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俺の祭りはどこか間違っている。 完

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 今日は晴天、お祭り日和。
 テントから出た時に確認したが、かなりの人がステージ前に集まっていた。
 俺は下を向いて心の準備を整える。
 テントの中では大丈夫だ、と思ったが、いざ大量の人を見ると緊張してしまう。自分の心臓の音さえ聞こえるような感覚に陥る。

 そんな時、俺の左斜め前と右斜め前にいるやつらが振り返って、言った。

 「「ソーラン」」
 「……」

 ―― こいつらやっぱ意味分かんねえよ。

 普段と変わらない様子のアリアとステラを見て、俺は深呼吸をした。

 ―― もしかしてこいつら、深呼吸って言ったのか? 

 落ち着いた俺は観客の声が聞こえるようになってきた。ざわざわしてる。

 「何が始まるんだ?」
 「さあ?」
 「珍しく黒髪黒目の人多いよね。ジャポンティ出身の人達が集まったみたい」
 「だよな! 気になるぜ!」
 「お、俺ちょっと他の奴らにも声かけてくるわ!」

 おい! 最後の奴! 余計な事すんじゃねえ! 

 べべんっ!

 弦を弾く音が広場に響いた。
 合わせて皆の呼吸も整っていく。 
 会場は一時の静寂に飲み込まれた。
 
 静寂を解きほぐすように、空間にしみこむように、三味線の音色が流れてくる。
 転生前にも存在したメロディ。
 そんな心地よい空間は耳を貫く高い笛の音と女の子の張り上げた声が協力して引き裂いた。
 
 「「「ハイッ!」」」
 
 最後列の連中が声を上げる。
 その威勢のいい声に合わせるかのように会場を支配する音が一つ増える。
 増えたのは腹の底まで響くような重たい音。 

 「「「ハイッ!」」」

 また声が上がる。後一回似た声が上がれば俺の出番だ。

 拝啓、父さん母さん。俺はこんなに、こんなに成長しました。信じられるでしょうか。黒川翔は今、大勢の前に立ち、歌声を披露し、ソーラン節を踊ろうとしているのです。

 三種の楽器が軽快な三重奏を演奏し、

 「「「ハイッ!」」」

 時はきた。俺は大きく息を吸い込み、

 「アードッコイショォー! ドッコイショ!」
 「「「ドッコイショォー! ドッコイショ!」」」
 「ソーラン! ソーラン!」
 「「「ソーラン! ソーラン!」」」
 「ドッコイショォー! ドッコイショ!」
 「「「ドッコイショォー! ドッコイショ!」」」
 「ソーランソーラン!」
 「「「ソーラン! ソーラン!」」」

 「ィヤァァァァァァァァァレンソーランソーランソーラァンソーランソーラン」
 「「「ハイッ! ハイッ!」」」
 「喉が爆ぜても唄声上げて 刮目してみろ俺の姿を チョイヤサエエンヤァァァァ(ハイッハイッ!)ァァァ(ハイッハイッ!)ァァサーノドッコイショ!」

 「アードッコイショォー! ドッコイショ!」
 「「「ドッコイショォー! ドッコイショ!」」」
 「ソーラン! ソーラン!」
 「「「ソーラン! ソーラン!」」」
 「ドッコイショォー! ドッコイショ!」
 「「「ドッコイショォー! ドッコイショ!」」」
 「ソーランソーラン!」
 「「「ソーラン! ソーラン!」」」


 それまで三種の楽器が鳴っていたのだが、太鼓の音だけになる。
 間奏だ。
 俺は二番を歌い終わるまで自分の事で精一杯だったらしい。ようやく、観客たちの声が俺にも届いた。
 聞こえるのは歓声、拍手、つまりは大喝采。
 こんなにも気持ちの良いものなのか。俺の知らなかった世界だ。
 俺は許された時間で高揚感が増すように感じるその歓声を全身に浴びる。
 太鼓を叩くリズムが速くなる。
 これが連打に変わればもう終盤だ。
 俺は自分でも何を思ったのか声を張り上げた。いや、勘違いしたのかもしれない。

 「お前らも一緒にっ!!」

 今日はお祭り。街の住民のボルテージは最高潮。
 普段の俺なら絶対に言わないような、絶対に出さないような声を出した成果はすぐに与えられた。

 「「「うぉおおおおおおおお!!」」」

 熱狂渦巻く会場はさらに燃え上がる。お天道様もその熱の後押しをしてくれるように照らしてくれている。
 ドンドンドンドン
 ドドドドドドドド
 俺は俺自身でも驚くような大声を出し、ラストスパートを駆け抜ける。
 会場全体が一つになった。

 「アードッコイショォー! ドッコイショ!」
 「「「ドッコイショォー! ドッコイショ!」」」
 「ソーラン! ソーラン!」
 「「「ソーラン! ソーラン!」」」
 「ドッコイショォー! ドッコイショ!」
 「「「ドッコイショォー! ドッコイショ!」」」
 「ソーランソーラン!」
 「「「ソーラン! ソーラン!」」」

 「ィヤァァァァァァァァァァァァァレンソーランソーランソーラァンソーランソーラン」
 「「「ハイッ! ハイッ!」」」
 「コレが故郷のソーラン節だ どうだ熱いか ならやろうぜ チョイヤサエエンヤァァァァ(ァードッコイッ!)ァァァ(ァードッコイッ!)ァァサーノドッコイショ!」

 「アードッコイショォー! ドッコイショ!」
 「「「ドッコイショォー! ドッコイショ!」」」
 「ソーラン! ソーラン!」
 「「「ソーラン! ソーラン!」」」
 「ドッコイショォー! ドッコイショ!」
 「「「ドッコイショォー! ドッコイショ!」」」
 「ソーランソーラン!」
 「「「ソーラン! ソーラン!」」」

 ―――

 「「「「ヤァー!!」」」」
 「「「うおおおおおお!!」」」

 俺の異世界、いや、人生初舞台は幕を降ろした。
 歓声と拍手を背に受けながら俺たちは待機所であるテントに入っていく。
 テントに足を踏み入れた所で、俺はふう、と息を吐いた。
 終わった。なんとも言えない高揚感と心地よい倦怠感が全身を駆け巡っている。
 
 「おつかれー! カケルくん最高だったよ!」

 マツリに背中を叩かれた。
 俺は振り返って、短く「おつかれ」と返す。

 「今日の夜はみんなで打ち上げするから絶対来てよね!」
 「了解。これありがとな」

 俺は首に引っ掛けられた気持ち悪いモンスターのネックレスを手渡す。

 「それじゃまた後で!」

 マツリが走り去っていくのと入れ替わりでアリアが駆け寄ってきた。

 「カケルカケル! 楽しかったですね!」

 元に戻ったようでなによりだ。
 俺はパーティーメンバーが呪縛から解き放たれた現実に安堵し、同時に冷静さを取り戻した。
 頬に熱が上がってくるのが分かる。
 そんな俺を見たアリアが小首を傾げて、言った。

 「どうしました?」
 「いや、あの、えっと」
 「それよりこれからどうします? 私は神なので人間の催し物を楽しむことなんて出来ませんけど、カケルがどうしてもお祭りを見に行きたいというなら仕方ないですね。じゃあ、行きましょうか」
 「俺何も言ってねえだろ」
 「え? お祭り見に行かないんですか?」
 「いや、行くけどさ」

 俺は普段通りのアリアを見て小さく息を吐いて、異世界のお祭りとやらを楽しむことにした。

 きっと、この出来事は思い出す度に赤面する事になるんだろうな、と小さな後悔を胸に抱いて。



 マルメ祭り二日目の朝。

 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 見慣れた寝室で目を覚ました俺は激しく後悔していた。
 大衆の眼前でソーラン節を踊った事実を思い出す度、小さかったはずの後悔が鉄砲水のように襲い掛かってくる。

 ―― 異世界にきてソーラン節踊る奴とか聞いたことねえよ。もうあの扉から外の世界に旅立ちたくねえよ。
 どんな顔して街中を歩けばいいんだ? ほんとどうしよう。

 「カケル、そろそろ起きましたかー?」

 扉の向こう側から声が届いた。
 神である私は楽しめませんとか言ってたのに目についた食べ物を片っ端からおねだりしてきて、お祭りを満喫していたポンコツだ。

 「…… 起きてるぞ」
 「ならはやく準備して下さい。そろそろ行きますよ」

 こいつ。俺の気も知らないで。
 昨日見て回った限りでは日本の祭りと大差ない。違う事と言えば花火が無かった事ぐらいだろうか。

 「入りますよ」

 ポンコツロリっ子勝手に入室。

 「え」

 俺はアリアの容姿に驚き、声をあげる。

 「ふふん! どうです? いいでしょう?」
 「おまえ、それ浴衣じゃねえか」
 「トウカが用意してくれたんです」
 「ほう」

 アリアは水色の浴衣を着ていた。
 昨日の法被もそうだが、金髪に青系の和装ってのはよく似合っている。

 「似合ってるな」

 俺は思ったことをそのまま口に出した。

 「言われなくても知ってます。神ですから何でも似合うんです」

 ちょっと可愛いからって調子に乗りやがって。

 「と、そんなことより早くお祭り行きましょう!」
 「今日は無理。外に出たら俺の身体は蒸発する」
 「え? 何言ってるんですか」
 「お外出たくない」
 「いいからはやく行きますよ!」

 腕を掴み、ベッドから引きずり出そうとしてくるアリアに俺は抵抗する。

 「嫌だ嫌だ! 今日は外に出たくない!」
 「何わがまま言ってるんですか! 子供じゃないんですから! ほらはやく!」
 「お前らだけで楽しんできたらいいじゃねえか! 離せ!」
 「カケルがいないと何も買えないじゃないですか!」

 アリアが本音を漏らしたところで、

 「まったく、朝から何を騒いでいる」

 黒い浴衣を着たトウカが顔を覗かせた。背後には薄紫色の浴衣を着たステラもいる。
 浴衣は胸が大きいと似合わないなんて嘘だった。
 大和撫子って実在したんだなって実感させられるほどの美少女。

 「トウカ! カケルがベッドから出ようとしないんです!」
 「金は渡すからお前らで行って来いって」
 「カケルは来ないのか?」
 「そのつもりだけど」
 「…… そうか」

 何か寂しそうな物言いだな。

 「昨日は疲れもあってあまり楽しめなかったからな。今日の二日目こそはパーティーの皆で祭りを楽しめると思っていたのだが、残念だ」
 「……」

 これさ、俺が行かなかったら空気悪くなるヤツじゃん。
 …… もう昨日はやり直せないんだ。どうせなら楽しんだ方がいいよな。うん、そうだよな。
 こいつらも浴衣まで着て楽しみにしてるんだし。仕方ない。

 「分かった、行くよ」
 「え? お金さえもらえればカケルは来なくていいですけど?」
 「……」

 このクソガキ。

 「そういえばアリア何か練習してたよな? あっちはいいのか?」
 「ソーラン節に出たのでアイーシャのお願いは断っておきました」

 あの腕ぶんぶん踊りはアイーシャさんの依頼だったのかよ。

 「そうか。よかったな」
 「何が良かったんです?」
 「…… なんでもない」

 祭り二日目は一日目に一通り見回っていたので、特に目新しさも異世界らしいイベントも無く終わることになった。
 そんな事ある? と思ってぶらぶらしてたのだが、買い食いでお金が減っただけだった。
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