やかな日々を過ごす。少しずつ距離は縮まるものの、時折どこか悲し気な表情を見せるセシルの様子が気になるアレクシス。
「セシルは絶対に俺が幸せにしてみせる!」
だがそんなある日、ダマスからセシルに王都に戻るようにと伝令が来て。セシルは一人王都へ旅立ってしまうのだった。
追いかけるアレクシスと頑なな態度を崩さないセシル。二人の恋の行方は?
すれ違いからの溺愛ハッピーエンドストーリーです。
小説家になろう、他サイトでも掲載しています。
麗しすぎるイラストは汐の音様からいただきました!
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

【溺愛のはずが誘拐?】王子様に婚約破棄された令嬢は引きこもりましたが・・・お城の使用人達に可愛がられて楽しく暮らしています!
五月ふう
恋愛
ザルトル国に来てから一ヶ月後のある日。最愛の婚約者サイラス様のお母様が突然家にやってきた。
「シエリさん。あなたとサイラスの婚約は認められないわ・・・!すぐに荷物をまとめてここから出ていって頂戴!」
「え・・・と・・・。」
私の名前はシエリ・ウォルターン。17歳。デンバー国伯爵家の一人娘だ。一ヶ月前からサイラス様と共に暮らし始め幸せに暮していたのだが・・・。
「わかったかしら?!ほら、早く荷物をまとめて出ていって頂戴!」
義母様に詰め寄られて、思わずうなずきそうになってしまう。
「な・・・なぜですか・・・?」
両手をぎゅっと握り締めて、義母様に尋ねた。
「リングイット家は側近として代々ザルトル王家を支えてきたのよ。貴方のようなスキャンダラスな子をお嫁さんにするわけにはいかないの!!婚約破棄は決定事項です!」
彼女はそう言って、私を家から追い出してしまった。ちょうどサイラス様は行方不明の王子を探して、家を留守にしている。
どうしよう・・・
家を失った私は、サイラス様を追いかけて隣町に向かったのだがーーー。
この作品は【王子様に婚約破棄された令嬢は引きこもりましたが・・・お城の使用人達に可愛がられて楽しく暮らしています!】のスピンオフ作品です。
この作品だけでもお楽しみいただけますが、気になる方は是非上記の作品を手にとってみてください。
第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ化企画進行中「妹に全てを奪われた元最高聖女は隣国の皇太子に溺愛される」完結
まほりろ
恋愛
第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ企画進行中。
コミカライズ化がスタートしましたらこちらの作品は非公開にします。
部屋にこもって絵ばかり描いていた私は、聖女の仕事を果たさない役立たずとして、王太子殿下に婚約破棄を言い渡されました。
絵を描くことは国王陛下の許可を得ていましたし、国中に結界を張る仕事はきちんとこなしていたのですが……。
王太子殿下は私の話に聞く耳を持たず、腹違い妹のミラに最高聖女の地位を与え、自身の婚約者になさいました。
最高聖女の地位を追われ無一文で追い出された私は、幼なじみを頼り海を越えて隣国へ。
私の描いた絵には神や精霊の加護が宿るようで、ハルシュタイン国は私の描いた絵の力で発展したようなのです。
えっ? 私がいなくなって精霊の加護がなくなった? 妹のミラでは魔力量が足りなくて国中に結界を張れない?
私は隣国の皇太子様に溺愛されているので今更そんなこと言われても困ります。
というより海が荒れて祖国との国交が途絶えたので、祖国が危機的状況にあることすら知りません。
小説家になろう、アルファポリス、pixivに投稿しています。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
小説家になろうランキング、異世界恋愛/日間2位、日間総合2位。週間総合3位。
pixivオリジナル小説ウィークリーランキング5位に入った小説です。
【改稿版について】
コミカライズ化にあたり、作中の矛盾点などを修正しようと思い全文改稿しました。
ですが……改稿する必要はなかったようです。
おそらくコミカライズの「原作」は、改稿前のものになるんじゃないのかなぁ………多分。その辺良くわかりません。
なので、改稿版と差し替えではなく、改稿前のデータと、改稿後のデータを分けて投稿します。
小説家になろうさんに問い合わせたところ、改稿版をアップすることは問題ないようです。
よろしければこちらも読んでいただければ幸いです。
※改稿版は以下の3人の名前を変更しています。
・一人目(ヒロイン)
✕リーゼロッテ・ニクラス(変更前)
◯リアーナ・ニクラス(変更後)
・二人目(鍛冶屋)
✕デリー(変更前)
◯ドミニク(変更後)
・三人目(お針子)
✕ゲレ(変更前)
◯ゲルダ(変更後)
※下記二人の一人称を変更
へーウィットの一人称→✕僕◯俺
アルドリックの一人称→✕私◯僕
※コミカライズ化がスタートする前に規約に従いこちらの先品は削除します。

【完結】契約の花嫁だったはずなのに、無口な旦那様が逃がしてくれません
Rohdea
恋愛
──愛されない契約の花嫁だったはずなのに、何かがおかしい。
家の借金返済を肩代わりして貰った代わりに
“お飾りの妻が必要だ”
という謎の要求を受ける事になったロンディネ子爵家の姉妹。
ワガママな妹、シルヴィが泣いて嫌がった為、必然的に自分が嫁ぐ事に決まってしまった姉のミルフィ。
そんなミルフィの嫁ぎ先は、
社交界でも声を聞いた人が殆どいないと言うくらい無口と噂されるロイター侯爵家の嫡男、アドルフォ様。
……お飾りの妻という存在らしいので、愛される事は無い。
更には、用済みになったらポイ捨てされてしまうに違いない!
そんな覚悟で嫁いだのに、
旦那様となったアドルフォ様は確かに無口だったけど───……
一方、ミルフィのものを何でも欲しがる妹のシルヴィは……

あなた方には後悔してもらいます!
風見ゆうみ
恋愛
私、リサ・ミノワーズは小国ではありますが、ミドノワール国の第2王女です。
私の国では代々、王の子供であれば、性別や生まれの早い遅いは関係なく、成人近くになると王となるべき人の胸元に国花が浮き出ると言われていました。
国花は今まで、長男や長女にしか現れなかったそうですので、次女である私は、姉に比べて母からはとても冷遇されておりました。
それは私が17歳の誕生日を迎えた日の事、パーティー会場の外で姉の婚約者と私の婚約者が姉を取り合い、喧嘩をしていたのです。
婚約破棄を受け入れ、部屋に戻り1人で泣いていると、私の胸元に国花が浮き出てしまったじゃないですか!
お父様にその事を知らせに行くと、そこには隣国の国王陛下もいらっしゃいました。
事情を知った陛下が息子である第2王子を婚約者兼協力者として私に紹介して下さる事に!
彼と一緒に元婚約者達を後悔させてやろうと思います!
※史実とは関係ない異世界の世界観であり、話の中での色々な設定は話の都合、展開の為のご都合主義、ゆるい設定ですので、そんな世界なのだとご了承いただいた上でお読み下さいませ。
※話が合わない場合は閉じていただきますよう、お願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる