逆ハーENDは封じられました

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本編

円満解決?

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アーヴィン以外の攻略対象および悪役令嬢の責を負う者達は話し合う。

ご令嬢達の意見は一致していた。カリーナを含め、アリシアは、見守ることにする、と。
それは今の段階では、アリシアを害する理由がない、ということを意味する。

カリーナがハッピーエンドで、ヒロインを殺すことは、自分の罪を逆恨みした結果ではなく、国の為だ。

色ボケした王子では、国が崩壊してしまう。それには元凶であるヒロインを亡き者にすることにより、膿を出し、色ボケした攻略対象者を正気に戻す必要があったからだ。

王子以外の攻略対象を選んだ時点で、カリーナがヒロインを殺害する必要すらないのだから、当然だとも言える。

毎回、ゴミ掃除をしていたカリーナも、決して、人を殺すことに慣れたわけではない。

愛する王子と幸せに暮らしたいのが本音だ。

アーヴィン以外の攻略対象にしても、アリシアと会ったことがあるのが、せいぜいサイラスと、夜会では王子に一度アーヴィンと一緒に挨拶したぐらいで、交流がなかった。

王子に至っては、挨拶はしてもらったものの、王子の顔や地位に興味のなかったせいで、何の下心なく、対応できたことが、王子の目を覚まさせた。

「彼女は確かに、今までの者とは違うようだな。」

その場にいた者達は、皆アリシアが現状を打破してくれることを期待していた。逆ハーではなく、一人を選んだ時にどうなるのか。自分達はこの世界に閉じ込められている。それを解消してくれる存在だと。

「いっそ、手伝ってあげるのはどうかしら。」

カリーナは、普段王子にしか見せない可憐な笑顔を見せると、王子も頷いた。

サイラスは面白くない顔をずっとしていたが、皆が乗り気なため、そこまで強固に反対するのがおかしいと思ったのか、何も言わなかった。

この場にいなかったロビンは、もとよりアリシアとアーヴィンの恋を祝福しており、皆が反対しているのが、何故かわからなかった為、この結果には、満足してくれるだろう。

「私達が余計なことをして、壊れたら大変よ?何もせずに見守る、が一番よろしいんじゃないですか?」

カリーナの提案に、意見したのはヴァイオレットで、カリーナはなるほど、と納得している。



「じゃあ、基本は見守る。何かあった時に手伝ってあげれば、いいんですよね。」

カリーナが、そう言うと、皆一様に頷いた。



「納得したか?」

王子の問いかけにサイラスだけが、曖昧な笑みを浮かべていた。

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