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なけなしの
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「奥様に未練などはないということですか?」
「未練も何も、彼女と話したことはあまりないんだ。私は避けられていたしね。実際に彼女が逃げる時には、私より夫人と話を通していたからね。」
フランクの苦しそうな表情が少しだけ緩んだように見える。
「私についてほしい嘘というのは、前の奥様が生きている、ということなんですね。」
「うん。私はこれを墓まで持っていく。誰にも言わないつもりだったけれど、このことを言わないと、説明ができなかったし、これ以上アネットに嘘をつきたくなくて、ごめん。勝手に共犯にしてしまった。」
「誰にも言えずに苦しんでいたのですね。言いにくいことを言わせてごめんなさい。」
アネットはフランクに謝って、続けた。
「私、さっきまでウジウジ悩んでいたんです。フランク……先生に何を聞いたら良いのかわからなくて。何を聞いても決定的に、なりそうで。でも、それを聞いて安心できました。
フランクはもう結婚はしないつもりですか?私と、よければ愛のある結婚をしませんか?先生は、私の初恋で、正直先生がご結婚されてから、ショックで諦めようとしていたんですけど。でも、先生がまだちゃんとした婚姻をされていないなら、今度こそ私と後ろ指差されない夫婦になりませんか。」
フランクは涙目になって、アネットに微笑んだ。
「アネットはこんなおじさんで良いのか?」
「私は先……フランクが良いんです。他の人ではない、フランク・リスキーが好きなんです。」
「私は一度失敗しているから、うまく愛せるかは不安だが、アネットとなら楽しく過ごせると思う。私でよければ、結婚してくれ。アネット。」
フランクが泣き笑いの顔になる。笑いたいけど、きっと自分も同じような顔になっている。良い年をした大人二人が互いに笑っていて、幸せだけど、何故か変な感じがした。
これが、エミリアのおかげだと思うと少し笑ってしまう。あの子は人を怒らせる天才だと思うけれど、アネットには丁度良い人なのかもしれない。
「そういえば、アネット。今回はマトモに試合してないんだって?」
鈍ってるなら相手してやるが?というフランクはいつものフランクだ。
「え?良いんですか?」
喜び勇んで剣を構えるアネットとフランクに、ギャラリーがいつのまにか集まっていた。
「あの二人はどうやっても、甘い雰囲気にはならないんだな。」
「面白いから良いじゃない。」
グレイとニコルがこんな会話をしていたことも当然知らずに、アネットはありったけの思いを剣に込める。
エミリアはアネットの様子を評価した。
「ポンコツ同士がくっついてくれて、よかったわ。」
エミリアはアネットにとっとと好きな人とくっついて貰いたかった。
「だって、先輩のことが好きな人って、軒並みハイスペックなんだもの。」
エミリアはアネットの背中に、手伝って下さってありがとう、と小さく声を掛けた。
終わり
最後、なけなしの恋愛?要素でした。思いの外、グダグダになってよみにくかったかと思います。読んでいただき、ありがとうございました! mios
「未練も何も、彼女と話したことはあまりないんだ。私は避けられていたしね。実際に彼女が逃げる時には、私より夫人と話を通していたからね。」
フランクの苦しそうな表情が少しだけ緩んだように見える。
「私についてほしい嘘というのは、前の奥様が生きている、ということなんですね。」
「うん。私はこれを墓まで持っていく。誰にも言わないつもりだったけれど、このことを言わないと、説明ができなかったし、これ以上アネットに嘘をつきたくなくて、ごめん。勝手に共犯にしてしまった。」
「誰にも言えずに苦しんでいたのですね。言いにくいことを言わせてごめんなさい。」
アネットはフランクに謝って、続けた。
「私、さっきまでウジウジ悩んでいたんです。フランク……先生に何を聞いたら良いのかわからなくて。何を聞いても決定的に、なりそうで。でも、それを聞いて安心できました。
フランクはもう結婚はしないつもりですか?私と、よければ愛のある結婚をしませんか?先生は、私の初恋で、正直先生がご結婚されてから、ショックで諦めようとしていたんですけど。でも、先生がまだちゃんとした婚姻をされていないなら、今度こそ私と後ろ指差されない夫婦になりませんか。」
フランクは涙目になって、アネットに微笑んだ。
「アネットはこんなおじさんで良いのか?」
「私は先……フランクが良いんです。他の人ではない、フランク・リスキーが好きなんです。」
「私は一度失敗しているから、うまく愛せるかは不安だが、アネットとなら楽しく過ごせると思う。私でよければ、結婚してくれ。アネット。」
フランクが泣き笑いの顔になる。笑いたいけど、きっと自分も同じような顔になっている。良い年をした大人二人が互いに笑っていて、幸せだけど、何故か変な感じがした。
これが、エミリアのおかげだと思うと少し笑ってしまう。あの子は人を怒らせる天才だと思うけれど、アネットには丁度良い人なのかもしれない。
「そういえば、アネット。今回はマトモに試合してないんだって?」
鈍ってるなら相手してやるが?というフランクはいつものフランクだ。
「え?良いんですか?」
喜び勇んで剣を構えるアネットとフランクに、ギャラリーがいつのまにか集まっていた。
「あの二人はどうやっても、甘い雰囲気にはならないんだな。」
「面白いから良いじゃない。」
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エミリアはアネットの様子を評価した。
「ポンコツ同士がくっついてくれて、よかったわ。」
エミリアはアネットにとっとと好きな人とくっついて貰いたかった。
「だって、先輩のことが好きな人って、軒並みハイスペックなんだもの。」
エミリアはアネットの背中に、手伝って下さってありがとう、と小さく声を掛けた。
終わり
最後、なけなしの恋愛?要素でした。思いの外、グダグダになってよみにくかったかと思います。読んでいただき、ありがとうございました! mios
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