35 / 38
光には内緒の話(隼人)
しおりを挟む
心配させると思って内緒にしている話がある。俺は、光が何を悩んでいるか、わかりかねていた時、もしかしたら、と思い至りすぐさま解決するように、取り掛かったことがある。
光はもう会いたくないだろう人。光の兄。父親は、法律上で守って貰えるが、兄はまた別だ。実際、光のバイト中に、家に来たことがある。随分、大人しそうに見えた。こんな少年が光に無理矢理関係を迫ったとかにわかには信じられないが、光が言うのだから本当な筈だ。
俺を見ておどおどしている光の兄は、何やら言い訳をたくさんしていたが、かまをかけたら、認めた。少しばかり話をして別れる。
まあ、あれだけ脅せば大丈夫だろう。光の兄はある意味わかりやすいタイプだった。体の大きな俺みたいなタイプには、おとなしい。光には俺がいる限り指一本触れるな、と言えば、何度も頷いていた。
光だけなら、どんな態度に出る予定だったのか少し気になったが、俺を怒らせるのは得策ではないと考えたらしい。
光のお姉さんが前に来た時にも同じようなことを言っていたし、今は光には味方が多い。光自身の変化もあるのかもしれないが、周りにも目を向けて、光が心配することをなくしていければ良いと思う。
俺がいる時は、いくらでも頼ってくれたらいいのに、それを光は遠慮してしまう。そんな光だからこそ、なんとかしてやりたいと思うのだが。
兄は大学受験を失敗した時におかしくなったと言うが、それは光には関係ない。今は大学に通えているのだし、彼女だって、彼氏だって作れば良い。光をはけ口にするなど、どうして、考えられたのだろう。光が自分に自信がないのは、家庭環境によることが大きいのかも。まあ、まだ高校生なのだから、お互いに成長していけば、殻を破ることだってできるだろう。
光の邪魔になる者は、取り除くことができたら良いが。それは一人では難しいだろう。光にも今以上に強くなってもらわないと戦えない。物理で戦うわけではないから、精神的なことなんだけど。
光は最近、整形したいと言わなくなった。したくないわけではないらしいけれど、俺が可愛いと言いすぎて、俺が容姿を気に入っていると勘違いしている。いや、気に入ってないわけではないが、特にそれだけではないのだけど、わかってなさそう。
でも確かに光の顔が変わってしまうのは勿体ない気もするが、それで狙われないのなら一番だと思う。俺は心配しなくても、光を離したりはしない。顔が少々変わろうと光は光だから。
俺がこう思ってるって光にわからせる方法はないだろうか。言うだけじゃ足りないだろう。光は心配症だから。
光はもう会いたくないだろう人。光の兄。父親は、法律上で守って貰えるが、兄はまた別だ。実際、光のバイト中に、家に来たことがある。随分、大人しそうに見えた。こんな少年が光に無理矢理関係を迫ったとかにわかには信じられないが、光が言うのだから本当な筈だ。
俺を見ておどおどしている光の兄は、何やら言い訳をたくさんしていたが、かまをかけたら、認めた。少しばかり話をして別れる。
まあ、あれだけ脅せば大丈夫だろう。光の兄はある意味わかりやすいタイプだった。体の大きな俺みたいなタイプには、おとなしい。光には俺がいる限り指一本触れるな、と言えば、何度も頷いていた。
光だけなら、どんな態度に出る予定だったのか少し気になったが、俺を怒らせるのは得策ではないと考えたらしい。
光のお姉さんが前に来た時にも同じようなことを言っていたし、今は光には味方が多い。光自身の変化もあるのかもしれないが、周りにも目を向けて、光が心配することをなくしていければ良いと思う。
俺がいる時は、いくらでも頼ってくれたらいいのに、それを光は遠慮してしまう。そんな光だからこそ、なんとかしてやりたいと思うのだが。
兄は大学受験を失敗した時におかしくなったと言うが、それは光には関係ない。今は大学に通えているのだし、彼女だって、彼氏だって作れば良い。光をはけ口にするなど、どうして、考えられたのだろう。光が自分に自信がないのは、家庭環境によることが大きいのかも。まあ、まだ高校生なのだから、お互いに成長していけば、殻を破ることだってできるだろう。
光の邪魔になる者は、取り除くことができたら良いが。それは一人では難しいだろう。光にも今以上に強くなってもらわないと戦えない。物理で戦うわけではないから、精神的なことなんだけど。
光は最近、整形したいと言わなくなった。したくないわけではないらしいけれど、俺が可愛いと言いすぎて、俺が容姿を気に入っていると勘違いしている。いや、気に入ってないわけではないが、特にそれだけではないのだけど、わかってなさそう。
でも確かに光の顔が変わってしまうのは勿体ない気もするが、それで狙われないのなら一番だと思う。俺は心配しなくても、光を離したりはしない。顔が少々変わろうと光は光だから。
俺がこう思ってるって光にわからせる方法はないだろうか。言うだけじゃ足りないだろう。光は心配症だから。
0
お気に入りに追加
58
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。


どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


変態高校生♂〜俺、親友やめます!〜
ゆきみまんじゅう
BL
学校中の男子たちから、俺、狙われちゃいます!?
※この小説は『変態村♂〜俺、やられます!〜』の続編です。
いろいろあって、何とか村から脱出できた翔馬。
しかしまだ問題が残っていた。
その問題を解決しようとした結果、学校中の男子たちに身体を狙われてしまう事に。
果たして翔馬は、無事、平穏を取り戻せるのか?
また、恋の行方は如何に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる