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ご令嬢に会いました
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「こちらでお待ちください。」
リカルドが出て行ったのち、広い部屋に取り残されます。
所在なく座ってはいるが、部屋の中を見たりする余裕はありません。
クレアは、なんだかすっかり勝手知ったる様子で寛いでいます。
「すぐ来るわ。エルザは私と同じ年で、全く怖い人ではないわ。見た目が怖いのは生まれつきだから、気にしないで。」
友人だからこその意見だとは思いますが、不敬にあたらないか、心配で仕方ないのですが。
頼みの綱である、クレアですが、大丈夫でしょうか。
「怖い顔は余計よ、クレア。」
扉が開いて入ってきたご令嬢に、驚きつつも挨拶をします。
恐ろしく綺麗な顔立ちをされていて、一見冷たく見えますが、クレアに対する表情を見ていると、普通の可愛いお嬢様です。
「あら、貴女が、アリアね。ごめんなさいね、脅すような真似をして。」
見た目のギャップに、混乱していると、クレアが、手を握ってくれます。
「大丈夫だったでしょ?」
二人を見比べて、言葉を発せずにいたら、座るように勧められました。
「まずは、自己紹介からね。ヒーラー侯爵家が娘、エルザ・ヒーラーよ。アリア嬢、ごめんなさいね。今回、わざわざ来ていただいたのには、訳があるの。話を聞いてもらえるかしら?」
「はい、あの慰謝料のことも……お話してくださるのですよね。」
「ええ、勿論よ。そうね、まずはお茶でもいかがかしら。侯爵領で作られたお菓子も用意したのよ。寛いでちょうだい。」
その後、私とクレア、リカルドとあと何人かの男女が入ってきました。リカルドを始め、何人かはタイプは異なりますが綺麗な見た目をされています。
私は顔を見ましたが、今から話されることに思いを巡らせていたので、特にそれ以上思うことはありませんでした。
「なるほどね。クレアの言う通りだったわね。」
クレアを見ると、嬉しそうにしています。
「そうでしょう?アリアは良い子なの。きっと騙されていたに違いないのよ。アリアは純粋だから、騙すのは簡単だったはずよ。」
「ええ、それに他の人達と比べて、この子達への興味もないようね。まあ、クレアが可愛がっている子が、人の婚約者を奪おうとするなんてことないわよね。貴女が見抜けない訳ないわ。」
「そうよ。私にかかれば、嘘なんて……これ、美味しいわね。新作?原材料は何なの?奥様に召し上がっていただきたいわ。」
「貴女なら、気にいると思って三種類用意したのよ。小さな幼児でも食べられるからケイトお嬢様にも召し上がっていただけるわ。」
最初は深刻な話のようでしたが、だんだんお菓子の話になっていきます。
私も一口、食べてみて驚きました。
「これなら小さいお子様も、喜びますね。」
ケイトお嬢様に食べさせた反応が見たいです。きっと口いっぱいに頬張って、食べてくださりそうです。
リカルドが、エルザ様に耳打ちをしています。エルザ様は、今思い出したかのように、息を整えて、紅茶を一口飲みます。
「話が逸れたわね。では、今回の慰謝料請求について、話すことにするわね。そもそもの始まりは少し長くなるのだけれど、時間は大丈夫かしら。全て終わったら、きちんと送るので安心してね。
では、まず……アリア嬢、慰謝料請求の書状を渡して下さる?」
エルザ様に、届いた手紙を一式渡します。
封を開けたままの書状をよく読み、頷いて、机の上に置きます。後ろに控えていたリカルドが、書類をエルザ様に渡すと、その書状を横に並べます。
「左にあるのが、貴女のところに届いた書状。右にあるのが、ヒーラー家で今回使用した手紙の一式なのだけれど、わかるかしら。
少し違うのよね。
一見すると同じなのだけれど、クレアが言ってくれなかったらわからなかったわ。」
「これは、どう言うことですか?」
「元々は、私の妹と婚約した伯爵子息カイン・バルトが不貞を犯している事実が明らかになり、全てを清算しなければ、爵位を取り上げる、と王家から、父親のバルト伯爵に通達したことに始まるの。
どうして、王家から、と言うのはまた後で話すけれど。カイン・バルトは、筋金入りの女好きで、学園には沢山の秘密の恋人がいるの。
彼の秘密の恋人達は、貴族令嬢ではあるけれど、私の妹が婚約者だったことは知っていて、誑かしているので、慰謝料を請求されたとしても、同情の余地は一切ないの。
皆、貴女とは違って自ら、婚約者のいる男性に言い寄ったのだから。」
リカルドが出て行ったのち、広い部屋に取り残されます。
所在なく座ってはいるが、部屋の中を見たりする余裕はありません。
クレアは、なんだかすっかり勝手知ったる様子で寛いでいます。
「すぐ来るわ。エルザは私と同じ年で、全く怖い人ではないわ。見た目が怖いのは生まれつきだから、気にしないで。」
友人だからこその意見だとは思いますが、不敬にあたらないか、心配で仕方ないのですが。
頼みの綱である、クレアですが、大丈夫でしょうか。
「怖い顔は余計よ、クレア。」
扉が開いて入ってきたご令嬢に、驚きつつも挨拶をします。
恐ろしく綺麗な顔立ちをされていて、一見冷たく見えますが、クレアに対する表情を見ていると、普通の可愛いお嬢様です。
「あら、貴女が、アリアね。ごめんなさいね、脅すような真似をして。」
見た目のギャップに、混乱していると、クレアが、手を握ってくれます。
「大丈夫だったでしょ?」
二人を見比べて、言葉を発せずにいたら、座るように勧められました。
「まずは、自己紹介からね。ヒーラー侯爵家が娘、エルザ・ヒーラーよ。アリア嬢、ごめんなさいね。今回、わざわざ来ていただいたのには、訳があるの。話を聞いてもらえるかしら?」
「はい、あの慰謝料のことも……お話してくださるのですよね。」
「ええ、勿論よ。そうね、まずはお茶でもいかがかしら。侯爵領で作られたお菓子も用意したのよ。寛いでちょうだい。」
その後、私とクレア、リカルドとあと何人かの男女が入ってきました。リカルドを始め、何人かはタイプは異なりますが綺麗な見た目をされています。
私は顔を見ましたが、今から話されることに思いを巡らせていたので、特にそれ以上思うことはありませんでした。
「なるほどね。クレアの言う通りだったわね。」
クレアを見ると、嬉しそうにしています。
「そうでしょう?アリアは良い子なの。きっと騙されていたに違いないのよ。アリアは純粋だから、騙すのは簡単だったはずよ。」
「ええ、それに他の人達と比べて、この子達への興味もないようね。まあ、クレアが可愛がっている子が、人の婚約者を奪おうとするなんてことないわよね。貴女が見抜けない訳ないわ。」
「そうよ。私にかかれば、嘘なんて……これ、美味しいわね。新作?原材料は何なの?奥様に召し上がっていただきたいわ。」
「貴女なら、気にいると思って三種類用意したのよ。小さな幼児でも食べられるからケイトお嬢様にも召し上がっていただけるわ。」
最初は深刻な話のようでしたが、だんだんお菓子の話になっていきます。
私も一口、食べてみて驚きました。
「これなら小さいお子様も、喜びますね。」
ケイトお嬢様に食べさせた反応が見たいです。きっと口いっぱいに頬張って、食べてくださりそうです。
リカルドが、エルザ様に耳打ちをしています。エルザ様は、今思い出したかのように、息を整えて、紅茶を一口飲みます。
「話が逸れたわね。では、今回の慰謝料請求について、話すことにするわね。そもそもの始まりは少し長くなるのだけれど、時間は大丈夫かしら。全て終わったら、きちんと送るので安心してね。
では、まず……アリア嬢、慰謝料請求の書状を渡して下さる?」
エルザ様に、届いた手紙を一式渡します。
封を開けたままの書状をよく読み、頷いて、机の上に置きます。後ろに控えていたリカルドが、書類をエルザ様に渡すと、その書状を横に並べます。
「左にあるのが、貴女のところに届いた書状。右にあるのが、ヒーラー家で今回使用した手紙の一式なのだけれど、わかるかしら。
少し違うのよね。
一見すると同じなのだけれど、クレアが言ってくれなかったらわからなかったわ。」
「これは、どう言うことですか?」
「元々は、私の妹と婚約した伯爵子息カイン・バルトが不貞を犯している事実が明らかになり、全てを清算しなければ、爵位を取り上げる、と王家から、父親のバルト伯爵に通達したことに始まるの。
どうして、王家から、と言うのはまた後で話すけれど。カイン・バルトは、筋金入りの女好きで、学園には沢山の秘密の恋人がいるの。
彼の秘密の恋人達は、貴族令嬢ではあるけれど、私の妹が婚約者だったことは知っていて、誑かしているので、慰謝料を請求されたとしても、同情の余地は一切ないの。
皆、貴女とは違って自ら、婚約者のいる男性に言い寄ったのだから。」
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