浮気は私の方でした

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いつまで?

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リアム様の都合が良くなるのは一体いつまででしょうか。私は良いのです。もう、将来は仕事に打ち込むと決めたのですから。リアム様が婚約者をお決めになるまでの仮の婚約者として、居続けたとして、浮気に使われた私に求婚する方など、いないのですから。

リシャール家に戻り働いていましたら、仕事の後で、クレアから呼び止められ、手紙を渡されました。

「旦那様からもお話があると思うけれど、今度王家主催の夜会に誘われたわ。エルザのお誘いだけど、貴女も一緒に行くわよね。」

「夜会?私まだ一度も出たことがないのだけれどいいのかしら。」

「丁度良いのではなくて?貴方のエスコート役はリアム様がしてくださるから、安心して。あ、それで、そのリアム様からの手紙よ。」

クレアがもう一通手紙を渡してくれます。初めての夜会は心細いですが、リアム様のお手紙を読むと、少し緊張が解けます。

「リアム様から、何て?」

「今週中に、家に来て欲しいのですって。急を擁するらしいわ。どうされたのかしら。」

クレアは特に驚いた様もなく、スケジュールを確認しています。

「明後日お伺いします、って言っておくわ。お昼からなら私も行けるから。」

頼もしい友人を持って幸せですが、できることなら内容を教えてほしいです。クレアは、ニコニコしながら、言います。

「怖いことはないわよ。ただちょっと疲れるかもしれないけれど。」

私は何もわからないままに、再度、ヒーラー家を訪ねます。


迎えて下さったのは、ララ様と、エルザ様と、あと知らない方です。

中には色とりどりのドレスが置いてあり、漸く今日の予定がわかりました。

エルザ様とララ様の夜会のドレスを選ぶようです。私はお手伝い要員ですね。クレアを見ると、すでに小物を眺めていました。

遅れを取ってしまっています。私に手伝うことはないかと、ウロウロしておりますと、ララ様に捕獲されました。

布地を私に合わせて、話が弾みます。ご自身で合わせられた方がわかりやすい、と思うのですが。私はなるべく主張せず、その場に立ちます。

私の側にクレアが立ちます。クレアは背が高いので男性役みたいです。

エルザ様の選んだ男女でお揃いの色合いで、ドレスやら小物が見る見る内に決まっていきます。

知らない女性は、私がぼんやりしている間に、私のサイズを測ってくれました。そこでようやく、私は気がつくのです。

「もしかして、私の為ですか?」

クレアが、笑いを堪えています。

「今気がついたのね?うーん、これはお兄様の苦労が見えるわ。」

ララ様が、目を丸くしています。

「お兄様にはヘタレを克服してもらわなくてはなりませんわ。直球で行かなくては、通用しないと、わかっていただかなくては。」

エルザ様の眼力が凄いことになっています。

気がつくと蛇に睨まれた蛙の気分でした。

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