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本編
サイラス・ルビーの関心
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王国の宰相職を代々務めるルビー侯爵家の長男であり、第一王子の側近候補であるサイラスは、いつもと違う様子にすぐに気づいた。
(珍しいこともあるなぁ。)
普段なら場所すらも知らないのではないか、と疑ってしまうほど、図書館によりつかない人物がいるのだから。
脳筋で体を動かすことしか考えていない彼には図書館と言う場所は神秘でしかない。彼の得意とする大声や、オーバーアクションが最も似合わない場所。
成績は良くも悪くもないはずだが。
気になって、後ろから覗いてみる。気配を消さずに近づいたからか、振り向きざまに視線がぶつかった。
「サイラス、ちょっと聞きたいことがあるんだが、時間あるか?」
(本当に珍しい)
勉強をする彼を見たことがない。いつも勉強しない、と怒られているのに。
「お前が勉強するなんて、な。どうしたんだ?」
興味が湧いて尋ねると、首を傾げた。
「いや、たまには勉強もいいかな?と思っただけだ。」
話す気はないらしい。男を変える要素と言うと、まず思いつくのは、女だ。でも、こんなこと言うと怒られるかもしれないが、あのアーヴィンが女の子を好きになることがあり得るのか、という問題に行き着く。
誤解しないでほしいのは、男が好きなわけではない。ちゃんと女の子が好きなはずだ。ただ、なんて言えばいいのか、あいつはちょっと良いやつすぎる。
騙されたり、利用されたとしても仕方ない、で済ませられるほど。
何日か様子を見ていたら、これまた珍しい髪色のお嬢さんが現れた。
(ああ、あの子は確かフォーゼ男爵家の…)
彼女の視線の先には、アーヴィンがいる。不思議そうな顔をしてチラチラ見ているのが気になった。
ふと、彼女の腕に光るブレスレットに気を取られる。
(あれは…)
彼女はきちんと理解した上であのブレスレットをつけているのかが気になる。あれはメルト侯爵家に代々伝わる呪いのブレスレットだ。
彼女とアーヴィンの会話を聞いている限り、彼女は知らないのかもしれない。
知らない方が良い話ではある。
今更知った所でどうもならないことだし、様子を見ることにする。
薄情とかではない。単に面白そうだから。
あのブレスレットには、呪いがかかっていて、つけている人がどこにいようとも、どこに行こうとも、あげた本人に筒抜けになるという。
早い話が、偶然を装って近づくことができるアイテムで、皆脳筋に騙されているが、アーヴィンは結構粘着質なタイプ。
つまりは、あのお嬢さんには逃げ場はないってこと。脳筋の執着ってヤバそうだね。
「ご愁傷様。」
小さな声で呟いたが、気付いて貰えなかったようだ。残念。
(珍しいこともあるなぁ。)
普段なら場所すらも知らないのではないか、と疑ってしまうほど、図書館によりつかない人物がいるのだから。
脳筋で体を動かすことしか考えていない彼には図書館と言う場所は神秘でしかない。彼の得意とする大声や、オーバーアクションが最も似合わない場所。
成績は良くも悪くもないはずだが。
気になって、後ろから覗いてみる。気配を消さずに近づいたからか、振り向きざまに視線がぶつかった。
「サイラス、ちょっと聞きたいことがあるんだが、時間あるか?」
(本当に珍しい)
勉強をする彼を見たことがない。いつも勉強しない、と怒られているのに。
「お前が勉強するなんて、な。どうしたんだ?」
興味が湧いて尋ねると、首を傾げた。
「いや、たまには勉強もいいかな?と思っただけだ。」
話す気はないらしい。男を変える要素と言うと、まず思いつくのは、女だ。でも、こんなこと言うと怒られるかもしれないが、あのアーヴィンが女の子を好きになることがあり得るのか、という問題に行き着く。
誤解しないでほしいのは、男が好きなわけではない。ちゃんと女の子が好きなはずだ。ただ、なんて言えばいいのか、あいつはちょっと良いやつすぎる。
騙されたり、利用されたとしても仕方ない、で済ませられるほど。
何日か様子を見ていたら、これまた珍しい髪色のお嬢さんが現れた。
(ああ、あの子は確かフォーゼ男爵家の…)
彼女の視線の先には、アーヴィンがいる。不思議そうな顔をしてチラチラ見ているのが気になった。
ふと、彼女の腕に光るブレスレットに気を取られる。
(あれは…)
彼女はきちんと理解した上であのブレスレットをつけているのかが気になる。あれはメルト侯爵家に代々伝わる呪いのブレスレットだ。
彼女とアーヴィンの会話を聞いている限り、彼女は知らないのかもしれない。
知らない方が良い話ではある。
今更知った所でどうもならないことだし、様子を見ることにする。
薄情とかではない。単に面白そうだから。
あのブレスレットには、呪いがかかっていて、つけている人がどこにいようとも、どこに行こうとも、あげた本人に筒抜けになるという。
早い話が、偶然を装って近づくことができるアイテムで、皆脳筋に騙されているが、アーヴィンは結構粘着質なタイプ。
つまりは、あのお嬢さんには逃げ場はないってこと。脳筋の執着ってヤバそうだね。
「ご愁傷様。」
小さな声で呟いたが、気付いて貰えなかったようだ。残念。
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