逆ハーENDは封じられました

mios

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本編

アーヴィンルート続行中

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アーヴィンの色気は続行中で、体格差もあって、私は既に逃げられない態勢に。いいや、今日はもうこのままアーヴィンと甘い夜を過ごしちゃおう。そして、より強固な結びつきになるのよ。そこに恥じらいがないのか?あるに決まってるでしょ?

私は淑女なのよ?アーヴィンにムラムラしてるけれど、淑女なの。自分から誘ったりはしない。誘わせるの。

アーヴィンにキスをねだると、彼は嬉しそうな顔をした後、真剣な顔になって、触れるか触れないかのキスをする。

物足りないわ。

「もう一度して?」
さっきよりは長く、キスされる。とは言っても触れるだけの。

あれ、この人。もしやキスの仕方知らないのかしら。それとも一丁前に焦らしてるの?

舐めるんじゃないわよ。

私はアーヴィンの服をギュッと握って上目遣いでキスをせがむ。

「もっと、して?」

少しずつ乱れていくのがポイントよ?他の人なら知らないけれどアーヴィンは脳筋だから騙されてくれる筈。

アーヴィンはちゃんと引っかかってくれた。獣のような貪るようなキス。やればできるんじゃない。最初からやりなさいよ。

唇を離したあと、「好き。アーヴィンが好き。」と言って、彼に倒れ込む。キスで空気が薄いから頭がクラクラする。

アーヴィンは、ただ抱きしめてくれるだけでいいのに、どう言うわけか、私を横抱きにして走り出した。

思考が追いつかなくて、されるがまま。前ならあわあわしていたが、脳筋の考えなどわかるわけないわ。諦めて、抱かれておく。手をアーヴィンの首に絡ませると動きが止まった。えっ!またキスなの?

違うの?どっち?

アーヴィンは、庭のベンチに私を下ろして、一緒に座る。ここって入っていいところなのかしら。

アーヴィンは、私の顔に張り付いた髪の毛をとってくれて、またキスを続ける。

え?ここでやるつもり?
ちょっと難易度が高すぎない?

アーヴィンは、口を離すと、私が慌てているのが面白かったのか、ひとしきり肩を震わせた。

殴るわよ?

「この薔薇を、アリシアに見せたかった。俺の庭ではないけれど綺麗だろ?」

アーヴィンの顔に薄くライトが当たって確かに綺麗。

薔薇をしょってるのも、少女漫画のヒーローみたいね。さすが乙女ゲーム。ロマンチックが過ぎるのよ。

「アリシア、俺と婚約してくれる?」

逆ハーをするなら、断らなければいけないのだけど、もういいわ。

私はアーヴィンに向けて微笑んだ。

「勿論よ。アーヴィンが好き。」

私は王子にも、研究者にも会わずに、逆ハーを諦めたのだった。
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