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新たな出会い
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エディが怯えて来なくなるかも、なんて期待は儚くも崩れ去った。何日かしたらそこにはまた恥ずかしげもなく現れたエディは、何故かステラのやっていることを真似し始めた。
聞けば、ご両親から「ステラちゃんを見習いなさい」と喝を入れられたらしい。……そう言う意味じゃないと思うのだけど。彼は何を思ったか、ステラの花壇いじりを手伝うのだと言う。
「うわ、迷惑。」
ついつい、心の中の声が漏れたのは言うまでもなく。
「まあ、苦手な虫でも投げとけば、すぐに退散するでしょう。」
だが、予想は裏切られた。どういう訳か、奴は苦手な虫を投げつけられても、スコップで足を粉砕しても、逃げることはなかったのである。
どうしてかわからないでいるステラに新たな情報が入る。伯爵家に最近入った新人の侍女見習いに、ピンク女に似た女がいるというものだ。
「それってまさか、彼女に会いに来てるってこと?」
ステラとの婚姻をしたら、ステラは彼方の伯爵家に行き、我が家からは彼女を連れて行かない限りはエディが彼女に会えることはない。
調べによると、奴がステラの掘った穴に怯え、逃げ帰った次の日に、我が家の使用人である侍女見習いの女とエディは初めて会ったそうだ。
「あの日、来てたの?」
エディが来たことすら、ステラは知らないのだが、どうも不在を告げたにも関わらず、少しの時間待っていたらしい。
その時、お客様に対応したのがその彼女だということだ。レイラ・リーストンというその彼女は子爵令嬢で、驚くことに学園の卒業前に婚約者の不貞によって婚約を解消している。
「どこかで聞いた話ね。」
レイラの話では、「浮気をする人は治らないので何度も繰り返します。病気みたいなものなので。だから、いくら政略結婚だからといって、お嬢様が無理なされなくても大丈夫です。」とのこと。
どうやら、彼女は身をもって浮気男のやらかしを誘ってくれる気らしいのだが。
有難い話だが、彼女には手を汚させる訳にもいかず、計画は取りやめにしてもらうことにする。
彼がやらかすことよりも、自分のプライベート空間に奴が入り込むのが耐えられないのだ。
「でもそれって、致命的では?」
レイラの容赦ないツッコミに、ステラは黙ってしまった。
そうね、婚約者なのに、プライベートに干渉しないなど、できる訳がないのだもの。レイラを連れて、一度父の元へ相談にいく。これ以上はエディに対して、我慢ができない。腹が立って腹が立って、最後には本当に生き埋めにしてしまいそうだからである。
「お父様、私がエディを始末するまでに何とかしてください。」
父はその言葉に震えた。日頃の行いの所為なのか、ステラにはある意味での信用がない。
「あー、やっぱりダメだったか。なら、レイラは一旦隠れなさい。ちゃんと良いようにするから。」
父の計画は、最初のステラとあまり大差ない。レイラを彷彿させる花を植え、次はお前だと脅すのだ。
「直接的な言葉はいけないよ。言質を取られると罪になってしまうからね。大丈夫、奴は殺されるぐらいなら、破棄を選ぶさ。」
聞けば、ご両親から「ステラちゃんを見習いなさい」と喝を入れられたらしい。……そう言う意味じゃないと思うのだけど。彼は何を思ったか、ステラの花壇いじりを手伝うのだと言う。
「うわ、迷惑。」
ついつい、心の中の声が漏れたのは言うまでもなく。
「まあ、苦手な虫でも投げとけば、すぐに退散するでしょう。」
だが、予想は裏切られた。どういう訳か、奴は苦手な虫を投げつけられても、スコップで足を粉砕しても、逃げることはなかったのである。
どうしてかわからないでいるステラに新たな情報が入る。伯爵家に最近入った新人の侍女見習いに、ピンク女に似た女がいるというものだ。
「それってまさか、彼女に会いに来てるってこと?」
ステラとの婚姻をしたら、ステラは彼方の伯爵家に行き、我が家からは彼女を連れて行かない限りはエディが彼女に会えることはない。
調べによると、奴がステラの掘った穴に怯え、逃げ帰った次の日に、我が家の使用人である侍女見習いの女とエディは初めて会ったそうだ。
「あの日、来てたの?」
エディが来たことすら、ステラは知らないのだが、どうも不在を告げたにも関わらず、少しの時間待っていたらしい。
その時、お客様に対応したのがその彼女だということだ。レイラ・リーストンというその彼女は子爵令嬢で、驚くことに学園の卒業前に婚約者の不貞によって婚約を解消している。
「どこかで聞いた話ね。」
レイラの話では、「浮気をする人は治らないので何度も繰り返します。病気みたいなものなので。だから、いくら政略結婚だからといって、お嬢様が無理なされなくても大丈夫です。」とのこと。
どうやら、彼女は身をもって浮気男のやらかしを誘ってくれる気らしいのだが。
有難い話だが、彼女には手を汚させる訳にもいかず、計画は取りやめにしてもらうことにする。
彼がやらかすことよりも、自分のプライベート空間に奴が入り込むのが耐えられないのだ。
「でもそれって、致命的では?」
レイラの容赦ないツッコミに、ステラは黙ってしまった。
そうね、婚約者なのに、プライベートに干渉しないなど、できる訳がないのだもの。レイラを連れて、一度父の元へ相談にいく。これ以上はエディに対して、我慢ができない。腹が立って腹が立って、最後には本当に生き埋めにしてしまいそうだからである。
「お父様、私がエディを始末するまでに何とかしてください。」
父はその言葉に震えた。日頃の行いの所為なのか、ステラにはある意味での信用がない。
「あー、やっぱりダメだったか。なら、レイラは一旦隠れなさい。ちゃんと良いようにするから。」
父の計画は、最初のステラとあまり大差ない。レイラを彷彿させる花を植え、次はお前だと脅すのだ。
「直接的な言葉はいけないよ。言質を取られると罪になってしまうからね。大丈夫、奴は殺されるぐらいなら、破棄を選ぶさ。」
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