第二王子の初恋

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諦めない

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僕の好きな人を紹介します。

ソフィア・クレマー侯爵令嬢です。
ぱちぱち。

僕がお茶会で一目で恋に落ち、
秒で振られたあのおひめさま。

ソフィアの初恋はきっとアルノルトなんだろうな。
ほわぁっと見惚れていた顔も可愛いなんてずるくない?

婚約者候補の選定は、あれから頻繁に行われ、
なぜか、ソフィアはアルノルトではなく、僕の婚約者候補として名が上がった。

ソフィアほどのご令嬢なら、アルノルトも充分だろうに。

とはいえ、婚約者候補だから、と理由付けて、堂々と会いに行けるのは良いものだ。

毎月、ウキウキしながら、出かけていくのに、回数を重ねるにつれて、僕はだんだんソフィアと話せなくなってしまった。

他の候補者とは話せるんだよ?
でも、ソフィアと向き合うと、もうダメ。

かわいすぎ!

って、なって、もう何もできなく
なってしまう。





あぁ、また話せなかった

毎回、城に帰ってから反省会をする。


前は一人だったのに、最近は
辛気臭い僕を面白がって、
エリアスが様子を見にくる。

「おい、ヘタレ」

兄上に、冷たすぎない?

「かわいすぎて、話せないって何?」

う、うん。僕も、困ってるんだよ?
ね?兄上に優しくしよ?

エリアスは大げさにため息をついて、
不穏なことを口にした。

「いい加減にしないと、
ソフィア嬢に愛想尽かされるよ。」

う、うん。

エリアスの言う通りだ。

僕は自分を変えることを決意した。




ところで、ソフィアは僕の婚約者候補に残ってることをどう思ってるんだろう。

本当は僕よりアルノルトの婚約者になりたいのではないだろうか。

考えはじめたら、キリがないけど。


アルノルトの婚約者候補は、ほぼ一人に決まりかかっている。

どうやら、相思相愛らしいので、今から変更したとしても、正妃は難しいだろうな。

アルノルトの婚約者候補は、ユーリア公爵令嬢と言って、いわゆる幼馴染ってやつ。

僕もよく知っている。
明るくてうるさい、珍獣みたいな人。
公爵令嬢に充てる言葉じゃないよね。
でも、会えばわかるよ。うるさいから。


アルノルトにあって、僕にないものは、
いっぱいある。逆は思いつかないけど。

それでも婚約するまでに、
僕はソフィアと相思相愛になりたい。
せっかくなら好きになってもらいたい。

必死に考える。

変わるためには何が必要かってことを。






















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