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アーヴィンとの甘い時間を過ごすのに忙しかった私に、近づいてきた人達は攻略対象者ばかりではない。
何と、アーヴィンルート以外のルートに出てくる悪役令嬢の群れにお茶会に誘われてしまった。本来なら、男爵令嬢の私は誘われる筈がないお茶会。
王子を落とす気満々だった時なら、喜んで参加しただろうが、今は困惑しかない。だって、もう逆ハーなんて、微塵も狙っていないのだもの。
断れるものなら断りたい。無理だけどね。意地悪とかされるのかな?殺されたりしないよね。ドキドキしながら、向かったお茶会は意外にも歓迎ムードだった。
「フォーゼ男爵家が二女アリシアと申します。本日はお招きありがとうございます。」
夜会の日とは違う優しい顔で微笑む王子ルートの悪役令嬢、カリーナ・クロー公爵令嬢。
誰ですか?
夜会の日、暗殺でもされそうな瞳で睨まれていたように思うのですが。
「アリシア様。突然のお誘いでしたのに、お越し頂いて嬉しいですわ。アーヴィン様とのご婚約おめでとう。色々聞かせてくださいな。」
アーヴィンとの馴れ初めをただ聞きたいだけ?それなら、いくらでも話せるけれど。初めてお目にかかる悪役令嬢達の目が怖いのは、ゲームに引きづられているせいかしら。
サイラスルートの悪役令嬢である、ヴァイオレット様もニコニコしながら、お菓子を勧めてくれる。
サイラスルートの時の鬼の業態を見ているだけに怖いのですが。まさか本性を知ってますと言うわけにもいかず。
ヴァイオレット様は、懐中時計の件も、ご存知で、贈ったけど、アーヴィンの嫉妬で返されてしまったことを、私の惚気の一つとして、披露した。嫉妬とかではなさそうなんだけど、まあ、そう言うことにしよう。
悪役令嬢達は、何というか発言一つ一つに有無を言わさない圧があって、否定など持ってのほか、命が大切なら黙っておくべき、と思わせる。
よくあるヒドインが悪役令嬢に冤罪をかける、とかあるけど、この世界でやれば、やる前に殺されそうだ。
私は命が惜しい。
ふと、気づくとアーヴィンが迎えにきていた。カリーナ様に挨拶をしている。
一緒にテーブルを囲んでいたご令嬢達の目が私に集まるとアーヴィンが、迎えに来たことについて、愛されてらっしゃるのね、とか羨ましいとか言われる。やっぱり圧が強い。
アーヴィンの元へ今すぐ駆け出したい。怖かったと頭を撫でて貰いたい。
すっと、ヴァイオレット様の目がアーヴィンを捉えると私にしか聞こえない声で、「また今度。次は彼に内緒で会いたいわ。」と囁かれる。
何だか目が据わっていて、今度のことを考えると恐ろしくなってしまった。
何と、アーヴィンルート以外のルートに出てくる悪役令嬢の群れにお茶会に誘われてしまった。本来なら、男爵令嬢の私は誘われる筈がないお茶会。
王子を落とす気満々だった時なら、喜んで参加しただろうが、今は困惑しかない。だって、もう逆ハーなんて、微塵も狙っていないのだもの。
断れるものなら断りたい。無理だけどね。意地悪とかされるのかな?殺されたりしないよね。ドキドキしながら、向かったお茶会は意外にも歓迎ムードだった。
「フォーゼ男爵家が二女アリシアと申します。本日はお招きありがとうございます。」
夜会の日とは違う優しい顔で微笑む王子ルートの悪役令嬢、カリーナ・クロー公爵令嬢。
誰ですか?
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サイラスルートの悪役令嬢である、ヴァイオレット様もニコニコしながら、お菓子を勧めてくれる。
サイラスルートの時の鬼の業態を見ているだけに怖いのですが。まさか本性を知ってますと言うわけにもいかず。
ヴァイオレット様は、懐中時計の件も、ご存知で、贈ったけど、アーヴィンの嫉妬で返されてしまったことを、私の惚気の一つとして、披露した。嫉妬とかではなさそうなんだけど、まあ、そう言うことにしよう。
悪役令嬢達は、何というか発言一つ一つに有無を言わさない圧があって、否定など持ってのほか、命が大切なら黙っておくべき、と思わせる。
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私は命が惜しい。
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一緒にテーブルを囲んでいたご令嬢達の目が私に集まるとアーヴィンが、迎えに来たことについて、愛されてらっしゃるのね、とか羨ましいとか言われる。やっぱり圧が強い。
アーヴィンの元へ今すぐ駆け出したい。怖かったと頭を撫でて貰いたい。
すっと、ヴァイオレット様の目がアーヴィンを捉えると私にしか聞こえない声で、「また今度。次は彼に内緒で会いたいわ。」と囁かれる。
何だか目が据わっていて、今度のことを考えると恐ろしくなってしまった。
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