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監禁3日目(料理長は旦那様に忠告する)

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今回は、私料理長マーサがお送りいたします。

ご夫妻の栄養状態は私が管理しております。目を離すと野菜を敬遠しがちの旦那様と、野菜しかお召し上がりにならない奥様とを諫めながら日々過ごしております。

監禁生活中は、軽食で良いと言われましたので、満遍なく栄養が取れ、軽いものをお出ししています。

旦那様は大して心配はしていないのですが、奥様の身体は心配になります。
元々食が細く、偏食気味な奥様です。
旦那様に見張らせると、奥様にうっとりしてしまい、本分を忘れてしまいます。

いつもは、私が、柱の陰からのぞいて確認しているのですが、地下室には隠れるところがないため、栄養が行き届いているかの確認ができません。

旦那様に、奥様に無理をさせないよう忠告することぐらいしかできません。

旦那様は思い当たる節があるようで、頷いてはいますが、あと5日後、監禁生活が終了した暁には、食事の内容をさらに整えなければなりません。

地下室には、栄養を補う食品も置いてあるのですが、奥様の大好きなマドレーヌばかりが減っているようです。

食べないよりは、マドレーヌでも食べる方がマシですが、やはり、栄養としては心許ないです。

旦那様と奥様が地下室にいらっしゃると、使用人たちは、何だか張り合いがないようで、こういう生活は、頻繁にない方が良いようです。

奥様は、幼馴染の旦那様に嫁いだだけあって、使用人のこともご存知で、割と仲良くさせていただいておりました。友達と言っては、恐れ多いですが、何かあった時、奥様に見せたい!と思うぐらいには仲良しです。

だから、旦那様はいいとして、奥様が見えないと、使用人たちは目に見えて元気がなくなります。

この家の使用人たちは、幼い頃から旦那様の奇行を見てきているので、奥様には同情的です。ただ、ご結婚されて、奥様の人となりを知っていくにつれて、昔の旦那様の行いに、意味があったことがわかり、今になって安堵しております。

そういえば、最近旦那様は、男性だけでは飽き足らず、女性の使用人にも、奥様と仲が良すぎる、とぼやいていらっしゃったそう。

奥様から人を遠ざけて、どうするおつもりなのか。


仕方がないじゃないですか。
旦那様と違い、奥様は人気なのです。
そんなことばかりしていると嫌われてしまいますよ。










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