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妹に嫌がらせをする姉
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「ロザリア、貴女、アランではなくて、第一王子に纏わりついているみたいね。賭けはもう私の勝ちでいいのね?」
「お姉様。仕方がないでしょう?お姉様と違って私モテるんだから。第一王子の方が私を好きで好きで仕方がないのよ。アラン様に会いに行こうとすると、嫉妬なさるの。」
「なら、相手をアランから、彼に変える?多分貴女では無理だと言うのは何もアランに限ったことではないわ。第一王子に近づくなんて、多分貴女以外にいない。だけど、貴女はきっと後悔するわ。」
「お姉様、私が後悔?おかしなことを言うのね。だって第一王子よ?第三王子より上でしょう。私が王妃になってから、慌てても遅いのよ?」
「第一王子と恋仲になっても、貴女が王妃になることはないから安心なさい。良いわね、忠告はしたわよ?」
ロザリアから離れたシスティーナを睨むのは兄アレクシス。兄に関しては妹と共倒れになってほしい為、黙って通り過ぎる。
「いつもいつも、妹に嫌味を言いにくるなんて余程暇なんだな。」
「あら、ならお兄様も暇なのね?それとも、お兄様の妹はロザリアだけなの?それならそれで、兄として敬わないつもりだけど。」
「お前はそう言うところが可愛くないと言っている。アラン殿にはロザリアみたいな可愛い女の子がお似合いだ。後になって後悔するなよ。」
「後悔ねぇ……今貴方に反応したことに後悔はしておりますわ。それより、お兄様こそ契約書はもう少し慎重に読むことをお勧めいたします。」
こう言うと、普通ならすぐに契約書を確認するところだが、さすがはお兄様。そんなことはしない。だってシスティーナの言葉は全て聞き入れる気にならないようなのだから。
「忠告いたしましたわよ。くれぐれも後悔なさらぬよう。」
ヒントならたくさん渡している。こんなに優しい妹もいないのに。
「何というか、哀れだね。」
幼い弟まで、そんなことを思うのだから、呆れを通り越して笑ってしまう。
ロザリアが第一王子と仲良くしているのを、意外にも沢山の人が知っていた。
「彼の方に近づくのはおやめなさい。貴女の為よ。」
ただの親切心で、見知らぬご令嬢に諭されても、ロザリアは彼女が姉の回し者であると思ったみたいだ。
「姉に頼まれたのですか。私達のことは放っておいてください。私と彼は運命で繋がっているのですわ。誰にも邪魔は許されません。」
ロザリアの態度に、全てを悟ったご令嬢は、システィーナに憐れみの目を向けた。
「忠告されていたのですね。やっぱり彼の方、残念だわ。どうしてシスティーナ様に似ずに兄君に似てしまわれたのでしょうね?」
「まあ、兄のお知り合いでしたか。あの子の為にご忠告いただきありがとうございます。ただ、妹も兄も先天性の病で、人の親切が通じませんの。申し訳ありません。」
「いえ。大丈夫ですわ。私の前に忠告されていた男性に比べたら、些細なことです。」
システィーナは見ていなかったが、彼女の前にもある男性がロザリアに第一王子に近づかないように、と話していたらしい。
「何というか、すこぶる前向きな妹さんなのね。羨ましいわ。」
ああ、穴があったら入りたい。
妹は忠告してくれた男性に、酷い勘違いをした。
「私に焦がれているのはわかります。私がお好きなんですよね?でも、私の好きなのは、第一王子様なんです。だから、貴方とは、ごめんなさい。」
妹よ、その方には相思相愛の婚約者がいるのよ。
いつもならフォローに回るけれど、もうしないと決めたので、放っておく。
さあ、どうなるか。システィーナは意外にもワクワクしていた。
「お姉様。仕方がないでしょう?お姉様と違って私モテるんだから。第一王子の方が私を好きで好きで仕方がないのよ。アラン様に会いに行こうとすると、嫉妬なさるの。」
「なら、相手をアランから、彼に変える?多分貴女では無理だと言うのは何もアランに限ったことではないわ。第一王子に近づくなんて、多分貴女以外にいない。だけど、貴女はきっと後悔するわ。」
「お姉様、私が後悔?おかしなことを言うのね。だって第一王子よ?第三王子より上でしょう。私が王妃になってから、慌てても遅いのよ?」
「第一王子と恋仲になっても、貴女が王妃になることはないから安心なさい。良いわね、忠告はしたわよ?」
ロザリアから離れたシスティーナを睨むのは兄アレクシス。兄に関しては妹と共倒れになってほしい為、黙って通り過ぎる。
「いつもいつも、妹に嫌味を言いにくるなんて余程暇なんだな。」
「あら、ならお兄様も暇なのね?それとも、お兄様の妹はロザリアだけなの?それならそれで、兄として敬わないつもりだけど。」
「お前はそう言うところが可愛くないと言っている。アラン殿にはロザリアみたいな可愛い女の子がお似合いだ。後になって後悔するなよ。」
「後悔ねぇ……今貴方に反応したことに後悔はしておりますわ。それより、お兄様こそ契約書はもう少し慎重に読むことをお勧めいたします。」
こう言うと、普通ならすぐに契約書を確認するところだが、さすがはお兄様。そんなことはしない。だってシスティーナの言葉は全て聞き入れる気にならないようなのだから。
「忠告いたしましたわよ。くれぐれも後悔なさらぬよう。」
ヒントならたくさん渡している。こんなに優しい妹もいないのに。
「何というか、哀れだね。」
幼い弟まで、そんなことを思うのだから、呆れを通り越して笑ってしまう。
ロザリアが第一王子と仲良くしているのを、意外にも沢山の人が知っていた。
「彼の方に近づくのはおやめなさい。貴女の為よ。」
ただの親切心で、見知らぬご令嬢に諭されても、ロザリアは彼女が姉の回し者であると思ったみたいだ。
「姉に頼まれたのですか。私達のことは放っておいてください。私と彼は運命で繋がっているのですわ。誰にも邪魔は許されません。」
ロザリアの態度に、全てを悟ったご令嬢は、システィーナに憐れみの目を向けた。
「忠告されていたのですね。やっぱり彼の方、残念だわ。どうしてシスティーナ様に似ずに兄君に似てしまわれたのでしょうね?」
「まあ、兄のお知り合いでしたか。あの子の為にご忠告いただきありがとうございます。ただ、妹も兄も先天性の病で、人の親切が通じませんの。申し訳ありません。」
「いえ。大丈夫ですわ。私の前に忠告されていた男性に比べたら、些細なことです。」
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「何というか、すこぶる前向きな妹さんなのね。羨ましいわ。」
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妹よ、その方には相思相愛の婚約者がいるのよ。
いつもならフォローに回るけれど、もうしないと決めたので、放っておく。
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