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頑張った
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サイオンは、ローズしか見えていない。ローズの周りだけ、明るく光が当たっていて、見てしまう。
ローズはとても素直に感情を現し、表現する。貴族の上辺しか見せない化かし合いを見ている身からすると、不安になるが、その分新鮮に写る。ローズは自分と結婚すると、平民になってしまうが、その方が幸せみたいだ。
貴族社会は、疲れると言っていたから。
平民になっても、マリア様やライラ様からお誘いはあるだろうし、私が近衛騎士から外れるわけではないし、何ら変わりはない。身分だけ、変わる。
本人が気にしていないことを、思い悩むのが、馬鹿みたいに、ローズは楽しんでくれてるようで、嬉しくなる。
ローズをお店に連れて行ったあとは、自分が一度行って見たかったお店に連れていく。カフェなのだが、料理もあるお店で、来い来いとうるさかったので、一緒にローズを連れて行こうと思っていた。
そのカフェは、エドワード王子とスタン王子の妹君であるリサ王女がプロデュースした庶民向けのカフェだ。
シェフの方が、特殊な能力があり、一から王女が育てた、と胸を張っていたので、一度行って見たかった。予約した時の王女の顔を思い出し、笑いがこみ上げる。
ローズは不思議そうに、でも輝く笑顔で微笑みを返してくれて、それだけで胸がいっぱいになる。
お店にいくと、シェフのルーがいて、王女が公務すっとばして、こちらに来たがったのを止めたと言う話を聞いて、ぞっとする。
誰とくるのか異常に気にしてたからなぁ。
ルーの作るご飯は、とても美味しい。じんわりと、滋養に良い。悪いところを直してくれるような、胸がいっぱいになるような。
ローズも一口食べて、私が言いたいことがわかったみたいで、終始美味しそうに、楽しそうに食べていた。
唐突に、ああ、ずっとこうしていたい、と思った。
ご飯を食べ終えて、またエスコートして歩く。「疲れてないですか?あちらで休みますか?」
空いているベンチで休むことにする。
ローズは夜会の着飾った姿は勿論美しいが、今の変装した平民の格好もとても愛らしい。周りには余り人はいない。ローズの可愛らしさを独り占めできて、嬉しい。
「あの…お願いがあるのですが。」
「はい?」ローズの人を疑うことを知らない性格はこの先、不安はある。
利用しておいて、何を言う、と怒られそうだが。
ローズの体を抱っこさせて貰う。
恥ずかしがっていたが、やってみたかったのだ。顔を真っ赤にしているのが、可愛くてもっと見たいと思ってしまう。
そのまま座って話をしていると、蚊の鳴くような声で「そろそろおろしてください」と言ったが、聞こえなかったフリをして、抱っこし続けた。許容量を超えたみたいで、虫の息になっていたので、たまらず、口づけると、くたっと萎れてしまった。
ディアンに、叱られるな、と思った。
ローズはとても素直に感情を現し、表現する。貴族の上辺しか見せない化かし合いを見ている身からすると、不安になるが、その分新鮮に写る。ローズは自分と結婚すると、平民になってしまうが、その方が幸せみたいだ。
貴族社会は、疲れると言っていたから。
平民になっても、マリア様やライラ様からお誘いはあるだろうし、私が近衛騎士から外れるわけではないし、何ら変わりはない。身分だけ、変わる。
本人が気にしていないことを、思い悩むのが、馬鹿みたいに、ローズは楽しんでくれてるようで、嬉しくなる。
ローズをお店に連れて行ったあとは、自分が一度行って見たかったお店に連れていく。カフェなのだが、料理もあるお店で、来い来いとうるさかったので、一緒にローズを連れて行こうと思っていた。
そのカフェは、エドワード王子とスタン王子の妹君であるリサ王女がプロデュースした庶民向けのカフェだ。
シェフの方が、特殊な能力があり、一から王女が育てた、と胸を張っていたので、一度行って見たかった。予約した時の王女の顔を思い出し、笑いがこみ上げる。
ローズは不思議そうに、でも輝く笑顔で微笑みを返してくれて、それだけで胸がいっぱいになる。
お店にいくと、シェフのルーがいて、王女が公務すっとばして、こちらに来たがったのを止めたと言う話を聞いて、ぞっとする。
誰とくるのか異常に気にしてたからなぁ。
ルーの作るご飯は、とても美味しい。じんわりと、滋養に良い。悪いところを直してくれるような、胸がいっぱいになるような。
ローズも一口食べて、私が言いたいことがわかったみたいで、終始美味しそうに、楽しそうに食べていた。
唐突に、ああ、ずっとこうしていたい、と思った。
ご飯を食べ終えて、またエスコートして歩く。「疲れてないですか?あちらで休みますか?」
空いているベンチで休むことにする。
ローズは夜会の着飾った姿は勿論美しいが、今の変装した平民の格好もとても愛らしい。周りには余り人はいない。ローズの可愛らしさを独り占めできて、嬉しい。
「あの…お願いがあるのですが。」
「はい?」ローズの人を疑うことを知らない性格はこの先、不安はある。
利用しておいて、何を言う、と怒られそうだが。
ローズの体を抱っこさせて貰う。
恥ずかしがっていたが、やってみたかったのだ。顔を真っ赤にしているのが、可愛くてもっと見たいと思ってしまう。
そのまま座って話をしていると、蚊の鳴くような声で「そろそろおろしてください」と言ったが、聞こえなかったフリをして、抱っこし続けた。許容量を超えたみたいで、虫の息になっていたので、たまらず、口づけると、くたっと萎れてしまった。
ディアンに、叱られるな、と思った。
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