18 / 26
本編
騎士団長の息子
しおりを挟む
凄いのは騎士団長である父であって、自分ではない。ましてや、侯爵を継ぐ身でない自分には誇れるものなど、何もない。成人するまでは、侯爵子息としての身分を保てるが、成人してしまえば、自分の身の丈にあった人生を歩まなくてはいけない。
自分が、ある年齢を超えて成長できない身であるのに気がついたのは、何度か逆ハーENDに付き合った後だった。仲良くなった女の子が、他の男と仲良くなったのに、振られず、甘い言葉を鵜呑みにしては、捨てられた。最後には全て王子の婚約者であるカリーナ様によって、制裁があり、また一から始まる。
アリシアは、何が違ったのか、わからない。けれど、俺を見た時と、他の対象者を見た時の反応がかなり違って、可愛く見えたから、俺は少し期待した。
サイラスの時も偶然を装って近づいた。驚いてはいたけれど、嫌がってはいなかったし、ロビンの時は、一度手を振り払われた時は悲しかったけれど、ロビンとのイベントをクリアさせない、と言う目標は達成した。
アリシアは、確かに逆ハーを目指していたかもしれない。けれど、俺が婚約の申し出をしたら受けてくれた。それが全てだ。
王子や、公爵令嬢との夜会での挨拶も、ちゃんと俺の側にいてくれたし、一番気になっていた王子と顔を合わせた時も興味がなさそうだった。だから、俺はアリシアとならこの先の人生を楽しむことができるんじゃないか、と期待した。
王子や、サイラスが俺の邪魔をしてくるのは、あれか。お前だけ、ズルいぞ、って言う、嫉妬かな?でも、俺だけでもこの嫌な繰り返しがなくなるなら、他の人にも影響があって、皆抜け出せるんじゃないかな?
逆ハーを封じられた後の結末は今回で、わかるから。アリシアを信じて欲しいのに。
俺は俺を選んでくれたアリシアを守ってこの呪いから抜け出すんだ。アリシアと未来を生きるんだ。
裏切りは怖いし、嫌だけど、アリシアを逃したらもう自分は恋ができなくなる気がする。
王子なんて、ヒロインなんて気にせずにカリーナ様と結婚してしまえばいいのに。
真実の愛は人それぞれなんだから。相手を誰かに強制されるなんて、ごめんだ。
アリシアに害を為そうとする者がいるなら、それがどんな人物であれ、許さない。
こうしている間にも、アリシアの身に何かあるかもしれないと思うだけで、身がちぎれる想いだ。
アリシアの小さな体を抱きしめると、そのまま眠ってしまいたくなる。
抱きしめて、離したくない。アリシアの耳が毎回赤くなるのを見るのも楽しい。慣れないのが、可愛い。
アリシアの表情を見ると、本当に俺が好きなんだと、思える。熱に浮かされたようにふわふわとした恋心を持ったまま、諦めずに生きていられるのは、今までにない感情だ。
アリシアが好きだ。アリシアと一緒に生きていく。そのためなら何でもする。
邪魔なものをすべて蹴散らせてでも、アリシアを愛すると誓った。
自分が、ある年齢を超えて成長できない身であるのに気がついたのは、何度か逆ハーENDに付き合った後だった。仲良くなった女の子が、他の男と仲良くなったのに、振られず、甘い言葉を鵜呑みにしては、捨てられた。最後には全て王子の婚約者であるカリーナ様によって、制裁があり、また一から始まる。
アリシアは、何が違ったのか、わからない。けれど、俺を見た時と、他の対象者を見た時の反応がかなり違って、可愛く見えたから、俺は少し期待した。
サイラスの時も偶然を装って近づいた。驚いてはいたけれど、嫌がってはいなかったし、ロビンの時は、一度手を振り払われた時は悲しかったけれど、ロビンとのイベントをクリアさせない、と言う目標は達成した。
アリシアは、確かに逆ハーを目指していたかもしれない。けれど、俺が婚約の申し出をしたら受けてくれた。それが全てだ。
王子や、公爵令嬢との夜会での挨拶も、ちゃんと俺の側にいてくれたし、一番気になっていた王子と顔を合わせた時も興味がなさそうだった。だから、俺はアリシアとならこの先の人生を楽しむことができるんじゃないか、と期待した。
王子や、サイラスが俺の邪魔をしてくるのは、あれか。お前だけ、ズルいぞ、って言う、嫉妬かな?でも、俺だけでもこの嫌な繰り返しがなくなるなら、他の人にも影響があって、皆抜け出せるんじゃないかな?
逆ハーを封じられた後の結末は今回で、わかるから。アリシアを信じて欲しいのに。
俺は俺を選んでくれたアリシアを守ってこの呪いから抜け出すんだ。アリシアと未来を生きるんだ。
裏切りは怖いし、嫌だけど、アリシアを逃したらもう自分は恋ができなくなる気がする。
王子なんて、ヒロインなんて気にせずにカリーナ様と結婚してしまえばいいのに。
真実の愛は人それぞれなんだから。相手を誰かに強制されるなんて、ごめんだ。
アリシアに害を為そうとする者がいるなら、それがどんな人物であれ、許さない。
こうしている間にも、アリシアの身に何かあるかもしれないと思うだけで、身がちぎれる想いだ。
アリシアの小さな体を抱きしめると、そのまま眠ってしまいたくなる。
抱きしめて、離したくない。アリシアの耳が毎回赤くなるのを見るのも楽しい。慣れないのが、可愛い。
アリシアの表情を見ると、本当に俺が好きなんだと、思える。熱に浮かされたようにふわふわとした恋心を持ったまま、諦めずに生きていられるのは、今までにない感情だ。
アリシアが好きだ。アリシアと一緒に生きていく。そのためなら何でもする。
邪魔なものをすべて蹴散らせてでも、アリシアを愛すると誓った。
1
お気に入りに追加
188
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームの正しい進め方
みおな
恋愛
乙女ゲームの世界に転生しました。
目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。
私はこの乙女ゲームが大好きでした。
心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。
だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。
彼らには幸せになってもらいたいですから。

気だるげの公爵令息が変わった理由。
三月べに
恋愛
乙女ゲーの悪役令嬢に転生したリーンティア。王子の婚約者にはまだなっていない。避けたいけれど、貴族の義務だから縁談は避けきれないと、一応見合いのお茶会に参加し続けた。乙女ゲーのシナリオでは、その見合いお茶会の中で、王子に恋をしたから父に強くお願いして、王家も承諾して成立した婚約だったはず。
王子以外に婚約者を選ぶかどうかはさておき、他の見合い相手を見極めておこう。相性次第でしょ。
そう思っていた私の本日の見合い相手は、気だるげの公爵令息。面倒くさがり屋の無気力なキャラクターは、子どもの頃からもう気だるげだったのか。
「生きる楽しみを教えてくれ」
ドンと言い放つ少年に、何があったかと尋ねたくなった。別に暗い過去なかったよね、このキャラ。
「あなたのことは知らないので、私が楽しいと思った日々のことを挙げてみますね」
つらつらと楽しみを挙げたら、ぐったりした様子の公爵令息は、目を輝かせた。
そんな彼と、婚約が確定。彼も、変わった。私の隣に立てば、生き生きした笑みを浮かべる。
学園に入って、乙女ゲーのヒロインが立ちはだかった。
「アンタも転生者でしょ! ゲームシナリオを崩壊させてサイテー!! アンタが王子の婚約者じゃないから、フラグも立たないじゃない!!」
知っちゃこっちゃない。スルーしたが、腕を掴まれた。
「無視してんじゃないわよ!」
「頭をおかしくしたように喚く知らない人を見て見ぬふりしたいのは当然では」
「なんですって!? 推しだか何だか知らないけど! なんで無気力公爵令息があんなに変わっちゃったのよ!! どうでもいいから婚約破棄して、王子の婚約者になりなさい!! 軌道修正して!!」
そんなことで今更軌道修正するわけがなかろう……頭おかしい人だな、怖い。
「婚約破棄? ふざけるな。王子の婚約者になれって言うのも不敬罪だ」
ふわっと抱き上げてくれたのは、婚約者の公爵令息イサークだった。
(なろうにも、掲載)

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
悪役令嬢だとわかったので身を引こうとしたところ、何故か溺愛されました。
香取鞠里
恋愛
公爵令嬢のマリエッタは、皇太子妃候補として育てられてきた。
皇太子殿下との仲はまずまずだったが、ある日、伝説の女神として現れたサクラに皇太子妃の座を奪われてしまう。
さらには、サクラの陰謀により、マリエッタは反逆罪により国外追放されて、のたれ死んでしまう。
しかし、死んだと思っていたのに、気づけばサクラが現れる二年前の16歳のある日の朝に戻っていた。
それは避けなければと別の行き方を探るが、なぜか殿下に一度目の人生の時以上に溺愛されてしまい……!?

誰でもよいのであれば、私でなくてもよろしいですよね?
miyumeri
恋愛
「まぁ、婚約者なんてそれなりの家格と財産があればだれでもよかったんだよ。」
2か月前に婚約した彼は、そう友人たちと談笑していた。
そうですか、誰でもいいんですね。だったら、私でなくてもよいですよね?
最初、この馬鹿子息を主人公に書いていたのですが
なんだか、先にこのお嬢様のお話を書いたほうが
彼の心象を表現しやすいような気がして、急遽こちらを先に
投稿いたしました。来週お馬鹿君のストーリーを投稿させていただきます。
お読みいただければ幸いです。

婚約破棄の、その後は
冬野月子
恋愛
ここが前世で遊んだ乙女ゲームの世界だと思い出したのは、婚約破棄された時だった。
身体も心も傷ついたルーチェは国を出て行くが…
全九話。
「小説家になろう」にも掲載しています。

侯爵令嬢の置き土産
ひろたひかる
恋愛
侯爵令嬢マリエは婚約者であるドナルドから婚約を解消すると告げられた。マリエは動揺しつつも了承し、「私は忘れません」と言い置いて去っていった。***婚約破棄ネタですが、悪役令嬢とか転生、乙女ゲーとかの要素は皆無です。***今のところ本編を一話、別視点で一話の二話の投稿を予定しています。さくっと終わります。
「小説家になろう」でも同一の内容で投稿しております。

【完結】生贄になった婚約者と間に合わなかった王子
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
フィーは第二王子レイフの婚約者である。
しかし、仲が良かったのも今は昔。
レイフはフィーとのお茶会をすっぽかすようになり、夜会にエスコートしてくれたのはデビューの時だけだった。
いつしか、レイフはフィーに嫌われていると噂がながれるようになった。
それでも、フィーは信じていた。
レイフは魔法の研究に熱心なだけだと。
しかし、ある夜会で研究室の同僚をエスコートしている姿を見てこころが折れてしまう。
そして、フィーは国守樹の乙女になることを決意する。
国守樹の乙女、それは樹に喰らわれる生贄だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる