王子様は愛されすぎる

あーん ＊妄想

▶︎サシャ目線

デヴィンがどんな酷い妄想をしてるか、わからないけど、私は私で、取り合い、といえば、これしか思いつかない。

だって、恋ってしたことないのよね。
ノアの婚約者候補だったけど、彼は恋人と言うより可愛いワンコ枠だったし。
なんせ、ないはずの尻尾が見えたもの。　

人生で一度ぐらいは恋ってしてみたい
わ。そして願わくば、あーん、ってして、ご飯を食べさせ合いっこしたい。

そして、私の趣味を馬鹿にしないで、
侯爵家のお金も当てにしないで、でも、侯爵としての仕事をしてくれて、わたしをありのまま見てくれて愛してくれる人、何処かにいないかしら。

＊
ご飯のときに、苦手な野菜をノアの皿に置いてしのごうとしていたエリアスに、ノアは自分の皿から、除けた野菜をあーん、と食べさせた。

ノアに食べさせてもらえば食べるエリアス。

アルノルトも、大きな野菜をノアの口にあーん、と入れる。もぐもぐたべていたら、まだ中に入ってるのに、またあーんと入れる。
困ってるのを見るのが楽しいようだ。

＊

私の妄想は短いわね。

＊
「あーん、ならいくらでも、重くできるわよ。あーんで妄想するとしたら、ノアがあーんってしてくれた指まで舐めるとか。口移しで、水を飲ませるとか、あーんで、舌を出させて、絡めるとか、いくらでも。」

＊

あーんは、思っていたよりも奥が深いのね。



▶︎デヴィン目線

サシャの軽めの話はどれも可愛らしい。
それに比べて私は、欲求不満なのかしら？思春期だから？

あと、このあーんって単語、恥ずかしいわよね。やたらと卑猥に聞こえるの、これって、私だけかしら。

どうしても、激しいのに惹かれるのよね。

＊
はい、あーん、口を開けて？
ノアは不思議そうに口を開けた。
いつも素直にされるがままになってるのが、兄として心配だ。

酷いことするのはたいていぼくだけどね。

あーん、といって、僕の物をノアの口に入れ、口の中の温かさを感じる。
今すぐにでも、精液をだせるぐらい、気持ちがいい。

喉の奥まで、突いたら、苦しそうにしたが、舌で丁寧に舐めて綺麗にしてくれる。たまらず、精液を口の中に放出する。

「はい、あーん。」
中の液体をこぼさないよう、きをつけて口を開けるノアの上目遣いに興奮する。

「全部飲むんだよ。」
いいきかせると、喉の奥がゴクリと音を立てた。

＊

あら、アルノルト様だけになってる？
エリアス様はまだ若いから、あまりこう言う妄想をすると、いけない気になるのよね。

サシャには今更だわ、と一蹴されそうだけど。