かんちゃんとやっすん

普通って何？

あかん。夢のかんちゃんが可愛すぎて…

昨日、かんちゃんに顔向けできへんことしたらあかんって言ったとこやのに。あかんなぁ、俺。決意が続かんの。ああ、かんちゃんの顔今日見られへんかも。

「おはよう。」
「はよ。」
かんちゃん朝から可愛い。

「うぃす」
ナイスタイミング。坂口！

「うぃす」
何か言いたそうな、かんちゃんを振り切って、逃げる。

あかん。さっきの夢のせいで、変な態度取ってしもた。

後でチラッと見たら、気にしてなさそうで安心した。

「なあなあ、引いて。」
クラスのやつが、箱を持ってくる。

今日は席替えか。

かんちゃんの隣！かんちゃんの隣になったら、全教科、本忘れて、一緒に読んだりできるやん。ほんで……


あかん。夢の中のかんちゃんを思い出す。いや、そんな、それほど大変なことはしてない筈。いや、ちょっとな、ちょっとだけ、キスしたり、その先少し進んだり、しただけで、最後までは、してないねん。いくら夢でもな。あんまり、できひんやんか。

夢の中のかんちゃんは、わりと積極的で、嬉しかったって言う。いや、そこまではやってないから、大丈夫や。

って、俺誰に言い訳を。

かんちゃんに会った時に一応謝ろう。

そんで、忘れよう。よし。



とか言ってたのに、嫌、何これ。なんで、そこなん？


席替え、めっちゃ遠い。対角線上、一番端やん。救いの手があったんは、坂口くん様々やな。奴が、かんちゃんの近くや。代わってくれ。


「坂口くーん、目、悪いやんな。代わったんで。」
「いやいや、ここで十分見えます。お前こそ真面目になるチャンスや。頑張れ。」

わざわざ、会いに行ってんのに、坂口が冷たい。かんちゃんは窓際で、日差しが当たって眠そうにしてる。

何か猫がひなたぼっこしてるみたい。
髪の毛が金色に光って、キレイ。

スクショしたい。可愛い。

いや、さすがにバレるか、どうやろ。

これ、見られへんの辛いな。俺は廊下側の一番前。先生入ってくる所。寝てたら一発でアウトやし、寒いからそもそも寝られへん。

でも、プリント後ろに回す時だけ、かんちゃんを見れる。そん時に瞬きをしないように気をつけよう。

後ろの席のやつ、よく知らんけど仲良くしとこう。とりあえず。

かんちゃんは、夢の中に旅立って行った。いいなぁ、俺も行きたい。