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本編
なんでいるの?
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初心者向けのアーヴィンが攻略できると、次は宰相の息子が割と攻略しやすい。彼は頭が良すぎてヒロインを馬鹿にするけれど、頑張っている様子に絆されて徐々に認めてくれる。彼の名前はサイラス・ルビー。侯爵家長男で、偉そうな喋り方が特徴。同じ侯爵家でありながら、脳筋のアーヴィンとは仲良くしていなかったような。
彼は主に図書館にいるので、最近勉強していなかったこともあって、とにかく図書館に行ってみる。
外見は、長めの金髪で後ろに一つに括っていて、眼鏡をかけている。俗に言うツンデレで、仲良くなると、案外可愛いキャラだった気がする。
アリシアが図書館へ行くと、何故かゲームでは登場しなかったアーヴィンが別の机で勉強しているのが見えた。こちらに気付いた様子はない。声をかけずに様子を見ていると、教科書を見ながら、ひたすらペンを走らせている。
ゲームでの彼は勉強している様子が全くなく、たまには勉強しろ、と叱られていたので意外だった。
スチルの背景らしきところを探す。少しずつ移動していくと、まさかのアーヴィンの机の辺りが、まさにその場所だった。
ここでアリシアが思ったことは、(アーヴィン、邪魔だなぁ。)だったのだけど。
アーヴィンはアリシアが近くまで来ると、嬉しそうに席を引いて、勧めてくる。
座らないわけにいかないけれど、座ってしまったらスチルがどうとか言ってられないし。
アーヴィンは、椅子に座らないアリシアに不思議な顔をして、笑顔で自分の膝を勧めてきた。
「こっちがいいなら、どうぞ。ちょっと固いかもしれないけれど。」
アリシアが真っ赤になって、拒否するのを嬉しそうに聞いて、椅子をもう一度勧める。アリシアは座るが、もうすっかりサイラスのことは頭から抜け落ちていた。
アーヴィンは意外にも頭も良いみたいだ。サイラスに教えて貰おうと思っていた難しい問題も、アーヴィンが馬鹿なアリシアにもわかりやすく教えてくれる。
「意外性があった方がモテるだろ。」
ゲームだと、モテなど意識しなかったアーヴィンなのに、不思議だ。
アーヴィンと勉強していると、アーヴィンに話しかけている人がいる。私は難問を解いていて大変だったので気がつかなかったのだが、どうやらサイラスが現れたらしい。
アーヴィンとサイラスは仲良いみたいだ。意外。私は挨拶をしてイケメン二人をチラチラ観察する。話なんて合うのかな。
サイラスは、チラッとこちらを見たあとに、ニヤッと笑った。背筋がぞくっとする。
「ご愁傷様。」
凄く小さな声で誰かがそう言った。
彼は主に図書館にいるので、最近勉強していなかったこともあって、とにかく図書館に行ってみる。
外見は、長めの金髪で後ろに一つに括っていて、眼鏡をかけている。俗に言うツンデレで、仲良くなると、案外可愛いキャラだった気がする。
アリシアが図書館へ行くと、何故かゲームでは登場しなかったアーヴィンが別の机で勉強しているのが見えた。こちらに気付いた様子はない。声をかけずに様子を見ていると、教科書を見ながら、ひたすらペンを走らせている。
ゲームでの彼は勉強している様子が全くなく、たまには勉強しろ、と叱られていたので意外だった。
スチルの背景らしきところを探す。少しずつ移動していくと、まさかのアーヴィンの机の辺りが、まさにその場所だった。
ここでアリシアが思ったことは、(アーヴィン、邪魔だなぁ。)だったのだけど。
アーヴィンはアリシアが近くまで来ると、嬉しそうに席を引いて、勧めてくる。
座らないわけにいかないけれど、座ってしまったらスチルがどうとか言ってられないし。
アーヴィンは、椅子に座らないアリシアに不思議な顔をして、笑顔で自分の膝を勧めてきた。
「こっちがいいなら、どうぞ。ちょっと固いかもしれないけれど。」
アリシアが真っ赤になって、拒否するのを嬉しそうに聞いて、椅子をもう一度勧める。アリシアは座るが、もうすっかりサイラスのことは頭から抜け落ちていた。
アーヴィンは意外にも頭も良いみたいだ。サイラスに教えて貰おうと思っていた難しい問題も、アーヴィンが馬鹿なアリシアにもわかりやすく教えてくれる。
「意外性があった方がモテるだろ。」
ゲームだと、モテなど意識しなかったアーヴィンなのに、不思議だ。
アーヴィンと勉強していると、アーヴィンに話しかけている人がいる。私は難問を解いていて大変だったので気がつかなかったのだが、どうやらサイラスが現れたらしい。
アーヴィンとサイラスは仲良いみたいだ。意外。私は挨拶をしてイケメン二人をチラチラ観察する。話なんて合うのかな。
サイラスは、チラッとこちらを見たあとに、ニヤッと笑った。背筋がぞくっとする。
「ご愁傷様。」
凄く小さな声で誰かがそう言った。
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